一夢庵風流記

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59隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/01/28 00:05
>35 荒子城を出るときに城に呪いをかけていったんだって?
慶次郎は35の台詞を聞くと大笑した。
取った取られたは戦国の世のならいである。慶次郎の論理では、取られた方が
悪いのである。養父の弟であろうがかわりはない。

無念の思いが全く無かったと云えば嘘になる。しかし呪いをかけるなど
考えたこともなかった。
養父利久の妻が巫女を呼んで呪詛をかけさせたことが間違って伝わったのかも
知れなかった。

>36 
松永君の物語もあと2巻ほど続ける予定だったのです。
貴方ももっと活躍させてあげたかった。
江戸城に颯爽と乗り込む姿なんかもね。こうなった以上、云っても詮無いことだけれど。

>37 
ははは、そういう男に描きたかったので、そう感じていただければ
成功ということになります。
実をいうと、ちょっと嫌みかな、と思わないでもなかったんですが、
処女作ということもあり、思う存分に書きました。
60隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/01/28 00:06
>38 
慶次郎の文献は大変少なく、その点苦労しました。
同時代の史料は本人が書いた「前田慶次道中日記」しかなく、
「上杉将士書上」「可観小説」「会津陣物語」「翁草」「加賀藩雑記」などは後世になって
編纂された書物です。(上杉将士書上は1615年に成立してるので、
かなりの部分信頼できる書物ではありますが)

後になって編纂されている史料ほどエピソードが豊富になっているところを
見ると、庶民のある種の「願い」が慶次郎に託されていると云っていいのかもしれません。

>39 
この板のすべてのスレッドを知ってるわけではありませんが、
確かにそうかも知れません。
ただ試みが新しくても内容が駄目なら何をやっているのかわからない。
そこをよく頭に置いて回答していきたいと思います。

>40
慶次郎は京に滞在していたとき、三成につきそっていた左近を
見かけたことがある。
慶次郎の印象は、<屈強のいくさ人>だった。
「あれは誰だ?」
「島左近殿で。過ぎたるものの片方ですな」
「あれがか」

過ぎたるものとは「治部少(三成のこと)に過ぎたるものが二つあり、
島の左近と佐和山の城」とうたわれたことを指している。
一説に、三成が近江水口四万石の主であったとき、一万五千石とも二万石ともいう条件で召し抱えたという。それほどの将だった。
慶次郎は頷くと、にやっと笑った。
「内府(家康)も苦戦するな」
ゆっくり、あせらず、自分のペースで頑張っておくんなまし。
62以上、自作自演でした。:02/01/28 22:14
隆たんハァハァ
63以上、自作自演でした。:02/01/29 05:58
マンガでは傾奇者に憧れて死ぬ若者がいましたよね(一巻だったと思いますが)

慶次に憧れて傾奇者になったけど、傾きとおせるほどの強さが無くて
人生を誤った若者のサイドストーリーなどは考えてらっしゃったのですか?
64以上、自作自演でした。:02/01/29 08:32
『芸能ニュース』 平成14年2月某日 文責:田中AA

松嶋奈々子さん(28)が妊娠している事が発覚。夫の反町隆史さん(29)も大喜びで
「男の子が欲しいですね。女の子でも嬉しいですよ」とコメント。
インタビュアーの「男の子と女の子の双子だったら言う事なしですね」に
松嶋さん、反町さんともに赤面しながら苦笑い。

しかし本来おめでたのはずのこの話、ちょっと大きな問題がある。
実は両名、現在の大河ドラマ「利家とまつ 加賀百万石物語」に出演中なのだ。
大河は一年続くのに、主演女優のお腹が大きくなったら困りもので、
英国のあるテレビドラマで同様の事があった時はシナリオを曲げて、
主演女優が妊娠する筋にストーリーを持って行き、現実と物語を
見事に一致させた例もあるが、大河となるとストーリーを変える訳にもいかず、
NHK上層部は「松嶋をおろせ」「いや、ガキの方をおろせ」と大激論とか。

その中で出演者の松平健さん(58、ホモ)が面白いコメントを出した。
「どうせ髷をつけた現代劇なんだから何も史実にそったシナリオばかりに
 しなくてもよい。いっそ、秀吉とまつが密通しているシナリオに変えて
 見てはどうか。このままでは奈々子さんがかわいそうすぎる」
物語のこととはいえ、何も知らず、不倫の子にされてしまうお子様は
かわいそうではないのだろうか? これからの動向に注目です!
昔の人の「強い」ってのは現代のどの位の強さに当たるのでしょうか。
慶次が強いって言ってもろくな食い物が無かった時代だしねぇ。
66以上、自作自演でした。:02/01/30 20:48
良スレあげ
このスレにモロ影響を受けて、一夢庵風流記のハードカバー版を
購入させてもらいました・・・ブックオフっつう古本屋で・・・。
ごめんなさい、古本屋で。
68隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/01/30 23:36
>41
これはどうも。
色々出てきたほうが面白いですね、私は。
雑多な雰囲気が好きなんです。
「道々の輩」に惹かれるのも、彼らが持つ猥雑な生命力が非常に魅力的だと
いうこともあります。

>43
そう云って頂くと有り難い。
こちらも精一杯がんばります。
しかし、どうも照れますね。

>44
慶次郎は考えたあと、かぶりを振った。
「いや、少し違うな」
慶次郎は死を特別視したことがない。他人から見るとまさに死地に
自ら赴くような行動をとっている。それはわかる。

だが、別段死に急ぎしている訳ではない。
自分のやりたいことをやると、自然に危険に首をつっこむような形になって
しまうのである。

ただ生きたいように生き、死ぬときになれば死ぬ。
慶次郎にとって、人生とはそういうものだった。
こう云えるかもしれない。
慶次郎は、死を意識したりせずとも、自然に生を実感できる男なのだと。
69隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/01/30 23:37
>45
「45の旦那、勘違いなさってますな」
捨丸は云ったが、内心それも仕方のないことだとも思っている。
何しろ捨丸自身、慶次郎がこんなにも教養のある男だとは思っても
みなかったのだ。

天衣無縫の「かぶき者」の名と同時に、文人としても前田慶次郎は京に
知られていた。
上杉将士書上によれば、関白の一条兼良や右大臣の西園寺公朝、茶人の
千利休などと交友があったという。

また、和歌や漢詩に親しみ、日本古来の文学にも造詣が深かった。
「前田慶次道中日記」の中の一節を紹介しておく。

石山寺は、式部か源氏物語に筆を立てし所也
淺香山は、うたのみちに心あらん人、よみおかすといふ事なし

>46-47
「佐渡攻め」での、『骨』と酒を酌み交わす場面から採っています。
とはいえ、「原文を少しいじった」レベルではない…と自分では思うのですが。
よろしければ「一夢庵風流記」を手にとって読んでみて下さい。

>48 勇者が悪者に見えてきた
どうも私には竜王という存在が「悪」には思えないんですね。
むしろ素戔嗚尊のような存在なのではないか。
この世の「悪」を一身に背負い、それでも文句一つ云わず、粛々と倒される。
そこには一抹の哀しみさえ感じさせるものがあります。
影武者徳川家康の質問はだめなんですか?スレ違いですか…隆さん?
71隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/01 00:02
回答が前後してしまって申し訳ない。
>70氏の質問に先に回答しておきます。

>70
構いませんよ。
遠慮なくなすって下さい。
72隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/01 00:11
>52の「ドリルちんちん」(すごい言葉ですね、これは)のレスは
長くなりそうなので、後回しにさせて頂きます。申し訳ない。

>53 秀忠が夢枕にたった。
53は目を覚ました。何かいやな感じがしたのである。
誰が枕元に立っていたような夢を見ていたはずだが、それが誰かはわからない。
自分でも驚くほどの寝汗をかいていた。

ふと闇の向こうを見透かすと、誰かいた。
秀忠だった。冷たい爬虫類のような目で53を見ていた。
「上様…」
次の瞬間、53は自分の命が長くないことを悟った。

2年後、53は大阪夏の陣で最激戦区に配置され、壮烈な討ち死にを遂げることになる。
秀忠の冷酷な一面が発揮された事件と云えた。
73隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/01 00:11
>54-55
ここでも――こことはつまりあの世なんですが――私の後から来た人たちに
「早すぎた、もっと普段から養生しておけばよかったのに」と云われます。
そのたびに、私などには非常に勿体ない言葉です、と返しています。

確かにやり残したことはたくさんあります。結局七編が未完のままに終わってしまった。
特に「花と火の帝」「死ぬことと見つけたり」「見知らぬ海へ」、この三つはぜひとも
完結させておきたかった。悔しくないと云えば嘘になります。

しかしやり残したことは多々あれど、自分の生き方に断じて後悔していない。
なかなか自分の書いた主人公たちのようには生きられなかったけれど、
ああすればよかったと思うところはあるけれど、それでもよく生きた。
あれもこれも含めて、天命なのだと思っています。

エッセイ集、「時代小説の愉しみ」のあとがきに、私はこんなことを書きました。
「…それでも尚、誇らかに己れの志だけは明確に告げているかに思える。
その志の大小、それが成就されたか、無惨にも敗れて終わったかは、本人にとっては
どうでもいいことである。」
私は志を立て、それに殉じました。
成就されたかのはみなさまのご判断に任せたいと思います。

といいながら、実は後悔していることが一つあります。女房に苦労をかけたことです。
私が遊び好きなものだから、大変な思いをしたに違いない。
家計も決して楽ではなかった。
彼女にはもっと楽をさせてあげたかった、それだけは心残りです。

>56
「『んみゅ』とは何だ。それでも男か!」
慶次郎は大喝した。耳にした者の魂が吹き飛ぶような一喝である。
56は腰が抜けたようにへなへなと崩れ落ち、慶次郎から逃げようとはいずり回った。
慶次郎は56の襟に朱柄の槍を突き刺すと、川の中へ放り込んでしまった。
遠巻きにして見ていた人々からから失笑が漏れた。
>前田殿
今から貴殿を抱きしめますので止めても無駄です。
前田殿にお尋ねしたい。
琉球には「泡盛」なる火酒があると聞いております。
その味と香りは如何様な物でありましょうか?
当方、酒には目がありませんが、無知にして泡盛を
試したことがございません。
是非、お教えください。
>54-55へのレスに魂が震えました。
あなたは素晴らしい作家です・・・。
77以上、自作自演でした。:02/02/01 16:42
定期上げです、隆さん。
隆さんって東大でてるそうですね、凄ぇや。
俺が中学生の頃、「好きなディズニーのキャラクター」という
アンケートに対して『前田慶次』と答えた友人がいました。
あの時の奴の脳を調べてみたいです。
79隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/03 06:48
>58 超良スレあげ
いや、何と云っていいか。本当ですかね。

>61 ゆっくり、あせらず、自分のペースで頑張っておくんなまし。
気を遣って頂いて申し訳ない。
そうですね、自分のペースでやらせて頂きます。

>62 隆たんハァハァ
おや、どうかなさいましたか。
風邪などお召しにならないように気をつけて。

>63 傾奇者に憧れた若者のサイドストーリー
それは考えてなかったですね。
私は奔流のように流れていく小説が性に合ってるし、好きなんです。
本筋とあまり関係ないエピソードを入れて別の視点から見るという手法は、
物語を重層的にするという利点はあると思うんですが、どうも流れが止まるようでね
80隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/03 06:48
>64 芸能ニュース
今年の大河ドラマの評判はあまりよくないですね。いや、今年も、と云ったほうがいいのかな。
前職が脚本家ゆえにテレビドラマの行く末は大いに気になるのですが…。
役者の質も昔と変わりましたからねェ。
いろいろ難しいのかもしれません。

>65 昔の人の強さについて
骨格などを調べてみると、江戸時代の男性の平均身長は大体150pぐらいらしい。
(明治初頭だと155〜160p前後)
仰る通り、食べ物も栄養価の乏しいものが多かった。
したがって、昔の人の強さなど大したことはないという結論に至っても
不思議ではない。

しかし、そう単純に考えるわけにはいかない。
例えば、当時の人は車などありませんから、1日に相当の距離を歩いていた。
足腰は現代人と比較にならないぐらい強い。

また、肝心のいくさ場ではどうか。
戦場ではただ単に体力や技が優れているだけでは生き残れない。
「胆力」が大事になります。
何しろ常時死地と隣り合わせですから、戦国時代の「いくさ人」は相当肝が
据わっていたと考えられる。

もろもろ考えてみると、むしろ現代人が「強さ」(何を以て強いというのかも
問題ですが)においては劣るのではないか、と思います。

>66 良スレあげ
これはどうも申し訳ない。

それから私がsageで書いてるのは回答が遅れがちで申し訳ない、という気持ちから
ですので、みなさんはage、sageはお好きなようになさって下さい。

>67 古本屋で「一夢庵風流記」を購入した
嬉しいですね。自分の本を手にとってもらえるのが一番嬉しいことです。
子供みたいなものですから。
それはさておいて、黙っていればわからないのに、正直に古本屋で買った、というところがいい。

なに、気にすることはありません。
私も金がないときは古本屋で随分世話になったものです。
今と違って図書館なんて無いも同然でした。

しかしあの頃は本当に金がなかったなァ。

あるとき、どうしても手に入れたい本が出来た。しかし先立つものが無い。
仕方ないから手元にある本を売って資金にあてることにした。
みなさんも経験があるかもしれませんが、整理して家を引っかき回してると
懐かしいものが出てきたりしてつい読みふけってしまう。

あれやこれやで何とか金を捻り出し、その本があった古本屋に行ったら、
目当てのブツは誰かに買われて無くなってた、なんてことがありました。
さっさと行動すればよかった、本屋の親父に「金はつくるからとって置いてくれ」と
云っておけばよかったと後悔してもあとの祭り。
地団駄を踏むとはこのことか、と思うぐらい悔しかった。

で、結局予定通り本は売って、その金は何に使ったかというと、あんまり頭に来た
ものだから、仲間を集めて大宴会をした。
女房には怒られましたねェ。私も若かったもんだからついカッとなって、しまいには
近所の人が止めに来るような大喧嘩になった。
今となってはいい思い出です。
81以上、自作自演でした。:02/02/03 12:21
マンガ『花の慶次』のファンの者です。
この度、原作の『一夢庵風流記』を読みましたが、
なーんかマンガよかつまんな・・・ぐっ!!!
(カキコ者慶次に頸はねられ子房)(藁)
大河にも慶次郎が出るようで…。
誰が演じるのか。
83以上、自作自演でした。:02/02/04 02:47

   ●
   ((. .  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ( ´∀`)< 勝負だ!ゴルァ!
 ≪  V  ≫\_____
  \ __/
 /__|_\
84 ◆KOEiWSYs :02/02/04 10:25
今、「かくれざと苦界行」を読み終えた。
やっぱりあなたにはぜひヤマトタケルを描いて欲しかった。
そればかりが残念です。
85沖田アリゾナ守総司:02/02/04 14:10
世良田次郎三郎     前田慶次郎利益
甲斐の六郎       捨丸
島左近         骨
お風      vs   金吾同(だったっけ?)
風間小太郎       鬼兵衛
お爺(先代小太郎)   直江山城守
風間忍軍        結城秀康
本多弥八郎       山上道久
本多忠勝                    

み…見てみたい!双方、全盛期の設定で!
・・・あっ! あの二人なら酒宴になって終わりかも・・・
86沖田アリゾナ守総司:02/02/04 14:34
もう一ネタ。
徳川家康(世良田次郎三郎)      徳川秀忠
後水尾天皇              柳生家
松永誠四郎              お館様&義仙
前田慶次郎              前田家(奥村家除く)
後藤又兵衛              黒田家
真田幸村(十勇士共)         真田家(信幸)
松平忠輝               本多家(忠勝以外)
結城秀康               記載以外の各大名家
伊達家、奥村家、結城家        徳川家の2/3 
浅野家、福島家、加藤家
本多家(忠勝)、徳川家の1/3

これも、見たいよなぁ〜、どうですか? 秀忠側に甘々な配分ですか?
87以上、自作自演でした。:02/02/04 17:51
SAKONはすごかった
88前田利家:02/02/05 11:48
>81
何が『花の慶次』だ!原作のわしはあんな
泣きベソかいて駄々こねる様なヘタレではないわ!!
89四井主馬:02/02/05 11:52
全くです殿!自分も原作だとシブイ敵役なのに(其れは言過ぎ(藁))
『花慶』での扱いときたら・・・欝打・・・
90藤原祐爾恒興:02/02/06 11:39
慶次殿、一献馳走させてはくれまいか? いや、600年程後の直系の子孫が貴殿のことを、
大層慕っておるのでな、礼代わりじゃ。

しかし、御主は漢惚れする漢よのう、歴史の片隅に消えた儂とはえらい違いじゃ。
91藤原祐爾恒興:02/02/06 13:52
おお、忘れておった>85.86が儂の子孫じゃ(マジですHN変更しました)、最近、『きくちひでゆき』とか『ゆめまくらばく』とやらに
再度はまったようじゃな・・・しかし『ありぞな血風録』(注1)か・・・
儂は、『よしおかたいら』の『風と共に去るぜよ』(注2)の方が好みじゃが。

注1:坂本竜馬がアメリカに逃亡、それを追って沖田総司がアメリカへと言う小説
   お竜を人質にしたりと新撰組かなり悪役。
注2:坂本竜馬がアメリカに逃亡、それを追って原田左馬之助がアメリカへと言う小説
   竜馬とS・オハラが結婚と言う、R・バトラーもビックリの展開、クライマックスは、史上初(?)の
   潜水艦戦(W 南北戦争と幕末が同年代と言うことに着目した問題作(W
   ・・・版権はクリアしたんだろうか?
92以上、自作自演でした。:02/02/08 14:50
こんにちは
ぬおおっ!このスレの灯火を絶やすわけにはいかぬ!
そうであろう?前田殿!!
94以上、自作自演でした。:02/02/09 22:17
軍事偵察衛星Fire Bird Wあげ
95以上、自作自演でした。:02/02/09 22:20
465位?
age、age、age。
96隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/10 23:52
>74 今から貴殿を抱きしめますので止めても無駄です。>前田殿
慶次郎はこの男にしては珍しいことに困った顔をして突っ立っていた。
この時代では、直截的な愛情表現はとられないと云っていい。
たとえ今生の別れでも抱き合ったりなど考えられない世の中なのである。
慶次郎が戸惑ったのも無理のないことと云えた。

慶次郎まであと四尺あまりまで迫ったとき、74は歩みを止めていた。
目にもとまらぬ速さで慶次郎が脇差しを抜き、切っ先を74の喉元に押し当てたのである。
「うまく化けたもんだな。どこをどう見ても女にしか見えん」
感心したように慶次郎は云った。
「だが、相手が悪かった」

云い終わると同時に慶次郎の身体から凄まじい殺気が放射された。
常人ならその場にへたりこんでしまうような殺気である。
が、さすがに74はそんな醜態をさらさなかった。
なかば斬られることを覚悟しつつ74は後ろに飛びすさった。
正面を向いたままさらに二、三度飛び、安全圏に入ったと見るや逃走した。

慶次郎はあとを追わなかった。
そればかりか追走しようとした捨丸を止めさえした。
「何故ですか」
不満を洩らす捨丸に慶次郎は笑いながら云ったものである。
「面白そうなやつだったからな」
それで仕舞いだった。
97以上、自作自演でした。:02/02/11 03:11
名スレです。
いつも楽しみにしております。
隆さんに池波さんに・・・・
みんなお泣くなりになってしまった。
悲しいことです。
98以上、自作自演でした。:02/02/11 15:27
名スレage
99以上、自作自演でした。:02/02/13 14:38
アパム、アパァーム!!
100は前田殿に取って頂きたかったが。やむをえん、保全でござる!
101隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/16 02:32
>75 泡盛の味と香り
ある日のことである。
珍しい酒がある、といきつけの傾城屋の主人が云ってきた。
実は慶次郎のためにとっておいたのだが、主人は口にしなかった。
慶次郎が阿諛追従の類を嫌うのを知っているからである。

「琉球の酒か」
たちまち慶次郎は興味を示した。
「へえ。ものによると百年、二百年寝かせるって話で」
半ば唸りながら注がれた酒を見る。
芳醇な香りが漂ってきた。口にする前から味がわかるような、そんな香りだった。

「美味いな、こいつは」
飲み干した後、慶次郎はしみじみと呟いた。
「皆で呑むぞ。俺一人で楽しんだら罰が当たるからな」
たちまち宴会になった。

>76 あなたは素晴らしい作家です・・・。
いや、お世辞でも嬉しいですね。
一人でもそう仰って頂けたってことは、私の生にも何がしかの意味があったって事かなァ。

>77 隆さんって東大でてるそうですね、凄ぇや。
大学に限らず、学校は勉学をするところですからね。ありふれた言い方ですが、
入ることよりそこで何を学んだか、です。
その意味では私はどうだったのかな。
いい学生だったのかどうか。

>78 好きなディズニーのキャラクターに前田慶次
はっはっはっ!
いや、これは面白い。愉快な友人じゃないですか。
大切にしてあげて下さい。
102以上、自作自演でした。:02/02/16 10:05
保全しときます。
期待してます!
103以上、自作自演でした。:02/02/16 20:53
この説についてどう思いますか?
http://members8.cool.ne.jp/~montitti/_private/k-woman.htm
104以上、自作自演でした。:02/02/17 22:36
不安なので、またageます。
隆先生が安心してカキコできるように・・・
105以上、自作自演でした。:02/02/17 22:48
あがってないので、も一度age。
何度もごめんなさい!
106隆慶一郎 ◆UvvVrL/A :02/02/18 01:18
>81
ははは、そういう方もおられて当然なので、頸を斬られる必要は
ないですよ。
全員小説の方が好きだったら問題でしょう(逆もしかりですが)。

>82
及川光博さんという方だそうで。
どなたか存じあげないんですが、見てみたいですね。
どうやら役者じゃないようだけど、どうなのかなァ。
むしろ本式の役者じゃないほうがいいのかもしれませんね。
107以上、自作自演でした。:02/02/18 23:53
ふあんなのであげます。
今しばらく
夢の名残を楽しみたく候

貴殿の強くゆるやかな水の流れのごとき文
我が現の心の支えともうしておりました。