SAKURA・ROYALE

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ラチェットがこれからやろうとすることには人手が必要だった。
しかも、戦闘よりも情報に長ける者が。
そして、「花組」でなく「風組」である2人がいる。

すぐに話かけたいのだが、少し考えてみた。

1、マリアと2人は敵対関係にあり、2人にマリアは殺された
2、マリアと2人は敵対関係にあったが、第3者にマリアは殺された
3、マリアと2人は協力関係にあったが、敵対する者にマリアは殺された
4、2人はたまたまマリアの死体を見つけた
という4つのパターンにわけてみることにする。
1番の場合は最も危険であるが、非戦闘員である2人が2人がかりとはいえ、
そう簡単にマリアを殺せるとは思えず、殺してから埋葬しようとは考えないだろう。
2番の場合は、もう一人がいないのは少し遠くにいるか、相打ちだったかだが、
実際に手をくだしていないのであれば、それほど危険ではない
どちらにしても同じ帝都の者同士が戦うより帝都対巴里となる可能性の方が高いので
3番か4番の可能性が高いといえる

決め付けるのは危険だが、自分が出て行って警戒こそされてもいきなり
非戦闘員である彼女らに殺されるという可能性は低いだろう。

しかし、本部の者に今、自分の姿を見られるのはよくない。ゆえに慎重をしすぎることはないだろう。
『さて、どうしたものかしら。』
456以上、自作自演でした。:02/04/05 23:18
保全上げ
 「うう・・・・・うう、畜生・・・あたいはなんて・・・・バカなんだ・・
許してくれ・・・紅蘭・・・」
まだ充分に暖かい紅蘭の死体を抱きしめて、カンナは泣きじゃくった。
「ちょっと、ここで休んでてくれ・・・いずれ、ちゃんと・・」
織姫に撃たれた右肩は、撃たれる瞬間に気を集中していたので、
ダメージは最小限のものとなっていた、カンナは付近の寝台に紅蘭を寝かせ、
途方にくれた、「そうだ、シーは!また織姫にやられたのかも!」
カンナは紅蘭の方をみて声をかける、
「許してくれ・・・紅蘭・・・」
カンナは階段を駆け上がり、シーの名を呼んだ
「シー!大丈夫か!シー!」
しかし、地上には誰も居なかった、
顔が曲がってしまっている(ように見えた)織姫がものすごい勢いで
逃げていったのを見て、シーは恐怖し、そこから立ち去ってしまっていたのだ。
458 ◆kYxlAbaw :02/04/07 01:11
「ちぃっ!!なんて硬さだい!!」
ロベリアが操る光武は、そのガトリング砲から豪勢に弾丸を吐き出すが
さくらの光武に何十発と弾丸を命中させても
決定的なダメージを与える事ができない
「あっははははははは!!無駄よ!!無駄無駄無駄!!」
さくらは光武の腕を振るわせて、衝撃波を繰り出してくる
例によってロベリアは上手くその衝撃波を回避する事に成功したが
さすがに辛くなってきた、徐々に攻撃のペースが上がってきているのだ
「ちぃっ…!!あいつの霊力は底なしか!!」
ロベリアはモニターを凝視した、額から冷や汗が流れる
先ほどまで極度の興奮状態に陥っていた頭脳が徐々に冷えてきた
それと同時に、先ほどまで痛みを感じず、失念すらしていた怪我が
再び痛み出してきた
「くそ…本当に試作型なのか…あれは!!」
「ほらほらほらほら!!動きが鈍くなってきたわよ!!」
さくら機はその場から一歩も動かずに桜花爛漫や桜花放神といった必殺技を次々と繰り出し
その攻撃の合間に弓矢を織り交ぜてくる
間髪いれずに繰り出されてくるさくら機の猛攻
ロベリアは徐々に追い詰められ始めていたた
戦闘が始まってからわずか2分しか立っていないというのに
「奴の霊力は底なしか!!」
さくら機は、ロベリアが牽制目的で放ったガトリング弾をものともせず
弓矢を放ってきた、これは見当はずれの方向に飛んでいく
「不器用とは言っても…下手な鉄砲数撃ちゃ当たるって奴かい!!」
ロベリアの口からはもはや愚痴しか漏れてこない
それほどまでに光武を駆るさくらの力は圧倒的だった
「くそ…何か方法は無いのか…!!いくらなんでも強すぎる!!」
ロベリアは再びモニターを凝視し、さくら機を注意深く見つめた
その機体からは、異様なオーラが漂ってきている、おそらく霊力だろう
今までに見たことの無い現象であった
「こいつ…まさか…」
ロベリアは、椿から教えてもらったさくら機の3つ目の弱点を思い出した
霊力炉の安定性が悪い、彼女は確かにそう言った
「暴走…してるのか…?」

原由里は土をスコップでならし終わると、額の汗をぬぐった。

マリアの死体を裏通りで見つけたのは今から約2時間前だった。
『放送じゃ信じられなかったけれど、マリアさんの死亡は本当だったのね。』
さすがにこのままにしてはおけないと、近くに空き地を見つけ、
空き地のプレハブにあったスコップで穴を掘り、マリアを埋葬した。

女性といはいえ、大柄なマリアを収める分の穴を掘るのは意外に重労働で、
終わったあと、空き地の傍の木陰で休憩をとることにした。

休憩になっても、由里は一言も話し掛けなかったし、かすみも話し掛けてこなかった。
それは、それまで放送で仲間の死を知らされてはいたものの、
どうしても仲間の死が現実のものであるとは思えなかったが、
マリアの死体を目の当たりにすることでこのゲームが
夢でもなんでもなく、現実であることを思い知ったからであった。
ただいひとつ由里を安心させたのは、死亡リストに椿の名前がなかったことだ。
1行目訂正。

榊原由里は土をスコップでならし終わると、額の汗をぬぐった。
461以上、自作自演でした。:02/04/08 21:55
保全です
>459
改訂版出す時は直しておきます
463age:02/04/09 23:59
age
464以上、自作自演でした。:02/04/10 22:42
『これからいったいどうしたら・・・、そして椿はどこ・・・、!?』
由里の思考は中断された。由里の右後方から何かが飛んできたからだ。
それはちょうど由里の真横の地面に突き刺さった。
よくみるとそれはナイフで、折りたたまれた紙に突き刺してあるものだった。
由里はナイフから紙を引き抜いた。紙には次の文字がかいてあった。

「あなたたちの会話は本部に盗聴されてる。
 だから、この紙に書いてあることも、これからの事も口に出さないように。
 訳あって姿は表にだせないけど、私はあなたたちの味方。
 まず、あなたたちが座っている木の裏側の方にある雑貨屋に来て。」
 
由里は飛んできた方向である後ろを振り向く、
たしかに後ろにビルがあり、1階が雑貨屋になっている。
その奥に人影を探したがみつからなかった。

由里は少し考えて、口に人差し指を立て、かすみに紙を見せた。
もしそれが罠であって、行ってみたら殺されるかもしれない、
だが、そうでなくても非戦闘員である自分たちがこの先生き残れる可能性は高くはない。
だったら、少しでも可能性が多い方に賭けてみたいと思ったからだ。
コテハンじゃない職人さんはいまいずこ・・・。
466以上、自作自演でした。:02/04/11 22:57
その時、藤井かすみは別の事を考えていた。「マリアは誰に殺されたか」である。
マリアの死体があったそばには、乱れた(=乱闘があった)大中小3種類の足跡があった。

大きな足跡は、マリアのものと一致していた。
小さい足跡・・・、あきらかに成人のものではないもの・・・、
これは、アイリスは初めのころに死亡していたから、おそらくコクリコのものであろう。
マリアとコクリコが戦ってマリアが負けるというのは考えにくい。
そうすると、普通の大きさの足跡の主がコクリコに加勢したと考えられる。
よって、マリアはコクリコと足跡の主に殺されたと考えられる。
『2対1・・・、こんな状況で卑怯とはいっていられないけど・・・。』

そんなことを考えていた時、横から由里に指で呼びかけられた。
振り向くかすみに由里は一枚の紙を見せた。

その紙の内容に、かすみは驚いたのだが、その紙の筆跡にかすみは見覚えがあった。
『この字はもしかして・・・。』

由里は続けて地面に指で『行ってみようと思う。』と書いた。
かすみは頷くことにより同意した。
『あの人なら・・・、何かできるかも・・・。』
二人は立ち上がると、後ろの雑貨屋に向けて歩き出した。
467 ◆kYxlAbaw :02/04/12 22:53
グリシーヌ達がいた場所から戦場まではそれほど遠くはないのだが
さくらが所かまわず暴れまわったせいで、辺りは瓦礫の山となり
駆けつけるためには幾つか遠回りする羽目になった
そのため、道に迷わないよう、土地勘のある椿が先頭を走っていた
これはある意味非常に不利な状況で
二人にその気は無いが、いつ後ろからばっさりやられてもおかしく無い
結局、椿はグリシーヌとコクリコのいわゆる気まぐれに救われているのだ
本当ならば巴里よりも信用できるはずの帝劇の仲間に命を狙われ
逆に一番に対立する可能性が高いであろう巴里の面子に情けを
かけられ、運良く生き残るというのは実に皮肉な話だ
「こっちも駄目だわ…仕方ありません、瓦礫を越えて…」
「しっ!!待て、またロベリアの声が聞こえてきた」

「すみれを…すみれを殺したくせに!!」
「はっ、なにいってんだか…これでもあたしは始めは逃げたんだ
それでもあたしを殺そうとするなら、反撃喰らって死んでも
それは、後先考えなかったあいつ自身のの責任なんじゃないのかい?
あいつは自分で自分の落とし前をつけたんだよ!!」

「カンナ…すごく怒ってるね…」
「ええ…仲がよかったですから…すごく…」
仲がいい、グリシーヌは親友のことを思い出し、顔を曇らせた
戦場の方から冷たい風が吹きつけてくる
多少肌寒いが、二人の会話を聞く分には具合がよかった
風に乗ってどんどん会話が流れてくる

『それに…うちだって花火の嬢ちゃんが殺されてるんだ…
誰がやったのかは知らないが…こういう状況ならお互い様だろ?』
『うっ…!!そ…それは…!!』
『なに慌ててんだ?…は、そういう事かよ!!アンタがやったのか!!
ちゃっかり自分も殺しといて何勝手なこと言ってんだ!!
そんな身勝手な話が通用すると思うな!!』



468 ◆kYxlAbaw :02/04/12 23:26
「そんな…それじゃあ花火を殺したのは…」
コクリコが呆然と呟く、カンナは以前巴里に来た時
ゴリラに似ているなどというあまりといえばあまりな
コクリコの発言にいやな顔一つせずに付き合ってくれた
その優しいはずのカンナが何故?
「どうして…どうして花火を…」
一方、グリシーヌも多かれ少なかれショックは受けていた
親友を殺され、怒り狂うカンナの気持ちは理解できる
現に、グリシーヌ自身、花火が死んだと効いたときははらわたが煮えくりかえる思いがした
だが、グリシーヌを怒り狂わせたのは
ほかならぬ親友を殺されて怒り狂っているカンナだ
このお互いの不条理な立場の違いが生み出す憎しみの連鎖
戦争などがあればこういった状況はそれほど珍しくないだろう
しかし、まだ若く、身分の高いグリシーヌにはそれを知る術はない
「花火を殺したのはカンナか…!!あの慌てぶりからして間違無いだろうな…」
いつものグリシーヌならば、ここで友の仇と飛び出していく所なのだろうが
今ここグリシーヌがカンナを切れば、高い確率で帝劇の誰かが
グリシーヌ達を仲間の仇と襲ってくるのは容易に想像できた
自分だけならばそれでもいいのだが、幼いコクリコを連れている
今の状況で、必要以上の危険と緊張を呼び込むことは避けたい
そして、それ以上にグリシーヌを抑制していたのはロベリアの言葉だった
469 ◆kYxlAbaw :02/04/12 23:51
『ちゃっかり自分も殺しといて何勝手なこと言ってんだ!!
そんな身勝手な話が通用すると思うな!!』

グリシーヌはマリアを殺している、厳密に言えば殺したのはコクリコだが
幼い子供に罪を押し付け、一人でいきり立つほどグリシーヌは身勝手ではない
泣き出すコクリコの横でグリシーヌはゆっくりと目を閉じ、自問した
確かに戦う必要がある、だが、その戦いに個人の感情と憎悪をを持ち込むのは
巴里華劇団の名を汚す行為なのではないか?
逃れられぬ道なのであれば、せめて誇り高くやり遂げるべきなのではないか?
(そうだ…花火とて巴里華激団の一員…花火はカンナと誇り高く戦って
死んでいったのだ…マリアと同じように…ならば、その結果に腹を立てるのは
花火に対する侮辱だ…)
泣きじゃくるコクリコと、その涙を拭く椿の横で、グリシーヌはゆっくりと目を開いた
「うろたえるな」
グリシーヌのその一言に反応し、コクリコは顔を上げた、泣き止んだわけではないが
グリシーヌがたった一言しゃべっただけで随分と落ち着いたようだ
「すみれも花火も、そしてカンナも…皆、帝国華激団や巴里華激団の一員として
正々堂々と戦ったのだ、それを無視して結果だけを悲しんだり腹を立てるのは
お門違いという物だ…分かるな?」
グリシーヌはコクリコと同じ目線に立ち、優しく語り掛ける
「ならば、今やるべきことは泣いたり、憎んだりする事ではない、ロベリアの戦いを見届ける事だ」
「…うん!!」
コクリコは力強くうなずいた、その目からはもう涙はこぼれていない
グリシーヌもそれを見てうなずき返し、椿の方に顔を向ける
「椿…私はどうかしていたようだ、すまぬ」
「いえ…いいんです…」
「だが…いずれは決着をつけることになる事も覚えておいてくれ…いずれはな…
生き残れるのは一人しかおらんのだ」
「…はい」
椿は頷いた、今ここでお互いが少し成長し、結束を深めても
それはいずれ来る破局の予兆でしかないのだ、だが、今はそれでもいい
「もう大丈夫か?コクリコ」
「うん」
「よし、ならば行くぞ」
三人は瓦礫に手と足をかけ、乗り越え始めた、長い裾が邪魔をしてもたつく椿に
グリシーヌが手を貸した、平和な時にこのように結束を強める事が出来れば
お互いこれほど幸せな事は無かっただろう
だが、このような状況下に陥らなければ、グリシーヌが吹っ切り
成長する事も無かったのも事実なのだ

むむむ、光武の戦闘シーンが前の時間帯の出来事だから、
ちょっと書きづらくなってきましたね、どうしましょ
なにかいいアイディアがあればこちらにお願いします。
ttp://cgi.www5d.biglobe.ne.jp/~shin3/cgi-bin/wforum/wforum.cgi
>447
ありがとうございます、自分もさくらの重装備(?)光武をお願いします。
471 ◆kYxlAbaw :02/04/14 07:00
申し訳ない、なんとか急いで決着をつけさせるよ
472 ◆kYxlAbaw :02/04/14 22:20
ガトリングガンの弾丸が底を付きかけている
残り残弾数40発、これでは数秒と立たずに撃ち尽してしまうだろう
「畜生…手詰まりか…」
ロベリアはモニターを通じ、向こう側にそびえ立つさくら機を
力なく眺めていた
「戦闘時間7分40秒…まあ、よくもった方なんだろうね…」
ロベリアがさくら機の暴走に気づいてから約6分
ロベリアは様々な角度からの攻撃を試みたが
その全てが堅牢な装甲にはじき返された
さくら機ののろさに目をつけ、背後を取る事も考えたが
付近の建物が邪魔をして上手く立ち回ることができない
エリカ機の特性を生かし、空を飛んで回り込もうとしたが
いざ飛ぼうとしても飛ばない、性能が大幅に落ちているからだ
ロベリアと椿が光武を手に入れた時点では、上野公園に墜落した時の
ショックの影響だろうと考えていたが、実際に戦ってみて分かった
どうも意図的に落してあるようなのだ、
(この件に関していえばロベリアはグランマを初めとする
巴里の対応の意図が理解できなかった)
結局、折角の対抗手段もまともに通用しないまま、勝負は決してしまった
せめて、あの武器さえなければ何とかなったのだろうが…
(光武を拾った時にさっさと処分しておかなった私のミスか…)
結局、自分のミスが自分の首を絞めていただけなのだ
「仕方ない…いっちょカミカゼって奴をやってみるかね」
ロベリアの駆るエリカの光武はゆっくりと膝を曲げた
473 ◆kYxlAbaw :02/04/14 22:44
さくら機の攻撃を見逃さないよう、モニターをしっかりと見つめる
その視界が僅かに霞んだ
「そろそろお迎えが来たみたいだね…心置きなくやれるってもんだ!!」
ロベリアの顔からそれまで浮かべていた絶望の色が消え去り
いつもの表情に戻った、顔色は顔面蒼白だが
「いくよ!!」
死を覚悟し、ロベリアがフットペダルに力を込めた瞬間
モニターの霊力レーダーが三つの光点を映し出した
「無事か!?ロベリア!!」
「ロベリア!!」
「ロベリアさん!!」
グリシーヌとコクリコ、そして椿がわき道からぞろぞろと顔を出した
椿がいることと、残りの二人が自分の名前を出したことから
椿から話を聞いて駆けつけたというのは想像に難くない
だが、それなら状況は分かっている筈
光武が戦っている現場にノコノコと顔を出してくるとは一体どういうつもりなのか
「あの…馬鹿…!!」
案の定、さくら機はばっちり椿たちに気が付いている
その機体が緩慢な動きで椿たち一行に向き直った、狙いを彼女達に変えたのだ
「あら…お客さんが三人も…
ならそっちの方からお相手をしてあげないと失礼になるわよね!!」
さくら機はそれまでロベリアに対してしてきたように乗ったりとしたモーションで
ステッキを構え、振りかぶった
「あれ?ボクのステッキだよ!!なんで!?」
「馬鹿!!さっさと逃げろ!!」
「あははははは!!もう遅いってのよ!!うらむんならノコノコと顔を出してきた
マヌケな自分を恨みなさい、三人まとめて死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
さくら機が発光し、必殺技の発動体勢に入った
霊力が一時的に上昇し、ロベリアの光武のアラームを鳴らす
辺りの地形の関係でよけられないと判断し、いつも以上に力を込めているのだ
「破邪剣征…桜花天昇!!」
「ちぃぃぃぃぃっ!!!!」
ロベリアはカミカゼに使わんと溜めていた足のバネを使い
一瞬で椿たちとさくら機の間に割って入った
「ふせろぉぉぉぉぉっ!!」
ロベリアも自分の残った霊力を解放し、少しでも衝撃波の勢いを殺そうとする
一方、グリシーヌはいち早くロベリアの絶叫に反応し
すぐに動く事ができなかった残り二人を強引に押し倒し、地面に伏せた
そして、帝都の一角は爆発に包まれた

【続く】
474 ◆kYxlAbaw :02/04/14 22:46
ホントは当時カミカゼなんて言葉はなかったんだろうけど
ほかに適当な言葉がなかった
とりあえず、この世界にはそういう言葉があるって事で一つよろしく
さくらと花火の殺害方法は
絞殺か扼殺がいいなあ…
さくらはともかく花火はもうお亡くなりに…
サクラの場合は最後に正気に戻って自害パターンか・・・?
かすみは銃(13式)を持ち、由里はトンファーの一つを手に持ち、雑貨屋の入り口であるサッシに近づいた。
サッシには内側からテープで紙が貼ってあった。

「大丈夫。サッシには罠なんてないから。
 店に入ったら、この紙を窓から剥がして奥に進んで。
 奥は民家になっていて、正面が居間になっているからそこへ来て。」

かすみは一応外からサッシの内部を調べたが、細工をされた様子はない。
二人はゆっくりあけて中に入った。入ったところは雑貨屋になっており、
お菓子やら文房具やら雑誌やらいろいろなものが売っているようだ。
その奥にふすまがありその向こうは住居となっている。

ふすまを開けた二人の前には一人の女性がいた。
その女性は二人に近づくと、二人の首輪を調べ、やがてうなずくと、
手に持っていた手ぬぐい(店にあったものだろう)を二人の首輪の右側に結わえ、
「お久しぶりね。藤井さん、榊原さん。」
とその女性、ラチェット・アルタイルは右手を挙げ挨拶をするのであった。
武器は以下のとおりにしました。

かすみ 13年式(拳銃) 忍者セット(手裏剣・くない・まきびし・煙球)
由里  トンファー ボウガン  
由里は答える。
「ラ、ラチェットさん! ど、どうしてここに?」
「この下らない計画を終わらせにってとこかしら? ところで、現在の状況を教えて。」
かすみは、現在までの死亡者、そして自分達がわかっていること
(といっても光武が暴走していることは知らなかったのだが)を説明した。
「あと私たちの支給武器は、この銃(南部14年式)と手裏剣、くない、まきびしとこの黒い玉が4つ・・・
これは煙玉といって投げると地面で割れて大量の煙が出て、相手の目くらましになります。
あと、トンファーとボウガンです。」
かすみはあらかじめわかっていたのか、由里ほどは驚いてはいないようだ。
死亡者を聞いて、逆にラチェットは少し驚いた様子で、
「・・・レニも? 信じられないわ。あの子がやられるなんて。相手は相当な手練なものかしら?
 とりあえず急いだほうがいいわね。武器は・・・、銃があるのは心強いわね。
 ボウガンも飛び道具として役に立つわね。トンファーは、普通の人では使いこなせないわね。
 帝劇でも使いこなせるのはカンナぐらいじゃないのかしら? 私もあんまり得意ではないわ。
 ・・・あとは・・・、ニンジャセットとでも呼べばいいかしら? ・・・とりあえずこのケムリダマというのは役に立ちそうね。」
「だ、誰かと戦うんですか?」由里が聞く。
「・・・戦わざるをえないでしょうね。でもその役目は主に私。手伝ってもらうかもしれないけど。
 あなたたちの役目は別にあるわ。風組にぴったりな役目が。」
481hozen:02/04/19 13:47
保全カキコ
さらに保全sage。
旧ギャルゲ板サクロワ時にわりとあっさり逝ってしまったロベに
ちと悔し涙を流したのでがんばっていただきたい。
483 ◆kYxlAbaw :02/04/20 21:34
「うう…」
煙と粉塵の中、椿はうつぶせに倒れたままゆっくりと覚醒した
頬や口内が砂っぽく、辺りは煙い、肘がじんじんと痛む
手でまさぐって確認すると、うっすらと血が滲んでいる
擦りむいたようだ
「よかった…生きてる…」
自分が天国に行けるかどうかはともかくとして
怪我をしたままあの世に行く訳はないだろうから
自分はとりあえず生きているのだろう
「グリシーヌさん…?コクリコ…?」
「う…」
「ん…んん…」
椿は二人のうめき声を聞くと共に、自分の背中の
圧迫感に気づいた、椿は首を無理に捻り、上を向いた
グリシーヌが自分と隣にいるコクリコに覆いかぶさったまま
気を失っている、薄暗がりでよく見えないが、怪我はしていないようだ
(そうか…グリシーヌさんが私達をかばってくれたんだ…)
頭がはっきりとするに従い、ゆっくりと記憶が戻ってくる
そうだ、自分達はロベリアを助けに…
「ロベリアさん!!大丈夫ですか!?ロベリアさん!!」
「うるせーよ!!ちゃんと聞こえてる!!それよりさっさと
そこから出ろ、崩れるぞ!!」
椿はその言葉に従い、グリシーヌの下から這い出して状況を確認した
484 ◆kYxlAbaw :02/04/20 21:51
確か、自分達が気を失ったのは煉瓦製のアパートの密集地だった
そして、気を失ったのは自分達がさくらの攻撃を受け
大爆発が起こったからだ、自分達が無事に生きている
と言う事は、たいしたことのない爆発だったのかもしれないが
それでも、辺りの住宅の窓くらいは割れてもおかしくない
だが、それにしてはロベリアの様子は慌てすぎだった
「急げ!!潰れる!!」
椿は後ろを振り返り、様子を確認する
「うそ…」
自分達がいた辺りの半径数メートルの建物の殆どが倒壊し
瓦礫の山と化していた、それは自分達が気を失っていた場所も
例外ではない、それどころか、複数の建物が折り重なるようにして
倒れている、この倒れ方では、自分達が潰されているほうが自然だった
だが、椿たちがいたところの両脇の壁が人の文字の形に倒れて
お互いを支えあい、上からの瓦礫を受け止めてくれていた
そのおかげで助かっていたのだ、だが、それも限界に来ている
支えあっている壁が瓦礫の重さに耐え切れず、みしみしと悲鳴を上げている
ようやく事態を理解した椿は、いわゆる火事場の馬鹿力という奴で
気を失っているグリシーヌとコクリコを瓦礫の下から引っ張り出した
「ったく…ついてきたら踏み潰すって言っただろうが…」
「でも…ほっとけなくて…」
椿はそこでようやくロベリア機の惨状を確認した
間接の各所から煙が吹き上がり、羽はもげ、ハッチが砕けている
そこから除くロベリアの顔は、蒼白を通り越してもはや土気色だ
「あ…ああ…」
一方、さくら機のほうは、以前五体満足のまま、不気味に沈黙していた

485 ◆kYxlAbaw :02/04/20 22:08
すっかり涼しくなってしまったコクピットの中、いや
最早、中と言う表現すらも正しくない、空を埋め尽くす
真っ黒い雨雲の下、ロベリアは舌を打った
「くそ…光武がもう限界だ…」
椿たちが来なければ、体当たりから自爆につなげる余裕くらいは
あったのだが、それもできそうにない、派手に動けば
機体が崩壊してしまうだろう
(向こうが次に攻撃して来たら終わりだ…)
だが、先ほどの攻撃から2分ほど立つのに、さくらは一向に
動く気配を見せない、そのおかげで4人とも生きているのだが
不気味でしょうがない
(どういうつもりだ…?)
ロベリアは身を乗り出して、光武の様子を確認した
状態はまったくひどい有様で、エリカには非常に申し訳ないことをしたが
あと数秒間のガトリング砲の使用とゆっくり歩くくらいはできそうだ
「あんたはそこから動くな!!」
ロベリアは椿にそう言い放ち、ゆっくりとフットペダルを踏み込んだ
光武は間接の軋む耳障りな騒音を立てながらゆっくりと歩き始める
「こ…来ないでぇぇぇぇぇぇっ!!」
歩き始めた光武を確認したさくらが、突如恐怖の悲鳴を上げた
「この凡骨!!動け!!動け!!動いてぇぇぇぇ!!」
ロベリアはその台詞を聞き、何故さくら機が動かなかったかを理解した
何のことはない、動きたくても動けなかったのだ
486 ◆kYxlAbaw :02/04/20 22:40
(はん…そういうことか、マシンがオーバーヒートでもしたね…)
惨めな物だ、ついさっきまであれほど我が世の春を謳歌したさくらが
命の危機に陥った今ではまるで子供のようだ
「いや…動いて!!動いて…あと少しなのよ…」
そのあまりの惨めさに、ロベリアは少し仏心を出し、
最終的な結論を椿に任せた
「どうする…?椿」
「とりあえず…さくらさんを光武から下ろしましょう」
ロベリアは足から力を抜き、光武の動きを止めた
「降りてきな…」
「いやよ…降りたら殺される…」
「さくらさん…もういいんです…降りてきてください…
私達はあなたを殺したりしません、もうこんなばかげた事は止めましょう…」
「椿……………さん…?」
椿はまっすぐにさくら機を見つめ、優しく語り掛ける
「さくらさん、降りてきてください…もうやめましょう…こんな事」
「…………嫌!!」
だが、椿の説得に対するさくらの答えは、拒絶だった
「嫌よ…あなたも、あなたも!!私を騙して殺すつもりなんでしょう!!
みんな殺すつもりなのよ!!私を!!降りないわよ…降りるもんですか!!
殺されるくらいなら、私がみんな殺してやる!!それで大神さんと結ばれるのよ!!」
椿はうつむき、嘆いた、さくらは完全に疑心暗鬼に陥っている
おそらく最初からこうだったのだろう
(いや…椿の話だとこいつは最初にアイリスにあったって言ってた…
もしかしたらその後にこうなったのかもしれないね…)
ロベリアは大きく溜息をついた、さくらにどんな可哀想な境遇があるのかは分からない
だが、すくなくともロベリアは、相手の都合で対応を変えるつもりはなかった
「椿…こいつはもう駄目だ…下がってろ…」
「やっぱり…やっぱり…私を殺すつもりなのね!!!!
嫌!!嫌!!死にたくない!!死にたくない!!しにたくないのよぉぉぉぉっ!!
動けポンコツ!!あたしが死ぬのよ!?動いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
本当の意味での死の危険を悟ったさくらから放たれる
天を裂くような絶叫が、さくらにとっての最後の奇跡を引き起こした
オーバーヒートを起こし、最早動く事はないと思われた光武が薄く発光しいきなり
動き始め、必殺技の発動体勢に入った
「くそ!!まずい!!」
ロベリアは目をつぶった、今の自分にこの攻撃を回避する術はない
「破邪剣征!!桜花放神!!」

【続く】

487以上、自作自演でした。:02/04/21 05:43
このスレッドは始めてみたが、前回好成績だったキャラの殆どが
序盤で死んでいて、逆にあっさり死んだり、始まる前に死んだキャラが
大活躍してるな、これはこれで面白いので、頑張ってくれ
>>483-486
さくらが安易な命乞いに走らないところが面白い
hozen
490以上、自作自演でした。:02/04/24 12:30
定期あげ
続きまだ?
492 ◆kYxlAbaw :02/04/25 22:23
わるい、もう少しだけ待ってくれ
「地下室になんかに来てどうしたの、由里?」
「・・・なんか疲れちゃった。」
「・・・そうね。穴を掘るのって結構きついわよね。」
「そうじゃなくて。」
「ん?」
「穴を掘るのにじゃなくて、このプログラムに疲れちゃった。いつ誰に襲われて、死ぬかもしれないという緊張の連続。
 だって、あのマリアさんやレニさんまで生き残れないプログラムよ。それに・・・」
「・・・それに?」
「生き残るという事は、それは今度は私たちが誰かをこの手にかけるって事よ。
 私が花組の人を殺すなんてイヤ。あんな、あんなに優しかった人達を殺すなんて・・・。
 だから、だから私のプログラムはここで終わりにしようと思う。これを使って。
 かすみは、この鍵を持って部屋の外に出て、鍵をかけてほしい。
 そうすれば・・・、誰にも見られずに・・・。」
「・・・何だ。」
「え?」
「由里も同じ事を考えていたんだなって。」
「・・・かすみ。」
「もういいのよ。私たちこれまで生きてこられただけ運が良かったのよ。」
(この間、しばらく会話なし。地下室の部屋を鍵をロックする音と
 拳銃のセーフティロックを外したものと思われる音を確認)
「うん。また、天国がもしあるんだったら、会えるよね?」
「当たり前よ。そこではもう怯えたり、苦しまなくてもいいの。・・・私も後から逝くね。」
「うん。じゃあ、・・・・ね。」
(数秒の後に拳銃が発射される音が確認され、榊原由里の霊力反応の消失を確認)
「・・・ごめんね、椿。」
(この後にも、拳銃が発射される音が確認され、藤井かすみの霊力反応の消失を確認)
司令部の米田の元に報告がもたらされた。
「9時間42分、藤井かすみ・榊原由里、両名の死亡を確認しました。」
「2人がぁ? 誰にやられたんだ?」米田は通信兵に聞く。
「どうやら心中のようです。まず、かすみが自分を拳銃で撃ち、その後由里は自分を撃ったようです。
 理由は、この先、戦いに残れる自信がないのと、自分達は誰も手にかけたくないということのようです。」
「・・・そうか。下がれ。」
本来、霊力が低い彼女らをこのプログラムに参加させたのは、他のメンバーの礎となるための公算が高かった。
ということで、勝ち残るのはなるべく花組のメンバーであることが望ましかった。ゆえに、
『ここまで生き残っていたのが不思議なぐらいだな・・・。』
と誰もが思い、むしろ歓迎する者さえいた。そして、彼女らの死に疑問を抱くものは誰もいなかった。

まだ、この時は・・・。
>>492
期待してまーす

ストーリーの展開と関連しづらい、カンナの心理描写を考えてます
496 ◆kYxlAbaw :02/04/27 22:20
「破邪剣征!!桜花放神!!」
さくらは息も絶え絶えのロベリアが動かすぼろぼろの光武に向けて
最後の一撃を放った、この攻撃が命中すれば
正攻法でこの光武に対抗できる者は米田以外にはいなくなる
ロベリアもそれを見過ごすつもりはないが
最早どうしようもないというのが現実ではあった
それでも、彼女の体はさくらの攻撃に対して自然に反応し
反射的にフットペダルを踏み込んでいた
ただ、その反射的な行動に反応できるほどの余力は
今の光武には残っていなかったが
(くそ…!!駄目だ…!!)








497 ◆kYxlAbaw :02/04/27 22:30
一方、さくらはここに到ってようやく勝利を確信する事ができた
コクピットの外にいる人間からには
彼女は傍若無人に振る舞い、ただ、無力なものを押しつぶすのを
楽しんでいるようにしか見える
だが、実際の彼女はロベリアとの戦いの時に3回程肝を冷やしている
まず、初めにエリカの光武が目の前に現れた時
次に、最初にガトリング砲の弾丸が装甲に命中した時
そして最後に、光武が動かなかった時だ
「あと少しよ…あと少しで何とか倒せる…!!」
さくらはがくがくと震える足で旧式のフットペダルを踏み込み
霊力を集中させた
(これに勝てば…これ勝てばこれに勝てばこれに勝てば!!
私は助かる!!生き残れる!!)
吹き飛んだ光武の装甲の中からロベリアが出てきた時は正直驚いたが
この際誰だっていい、誰が相手でも大差はない
なぜなら皆殺すからだ
そうよ!!私は死にたくない!!死ぬのは怖いのよ!!
それに、どうせほっといたら皆して私を殺すつもりなんでしょう!!
だから殺すのよ!!みんな私の為に死ね!!」
さくらはステッキを振り下ろした体勢のまま、大声で叫んだ
どうせロベリアは今の攻撃で死んだに決まっている
そう思ったら、先ほどから止まらなかった体の震えがぴたりと止まった
「やった…やったわ!!私の勝ちよ!!」

「なにやってんだ?お前。」
勝利を確信したさくらは、冷ややかなその一言で現実に引き戻された
さくらは前方を確認し、声の主を確認した
「……嘘でしょう!!」
ロベリアが半壊した光武に乗った状態でその場に立っている
ステッキを振るう前とまったく変わらない状態で
「なにが桜花放神だ…人をコケにするのも大概にしな!!」
さくらはその一言でようやく事態を理解した、必殺技が発動しなかったのだ
自分は衝撃波を放って敵を粉砕したつもりでも
ハタから見れば単なる素振りにしか見えない
「嘘…嘘…いつもどおりにやったはずなのに…」
さくらの額から冷や汗が吹き出る、体中が再び小刻みに震えだし
歯がガチガチとなった

【続く】
これの葉鍵版ってある?
>498
まあ、その質問はスレ違いではあるが
ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/1168/index.htm
に行ってみんしゃい。
500498:02/04/28 01:51
>>499
スレ違いスマソ
でもバトロワシリーズ色々出てるみたいなんで全部極めたくなってシマタワケダ、、、
ホントありがd
501以上、自作自演でした。:02/04/29 21:31
定期あげ
避難所の掲示板でちょっと打ち合わせ、
ネタバレです
ttp://cgi.www5d.biglobe.ne.jp/~shin3/cgi-bin/wforum/wforum.cgi

>501 どうも、期待を裏切らないようなSSが書けるよう頑張ります。
503以上、自作自演でした。:02/04/30 01:55
つ、つい読みこんじゃった。
504以上、自作自演でした。
保全