吸血大殲 第13楽章 〜血華の夜想曲〜

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401トレス・イクス(M)
>399 トレス・イクス(M)VS板東英二
 
 コンクリートの壁すら障子のようにぶち破る対物ライフルの銃弾が顔面目掛けて飛来する。
 回避など間に合わない――!
 顔面を真正面から捉えたそれを受け、トレスの体が紙切れの様に宙を舞った。
 損傷していた光学センサーの周囲から、内部に破損が広がっていく。
 人工皮膚が弾け飛び、人造筋肉が悲鳴を上げて裂ける。
 顔面から皮下循環剤があふれ出す。
 その体が地面に落ちてバウンドした。
 数秒、そのままぴくりとも動かないと思われた時、
 
「知覚系統に新たな損傷は認められず。戦闘を続行する」
 
 だが、それでもトレスは立ち上がる。
 相変わらず聴覚のみを頼りに刺客の位置を捕捉。
 それと同時に、僧衣の背中から20ミリバルカンキャノンを取り出して刺客と車へ向け。
 
 不気味な音と共に毎秒二十発、直径二十ミリの重機関銃弾が吐き出された。
 その銃弾は、バルカンキャノンであるにもかかわらず、まるでライフル並みの精密さで目標を狙っていた。
 慌てて別の物陰へと逃げようとする刺客の腕がズダボロになって消し飛んだ。
 更に先ほどの車が、まるでボロ雑巾の様に銃弾を撃ち込まれるたびに踊り、その姿を変形させていく。
 数秒と立たない内にガソリンに引火、爆発した。
 
 刺客が物陰に逃げ込んだのを確認し、バルカンキャノンを投げ捨てて追跡を再開した。
402サウジーネ ◆Um3B.Xh6 :02/02/19 04:57
>400
 
(C>9 ファンブル! 現在、さつき、1ポイント。残り4ターン)
 
チーマーたちの絶叫とともにたちまち辺りは血に染まり、混乱の渦に巻き込まれた。
血と臓物が周囲に飛び散り、チーマーの生首が地面に転がる。
 
――ありえない非日常。
 
――地獄としか形容のしようのない光景。
 
通行人たちはパニックを起こして、脱兎のごとく逃げ去る。
そして、その場にはさつきと1人のチーマーが残った。
 
最後のチーマーが正体をあらわす。
やはり、サウジーネだった。
 
「あはは、いい殺りっぷりですね? もう、大分、魂の中心部分が闇に侵食されていません?」
 
さつきをそうやって、サウジーネは嘲る。
 
「でもですね〜、少し、華麗さに欠けますね〜! どうせ、やるならこれくらいやりましょうよ♪」
 
騒ぎを聞きつけて、駆けつけてきた警官たちに対して、サウジーネは何やら呪文を詠唱する。
直後、警官達の足元に魔方陣が出現、黒い炎がたちまち警官たちを灰にした。
 
「あは、どうです、なかなかでしょう? ああ、折角ですから、授業料、いただきますね♪」
 
サウジーネの右手から放たれた光弾がさつきの左肩を撃ち抜いた。
 
「じゃあ、又、追いかけてきてくださいね〜! ああ、そろそろ、ここは騒がしいですから、場所を変えましょう。
ええと、繁華街の外に逃げますから♪」
 
そういい残して、再び、サウジーネの姿が消える。
 
 
繁華街の外れに施設がある。
いわゆる孤児院という奴だ、
今度はサウジーネは、少年に姿を変え、そこに潜り込む事にした。
 
孤児院はどうやら、夕食が終わって、皆、大部屋でのんびりとしている。
親の顔を知らない子供たちにとって、心が癒される希少な時間でもある。
 
サウジーネは孤児院の窓から通りを見る。
……来たようだ。
精神感応でさつきに呼びかける。
 
(今度はこの建物の中にいます。一人の子供に化けてますよ〜)
 
さつきが孤児院のドアを開ける。
突然、現れた血まみれのさつきを見て、子供たちは大混乱に陥る。
泣き出すもの、逃げようとするもの、様々である。
そして、今回はサウジーネもそれらの子供に混じって、巧妙に『演技』を行っていた。
 
(あはは、さあ、頑張ってくださいね。チーマーさんたちを殺るより労力は少ないでしょう? 
きっと、血も美味しいですよ? みんな、処女・童貞ですから♪)
403坂東英二(M):02/02/19 05:08
>401 トレス・イクス(M)VS坂東英二(M) 
 
 痛い痛い痛い痛い痛い。
 極限の更に先で極まった痛みは、反転して途方もない快楽に変わる。憎悪が愛と結婚し、育まれるのは捻くれ曲がった至福の瞬間。
 この時、坂東の汚怪かつ溶けかかった脳髄に轟いていたのは、桃源郷で流れるがごとき絢爛豪華たる調べだった。
 ただし魔界の。それは既に人が到達しうる地平ではない。
 一本残った右手が、腰のホルスターから最後の武器・デザートーグルを引き抜いた。
 訳も無く爆笑しそうになる。左手で口を塞ごうとしてもう無いのに気付き、更なる笑いがこみ上げた。
 何とか堪え、丁度曲がり角のすぐ脇の壁に背を預ける。
 来た。足音が近づいて来る。 
 一呼吸置き、デザートイーグルごと身体を今自分が来た方へと突き入れた。
 黒い穴が目の前にあった。これまで数限りなく人に向け、自分も向けられてきた虚ろな穴が。
 トレスの“ディエス・エレ”の銃口である。坂東とトレスは、武器を互いの脳天に突きつけたまま見つめ合った。
 
 人と機械の差はあれど、鉄火以て闘争し、共に拳銃使いの二つ名持てる二匹の獣、今ここに相対す。
 
 坂東は引き攣ったような笑い声を上げた。流血の所為で、もうその顔色は蒼白に近い。
 
「さあて、このままズドンでもいいんだけどな、バカチンのあんちゃんよう」 
 
 距離を測りつつ、そろそろと坂東は後ろに下がる。 
 
「おめえも拳銃使いだろ? ならガンマンらしくあれでケリつけようや。――早撃ちだよ」 
 
 遠くからサイレンの音が近づきつつある。ようやく警察が重い腰を上げたらしい。 
 半ば以上戦場と化した付近には、もうそれを為した二人しか動く影は無い。 
 
「銃はホルスターに入れて、コインが地面に落ちたら撃ち合うんだよ。誰も見てねえからよ、こっ恥ずかしかねえ。どうだ?」 
404トレス・イクス(M):02/02/19 05:23
>403 トレス・イクス(M)VS板東英二
 
 気にしない。
 このまま引き金を引けばこの刺客は死ぬ。
 頭をぐずぐずの肉塊にして。
 情報が途切れるのは損失だが、それは容認される範囲だ。
 そもそも、この遭遇戦こそがイレギュラーなのだから。
 
「いいだろう(ポジティヴ)」
 
 だが、トレスの口が発した言葉は短い肯定。
 一体、何を思ってその勝負を受け入れたのか。
 いつの間にかミラーシェードを掛けていたトレスの表情はまったくうかがい知れない。
 
「お前は必ず生かして捕らえて、聖天使城(サンタンジェロ)の審問室に送ってやろう」
 
 言い訳めいた言葉を発して、トレスは銃を閉まって距離を取る。
 
「常駐戦術思考を強襲戦仕様から決闘者仕様(デュエリストモード)へ書き換え」
405坂東英二(M):02/02/19 05:44
>404 トレス・イクス(M)VS坂東英二(M) 
 
「ケヘヘヘ、よっしゃ。燃え燃えのシチュエーションだのー」 
 
 坂東もトレスに合わせ後ずさる。
 両者の距離はほぼ五メートル。この二人の腕前なら目をつぶっていても――今のトレスには無いが――当てられる距離だ。
 同時に二つの銃が各々のホルスターに収まった。ズボンのポケットを探った坂東の右手が百円硬貨を取り出す。
 
「じゃ――いくぜ」 
 
 済んだ音。天高く跳ね上がった百円玉は、方々で上がる火の手を受け夜の中で煌く。
 コインが二人の目の高さまで落下して来たその一瞬――。
 電光のごとく弾けた坂東の手はデザートイーグルに掛かっていた。 
 最初から正々堂々の早撃ちなどやる気は無い。気ほども無い。 
 
 あはははははは、このバーカ。俺様はガンマンじゃねえ。俺は――。 
 
「殺し屋なんだよハゲェ!!」 
 
 デザートイーグルの銃口がトレスの額をポイントしたその時――。
406トレス・イクス(M):02/02/19 06:17
>405 トレス・イクス(M)VS板東英二 エピローグ
 
「〇・〇二秒早い」
 
 硝煙を上げる"ディレス・エレ"、宙を舞う刺客の手首とデザートイーグル。
 世界最大の戦闘拳銃が吐き出した銃弾は、手首ごと得物をはじき飛ばしていた。
 男はガンマンも殺し屋も続ける術を失って膝を付く。
 "ガンスリンガー"は相手の挙動を細大漏らさずトレースしていた。
 だからこそ、刺客の卑怯な手段にも瞬時に対応できたのだ。
 
 〇・〇二秒後、百円玉が地面に落ちて澄んだ金属音をさせた。
 
「戦域確保(クリア)――抹消(デリート)〇、制圧(ダウン)一。作戦終了(ミッションコンプリート)」
 
 トレスは未だ動けずにいる男へと詰め寄って――その顔を殴りつけた。
 吹っ飛ぼうとする男の胸ぐらを素早く掴んで、引き寄せる。
 
「立って歩け。お前には聞くことがある」
 
 言葉とは裏腹に、トレスは男の襟首を掴んで引きずりながらその場を去っていった。
 
 
                               JAPANESE GUNSHOOTERS(完)
407坂東英二(M):02/02/19 06:29
ヴぅおぅイ〜〜ス(CV:長介)。レス番纏めだー。 
 
トレス・イクス(M)VS坂東英二(M) 
 
>372 >375 >378 >380 >383 >384 >387 >390 >393 >397 >399 >401 >402
>404 >405 >406
 
一晩付き合ってくれたトレス神父にゃあジャイアントに感謝ッスわ。 
Bloody carnival and ... Destroy! Destroy! Destroy! 〜久遠美喜(M)vsミア・フォーテー
>369

「あっという間にバラバラか。・・・でも、まだタリナイみたいだね」

インスタントの怪物が、イドの怪物によって解体され、物言わぬガラクタへと逆戻りした。
圧壊した瓦礫の下からピンク色をした『何か』をはみ出させているのみの状態へと。

「勿体ないから再利用。one, two ... three!!」

その言葉に合わせたかの様に、ピンク色の『何か』がズルズルと音を立てて這い出してきた。
それはぶるっと蠕動すると、触手のようなものを伸ばして骨面の妖魔に襲い掛かる。

『何か』―――先ほど妖魔自身で下拵えした大量の挽肉が、あっという間に妖魔の全身を覆いつくしてゆく。

「イッパイ食いな。お代わりは自由だぞ?」

屍肉のスライムに飲み込まれた夢魔の様子を、遥か上空で見守る死人使いの少女。
倒壊したビルの陰に隠れている少女を見つけると、そちらの方にもミンチの一部を切り離して飛ばす。

「アンタにもゴチソウだ。ハラワタ破裂するまでたっぷり食べろ」
409久遠美喜(M):02/02/19 15:13
>408
 
「――――――あ、」
 
 胃液に喉が焼かれて声が出ない。
 
「――――あ、ああ……」
 
 はず、なのに。
 
 爛れるほどの恐怖がべったりと染み付いて無理矢理音を搾り取っていく。
 ホークの巨体に屍肉が群がり、その赤黒い肌を包んでいく。
 赤が混じった白っぽいピンクがどす黒く滲んで薄緑の斑が蒼褪めてぬめって
 朱に染まった空気が風に乗って空を曇らせて――――嫌、嫌、嫌!
 
 
 目を、開けると。
 私の膝に、桃色の肉襞が乗っている。
 
「ひ――――――」
 
 ぬるりとした触感が太ももを撫でて背筋を這い登っていく。
 ぴちゃぴちゃという音が爪の先から忍び込んでくる。
 どんよりと臭うのは生臭さの中に混じった流行の香水の臭い。
 まじまじと肉の粘泥が乳房の先端をこねているのを見てしまうのは何故?
 どろりと口腔内を犯す温い血と肉と体液の味――――
 
「…………いやぁっ」
 
 じっとりと肉からはみでた眼球が私を見ている。
 ぬるぬると唾液の跡を残し、無数の舌が私を隈なく舐めて味わう。
 えっえっと漏れる私の嗚咽を肉襞は静かに聞いている。
 ぬたぬたと私の感触を何度も何度も何度も何度も確かめる溶けた手。
 ぶつぶつと私の髪を嬲った肉塊に穴ができ、その鼻腔が匂いを嗅いで――――
 
 
 
「嫌ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
 
 悲鳴が炎を呼んだ。周囲を爆炎が埋め尽くし、肉を全て焼き払う。
 
「あうう……ひぐっ、えっ、えう……いやあ……あっ、うぐっ……」
 
 それでも震えが止まらない。嗚咽が止まない。
 自分を抱えるようにして、守るようにして、へたり込んでいることしか出来ない。
 涎や鼻水が涙に混じって顔の表面がねたねたしたが、とても拭くことは出来なかった。
>371 vsジャッジ・デス
 
「なんやねん、自分……」
 
目の前の男はあまりに奇妙な出で立ちやった。
こんな格好の男、通りにおったら目立つやろに……まるで気づかんかった。
 
男の側には、もう十人以上の人間が転がっとる。
みな急所を一撃や……苦しまんかったんが、唯一の救いやろな……。
 
「罪人よォ、こォれよりィィ裁きを下ァァすッ!」
 
男がなんやらこっちを向きおった。目は……ばっちりワイを捉えとる。
臨戦態勢……ってやつやないか、これは!
クソが、トンガリがおらんでもワイにはなんか憑いとるんとちゃうか!?
 
まあ、ええわ。ンなこと。
 
十字架を縛り付けるベルトを引っ張る。
バチバチと留め金が外れ、十字架を被う布が取れた。
出てきた身の丈ほどもある十字架の交差部を捻ると、セーフティが外れて銃身が顔を出す。
 
「とりあえず――オンドレはけったくそ悪い」
 
銃口が真っ直ぐに男を捉え、目を潰すマズルファイアと共に無数の弾丸を吐き出した。
411導入1:02/02/19 17:31
(V.L.(使役中) vs フローズンハーフ 〜後始末の行方〜) 
  
「……いやねぇ、まったく……」 
 フローズンハーフ(註:オカマ)は悪魔城を離れ、ぷかぷかと浮かんでいた。 
「伯爵様は要らないって仰ったけど、私にも責任はあるし、やっぱり探さなきゃねぇ……」 
 事の起こりは数日前。たまたま宝物庫の番をしていたフローズンハーフ(註:オカマ)だったが、 
 油断した隙に一本だけ、杖を盗まれてしまったのだ。 
 ネクロマンサーの杖――――死者を使役する、魔力を持った杖を。 
「でも、何でアレを持っていったのかしら?」 
 魔力の痕跡を追いながら、ついつい独り言が漏れるフローズンハーフ(註:オカマ)。
「あれ、欠陥品なのに……」 
・ 
・ 
・ 
「よくやった! アリ型キメラヴァンプよ!」 
「アリ難き幸せ」
「これがロードヴァンパイアを使役できる魔法の杖だな」 
「はっ。ナハツェーラー様」 
 人形使いナハ(略)とその配下、アリ型キメラヴァンプ。 
 悪魔城からネクロマンサーの杖を盗み出したのはリァノーンに代わるロードを求めていた、 
 イノヴェルチ……というか、ナハ(略)だった。 
 
「さっそく試してみるか。下がっていろ!」 
 ナハ(略)は、欠陥品と赤い札のついた杖を振りかざした! 
 たちまち足下に魔法陣らしきものが浮かび上がると、一人の青年が現れる。 
 人間とは明らかに違う精気のない白磁のような肌、流麗な金髪、群青の装束。 
 伝承にある、由緒正しき吸血鬼の王……のはずだった。
 だが、血走った目でナハ(略)たちが見守る中、そいつが発した言葉は……。 
 
「マァマァマターリシヨウヨ」 
 
「……」 
「……」 
「……ロードか?」 
「そうですけど、何か?」 
  
 今日も、ナハ(略)の策は完璧だった。 
412導入2:02/02/19 17:31
(V.L.(使役中) vs フローズンハーフ 〜ボケるもの突っ込むもの〜) 
 
「わ、私が召喚したのだから、我が名に従え!」 
「はぁ、では何をしますか? 掃除ですか? お茶でも淹れますか?」  
「いらんわっ! そんなことより、お前の力を見せてみよ!」 
 言いつつ、杖に付属していたマニュアルに目を通す。 
 そこにはこのロード、らしきものが出来ることが記されていた。 
「何、お前はロードを召喚できるのか?」 
「……あまりお勧めしませんが」 
「貴様よりはマシだろう、してみせろ」 
「……わかりました」 
 
 面倒そうに呟くと、それっぽい印を結んで呪文を唱える自称ロード。 
 すると、足下に幾つもの魔法陣が浮き上がった。 
 その円陣から、にゅっと手が伸びてくる。 
  
「お、おお!」 
  
 期待に目を輝かす、ナハ(略)。 
 大量の円陣、どれからも手が湧き出てきて……………………プツン、と途切れる。 
  
 召喚できたのは手先だけだった。 
 
「魔力の素が薄いですね。手しか召喚できませんでした」 
「ふ、ふざけるな〜!」  
 足下と言わず空と言わず、手先ばかりが大量に召喚される。 
 アリ型キメラヴァンプはそれに押しつぶされて、動かなくなった。 
 ナハ(略)も妙に爪の長い手に肩を掴まれ、悲鳴を上げる。 
 ロード? は何が楽しいのか、その一つと握手していた。 
 
 手の一つをナハ(略)の顔に押し付けながら、ロード(仮)は続けた。 
「次は何をしましょうか?」 
・ 
・ 
・ 
「……なんだか、大きいんだか間が抜けてるんだか、微妙な魔力ねぇ」 
 フローズンハーフは、魔力の痕跡が急に大きくなったことに気付いた。 
「あっち、かしら」 
 ふわふわと浮きながら、ナハ(略)たちの元へ雪オカマは向かう。 
 ヘタレとボケに今、突っ込みが迫る! 
>411 >412 (V.L.(使役中)vs フローズンハーフ 〜まぬけとオカマの適当ふぁいと〜)

魔力の在る方角めがけて、雪オカマは飛んでいく。
しばらくの間飛び続け、だいぶ近くなってきたので、眼下の森に目を向けると……
 
「…うぁ、何アレ?」
 
森の一部を覆い尽くすかのように、青白く爪が長い、吸血鬼の手『だけ』が
大量に生えていた。
よく見ると、空中からも生えている。
さすがに悪魔城でそれ以上に気持ち悪いものとか変なものとかは
見なれていたフローズンハーフだが、
これだけ大量に生えているのはそうそう見ない。
「………何を考えてこんなモノ出したのかしら…」
左手で軽く頭を押さえながら、うめくよーに呟いた。
 
「……ま、とりあえず…邪魔だからつぶしちゃいましょ」
ぽつりと漏らすと、手を右手を上に掲げ、冷気を凝縮して空中に氷塊を作り出す。
大きさは赤ん坊の頭くらい。
数は適当に多めの方向で。
 
「えい」
 
気の抜けた声といっしょに手を振り下ろすと、氷塊がいっせいに森に落ちていった。
VSG.G.スレイマン【毒を以て毒を制する闘い】
>392
 
「げげげっげげええええっ!!」
 
 全身にいくつもの穴が穿たれて、魔族は絶叫する。穴という穴から鮮血があふれ出し、足下に赤黒い水たまりを
生み出していた。焼けこげた肉の臭いが漂う室内に、上書きするように血臭が広がる。常人であれば、嘔吐しかね
ないほどの猛烈な匂いだ。
 
 足下に広がる血溜まりは、刻一刻と大きく広がっている。通常の生き物であれば、一気にこれほどの血液を失え
ば失血死は免れない。

 だが――――
 
 聞こえているだろうか。室内に静かに響く、口笛のような旋律が。
 
 ……ろおおおおおおお……―――
 
 『歌』――そう呼ばれる、美しくも不可解な旋律。

 股間に生えたもうひとつの顔――まるで干し首のような奇妙なそれが謡い上げるその歌は、魔族の周囲に恒常的
に魔力圏を維持し続ける為の途切れることのない呪文詠唱だ。恒常魔力圏と呼ばれるこの空間の中にあっては、
ありとあらゆる現象が、魔族の支配下におかれる。

 そう――自らの肉体、それ自体も。
 
「いー……て、え、よー、いて、てえ、いてえんだよおおおお―――おっ!」

 無茶苦茶に背中から生えた首を振り回しながら、魔族が叫ぶ。
 口をいっぱいに開けて、ぐるんと白目をむきながら。

「おうおうおうおおおおうっ――――!」

 瞬間。流れていた歌声が、一層その強さを増していた。
 流れ続けていた血液が、その傷口を埋め合わせるように一瞬で凝固。それは変色し膨張する。瞬き数回と言った僅
かな時間で、魔族の肉体は攻撃を受ける前の状態に復元。

「らんららんらあああん! ほうほうほうほほほおおおうっ!」

 その自らを誇るように、歓声を上げて、両腕を自らが貼り付いている壁に叩きつけた。衝撃で落下した機材が、周囲
に散乱している肉塊にぶつかり、重く湿った音を立てる。
 魔族はこの上ない笑顔をその顔に浮かべて、

「おおおおおう――おおかえしいいだああああっ!」

 飛蝗のような足を伸張させて、一気に天井まで跳躍。眼下にスレイマンを捕らえつつ、魔族はさらに叫びを上げた。

 魔法発動。魔族の周囲にスレイマン自身が使った「呪弾」に酷似した魔力隗が複数発生。二十近い数のそれらは、
鈍いうなりを上げて、なにかを探すようにぐるぐると回転する。それらは、戸惑うように一瞬だけ制止すると――――

 その全てが、複雑な軌道を描きながら、一斉にスレイマンに向けて躍りかかった。
415V.L.(使役中):02/02/19 18:42
>413 (V.L.(使役中) vs フローズンハーフ 〜仁義なきボケあい〜) 
 
「何も考えていませんが、何か?」 

 空から唐突に、アラレが降ってきた。 
 グレープフルーツ大、いやそれ以上の局地的天変地異だ。 
 ベキャベキャと音をたてて、召喚したバンパイア・ロード(腕のみ)が潰されていく。 
 
 当然、V.L.とナハ(略)も。 

「やな天気ですね〜」 
 頭に三つばかり氷塊を載せ、何故か平然としているV.L.。 
 一方ナハ(略)=ヘタレは、右往左往してその氷を避けていた。 
「天気なわけあるかっ! 上を見ろ、上を!」
 言われるままに上を見る……すると、どっかで見た青い人が浮かんでいた。 
「……浮いてますね」 
「誰が感想を言えと言った。あれが元凶だろう、倒してこい!」 
 命じられ、不承不承、頷く。 
 頭に載った氷塊を払い、外套を翻すと颯爽と歩きだす。 
 そして、流れるような動きで宙に浮かぶフローズンハーフを指さした。 

「降りてこい! 雪オカマ!」 
 その顔はとても誇らしげだった。
>415 (V.L.(使役中)vs フローズンハーフ

「…タフね〜、あの人」
頭に氷塊を三段重ねにして平然としている、高貴そうな服装なのに
発する雰囲気がどうにもこうにもへっぽこな美青年。
彼がネクロマンサーの杖(欠陥品)により喚び出されたV.Lだというのは知っていた。

何回かこっそり喚び出して手伝わせていた事があったので。
・・・まあ、後悔したことの方が多かったのだが。

それはともかく。

ヒステリックに叫ぶ年寄り―たしかヴァンパイア三銃士の、ナハ……なんだっけ?
まあいいや―の命令に従い、V.Lが動き出す。
そして、フローズンハーフの方を指さして、
「降りてこい! 雪オカマ!」
と、誇らしげに言い放った。


「…………い・い・度・胸・ねぇ…?」


にっこりと笑ったフローズンハーフの額に青筋(俗に言う怒りの十字路というものだ)が
浮かび上がる。

笑顔のままで氷の槍を作り出し、思いっきり振りかぶってぶん投げた。
ぐるぐると横回転して、槍が飛んでいく。
それに続いて、フローズンハーフが突っ込んでいく。
両手に氷の塊をくっつけて。

その勢いを崩さず、なおかつにっこりと笑ったままで、V.Lに殴りかかった。
(ちなみに、氷の槍はなぜかナハ(略 にぶちあたっていた)
417V.L.(使役中):02/02/19 19:55
>416 (V.L.(使役中) vs フローズンハーフ 〜ナハツェ−ラー死す! 悲しみのV.L.〜) 
 
 どさり。
 傍らで喚いていた初老の男性があっさりと倒れた。 
 胸から大きな氷の槍を生やして。
「あああ〜! え、ええっと……」 
 V.L.は焦った。 
 今際に名前でも呼べばドラマチックになるかと思ったが、肝心の名前を聞いていなかったのだ。 
「ナ(略)様!」 
 しょうがないので、だいたいわかっている所だけで呼んだ。 
「よくも……よくもナ(略)様を!」 
 
 そう言って、それっぽく振り返った時―― 
 
「とぉりゃぁ!」

 氷までくっついた拳が、顔面を捉えた。 
 なすがままに宙を舞う、青年の体。 
 
 その背後で太陽が昇ったり沈んだりしたが、それはまた別の話。  
 
 どさり、とV.L.が倒れる。
 森を抜ける冷たい風が、頬に気持ちよかった。 
「やりますね、さすがフローズンハーフ……」 
 何故か鼻血を拭いながら、V.L.は立ち上がる。 
 
「こちらも行きます!」 
 拳を固めて、フローズンハーフへ殴りかかった!
>416
「ぐふっ!」
 
上の女らしきものが、放った氷の槍はナハツェーラーの胸を貫いていた。
ただし、右胸を……
 
吸血鬼は心臓を潰されない限りは死なない。
ナハツェーラーは生き残る為の策を今、必死に考えていた。
そして、考えついたのは以下の3つである。
 
1.愛しの娘、モーラが助けに来てくれる。
2.策士のナハツェーラーは更にグッドな策を思いつく。
3.このまま、更に煽りを喰らって死亡。現実は非常である。
 
そして、ナハツェーラーが選んだ策は……
419V.L.(使役中):02/02/19 21:06
>418 
「3」
 一言だけ。 
 それと一緒にV.L.は魔力の固まりを叩き込んだ。 
 真空の嵐が巻き起こって、ナハ(略)の体を巻き上げる。 
「ああ! ナハ(略)様!」 
 空の彼方へ上っていき、どんどんナハ(略)が小さくなる。 
「フローズンハーフ様、よくもナハ(略)様を!」 
 怒りに燃えるV.L.。 
 彼の拳にはもう、迷いはない。
>419
「ぐおおおおおおおおおおおお!」
 
そのままはるか上空まで吹き飛ばされるナハツェーラー。
ナハツェーラーは狼狽する。
このまま、地面に激突したら即死は間違いない。
 
だが、そこへ颯爽と現れた一つの影!
 
その名は……
421ジャンボジェット:02/02/19 21:44
>420
――それはあまりに巨大な鉄の塊だった。
 
――人類が産みだした英知の結晶の一つ。
 
そして、ソレはナハツェーラーと激突した。
無論、プチッと潰れたのはナハツェーラーである。
地面への落下を待たずして、ヴァンパイア三銃士、ナハツェーラーはその300年に終止符を打った。
422V.L.(使役中):02/02/19 22:06
>421 
 ひゅるるるるる〜。
 気の抜けた音がして、ミンチになったナハ(略)が落ちてきた。 
「ああ、ナハ(略)様! ご無事でしたか!」 
 肉塊を掴みながら、V.L.はそんなことを抜かした。 
「……無事ですよね?」
 V.L.の世界では、吸血鬼は本当の不死。何があっても、死なない。 
 だが、ヘタレはこの程度で死ぬのだ! 
 
「……死にましたか、では、蘇生させましょう〜」
 言いつつ、魔法を唱え上げる。 
「ディ!」
 灰になりました。
「……カドルト!」 
 ロストしました。 
・ 


「よくもナハ(略)様を!」 
 新たな怒りを滾らせる、V.L.。 
 その背後で、ナハ(略)が微笑んだようだった。
423両儀 式:02/02/19 23:13
シキvs美夕 導入 
 
――――そこで両儀式は、ニヤリと笑った。 
 
この街は最近、「退屈」をさせてくれない。 
溢れ出る死体と、数えれきれない数の行方不明者。この街は、「死」で充満している。 
それはシキを退屈から遠ざけるには充分な理由であった。 
 
立場的にも。 
嗜好的にも。 
 
それは、退屈をさせないことだった……。 
 
――――トウコ。この街は、死が死を呼んでいるな――――  
 
あぁ、とトウコは頷く。この街はおかしい。それに異論は無いらしい。 
ここ最近の街の荒れ具合は如何なるものだろうか? 
 
猟奇的な殺人が相次ぐときもあれば、外傷の無い死体が街に転がっているときもある。 
身体は生きているのに心は死んでいる死体。 
逆に心は生きているのに、身体は死んでいる死体。(これは、オレくらいしか確認できないが……) 
それどころか、「存在」そのものが消えてしまった死体。 
 
もう、オレが思い付く限りの死体が街に溢れかえっている。 
だが、見つかるのは無数の被害者のみ。有数の加害者はその影すらオレ達に踏ませない。 
 
それは、加害者が、オレ達を圧倒するほどの隠れん坊名人なのか……。 
それとも、もうこの世にはいないのか―――――――――――― 
 
             … 
 
両儀 式は、ニヤけ続ける自分を、自制することが出来なかった。、
424弓塚さつき ◆LXZ1raPM :02/02/19 23:21
>402
 
わたしは、何も考えないように、何も感じないように、ただ、腕を、爪を、動かし続けた。
 
―――気がつくと、辺り一面赤い世界。 一帯に、血と肉の匂いで充満していた。
そして、そこに立つのは、わたしと――この状況下で逃げもしないのが、もう一人。
そいつはわたしの目の前で魔女の姿に戻り―――嬉しそうに、笑った。 
 
魔女が笑いながら、わたしを嘲る。 恐らく何気ないその言葉に、心が折れそうになった。 
黒い衝動に呑み込まれる快感と、わたしがわたしじゃ無くなっていく不安と恐怖―――。
交互に襲い掛かって来る二つの衝動に翻弄され、事実、わたしは気が狂いそうだった。
 
それでも―――まだ、諦めない。 忘れたくない。 ・・・わたしには、それしかないのだから。
ぎゅ、と目と瞑り、ぼろぼろになった記憶の中から、あの人の顔を探す。 
眼鏡の奥の蒼い瞳。 どこか儚げな表情。 夕日に照らされた、笑顔―――。
今は、たったそれだけを胸に抱く。 それだけで、わたしはわたしで居られる。
 
ゆっくりと、目を開ける。 魔女はまだ遊んでいた。 集まって来た警官が一瞬で灰になる。
無感動にそれを見ていると、肩に衝撃、激痛。 魔女の放った光弾が、肩を貫いていた。
―――それで、まあ、踏ん切りがついた。
 
・・・・・・少なくとも、あんなやつに盗られるのだけは、ごめんだ―――!
 
気合を入れて、地面を蹴りつける。 野次馬の群れを一足で飛び越えて、そのまま走る。
―――もう迷わない。 絶対に取り返す。 わたしは、魔女を探して繁華街を駆け抜けた。
 
・・・・・・・・・走って走って、繁華街の外れまで来ると、再三魔女の声が聞こえた。
ぐるり、と周囲を探す。 と、建物・・・孤児院は、すぐに見つかった。 
ドアノブに手をかけ、その手が真っ赤な事に気づく。 一瞬躊躇して、それでもドアを開けた。
 
瞬間、静寂が降りて―――次いで、絶叫。 孤児院の中は蜂の巣をつついたようになった。
無理もなかった。 わたしの身体は、返り血と自分の血で、全身を染めていたから。
喧騒を無視して部屋に踏み込むと、子供特有の甘ったるい血の匂いが、鼻腔を刺激する。
―――この場を滅茶苦茶にしてやりたくなる衝動。 それを全て、魔女に向けてやり過ごす。
 
わたしは、不自然な『演技』をしている子供が居ないか、一人ひとりを観察する。 
まずは、この中に紛れているはずの魔女を、探す。
 
―――そう。 殺すのは一人・・・・・・魔女だけで、いいんだから。
425第三者の目:02/02/19 23:33
>423 式vs美夕 
 
はぁはぁ……  
      街の加害者は夜を駆ける。  
 
はぁはぁ……  
      この一瞬だけ、加害者は被害者となる。  
 
――――死という事象に、害を被られる被害者となる―――― 
 
否、それは正しくは無い。 
彼女は曰く、それは「彼等がいるべきところに帰す」ということらしい。 
闇は闇へ。死は死の世界へ……。 
 
だが、加害者であり、被害者である彼はそれを拒む。だから逃げる。 
 
真夜中の埠頭……。 
加害者として、多くの人間に死を与えて来たはぐれ者の彼は、 
常識世界から外れた者として、いまここで粛正されようとしていた。 
 
彼の目の前に立つのは麗しき調停者。 
常識という狭い舞台から飛び降りた彼は、ここで人生という幕を下ろされるのであった……。 
>414

VS名も無き魔族【毒を以て毒を制する闘い】


霊視眼からの視覚情報によると、大猿が大量に顕現させた魔弾は
スレイマンの使う<呪弾>とは似て非なるものであると判る。
姿形こそ似ているものの、その属性は一瞬ごとに相を変えており、
また、大量にバラ撒かれたそれぞれが微妙に変化の周期をずらしている。 
 
これでは属性を読み、対象の持つ魔力すら利用してトラップする<呪法掌握>は非常に使いにくい。
ましてや、20近く放たれた魔力隗のコードをいちいち検索するなど、現実的な話とはいえない。
 
――ならば
「いくらでも撃って来い、全部弾き返してやる!!」
ゴリ押しで押さえ付けるのみ。 

スレイマンは左手の自在護符を<呪盾>に似たオリジナルの印形に変形。
西洋の戦士の使うバックラーの様な小盾が、そこに出現する。
過不足ない効果は望めないものの、霊視眼を通さずとも肉眼で黙視できるほどに収束された
この霊気の盾ならば、正体を特定出来ない攻撃であっても、必ずある程度の防御力は期待できる。
 
魔弾の第一陣が殺到するとスレイマンは左手に身体施呪。
腕が何本も在るかのように見えるスピードで左手が踊ると
数発の魔弾が<小盾>に弾かれ蒸発した。
 
続いて第二陣が押し寄せるが、あからさまな隙がある。
どうやら次の攻撃に備えて、望む場所に敵を誘い出したいつもりらしい。
この大猿、見た目以上の知性あるのは間違いないようだ。
 
が、そのあからさまな隙を充分利用してスレイマンは<呪弾>を圧唱、圧唱、圧唱、圧唱。
続いてこちらに向かう筈だった魔弾の群れをビリヤードの球のごとく弾き飛ばす。
 
――と、
「ぷぷぷれぜんとぉ――ふぉおおぉおおゆうううっぅうう!!」
と言う叫び声とともに、滞空していた大猿が魔弾の代わりに降って来た。
 
スレイマンは慌てず騒がず全身を身体施呪し、
「汚ねぇモン、俺の目の前にブラ下げてんじゃねぇ!!」と、吼えると
まだ空中にあった大猿の体の股間についてるそれ――小さな干し首のような物――に向かって
左手の<小盾>を叩き付ける。直後、爆裂と閃光。

ぐしゃり、と言うなんとも嫌な音が聞こえたような気がした。
 
「おおう!おうおう!おおおおおぅ!!」
と叫びながら大猿は、股間を抑えてピョンピョンと高く高く飛び跳ねる。
 
その妙に人間臭い動きは、バッタのような脚とあいまって、なにやらユーモラスな雰囲気を醸し出した。
>358 ナチス大殲
 
 外側に立つ者の手が、『死神』に掛かる。
 そう、アドルフは踏み込んだのだ、『死神』の領域に。
 
 全てがコマ送りの世界、アーカードもウォルターも、アドルフの動きを知覚できない。
 その中で、アドルフの手がウォルターの足に掛かった。
 引きずり下ろして、トドメを刺す。
 その思惑は、通常の相手なら功を奏したはず。
 
 だが、その相手は死神だったのだ。
 
 ウォルターに掛けた手から、突然血がしぶいた。
 それに疑問を抱く間もなく、次々と腕に裂傷が発生する。
 アドルフには何が起きたのか、一瞬分からなかった。
 
 簡単な事だ、ウォルターの周囲には、鋼糸の結界が張られていたのだ。
 それは主であるウォルターの意思に関係なく防御として働き、一定範囲を自動的に切り刻む。
 その領域内に踏み込む事ができる者などいはしない。
 
 目に見えぬ死神の鎌が、次々とアドルフの腕に振るわれていった。
428美夕 ◆MIYU.g96 :02/02/19 23:50
>423、>425

ついにこの街で探していたはぐれ神魔を追い詰めた。
たくさんの人間を食らい、また魂に自分の残滓を植え付け傀儡に使っていた卑劣なやつだ。
・・・しかし、もうそれも今、終わる。

「鬼ごっこはおしまい。さぁ・・・観念しなさい」

美夕はふわりと男の前に降り立った。傍らには黒衣の死神を従えて。
男の表情が恐怖に歪んだ。いや、ただ歪んで変わっていったのだ。変わり果てた姿は、蜥蜴
とも蜘蛛ともつかない奇妙なものだった。しかし、美夕の表情は変わらない。

「そう・・・それがあなたのほんとの姿?やり口同様きたならしいわね」

瞬間、黒い従者の白い手から伸びた鋭い爪が、はぐれ神魔の四肢を叩き斬る。緑色の体液を
噴き出し、絶叫したその怪物に、美夕の手から炎が襲いかかる。

「はぐれ神魔よ― 闇へ!!」

怪物はまたたく間に炎の渦に飲み込まれ、巨大な火柱となっていた。
429死神(DEATH) ◆DEATHfNw :02/02/20 00:00
>370
 
かつてはのどかなだった田園風景も今はただ死体が散乱する地獄絵図と化している。
そこに、大鎌を持った死神と刀を持った女性が対峙する。 
 
 
「ほう、これは又、大仰な武器ですな」
 
死神は女の取り出した刀を見て、そう呟く。
 
「それを扱うあなたもさぞかし、強力な妖ですな。ですが……」
 
死神の周りの空間から不意に無数の小さい鎌が出現する。
 
「闇の者が人間の味方をするのはいただけませんな!」
 
女性を切り刻まんと無数の鎌が殺到する。
430サウジーネ ◆Bbqs9I2I :02/02/20 00:06
>424
(U<L さつき2ポイントゲット! 残り3ターン)
 
さつきはただ懸命に観察する。



部屋の隅の方で震えている少年と少女がいる。
うち、少年の方は視線がさつきから外れていない。
普通、今のさつきを見たら、年端もいかない子供は直視できないだろう。
そう、結論づけたさつきは、部屋の隅の少年の方に駆けより、右手を振り下ろす。
 
――そう、さつきの推理は当たっていた。
 
――だが、サウジーネはさつきの行動もお見通しだった。
 
――飛んだのは少年の首ではなく、少女の首。
 
サウジーネは横の少女を盾にしたのだ。
サウジーネが正体を現す。
 
「あはは、いけませんねえ。もう少し、一心不乱の大虐殺を期待していたんですけど……」
 
そうにこやかに笑いながら、サウジーネは不可視の衝撃でさつきを吹き飛ばす。
 
「まさか、犠牲になったのがこの女の子だけとは残念です……。ですから、不足分は私が補いますね♪」
 
サウジーネの右手が光ったかと思うと、直後、無数の光の弾がサウジーネから放たれ、部屋の子供たちを射抜いた。
 
「あは、何人か殺り損ねちゃいました。まあ、いいでしょう。次、行きますね〜」
 
部屋で苦痛にうめいている子供を尻目にサウジーネの姿が消える。
 
 
孤児院から、少し離れた所にある公園。
もっぱら、この時間帯はカップルたちにより占領されている。
彼等は自分たちの世界に没頭し、周りに気も向けない。
そこにサウジーネは現れた。
 
「あはは、そうですね。次はこの人たちに化けましょう」
 
つかつかと一組のいちゃつくカップルに近づいていって、女性の方の頭に光の弾を放ち、消えてもらう。
そのまま、炎で女性を灰にし、男性を魅了の魔眼で魅了し、先ほど犠牲になった女性の姿に化け、
男性といちゃつき始める。
 
丁度、そこで公園にさつきが駆け込んできた。
噴水、ベンチ……
色々な所でカップルたちがいちゃついている。
そこにサウジーネのからのメッセージが……
 
(あはは、このカップルの中の誰かが私ですよ。さあ、頑張ってくださいね♪)
431両儀 式:02/02/20 00:17
>428 式vs美夕 
 
一人。これでまた街の加害者が消えた。 
この町には加害者など腐るほどいる。その中で、彼女の対照になる加害者は僅かだ。 
だが最近、その僅かな対照が増えているのが事実。 
 
闇から闇に帰される彼等は、その事実が太陽の下に晒される前に消える。 
 
             … 
仕事が終わり、帰ろ、ラヴァ。なんて声を彼女が上げようとした……。 
本当の夜の時間が始まった。 
 
「神魔の監視者。……なるほど、まさか本当に存在するとはね」 
 
彼女……監視者の頭上で声が響く。時は深夜。辺りは闇に包まれている。 
だが、月の光が声の主を優しく照らす。 
声の主は、コンテナの上に立ち尽くしていた……。 
 
浅葱色の着物の上に真紅のジャケットを羽織った女。 
女の右手には短刀。刃渡り六寸もの、刀というより刃そのものの凶器。 
 
「神魔の監視者……」 
 
女の瞳は銀色だった。 
純粋なまでに凶暴なその瞳の中には、監視者の金色の瞳が写っていた……。
432美夕 ◆MIYU.g96 :02/02/20 00:28
金色の魔眼と銀色の魔眼

>431

月光を背に立つ影。女、だった。美青年、と言われても納得するような、中性的な面差し
ではあったけれど。

「ふぅん・・・あなた、人間ね。だけど・・・」

監視者・美夕は、その人物に違うものを見ていたようだ。

「―死んでるけど生きてる。めずらしいね」

微笑を浮かべて彼女に問い掛ける。

「で、あなた、わたしに何か用?・・・どうせろくでもない用件なんでしょうけど」

表情とはうらはらに、瞳が凶々しい色合いを帯びた。
433両儀 式:02/02/20 00:40
>432 式vs美夕 
 
――――あぁ、こいつはオレを挑発……いや、誘惑してやがる―――― 
 
ならば、その期待に応えてやる。もう言葉に意味なんか持たない。 
 
最初は、街の加害者を闇で消し去る者の正体が知りたかっただけだった……。  
だから、加害者の中でも低級な奴を見つけだし、後を付けていた。 
以外にも、奴はあっさりと現れた。 
加害者がヒトをコロそうとした、その時、闇から―――――――― 
 
       ソンナコトハ ドウダッテ イイッ  
 
コンテナから飛び降りる。短刀を逆手に持ち帰る。 
狙うは監視者の眉間。――――――――それでこいつは死ぬはずダ。 
434鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/02/20 00:43
>429

死神の周りの空間が歪んだかと思うと、小さな鎌が無数に飛来してくる。
が、私は動かない。動く必要もない。

私の側で、声が囁く。私にしか聞こえない、鬼たちの声。

『御前をお守りいたそう。姫をお守りいたそう』

その声と同時に私の影から突き出した巨大な腕が、飛来する鎌をことごとく弾き落とした。
人のものではない。鬼と呼ばれる、異形の腕。
鬼の絶対加護。これこそ、私が鬼姫と呼ばれる由来。

役目を果たした鬼たちが影に消えると同時に、私は大通連を構え、死神に向かって走った。

「私は人と共に生きることを選んだ鬼。人に徒なす者は、全て我が敵よ!」
435美夕 ◆MIYU.g96 :02/02/20 00:47
金色の魔眼と銀色の魔眼

>433

その女は、短刀を逆手に持ち替え、空から降ってきた。
一撃必殺を狙っての奇手。しかし、そんな手を使う人間の狩人など何度も見てきた。
ふわり、と飛びずさり、てのひらに炎をもてあそぶ。

『美夕』

爪を伸ばし、女に挑みかからんとしたラヴァを目で制する。
興味が、わいた。命ある者でありながら、瞳から死のにおいを撒き散らすこの女に。だから―

「踊りましょ・・・?ねぇ・・・」

幾筋もの炎が、彼女の行く手に毒蛇のように伸びた。
【ナチス大殲】
>427
 
「くぅっ!」
ウォルターに掛けた手が爆ぜる。
ウォルターの回りにはどうやら鋼糸の結界があったらしい。
それがアドルフの腕をズクズクに引き裂いていく。
一瞬にして、アドルフの腕は原形を留めぬ肉界へと変貌する。
 
しかし。
アドルフはそのまま、腕であった肉塊をウォルターに叩きつける。
人外の膂力と、人外の速度。
その二つが、鋼糸の結界を強引に突き抜け、ウォルターの身体を打つ。
そして、その衝撃はウォルターを床に叩きつける。
 
それと同時に、生体感覚時間の加速を止める。
このまま、加速を続ければ、失血が速まるだけだからだ。
 
ここまでほんの1秒足らず。
 
その1秒の間に、アドルフの右腕は肉塊と化し、ウォルターは地に叩きつけられている。
そして、犬の群が、先程までアドルフのいた空間・・・今はウォルターが伏しているところに殺到する。
 
その有様を見て、アドルフは哄笑する。
「く、くくははははははははは!!この程度か、この程度か、ヘルシング!!」
全身を自らの血で朱に染め、狂ったように、笑う。
437ホームレス:02/02/20 00:53
>430
この時間帯はいつもカップルがいちゃついていてもの凄く居心地が悪い。
そこに一人、誰かが来た、また待ち合わせのカップルだろうと思っていたら
つかつかと一組のカップルに近づいて行って、女の方の頭を吹っ飛ばした様に見えた。
驚き、目をこすってからもう一度見たら、最初のカップルが居るだけだった。
白昼夢とはたちが悪い。
VSG.G.スレイマン【毒を以て毒を制する闘い】
>392
 

「お――ほおおおおおおおっ!」
 
 股間から大量の血を流して、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、魔族は大きく絶叫した。
 『謡うもの』が破壊された為、魔族を包んでいた恒常魔力圏が途切れ、そのため、口頭で
のみ魔法を発動させることが出来る。

 瞬間、ぐちゃぐちゃに潰されていた股間は、一瞬白く変色すると、ぼこん、と言う音を立て膨
れあがった。
 ふくれた肉に、小さな割れ目が出来上がり、再び『謡うもの』が朗々と歌を紡ぎ始める。
 恒常魔力圏が復活。魔力の鎧を取り戻した魔族は、怒りの雄叫びを上げて、再びスレイマン
に向けて魔法発動。

「ふぉおおおおおおおっ!」
 
 周囲の物体をガラスのように粉砕しながら、その破片をも用いて黒衣の男に襲いかかる。だが、
スレイマンは、ハ、と一声上げると、魔法の効果を尽く無力化。左手の一振りで魔力はそのベクト
ルをねじ曲げられ、一部はそのまま、こちらへと跳ね返される。

 紡がれ続ける魔力圏が反射された魔法を無効化。だが、次の瞬間、スレイマンの強化された肉
体による一撃が、魔族の腹部に叩き込まれた。

「ぎゅるえええええっ!?」

 苦悶にあえぎながら、魔族は盛大に吹っ飛っぶ。だが、空中で即座に慣性を制御。器用にくる、と
一回転すると、音もなく地面へと降り立った。

「てえええええええあああああっ!」
 
 『歌』と、叫びが、絡まり合うように唱和する。怨嗟に満ちた鋭い叫びだ。と――

 瞬間、周辺にに変化が起こる。突如空間にに発生した渦巻き――力場による渦動がスレイマンを捕捉。
瞬間、渦の中心に向けて無限に収束を開始する。ぎちぎちと音を立てて、目標を引きちぎろうとする。
 
「ほ―――ほ―――ほおおおおおおおお!」

 同時に。
 それを歓声と共に見守る魔族にも、確実な変化が訪れていた。
439ジャッジ・デス:02/02/20 00:54
>410
ウルフウッドvsジャッジ・デス
 
ウルフウッドの放った銃弾は、男の心臓を、肺を、腎臓を、その他の様々の内臓を撃ち抜いた。
黒革のジャンパーが破れ、緑色の腐汁が溢れ出す。
しかし、男は平然と立っていた。巨大な口を歪めて嘲笑する。
「ブァァァカめッ!死人をォ二度ォォ殺せるかァァ!」
そう言い放つと、男は姿勢を低くして走り出す。
「わァが名はジャァァァッジ・デス!これよりィィ貴様に裁きをォォ下ァァす!」
ジャッジ・デスと名乗った男は高々と跳躍した。
「罪状はァァ生存ッ!」
空中で、血に染まった両腕を降りあげる。
「判決ゥゥ死刑ィィィ!」

440両儀 式:02/02/20 01:03
>435 式vs美夕 
 
炎がオレを……両儀式を包んだ。灼熱の蛇がオレを食わんとしている。
熱い……これは熱い。火傷しちまいそうだ。いや、している。火傷している……!! 
 
「はは、炎を操るのか? すげえな。とてもすげえなっ!!」 
 
身に纏った炎を熱い。このままだと、両儀式を焼き尽くすだろう。 
それではつまらない。もう少し遊びたい。まだ全然視えない。 
 
オレは地面を転がりながら赤いジャケットを脱ぎ捨てる。――――高価な品だが、しょうが無い。 
ジャケットを「左手」で持つと、身体を焼く炎をはたき消した。 
 
本来なら人間如きが消せる代物では無いが、この左手は特別だ。……まぁ説明はしなくていいだろ。 
 
オレは、立ち上がると、またも一直線に彼女へと駆ける。 
 
「強いな、監視者っ!!」 
 
焼けただれた右手を掲げる。 
彼女までの距離は数b。一瞬でその美しい首筋を鮮血で彩ることができる……っ!! 
441死神(DEATH) ◆DEATHfNw :02/02/20 01:09
>434
 
「……アルカード様と同じ道を選ばれたか。愚かなことですな」
 
死神はそう呟くと、そのまま大鎌を振り下ろして、応戦する。
鈍い金属音がして、両者の鎌と刀がぶつかりあい、鍔迫り合いの状態になる。
 
「人間は愚かですぞ。自分たち以外の存在を認めず、排除し、且つ、内部でも争う」
 
死神の頭上の空間に黒い穴が空く。
 
「そんな単純なことが分かりませんかな!」
 
その穴から、続々と髑髏が湧き出て、鍔迫り合いで身動きできない鈴鹿御前に襲い掛かった!
442以上、自作自演でした。:02/02/20 01:14
ageさせてもらいます。
>436 ナチス大殲
 
 一瞬のうちに起こったその光景に、アーカードは目をみはった。
 ウォルターが血を吐きながら倒れ伏し、標的となったアドルフは腕一本がずたずたになっている。
 全てが、アーカードの知覚外で起こった。
 いかな不死の王とて、追い切れないスピードがある等とは思いも寄らない。
 
「がはっ……何だよコレぇ?」
 
 床に倒れているウォルターが、血を吐きながら毒づく。
 もちろん、ウォルターにも事の次第を把握などできてはいない。
 致命傷ではないが、当分動けそうになかった。
 
「しばらく寝ていろ、狂った帝国の狂った総統は私が喰らい尽くしてやる」
「……分かったよ、下手打つなよアーカードっ」
 
 ウォルターがアーカードの言葉に、渋々といった感じで同意する。
 と同時に、アーカードの放った犬達がアドルフ達へと牙を剥いた。
 更に、逃走経路を塞ぐようにジャッカルと改造銃が吠える。
 一体何をしたのか、何が出来るのか。
 まずはそれを見極めなくてはなるまい。
 
「さぁ、見せてみろ。おまえの力は何だ?」
444弓塚さつき ◆3zrJOwpY :02/02/20 01:21
>430 >437
 
部屋の隅、震えて縮こまっている子供が二人。 そのうち男の子の方が、こちらを見ていた。
それは怯えた目ではなく、こちらを観察するような視線。 それに違和感を感じた。
おそらく、こいつが―――魔女。 わたしはそう結論し、フローリングの床を蹴った。
 
肉薄し、その―――どう見ても子供にしか見えない―――魔女に、爪を振り下ろした。
肉を断つ手応え。 子供の首が、ごろんと転がった。 でも、それは―――
 
「―――・・・・・・っ!?」
―――隣にいた、女の子の首だった。 盾に、したのか。 
とたんに強くなる血臭に、思わず口元を押さえる―――頬が、緩みそうになった。
 
その瞬間、魔女の放った衝撃波で壁まで吹き飛ばされた。 受身も取れず、息が詰まった。
堰きこみながら身を起こすと、魔女がまた魔法を放とうとしていた。 とっさに腕をかざす。
―――が、魔女の狙いは、わたしではなかった。 放たれた光弾は・・・子供たちを、襲った。
 
わたしは、子供たちが次々と射抜かれていくのを、呆然と見ていた。
嗚咽。 悲鳴。 絶叫。 ―――耳を塞ぐ事も、目を瞑る事も何も出来なかった。
やがて言葉を発するものも居なくなり、今度はぞっとするような静寂。 
魔女が消えるのを見て、やっと我に返った。 あわてて飛び出そうとする―――と。
 
―――目の前に、血だらけの子供がいた。 素人目にも、助からないとわかる。
目が見えていないのか、動くものがわたししか居ないからか―――
その子は、わたしに手を伸ばしてきた。 思考が、麻痺した。 どうする事も出来なかった。
 
だから、せめて、楽に逝けるように―――心臓に、爪を突き刺した。
その子は、びっくりしたような顔をしたあと、静かに動かなくなった。
指についた血を、ぺろりと舐めた。 泣きそうなほど、美味しかった。
―――わたしは、吐き気と興奮の両方をを押さえながら、孤児院を飛び出した。
 
なんとなく、パターンが読めて来た。 恐らくここ、と見当をつけて、近くの公園に飛び込む。
すると、思ったとおり魔女からの声。 ・・・・・・別に、嬉しくも何とも無かったが。
 
―――しかし、カップルの中の誰か、と言っても・・・・・・。
ざ、と見まわしても、どれも似たような連中ばかり。 行動も似たり寄ったりだし・・・・・・。
・・・・・・その時、ふ、とわたしの嗅覚が反応した。 
風に混じっていて薄いが・・・これは、確かに血の匂い。 それも、かなり新しい・・・・・・。
 
魔女のしかけたからくりはわからないが、これはヒントになるはず・・・・・・。
わたしは、その微かな香りを頼りに、目標を定めた―――!
445美夕 ◆MIYU.g96 :02/02/20 01:28
金色の魔眼と銀色の魔眼

>440

あの左手はただの腕ではない。強い魔力を感じる。あんなものを作れる人間が、まだこの
時代にいたなんて―。思わず苦笑いが漏れる。と、その刹那。

「・・・やられる?!」

一瞬で間合いを詰めての必殺の刃を、間一髪右手で抜いた鉄扇で逸らす。
魔力を込めて鍛造した鉄扇が、嫌な音を立てて削れる。今まで刃を交えた人間の中でも、
これだけの使い手はそうはいなかった。

「・・・さかしいわね!」

すれ違いざまに炎を左手から指弾で飛ばし、それをおとりに距離を取る。

「だったら、これはどうかしら・・・?!」

両手から鞭のように炎を躍らせる。地を這うものと空から襲うもの。2点からの強襲―。
【ナチス大殲】
>443
アーカードの放った犬たちを左腕一本で迎撃する。
頭を潰し、腹を割き、身体を貫く。
最期の一匹は、口に右腕をぶち込んで左腕で頭を潰した。
そして、ボロボロの肉塊だった右腕が、犬の身体を喰らい、再生する。
 
そこへ、銃弾。
軽くステップを踏み、これを躱す。
しかし、火線は巧妙にアドルフの行動範囲を狭め、逃走経路を塞ぐ。
 
(逃げる気はないが・・・場所を変えたいところだしな・・・)
 
幾度めかの回避の瞬間に『扉』を開き、転移する。
転移先は、地下施設に繋がる階段の前。
 
「空間を統べる・・・これが私の力のひとつだよ、不死の王」
447両儀 式:02/02/20 01:49
>445  美夕vs式 
 
炎の鞭がオレの身体を叩いた。焼く、では無い。叩きやがった。 
オレは綺麗に吹っ飛び、コンテナに背中を叩き付けられる。 
 
…身体中が熱かった。
…口から血がこぼれる。 
…痛い。痛すぎる。 
 
シヌ。このままだとオレは死ぬ……。 
力の差は歴然としている。 
一歩間違えれば、あの炎に焼き尽くされる。 
 
身体も限界だ。痛みがオレを縛っている。
だが、まだだ。足りない。もっと……もっとだっ!!  
 
死と隣り合わせになった。 
それがとてつもなく愉しい。愉快だ。笑える。愉しすぎる。 
オレは今、生を実感している―――――――― 
 
「……良いぞ監視者。おまえは最高だ。…だからもっとだ!! もっとオレを殺せっ!!」 
 
―――――――――――――――――それが両儀式の望み。  
 
たっ、と式は駆けだした。美夕へと向かって。 
だが、今までのそれよりも圧倒的に速い。人間の限界を超えている。 
だが、式は走る。短刀を構え、彼女に向かって一直線に突き進む。 
448鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/02/20 01:54
>441

鍔迫り合いで身動きの取れない私に向かって、上から髑髏が殺到する。
一つ一つは大したことはないが、数が増えると厄介だ。

「雑鬼たちよ、我が身を守れ」
『御意』

私の声に従い、今度は2匹の鬼が全身を現す。
髑髏の防御は使鬼に任せ、目の前の敵に集中する。
刀にかけていた力を横方向にずらし、死神の鎌を流すと、私はがら空きになった胴に斬り込んだ。

「人間が愚かだと?そんな事は分かり切っている。
 でも、その愚かさも引っくるめて、私は人間が好きなんだ」
449サウジーネ ◆IZ3tuxVw :02/02/20 01:55
>444
 
(B>3 ファンブル! 残り2ターン)
 
さつきは匂いを頼りにカップルの男のほうに爪を繰り出す。
 
ザクッと鈍い音がして、ベンチに座るカップルの男性の方が倒れた。
心臓に穴が空いている。
即死だった。
 
間違い!?
一瞬、とまどったさつきに女性の方が懐から取り出した髑髏を投げつける。
そのまま、髑髏が爆発し、さつきは吹き飛ばされる。
そして……
 
「外れです。本命はこっちでした。あははは」
 
サウジーネが正体を現す。
 
「えーとですね、そろそろタイムリミットが近いですよ。死にもの狂いで頑張ってくださいね」
 
そう、さつきににっこり話し掛けると、サウジーネはホウキでその場から飛び去った。
奥の茂みでホームレスが腰を抜かしていたのは又、別の話である。
450サウジーネ ◆IZ3tuxVw :02/02/20 01:56
>449
サウジーネは空から街を見下ろし、次の舞台を模索する。
……住宅地の上の方にひときわ目立つ大きな屋敷がある。
そこをゲームの舞台にすることに決めた。
 
庭に降り立つ。
相当に広い屋敷だ。
ゲームの終盤としてはうってつけの舞台だろう。
窓ガラスを一枚壊し、中に侵入する。
 
……予想に反して、邸内には誰も居ない。
不思議に思って、邸内を探索していると女性の歓談する声が聞こえてきた。
声の方向にこっそりと向かう。
 
ついたところは応接間だった。
若い女主人とメイド服と割烹着の女性が食後のお茶会らしきものをしていた。
 
サウジーネは物陰からその様子を見て、クスクスと笑いつつ、左手に魔力を集中する。
そして、3人の女性のうち1人の頭を光の弾で撃ちぬいた。
 
応接間は騒然となった。
そのまま、サウジーネは残り2人の女性に駆け寄り、魅了する。
同時にさっき始末した女性の死体を灰にして始末する。
 
そして、何事もなかったように歓談を続けるように仕向けた……。
 
 
さつきは住宅街を彷徨っていた。
なかなか、魔女からの声が聞こえない。
あせっていると…… 

……大きな屋敷の前に通りかかった。
そこで魔女の声が頭に響く。
 
(あはは、この屋敷の中にいます。楽しみに待ってますよ♪)
 
さつきは門を開け、敷地内に駆け込んだ!
 
――屋敷の表札には『遠野』と書かれていた……
451サウジーネ ◆IZ3tuxVw :02/02/20 02:01
>449
(訂正です)
 
サウジーネは空から街を見下ろし、次の舞台を模索する。
……住宅地の上の方にひときわ目立つ大きな屋敷がある。
そこをゲームの舞台にすることに決めた。
 
庭に降り立つ。
相当に広い屋敷だ。
ゲームの終盤としてはうってつけの舞台だろう。
窓ガラスを一枚壊し、中に侵入する。
 
……予想に反して、邸内には誰も居ない。
不思議に思って、邸内を探索していると女性の歓談する声が聞こえてきた。
声の方向にこっそりと向かう。
 
ついたところは応接間だった。
若い女主人とメイド服と割烹着の女性が食後のお茶会らしきものをしていた。
 
サウジーネは物陰からその様子を見て、クスクスと笑いつつ、左手に魔力を集中する。
そして、3人の女性のうち1人の頭を光の弾で撃ちぬいた。
 
応接間は騒然となった。
そのまま、サウジーネは残り2人の女性に駆け寄り、魅了する。
同時にさっき始末した女性の死体を灰にして始末する。
 
そして、始末した女性に化け、何事もなかったように歓談を続けるように仕向けた……。
 
 
さつきは住宅街を彷徨っていた。
なかなか、魔女からの声が聞こえない。
あせっていると…… 

……大きな屋敷の前に通りかかった。
そこで魔女の声が頭に響く。
 
(あはは、この屋敷の中にいます。楽しみに待ってますよ♪)
 
さつきは門を開け、敷地内に駆け込んだ!
 
――屋敷の表札には『遠野』と書かれていた……
452美夕 ◆MIYU.g96 :02/02/20 02:16
金色の魔眼と銀色の魔眼

>447

普通の狩人なら、もうとっくに戦意を失い、屈服するか自暴自棄になっているはず。
しかし、彼女は違う。むしろ、自分が死の淵にあることを楽しんでいるようだ。

『・・・そっか、死にながら生きてるんだもんね』

だったら、彼女を断ち切るには―

ぐっと『力』を込める。炎が両手に集まる。
彼女は、弾丸のように突進してくる。あまりにも速い。しかしその動きは直線。だったら
対するには、曲線の動き。交差のぎりぎりの瞬間、美夕のステップは変則する。日本舞踊
のような円の動き。規則から外れた踏み込み。
さらに、すれ違いざまに右腕めがけて何かを振るう。15センチほどもある、銀の針。
それを女の右肘へ滑り込ませようと。
453死神(DEATH) ◆DEATHfNw :02/02/20 02:17
>448
 
死神の胴に刀が吸い込まれる。
血も何も出ないがそれなりにダメージはあったようだ。
死神はその場から、空間転移して間合いを取る。 
 
「ほう、分かった上で味方すると?」
 
死神の両手が光り、死神の前に巨大な魔方陣が浮かび上がる。
 
「あなた様、見た所、そのいでたち、学生ですな。
もし、あなたの正体が皆にばれたら、皆、どうしますかな?」
 
魔方陣から、グロテスクな深海魚の形を模した悪霊が次々に生み出される。
 
「こやつ等は、先ほどの髑髏とはレベルが違いますぞ。何でも食い尽くします」
 
大量の悪霊魚が鈴鹿御前に気味の悪い声をあげながら、飛び掛る。
>446 ナチス大殲
 
 一瞬にして、アドルフの姿が転移。
 次に現れたのは少し離れた階段の前。
 なるほど、空間を操ると言うワケか。
 
 だが、それではまだ足りない。
 それでは、ウォルターを打ち倒したトリックは解明されていない。
 とはいえ、考えて分かる事でもあるまい。
 
「まぁ、いい。要は私がおまえを殺せばゲームセットだ」
 
 突如として、廊下が暗闇と目玉に塗り込められた。
 暗闇が、目玉が蠢いている。
 それは、廊下を這って着実にアドルフの方へと詰め寄っていく。
 
 そして、その距離が後十歩となった時。
 
 暗闇の中から、風を切って無数の腕が伸びてきた。
 アドルフを掴んで握り潰して引き裂かんと殺到していく。
455両儀 式:02/02/20 02:38
>452 美夕vs式 
 
針……針がオレに危害を加えようとした。だから「殺した」 
針を斬ったんじゃない。針の「強度」を殺した。もう、なんの役にも立たない。 
 
両儀式は更に眼を細めた。
 
彼女の身体に浮かび上がる無数の点。――――いや、それでも常人よりかは遙かに少ない。 
その点の一つは見つけだす。――――胸の点なら、一瞬でコロせるな……。 
 
監視者とすれ違った時には、もう全てが視えていた。 
彼女の命も、炎も、心も、恋人も―――――――― 
 
オレは目覚めた。全て殺せる。もう、あとは彼女が死ぬしかない。 
 
「この世は死で溢れている。オレの目はね、そんな死が視えるんだ」 
 
そっと彼女の耳元で囁く。 
――――生きているのであれば、オレは宇宙だって殺してみせる――――  
 
オレは、監視者の「死点」にナイフを突き立てるため、再度突進を試みた。
>439 vsジャッジ・デス
 
照準は恐ろしく正確にジャッジ・デスとかいう男に食らいついて放さず、
 
「ブァァァカめッ!死人をォ二度ォォ殺せるかァァ!」
 
銃弾は肉を骨を臓器を血を抉って抉って抉りぬき、
 
「わァが名はジャァァァッジ・デス!これよりィィ貴様に裁きをォォ下ァァす!」
 
排莢の数は既に百を突破し、
 
「罪状はァァ生存ッ!」
 
空高く跳躍した無防備な身体に更に人間を軽く十人は殺せる弾数を叩き込み、
 
 
ふっと意識に忍び込んできた一握の泡沫。
――なんで、こいつ死なへんのや……?
 
 
「判決ゥゥ死刑ィィィ!」
ふっと空いた思考の隙間に、耳に障る声が響く。
ヤバイっ、と思た瞬間には、体が反射的に反応した後や。
咄嗟に身を逸らして鉤爪を避け――きれんかった。
胸を浅くやけど裂かれた――少々出血が派手やな、クソッタレが!
旋回させた十字架――パニッシャーの先端がジャッジ・デスの顎を捉え、
見事に吹き飛ばして宙を舞わす。
せやけど、なんやコイツは! バケモンか! もう身体グズグズのはずやで!?
 
とにかく、距離はとらなあかん。
散発的な銃撃で牽制しながら、バックステップで間合いを空ける。
457鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/02/20 02:50
>453

手応えはあった。だが致命傷には遠いようだ。
距離を取った死神が目前に奇妙な図形を浮かべると、そこから深海魚の形をしたモノが飛んでくる。
私の感覚が警告を発する──危険だ。さっきの髑髏とは威力が違う。

雑鬼たちが悪霊魚を弾き落としていく。
無論、これほどの攻撃を受ければ、強靱な鬼の肉体とて無傷ではすまない。
雑鬼の1体は既に崩れ落ち、もう1体も満身創痍だ。
鬼の絶対加護とはいえ、一度に呼び出せる鬼の数には限界がある。召喚できるのは、あと1〜2体がいいところだろう。
だが、それで十分だ。この死神に、致命的な一撃を送り込むには。

死神の攻撃によって生じた血煙の中から、私は飛び出した。
そのスピードは、人間の限界を遙かに超えている。
横薙ぎの一撃の狙いは、奴の首。

「…確かに、私の正体を知れば、皆は私を避けるかもしれない。石もて追うかもしれない。
 だが、それでも構わない。私は人を守り続ける。
 それが、遠い昔に交わした、あの人との約束だから!」
>438
VS名も無き魔族【毒を以て毒を制する闘い】

どれだけ理不尽な肉体を持ち、どれだけ理不尽な力を抱え、どれだけ理不尽な攻撃が可能だとしても、
その存在――大猿――が『元』人間であることは厳然たる事実である。
ましてや、彼がこの大猿の姿に転身したのはつい先ほど。圧倒的に経験値が足りないと言える。
だから、大猿が戦術的な失敗――いちいちそこまで考えているかどうかは怪しい物だが――を犯したのも
致し方ないことだといえるだろう。
 
大猿はヒトと言う種が地面に縛り付けられているモノである、という認識をいまだ捨て切れていなかった。
普通、人は空を飛べない。この認識は別に間違ってなどいない。ご意見、非常にもっともである。
 
だから、この攻撃が失敗したのは別に大猿のせいではない。
ただ、眼前の男がより非常識な存在だったと言うだけの話である。
 
黒衣の魔人は両足を身体施呪すると、軽く身をかがめ、次いで天井近くまで跳躍した。
そして、<浮遊>を圧唱するやいなや、空中を一気に十数メートル駆け抜け、『渦』の圏内を脱出した。
 
そう、この男は、G.G.スレイマンは空中を移動することができるのだ。
 
そして、スレイマンは緩やかに落下しつつも大猿との距離を詰め、
左手から【卵】を次々に生み出すと、眼下に向かってめったやたらに投擲した。
459美夕 ◆MIYU.g96 :02/02/20 02:53
金色の魔眼と銀色の魔眼

>455

魔力を込めた銀の針。それが突き立てた途端、砂糖菓子でも壊すようにぽっきり折れた。
そうか、この針は『殺された』んだ。そんなことができるのは・・・。

「『直死の魔眼』?・・・そんなもの持ってるのは、伝説の化け物だけだと思ってた」

万物を『殺せる』線と点を見る眼。あの、死のにおいを撒き散らす銀色の瞳は―
わたしすら殺せるだろう。わけもなく、簡単に、ケーキでも切るように。

しかし、そのからくりは。

――見えなければ、どうということはない――

両手に集まった『炎』の力は、もう大気すら発火させるほどまで高まっていた。

「でもね・・・はぁっ!!」

一気に解放された炎が、大きな火球となって女を襲う。そして、それは突進する彼女の
直前で、ぱぁん、と爆ぜた。
強烈な熱風が彼女の全身を包むと同時に、美夕は宙高く跳んでいた。
460死神(DEATH) ◆DEATHfNw :02/02/20 03:09
>457
 
鈴鹿御前の鋭い一撃で死神の首がポロリと落ちた。
しかし……
 
「アルカード様といい、あなた様といいどうしてそこまで人を信じられるのか……」
 
落ちた死神の首がそうつぶやいた後、死神の身体が変形していく。
見るのもおぞましい異形の髑髏の化け物に……
 
「流石にお強い。だが、この程度で負ける訳には行きませぬ!」
 
不可視の衝撃波で鈴鹿御前を吹き飛ばす。
 
「そこまでの覚悟をお持ちなら、さぞかし、あなたの魂は極上でしょうな!」
 
無数の小鎌が再び死神の周りに出現し、鈴鹿御前を切り裂くべく飛んでいく。
 
「ほほ、さあ、苦痛と悔恨の声をあげなされ!」
 
死神は両手の人の大きさは優にあろうかいう鎌を投擲した。
うなりをあげて大鎌がとんでいく。
461鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/02/20 03:47
>460

私の一撃は、確かに死神の首を落とした。
だが、その身体から立ち上る鬼気に衰えはない。むしろ、変形と共にそれはますます上昇していく。

おぞましき異形、髑髏の化け物。
それの発した衝撃波が、私を吹き飛ばす。
かろうじて体勢を立て直した私を切り裂こうと、無数の小さな鎌が再び飛来してきた。
既に先程の攻撃でボロボロの使鬼には、全ての鎌は防ぎきれない。
雑鬼は無数の鎌を受けて消滅し、数本の鎌が私の身体を捉えた。

更に、人の体ほどもある巨大な鎌を、死神は投擲してきた。
雑鬼が私の前に現れ、大鎌を止めようとするが、あっさり両断される。
それによって勢いの減じた鎌を、私は何とか防いだ。が、勢いに押され、死神との距離は更に開いてしまう。

私は間合いを詰めようと、傷の痛みを無視して走り出す。
と同時に、上半身のみになった雑鬼が、腕の力を以て死神に飛びかかった。
最後の力を振り絞っての、攪乱作戦。
一瞬浮かんだ雑鬼への罪悪感を振り払いつつ、私は死神に向かって走った。

「我が魂が欲しければ、お前の信念で私を倒してみるがいい!」
462死神(DEATH) ◆DEATHfNw :02/02/20 04:08
>461
 
「ほほ、無駄なことを……」
 
死神が右手の大鎌を振り上げ、敢え無く、雑鬼を両断する。
 
「あなた様はその剣技がとりえのようですな」
 
死神がそう呟くと同時に、鈴鹿御前の身体の動きが重くなる。
 
「どうですかな? あなた様のお体には通常の10倍以上の重力の不可がかかっております」
 
死神は本気を出せば、重力をも操ることができる。
魔王ドラキュラの腹心の実力は伊達でも洒落でもないのだ。
 
「このまま、負荷をあげて、あなた様の身体をつぶしてもいいのですが、それはおもしろくありませんな」
 
死神は口元を歪めつつ、そう呟く。
 
「久々の極上の美しい獲物です。じっくり、刻んで仕留めるとしましょう」
 
死神は再度、両手の大鎌を投擲する。
無慈悲な大鎌が鈴鹿御前を切り裂くべく、再度、飛んで行った。
463鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/02/20 04:40
>462

雑鬼はあっさり切断され、死神の呟きと共に私の体が重くなる。
まさか、重力まで制御できるとは。

だが、奴はあくまで私を切り刻んで殺すつもりらしい。
私を押し潰すことができるのなら、そうしてしまえばよいものを。
その慢心が、命取りになることを教えてやる。
私は自分の足元に最後の雑鬼を召喚し、命じた。

「私を投げよ!」

雑鬼がその命令を実行すると同時に、鬼が現れる際の勢いを利用し、渾身の力を振り絞って跳躍する。
3つの力を1つに合わせ、10倍の重力の呪縛をも打ち破る。
死神の投擲した大鎌が最後の雑鬼を真っ二つにした時には、私は奴の上空にいた。
そのままの勢いを乗せ、刀を振り下ろす。この一撃で決める!

「信じる者の強さ、思い知るがいい!」
464死神(DEATH) ◆DEATHfNw :02/02/20 04:54
>463
 
そう、確かにその時までは死神は勝利を確信していた。
鈴鹿御前のいる辺りは重力操作でまともに動けないレベルの負荷をかけていた。
あとは、その美しい顔を恐怖に歪めて殺すだけ……のはずだった。
  
が、鈴鹿御前の最後の鬼を召還して、重力域を抜け大跳躍。
そして、斬撃。
 
本来の死神なら反応できただろう。
しかし、死神の勝利の確信―慢心と言い換えてもいい。
それが死神の反応を遅らせた。
 
死神が手に大鎌を召還し、
迎撃体勢を取ろうとしていた時はもう、鈴鹿御前の刀が死神を一刀両断していた。
 
「……信じられませぬな。ふふ、見事と言っておきましょうかな。
……ですが、我が身は我が主伯爵様がおられる限り、不滅……。
次、会う時は……」
 
最後まで言葉を言い残すことはなく、死神は消失した。
あとは、鈴鹿御前と死体の山だけがその場に残った……
遅れたわね。
レス番よ。
捏造は難しいわね。
(御神苗優VSナルバレック)
 
>156>158>159>160>163>165>166>173>192>213>238>244
>246>258>260>266>368>381>385>388>394>395>396>398
Bloody carnival and ... Destroy! Destroy! Destroy! 〜久遠美喜(M)vsミア・フォーテー
>409

「泣き喚いても現実は変わらない。救いの手なんて伸びちゃこない」

ふわり ・・・すとっ

死神が地上に舞い降りた。

「足掻いても結末は変わらない。ハッピーエンドはやってこない」

たん ・・・にやり

一足飛びに近付いて、毒気溢れる笑みを浮かべる。

「さあ、その目を見開いて、この現実を直視しろ」

ぎゅっ ・・・くいっ

右手で少女の髪を掴み、左手を少女の下顎に添えて、

「アンタと私で作り上げた、とってもステキな現実だ」

ぎりぎり ・・・ごりっ

締め上げたまま持ち上げて、焼け焦げた肉塊を見せ付ける。

「私が生きてるニンゲンを『壊した』。アンタが死んだニンゲンを『コワシタ』」

ぶんっ ・・・どさっ

そのままその場で振り回し、屍肉の海へと投げ捨てた。

「『然り、死は鴻毛よりも軽し―――現実こそ悪夢に勝れるものなり』――――寝るな!」

だんっ ・・・どかっ

叩きつけられて意識が飛びそうになる少女の脇腹に、爪先を食い込ませる。

「最高の悪夢だろ? タマシイが揺さぶられるほどの絶望だ」

ごろん ・・・ぐりっ

蹴り転がして仰向けにした後、こめかみを踏みつけ踏みにじる。

「寝ても醒めても悪夢、悪夢、悪夢!! まだまだ終わらないぞ?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「最後まで、しっかり堪能しな」
467久遠美喜(M):02/02/20 12:00
>466
 
『テメーがな』
 
 大剣のような爪が女の頭、腹、足にめり込む。
 ぐしゃり、という音が酷く鮮明に聞こえた次の瞬間、女は飛礫のようにすっ飛んで
 そのあたりで燃えている建物の残骸を爆発させた。
 
 ホーク。
 狂猛(ヴァーザーク)ホーク。
 死者の魂を取り込み、肉を全て喰らい、未だ盛る炎の照り返しに揺れて。
 純粋なる破壊の申し子がそこにいる。
 
(許さない! 許さない!!)≪本物の悪夢を見せてやるよ――俺の本気で≫
 
 黒の電機甲冑が念の増幅に従い、形と性能を変えていく。
 
(腕もぎ取って、脚握り潰して!)≪腹掻っ捌いて、頭蓋の中身を抉り取って!≫
 
 脚が動くたびに赤く灼熱した大地が震える。
 腕が空気を掻き分けるたびに炎が活力を増す。
 眼は――いつでも底なしの怒りと憎しみだけを湛えている。
 
(≪壊れろ! 壊れろ! ブッ壊れろ!!≫)
 
 
 爆裂の負法が女が埋もれたあたりを粉々に吹き飛ばす。
 ホークはそれで満足せず、高熱を纏った拳を振り上げて突進した。
468ジャッジ・デス:02/02/20 13:35
>456
ウルフウッドvsジャッジ・デス
 
十字架による一撃を受けてジャッジ・デスは吹き飛び、積み上げられていた酒瓶の山に突っ込んだ。
ガラスの砕ける音が鳴り響く。
「まァァァだ罪を重ねるかッ!全ての罪はッ生者が犯すゥゥ!」
ジャッジ・デスが素早く起き上がる。前身にガラスの破片が突き刺さったままだ。
銃弾の集中した胸の中心には、拳ほどの大きさの穴が開いていた。
「よって生存こそがッ罪にして悪ゥゥ!」
両手で瓶の破片を拾うと、ウルフウッドめがけて次々に投げつける。狙いは不正確だが、恐ろしい速度だ。
「生あるところォォォそれを滅ッするが我が使命なりィィ!」
導入 〜リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード 〜 

「貴公がリヒター・ベルモンドか」 
  
 薄暗い森の中。かつて、悪魔城へと通じていた道。  
 何ものかに誘われたかのように、リヒターはこの地を踏んでいた。  
 そこで、不意に声をかけられる。  
 白磁の肌に流麗なる金の髪、群青の装束をまとった人間ならざる気配を持った青年に。  
 
「――何者だ、貴様は!」 
「さてな、とりあえず王とでも名乗っておこうか」 
  
 そう言う男の口から、異常に発達した犬歯が覗く。 
 ようやく、リヒターにも青年の素性が知れた。 
 こいつは吸血鬼――――それも、かなり強力な。 
 
「かのドラキュラを討ち滅ぼした手腕、見事だったといっておこう」 
「貴様らに称えられるいわれはないっ!」 
「なに、私にとっても伯爵は邪魔だっただけさ」 
 
 不敵に微笑む、男。  
  
「リヒター、貴公もな」 
「……それが狙いか!」  
「貴公の力はあまりにも強大すぎる。今の世には不要だとは思わないか?」 
 
 ゆっくりと伝来の鞭に手を伸ばす。 
 退魔の力を秘めたベルモンド家の宝に。 
 
「……さあ、私と戦え。リヒター」 
  
 外套を翻し、身構える青年――いや、吸血鬼の王。 
 
 夜の清浄な空気が二人を包む。 
 ヴァンパイアハンター リヒター・ベルモンドの新たな戦いが始まろうとしていた。 
>469
 
目の前にいる青年……
俺にはその強大な力と威圧感がヒシヒシと伝わってくる。
 
そして、同時に湧き上がる歓喜。
あまり、認めたくないが俺の中には確実に『戦い』を求める血が流れている。
 
「行くぞ、吸血鬼。俺の前に現れた以上、貴様等には滅びの道しかない!」
 
懐から取り出したナイフを奴に向かって投擲する。
間髪入れず、数メートルある間合いを一足飛びに跳躍し、間合いを詰め、
そのまま、鞭を振り下ろす!
>470 (リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード) 
 
 ナイフが胸に、腹に、眉間に突き刺さる。 
 振り下ろされた鞭が右の肩口を捉え、そのまま引き裂いた。 
 袈裟懸けに腹まで切り裂かれながら、ロードは不機嫌そうに呟く。 
 
「いい攻撃だ、だが――」 
 
 ナイフは音もなく落ち、裂けた胴は沸き立つ泡によって繋がった。 

「足りんな」 
 
 予想外の手応えのなさに間合いを取ろうとするリヒター、 
 その体目がけて無造作に足を伸ばした。 
 流水のような自然な動きの足先が、リヒターの腹へと迫り――
>471 (リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード) 
 
「ちっ!」
 
吸血鬼の身体能力は想像を絶する。
奴等の攻撃は喰らわないにこしたことはない。
後方に大きく跳躍し、そのまま間合いを取る。
 
そして、考える。
俺の攻撃の効果が薄いことに……。
普通の吸血鬼なら、今の攻撃で終わっている。
 
もしや、奴は……
試してみるか……
 
聖水の瓶を空高く、放り投げる。
そして……
 
「ハイドロストーム!」
 
辺りに聖水の雨が降り注ぐ。
これで効果が無ければおそらく奴は……
>472 (リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード) 
 
 唐突に降り出した雨が、森の木々を叩く。 
 葉で弾けた雨粒が一滴、また一滴とロードに降り注いだ。 
 聖水――浄化の雨が。 

「――解呪するつもりか!?」 
 
 身を打つ雨はどんどんと強くなる。 
 雨粒が当たった所から煙が上がり、徐々に灰と化していく。 
 ――長時間浴び続けると、拙いことになるな―― 
 そう思った矢先、いまいましい聖水の雨は晴れた。 
 
「……解呪するには、少々力が足りなかったようだな」 
 
 外套を払う、ロード。 
 その傷は既に、塞がっていた。 

「では、今度はこちらが力を振るおう――」 
 
 言うなり、ロードの手から炎が巻き起こった。 
 雨に濡れた土を乾かすかのように、炎が辺りを這い回る。
>473
 
「やはりな……」
 
俺は忌々しげに呟く。
奴は吸血鬼でも『古き者』に分類される存在だ。
はるか昔から存在する先住民だ。
俺の攻撃が道理で効果が薄いはずだ。
奴は真に邪悪とはいえないのだからな。
 
奴が手をかざすと炎の嵐が巻き起こった。
炎の嵐が俺に襲い掛かる。
それ相応に魔術の心得があるらしい。
 
俺は近くの木の枝に向かって鞭を振るう。
枝に鞭が引っかかるとそのまま反動を利用して、枝の上に上る。
 
――直後、先ほど居た場所は炎に飲み込まれていた。
 
「間一髪といったところか……」
 
奴がこちらを見る。
まだ、奴の顔には余裕がある。
 
「忌々しい奴だ」
 
俺は懐から聖銃を取り出し、奴に向かって引き金を引いた。
銃口から青白い稲妻が奴に向かってほとばしる。
聖属性でないこれなら少しは効果があるだろう。
【ナチス大殲】
>454
迫り来る腕、腕、腕。
暗闇の中から、無数の腕がアドルフに迫る。
 
しかし、アドルフは慌てる風もなく、悠然と佇んでいる。
 
「私を殺す? 無理だな」
 
涼しい顔で呟く。
アドルフ目がけ、腕が殺到する。
その瞬間、閃光が走った。
 
次の瞬間には、アドルフに向かっていた腕は雲散霧消した。
そして変わらず佇むアドルフの姿。
いつの間にか、右手に握った柄からは光の刃が生まれている。
 
「これが二つ目。古代アトランティスの魔剣、光竜剣(ドラゴンライトニング)だ」
 
その間にも腕は襲いくるが、それら全てを的確に光竜剣で切り払うアドルフ。
しかし、切っても切っても腕は減る気配すらなく、更に苛烈に迫る。
 
「やれやれ。これは堪らんな」
 
苦笑いを浮かべながら、バックステップ。
階下に向けて跳ぶ。
 
「さあ付いてこい、アーカード! ここからがキミの滅びの旅路だ!!」
>474  (リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード) 
 
 五十土が矢のように胸を貫く。打たれた左胸に焼けただれた跡が残った。 
 だが、それだけ。
 痛みもあるし手傷も負ったが、程なく再生が始まり、傷を塞ぐ。 
 
「この程度か?」 
 堪らず、聞き返す。 
「神の威光に頼り切り、自らの力で戦うことも出来ないのか?」 

 リヒターは声に気付いていないのか返すつもりもないのか、
 再び聖銃を放った。 
 音もなく、ロードは浮かび上がる。 
 雷撃は虚空を抜き、地面を撃った。 
 
 木の上で銃を構えるリヒター。その顔面向けて、爪を振るう。 
 身を逸らし致命的な一撃をリヒターは避けたが、代わりに胸元を切り裂く。 
 爪と同じ四本の傷口が開き、血が吹き出た。 
 顔といわず腕といわず、群青の衣装を朱に染める。
 返り血を浴びながら、ロードは微かに笑みを浮かべた。
477両儀 式:02/02/20 17:22
>459 美夕vs式 
 
灼熱の風が両儀式を襲った。その風は空気を灼いている。 
オレは眉間に力を込めた。殺す、ために―――――――― 
 
時間は一瞬。オレに襲いかかる攻撃をKOROSEば良い。ただ、それだけだ。 
だが―――――――― 
 
         俺は一体、何を殺せば良んだ? 
 
灼熱の風を殺すのか? それとも灼かれる空気? ここ一体を包む熱か? 
――――どれも、殺したあとのことが想像出来なかった。 
 
風を殺しても、熱を持った空気は何も変わらない。 
空気を殺した後、ここにはなにが残る? (真空状態になるのか?) 
空気が持つ、熱を殺して、本当に大丈夫なのか? (寒すぎるだろう?) 
 
その一瞬の躊躇が、オレを殺した―――――――― 
 
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」 
 
眼を灼かれ、絶叫する自分。 
絶叫は体内の酸素を大量に失い、肺が、血が、脳が新たなる空気を求める。 
しかし、吸った空気は灼熱。喉を灼き、肺を焼いた。 
 
「――――――――――――!!」 
 
両儀式は、声にならない叫びをあげた。 
>476 (リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード)
 
「うぐっ!」
 
俺の胸元に深い傷が刻まれる。
不味い!
咄嗟に奴を蹴り飛ばし、俺も木から飛び降りる。
 
血が騒ぐ。
奴を放置しておけないという正義感?
それとも、伯爵以来、強き者にめぐり合えなかった歓喜?
 
おそらくは後者。
……そうか、俺も業が深いな。
だが、コイツは野放しにしてはおけん!
 
「見せてやる! 我が力を……!」
 
後のことはどうでもいい。
とりあえず、コイツを滅ぼすことが最優先だ!
 
俺の鞭に炎が宿る。
そして、俺自身の身体も力が湧きあがってくる。
 
――リミッターを解いたと言ってもいい。
 
反動が大きいので、やりたくなかったが……。
 
「いくぞ。ベルモンドの力、思い知れっ!」
 
奴に向かって、神速での肩口からタックルを仕掛ける。
――人間のソレとは違う。
俺のソレは岩でも粉々になる。
 
奴が吹き飛ぶ。
そのまま、奴に向かって聖水の瓶を2つ投擲する。
奴と奴の周囲が青白い炎に包まれる。
 
「まだ、終わりではない!」
 
そのまま、奴にかけより、炎を纏った鞭で奴の首筋、胸元、右腕、左腕を滅多打ちにする!
479エンハウンス(M):02/02/20 18:50
>46 エンハウンス(M)VSナイトノッカー
 
 発砲、と同時に走り出した。
 相手も発砲してきた事を確認したが、速度を緩める気配はない。
 魔剣を、体の正中線を守るように体の前に立てて走り続けた。
 
 こうしておけば致命傷になる箇所への銃弾は剣に弾かれ、それ以外は当たらないか、当たっても問題ない。
 一発の銃弾が耳元で風を切って通り過ぎ、もう一発が刀身に弾かれる。
 残る一発がこめかみに赤い花を咲かせるが、その程度でエンハウンスは止まらない。
 目に宿る光も決して変わらない、意思は揺らがない。
 替わりに、魔剣の障気がまた少し強くなった。
 
 走りながらも、魔剣の陰から発砲は続けている。
 一発、二発、三発と立て続けに引き金を引いた。
>479 vsエンハウス 
 
パンパンパンッ 
 
銃声は鳴り響く。弾丸はすぐに切れるが、弾は一瞬で交換できる。 
相手が放つ銃弾は強力だが、当たらなければ意味が無い。 
この遮蔽物が多い森の中。それは困難だ。 
 
それはこっちも同じだが、相手は俺の弾を避けようとしない。 
 
「化け物か――――――――」 
 
銃を森に投げ捨てる。 (こんなものでは倒せはなしない) 
頭の上の木が爆砕する。――――狙いが正確になってきた―――― 
 
「……ちっ!!」 
 
降り注ぐ銃弾を避け、俺は横に大きく跳ぶ。  
――――――――バッ と木の海に飛び込んだ俺が観た光景は……。 
 
「レッド・ドラゴン――――――――ヘルパートっ!!」 
 
俺が新たに眼にした光景は、着流しの男を掴みあげる我が宿敵だった。 
ヘルパート ……最強のレッド。・ドラゴンにして、裏切りの符丁の一人……。 
 
――――――――躊躇う時間は必要としない。 
 
「我は放つ光の白刃っ!!」 
 
灼熱の衝撃波を宿敵に向かって撃ち放つ。
481ヘルパート(M):02/02/20 19:29
死徒27祖による『聖域』襲撃
ヘルパートVS遠野四季
前スレ纏め
>90>91>113>118>168>177>198>327>366
(>359>367>442 エンハウンスVSコルゴン 乱入戦)
 
>前スレ366
男の身体は、華奢なように見えて意外な強度を誇っていた。
だが、それもあくまで人並み以上と言うだけに過ぎない。
もう少しヘルパートが力を込めれば、男の全身は瞬時に「分解」される。
 
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 
男が、恐怖と混乱の入り混じった嬌声を上げた。
と同時に、男の胸辺りを伝っていた男自身の血液が、
鋭い剣の形となり、ヘルパートの全身を貫く。

「ほう、面白い芸当だ」

血の熱さに少し怯みながらも、ヘルパートは言った。
男の身を削った攻撃も、万能たる暗殺者を止めるには至らない。

「キ、キサマは一体なんなんだぁ!?」 
男は更に困惑を強めた声で、半狂乱の如く口走る。

「今更だろう? お前も、分かっているはずだ」
男の全身が、拘束を強められ、大きく軋む。

「俺は、殺人者だ」
482ヘルパート(M):02/02/20 19:51
>480
次の瞬間、光がヘルパートと男を包み込んだ。
純然たる純白。これはまさしくーー魔術の光。
 
気付いた時には遅かった。
触手を男から引き抜き、骨格を完全に無視した動きで
回避行動に移る。
だが、間に合わない。
 
熱衝撃波により、左半身が完全に吹き飛ばされた。

再生できない大きな傷を負いながらも、ヘルパートの
意識は冷静だった。
すかさず、魔術の発射された方向を見やる。

そこにいたのは、黒いマントを羽織った、
唇に傷のある男。表情を全く見せない、自分達と同じ
絶対なる「殺人者」。
明らかに見知った顔だった。

「・・・・・・貴様」
その存在を確認するが早いが、ヘルパートは
残った右腕を突き出していた。
五指が散開し、多角的な方向から、
黒マントの男を串刺しにする、唯その目的だけを
与えられ、突き進む。

唯そこにいる「迷惑来訪者」を殺す。
ヘルパートの思考には、先程まで殺し合いを演じていた
着流しの奇妙な男の事など完全に無くなっていた。
483鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/02/20 20:03
>464

(死神(DEATH)VS鈴鹿御前、エピローグ)

消滅していく死神が呟く最後の声に、私は答えた。

「何度でも滅ぼしてやる。お前が、人の魂を刈り続ける限りは」

静寂の戻った村。そこにあるのは、物言わぬ死体のみ。
戦っていた間は忘れていた傷の痛みと疲労が、思い出したようにのしかかってくる。
私はよろめきながら近くの建物の軒下に歩いていき、そこに座り込んだ。

もう少しすれば、新しい使鬼を喚べるだろう。死体を埋葬させて、そうしたら友人を迎えに行こう。
あの娘臆病だから、今頃震えてるだろうな。
そんな事を考えながら、私は目を閉じた。


──了──
484鈴鹿御前 ◆Y4SUZUKA :02/02/20 20:11
死神(DEATH)対鈴鹿御前、闘争のまとめ。
こちらの拙い戦闘法に付き合ってくれた死神に感謝を。魂はあげられないけどね。

>359 >370 >429 >434 >441 >448 >453
>457 >460 >461 >462 >463 >464 >483
>478 (リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード)

 最初、何が起こったのか理解できなかった。 
 重い鉄の塊を叩き付けられたような、衝撃……それが全身を叩きのめす。 
 跳ね飛ばされた体は地面を転がり、手近な樹木に当たってようやく止まった。 
  
 これが本気の力か。さすがだな。  
 口の中でそう呟き、折れた木を背にしてロードが立ち上がろうとした。
 
 そこへ、聖水の瓶が叩き付けられる。 
 水のハズの聖水が、何故が青い炎を上げて燃え上がった。 
 聖なる炎――そう言うべき力が、ロードを包み込む。 
 
 ……消えない? 
 
 本来なら、ロードに炎は効かない。
 王たる彼は長い年月を経て、吸血鬼の弱点たる炎を克服していた。
 だが、それもここまで長く続く炎なら話は別だ。
 身がじりじりと焼かれる。肉の焼ける臭いが鼻腔に染みつく。 
 
 そこへ、リヒターが先程と同じ勢いで飛び込んできた。
 燃え盛る鞭を振るい、体中を打ち据える。 
 右腕が千切れ、胸が裂かれ、左腕が折れ……首が断たれた。 
 
 炎に包まれた頭が飛び、くるくると軌跡を描きながら、月下に舞う。 
 薄い暗闇を照らすように、くるくると回りながら、地面に落ちる。 
 炎が濡れた土に触れ、くるくると転がる内に炎が移り、その痕跡が燃え上がった。
 
「くくくく……はははははは……」 
 
 頭が笑う。 
 嬉々として、この上ないほど楽しそうに。 
 燃え尽きる体を後目に、笑い続ける。 
 そして、それは不意に起こった。 
 体が燃え尽きた途端、首の下に体が現れる。 
 それは圧倒的な、王の再生能力――その、具現。 
 
 リヒターが手を出す前に、ロードは元の姿に戻っていた。 
 
「さすがはベルモンド、甘く見ていたようだ」 
 再び、呪文の詠唱を始める。 
 自然に起こりうる、最も辛く厳しい吹雪を呼ぶために。 
「マダルト――」 
 森すべてを凍らせる勢いで、その手から冷気が馳せた。 
VSG.G.スレイマン【毒を以て毒を制する闘い】
>458
 
 魔法の発動とほぼ同時―――
 
 ほおおおおおおおおおお―――――!
 
 けたたましく咆吼を上げる魔族に、変化が起こった。
 ずる――と、周囲に散乱していた物体が、蠢き、形を失い、魔族の肉体に絡み付き、次々に一体化。
 同時に、叫びに唱和するように『謡うもの』の奏でる『歌』も、ひときわその勢いを増した。
 
 瞬間、魔族を包むように半透明の巨大な球体が出現。内部で様々な光がのたうちながら、魔族は
朗々と声を上げる―――
 
 恒常魔力圏。
 本来ならば無色透明で視認することが出来ない魔力の鎧が、猛烈な勢いで活性化している。
 
――――と。
 こちらに肉薄した黒衣の男が、左手から、生み出した魔力隗を次々にこちらに投擲。
 
 その光景に、彼は素早く反応していた。
 魔族は、多かれ少なかれ人間だった頃の記憶を引きずっている。スレイマンの生み出したその魔力
隗が如何なる効果を秘めているのか――はっきりと記憶していた。
 
 ふぉおおおおおおおお――――!
 
 魔法発動。活性化された魔力圏によって、こちらへと降り落ちている魔術を無力化。
 
 【死の呪文】の織り込まれた魔力隗を消滅させた魔族は、その肉体をさらに膨張させながら、宙に
浮かぶスレイマンに視線を合わせる。
 
 活性化された恒常魔力圏がさらに膨張。精々が二メートル程度の大きさだった球体が、今や20メー
トル近くにも達している。
 
 スレイマン自身をもその支配領域においた魔族は、無造作に右腕を一閃。同時に発生した粉砕の魔
法は、音もなく黒衣の男に向けて炸裂する。
 
 そして――
 
「ほおおおああっ!」
 
 咆吼。さらに魔法発動。
 スレイマンの周囲に無数の爆炎が発生。ひとつひとつが<ブラスト>に匹敵する威力を持ったそれ――
直撃すれば、爆砕は避けられない――が、魔人めがけて次々に撃ち込まれる。
 
 必殺を確認して、魔族は、
 
 「けけけけけけええっ―――!」と、高らかに笑っていた。
487導入〜:02/02/20 22:13
〜傀儡人形は月の夢を見るか?〜

町中を男女のカップルが腕を組んで歩いている。
一人は、眼鏡をかけた青年。
一人は、髪を左右に結んだセミロングの少女。
特に珍しい光景でもない。
二人は時折談笑しながら人混みへと消えていった。
 
それを見つめる影一つ。
少なくとも、彼にとってはその二人の姿は『あたりまえ』の光景ではなかった事を追記しておく。
 
 
=================================
 
俺、乾有彦は久しぶりに旧友を深めていた。
相手が女だったらなお良かったのだが、生憎とその相手は男だった。
遠野志貴。我が人生最高の腐れ縁だ。
もっとも、此奴と会えたことは実に嬉しかったりするのだが。
 
「それにしても、お前もずいぶんと珍しい奴だよな。」
 
話によると、仕事で世界中をあっちやこっちへ行き来しているのだそうだ。
羨ましいねぇ、実際。
もっとも、忙しくて観光も何もない、と愚痴るあたり相当ハードな仕事みてぇだな。
今回、少しの余裕が出来たので久しぶりに実家に帰ってきていたそうだ。
 
「そういや、お前。いつの間に彼女なんかつくってたンだよ。」
 
俺のその問いに、あいつは怪訝な顔をする。
このやろ、俺が知らないと思ってやがんな?
 
「見たぜ〜〜?昨日の夜、町中歩いてたのよ♪
 あの後二人で・・・・・か?
 羨ましいねぇ、アレを見たときは流石の俺も友情を疑ったぜ。」
 
だが、俺のその言葉にあいつは怒る様子も、恥ずかしがる様子も無かった。
何故か、酷く驚いているようだった。
・・・・ひょっとして、人違いだったのか?
 
『悪い、有彦。ちょっと用を思い出した。俺は先に帰るわ。』
 
そう言って、あいつは席を立つ。(無論、ここの支払いは奴に任せた)
・・・まじぃな。あいつのあの表情、俺は良く知っている。
一人でとんでもないことやろうとする時、誰もそれに巻き込ませまいとする時。
あいつは『ああいう顔』をする。
無茶すんじゃねぇぞ、てめぇにはまだまだたからせてもらうつもり、なんだからな・・・・・・。
488導入〜:02/02/20 22:34
>487
つづき
 
再び冒頭に戻る。
彼、遠野志貴は夜の街を徘徊していた。
彼がこの町についたのは『今朝』。
 
・・・・有り得ないのだ。『昨晩』彼がこの街にいることは。
 
しばらく人混みを睨み付けていた彼は、そこに探し求めるものを見つけた。
正確には、彼に付き添っている『彼女』がそれを教えたのだが。
 
「・・・・ッ!?弓塚ッ?!」
 
彼は驚愕する。
彼女は彼の良く知る人物だった。
かつて、彼自身が『殺めた』ハズの少女。
それが、『もう一人の自分』と共にいる。
 
足早に、二人を追う。
息が詰まる。指先が冷たい。
 
気が付けば、彼は人気のない公園にたどり着いていた。

「・・・さっきから一体何なんだ、あんた。
 俺達の後を追いかけて、何か用なのか?」
 
追いかけていた『彼』が振り返る。
まごうことなき、己の顔。
 
「お前こそ、誰だ。」
「・・・遠野。遠野志貴。」
「ふざけるなっ!!」
「ふざけてなんかいないさ。俺は遠野志貴だ。あんたこそ誰なんだ?」
「俺はッ・・・・」
 
他人から見れば、実に滑稽この上ない光景。
 
「志貴君・・・・・・この人怖いよ・・・・・。」
「安心しろよ弓塚。すぐに・・・『殺して』やるからさ♪」
 
『志貴』が、懐からナイフを取り出す。
そ れ が 、 始 ま り の 合 図 と な っ た 。
489導入〜1.5:02/02/20 22:50
>487 〜傀儡人形は月の夢を見るか?〜

『見たぜ〜〜? 昨日の夜、町中歩いてたのよ♪』

その一言を聞いた時、ドクン、と普段よりも一回り大きく鼓動が跳ねた気がした。

そういえば以前、似たようなコトがあった。
一つは、俺がこの手で殺した『アカシャの蛇』ロア。
もう一つは、アキラちゃんと知り合うきっかけにもなった『過去視の男』。
…いずれも、良い想い出では無い。
……またしても、何かの因縁なのだろうか。

―――――それにしても、と遠野志貴は思う。

『特別な力は特別な力を呼ぶ』と、あの人はいった。
本当にその通りですよ、先生。
偶々日本に居る時に、こうやって事件に遭うなんてどうかしてる。
この前だってそうだったし…。

とにかく放って置くワケには行かない、と判断する。

有彦に一言断って、馴染みの喫茶店を出る。
…今度ここに来れるのはいつになるだろうな、と思いつつ…。
>485 (リヒター・ベルモンド vs バンパイア・ロード)
 
凍てつく冷気の嵐が俺の身体をみるみる凍らせる。
だが、俺の精神は熱く燃え盛っていた。
 
奴のような吸血鬼は放置しておけないという義務感と……
これほどまでの敵に出会えた興奮!
 
――そう、俺、リヒター・ベルモンドはやはりこのようなギリギリの戦いにこそ存在価値があるのだ!
 
獲物のいない狩人に何の存在価値があろう!
 
「そうだ、それでこそ『古き者』だ!」
 
俺は、自分の身体に灼熱の鞭を巻きつけ、無理矢理に氷結を防ぐ。
自分の身体を焦がす結果になっているが、関係ない!
今の俺は痛覚も麻痺している上に、肉体の潜在能力を完璧に引き出している。
 
――そう、何の問題も無い!
 
やがて、吹雪が収まり、再生した奴と俺が氷の森の中に対峙する。
ふん、再生か。
ならば、2度再生できなくなるまで叩き潰すまでだ。
 
「まだだ! 俺は、人間は、この程度で貴様等、吸血鬼に屈服せんぞ!」
 
聖銃を取り出し、銃口を向ける。
――ただし、空に向かって……
 
引き金を引いた瞬間、俺を中心に先ほどとは桁違いの雷撃の渦が発生した!
491『殺人貴』 ◆hKILL/T. :02/02/20 23:17
>488 〜傀儡人形は月の夢を見るか?〜

―――――弓塚。

俺が、この手で、殺した。
その感触は忘れ得ない記憶として、今でも残っている。
この頭に。そしてその感触は、この手に。
………胸の『点』を刺して、遠野志貴の腕の中でさらさらと崩れていく姿…。
ズキン、と痛む。
胸が、心が。

―――許せない、その姿を。

そして、目の前に居る『遠野志貴』。
全くふざけている。
何処の誰かは知らないが、俺の姿を真似ているなんて…。
どうやら、人間らしい。
吸血鬼の気配は無い。

その男がナイフを取り出す。
良かろう。
そんなに死に急ぎたければ、同じ姿をした俺が引導を渡してやる。

遠野志貴は駆ける、男に向かって―――――
>491
っきぃぃぃぃいぃん!
ナイフとナイフがぶつかり合う。
 
「やるじゃないか、お前!!」
 
『志貴』はつばぜり合いをしつつ叫ぶ。
実力は拮抗。
 
「!」
 
『志貴』が上体を一気に後ろへと反らす。
急に力を抜かれた為に、つばぜり合いをしていた志貴がつんのめる。
 
「はぁッ!!」
 
体勢が崩れている志貴に、『志貴』が蹴りをたたき込む!!
数メートルほどはじき飛ばされて、地面に転がる志貴。
間髪入れずに『志貴』が志貴へ向かって駆ける。
 
「終わりだっ!!」
 
ナイフが、志貴に向かって振り下ろされる・・・・!!
>475 ナチス大殲
 
「そこをおまえの墓穴にしてやろう!」
 
 闇と、目と、腕と、犬と、コウモリと、ムカデと、ジャッカルと改造銃の混合物が蠢きながら階段を下りていく。
 それは、あまりにもおぞましく、あまりにも禍々しい。
 何か、この世にあってはならない物体がそこにはあった。
 
 それは地下に降りるアドルフを追って腕を伸ばし、銃を撃ち、牙を剥く。
 飲み込もうとし、なぎ払おうとし、噛みちぎろうとした。
 その攻防を際限なく繰り返しながら、舞台は地下へと移っていった。
494『殺人貴』 ◆hKILL/T. :02/02/20 23:42
>492
『終わりだっ!!』

『志貴』を名乗るヤツが叫ぶ。
…ふん、キサマは『俺』じゃない…。
その叫びを聞いて思う。
終了の合図は、相手を『殺して』から…。

ムリヤリ回転する身体を止めると、すぐ目の前に『志貴』が居た。

「…っ…!」

瞬間、思考よりも身体が反応する。
ガンッ、と脚を振り上げ『志貴』のナイフを持った二の腕を蹴る。
がら空きの胴体に負けじと蹴りを放つ。
更に『志貴』が数十センチ浮いた隙に素早く起き上がり、背中をふみ付ける如く蹴り!

お返しだ、とばかりに無防備な背中へナイフを突き立てる―――――
>494

がしっ!!

振り下ろされた腕が『志貴』に振り下ろされることはなかった。

「させないよっ!!志貴君は・・・私の大切な人なんだから・・・ッ!」
 
『弓塚』が志貴の腕を押さえ込む。 
一瞬躊躇する志貴。
次の瞬間、体勢を立て直した『志貴』が志貴へと斬りかかる。
あわてて距離を離す志貴。
 
「馬鹿ッ!!弓塚は下がってるんだ!!」
「だって・・・・!!」
「だってじゃない!!危ないんだッ!!」
 
『志貴』が『弓塚』に向かって叫ぶ。
そして、志貴に向かいナイフを構え直す。
 
そしてじりじりとお互い距離を詰めていく・・・・・・・・
【ナチス大殲】
>493
アーカード(?)を迎撃しながら、地下に降りる。
圧倒的な数で押し寄せるアーカードに対し、さしものアドルフもいくつかの手傷を負う。
しかし、獣性細胞がシュウシュウと音を立てながら傷を癒していく。
 
「全く・・・質より量というワケか?」
 
苦笑とともに呟く。
その間も、手が止まることはない。
 
地下を走りながら、目的地へと向かう。
闇を切り裂き、目を潰し、腕をねじ切り、犬を縊り、コウモリを薙ぎ、ムカデを蹴散らす。
銃弾を躱し、弾き、受け流す。
 
そうして目的地に辿り着いた。
そこは・・・『廃棄物処理場』
>486
VS名も無き魔族 【毒を以て毒を制する闘い】
 
 
いまだ、空中に在ったことが災いした。
 
ひときわ大きくなった魔猿が片腕を振ると、衝撃波が発生。
スレイマンは自在護符を<防壁>に設定してこれを凌ぐが、空中では踏みしめる大地が無い。
結果、スレイマンは<防壁>ごと翻弄され、その体勢を大きく崩す。
 
その隙を見逃さず、魔猿は「ほおおおああっ!」と言う叫びを撃発音声として更に魔法を発動。
 
結果、無数の小さな火球によって形作られた、巨なる火球が顕現。その中心にスレイマンはいた。
そして、まさしくその一点に向かって、その総ての爆炎が収束する。
 
<呪法掌握>で掠め取る?
――否、同時に殺到する無数の火球、その総てのコードに対応することなど不可能だ。
では、<呪盾>で堪えるか?
――否、呪盾はその手を向けた方向のみ有効だ。右を防げば左に当たり、前を防げば後ろに当たる。
それなら<小盾>で弾き飛ばすのか?
――否、例え火球を弾いた所で爆裂後の熱は残る、その中心にある肉体は間接的に蒸し焼きにされるだろう。
 
だが、この余りにも絶望的な状況に到ってもスレイマンの顔に張り付いた嘲笑は剥がれない。
むしろ、歯を剥き出しにし、その感情をますます色濃くしている。
 
そして、「ハ、サルにしては良くやった、褒美をくれてやる!!」
と、叫ぶと<呪弾>を圧唱。
とある火球に命中するとその火球は爆裂。更にその余波を受けて周囲の幾つかの火球が爆裂した。 
ちょうど、外側から見れば巨なる火球の外周に、ぽっかりと小さな穴が開いた形となる。
 
そしてスレイマンは空中でくるりと後ろを向き、
自在護符を<呪盾>に設定すると胸の辺りに左手を構える。
同時に、ロッドを逆手に構え、自らに向かって<呪弾>を、圧唱、圧唱、圧唱、圧唱、圧唱!!
 
衝撃力のベクトルが、機動力に変換され、スレイマンは黒い弾丸となって巨なる火球の穴を通過する。
「クハハハハハハハハハッ!!」と、哄笑しながら、更に<呪弾>を圧唱し続け加速する。
 
弾丸と化したその悪意と哄笑の向かう先は――当然、魔猿。
 
スレイマンは魔猿と激突の瞬間、自在護符を<小盾>に変化。
溜めるに溜められた移動エネルギーが再び衝撃力に変換され、魔猿に向かって撃ちつけられた。
498『殺人貴』 ◆hKILL/T. :02/02/21 00:09
>495
―――――茶番を…。

一瞬でも攻撃の手を休めてしまった自分を苦々しく思う。
アレは弓塚ではないと解っているのに…。
頭では理解しているのに、ココロが付いて来ていない。

ギリッ…。

歯を噛む。
噛み締める。

ならば…、先に心の迷いを打ち切る!

志貴は『弓塚』に向かって駆ける。
『志貴』が俺と同じ能力を持っているなら追いつけまい、と考えて。

『弓塚』の『線』と『点』を凝視しつつ、一気に距離を詰める。
さあ、黄泉に戻るが良い、吸血鬼。もう、躊躇わない―――――
>468 vsジャッジ・デス
 
うおっ!
肩を瓶の欠片が掠めて飛んでった。狙いは出鱈目やけど……食ろたらヤバイな。
二射、三射が飛んでくるんを――ぐるん――パニッシャーを回して盾にし、片っ端から叩き落す。
 
 
ざしゅっ
 
 
嫌な音が聞こえた。
 
後ろ振り向くと、――クソッタレが! なんでンなトコに居るねん!
逃げ遅れたガキが……背中にガラス生やして倒れとる。
流れ弾が刺さったんか……クソッ!
 
「生あるところォォォそれを滅ッするが我が使命なりィィ!」
 
……なにほざいとるねん。
ジャッジ・デスは瓶の破片を両手で鷲掴み、一気に投げてきよる。
それはもはや散弾銃と変わらへん。
 
 
  ――――ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!
 
 
それを全部――パニッシャーの連射で粉砕する!
細かい破片がいくつか身体に刺さったけど、気にするほどのダメージでもあらへん。
破片を撃ち抜いた弾丸がまたジャッジ・デスを抉ったけど、やっぱり効いとるようには見えん。
 
ほんなら――
 
「――粉々に吹き飛ばしたるわ!!」
パニッシャーの前後反転。セーフティを解除すると、カバーが開いてロケットランチャーが顔を出す。
「死にさらせ、化物ッ!!」
人間ひとり、微塵に破壊する威力の弾頭がジャッジ・デス向かって飛んでいった。
500弓塚さつき ◆A8iHzIDo :02/02/21 00:14
>449
 
―――わたしは、目星をつけた男に爪を振るう。 狙い過たず、心臓を一突き。
だが、手応えが無さ過ぎる・・・・・・? 疑問に思っていると―――横に居た女が、笑っていた。
 
違っ、た・・・!? 慌てて振り向く。 が、その瞬間そいつが何かを投げつけてきた。
慌てて身構えたが、避ける暇も無かった。 爆発に巻き込まれ、衝撃で吹き飛ばされる。
苦悶の声と共に身を起こし、正体を表した魔女を睨み据える。 
しかし、次に言った魔女の言葉に、わたしは全身を凍りつかせる事になった。
 
―――タイムリミット。 そう、これは・・・・・・ゲームだった。
魔女は最初、なんて言ってた・・・・・・? 慌てて時計を探して確認し―――愕然とする。
・・・・・・急が、ないと―――! わたしは、焦燥に急き立てられるように、公園を飛び出した。