またーりとGURPSガープス全般の話 第34版

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165NPCさん
あと、ちょっと思うところがあるのでまとめておく。

3版ではPowersが存在しなかったのは周知の事実だが、
4版Powersは3版Supersの後継である、という見方は完全には正しくない。
Powersは純粋に4版の設計思想に基づいて、Supersをまったく意識しないで書かれたものであるからだ。

かつての3版では、いまだルールと背景世界との区別が完全ではなかった。
例えば、Supersはアメコミ超人物というジャンルのための特殊ルール、
Psionicsは超能力SF物というジャンルのための特殊ルール、
Cyberpunkは荒廃した近未来を舞台としたサイバーパンクというジャンルのための特殊ルール、
Fantasy Folkはファンタジーというジャンルに特有の異種族を作るための特殊ルールの集まりにすぎなかった。
だから防護点の必要CPなんかに不統一があっても大体そのままだった。

こういったサプリ間の不協和は、3版後期にSJGがクロムたんことSean Punchを雇って
いろいろなサプリに分散された記述をまとめた Compendium を書かせたことである程度は解消されたが、
それはもともと統一を意識しないで作られたものを集めたので、どうしても完全なものではなかった。
166NPCさん:2007/11/07(水) 14:19:34 ID:???
こうした3版時代の反省を込めて4版GURPSでは、Basic Setを核(コア)として、全てのサプリが
「ルールズエキスパンション」「アイテムカタログ」「ジャンルツール」「ワールドガイド」
の4種類に分類されている。
(この呼び名は俺が勝手につけたものだがデザイナーの意図とそう外れてはいないと信じる。
ttp://forums.sjgames.com/showpost.php?p=232126&postcount=47 のクロムたんの投稿など参照)

・ルールズエキスパンション
Basic Setに載っている基本ルールを拡張するためのサプリ。背景世界に関係なく使えるので非常に重要。
例: 特徴を拡張するPowers。呪文を拡張するMagic。テクニックと戦闘ルールを拡張するMartial Arts。
(特にPowersは、GURPSが特に力点を置いている特徴について非常によく書かれたエキスパンションなので、
ファンからは「これはもはやBasic Setの一部と言うべきだ」とも賞賛されている)

・アイテムカタログ
あるテーマに沿ったアイテムを列挙したサプリ。これも背景世界に関係なく登場させられる。
例: 近現代技術を列挙したHigh-Tech。未来技術と超科学技術を列挙したUltra-Tech。生命工学技術を列挙したBio-Tech。

・ジャンルツール
あるジャンルに属する背景でそれらしいプレイをしたり、それらしい背景を構築するための参考情報サプリ。
例: ファンタジー物のためのFantasy。宇宙SF物のためのSpace。ミステリー物のためのMysteries。

・ワールドガイド
ある特定の背景世界とその世界独自のルールを説明するためのサプリ。
例: Yrthを説明するBanestorm。Infinite Worldsを説明するInfinite Worlds。
167NPCさん:2007/11/07(水) 14:22:41 ID:???
空を飛んだり火球を放ったりする能力と、「なんか悪の科学者がものすごい殺人ビームを発明したので
全身タイツにマントを羽織った筋肉だらけのヒーローがやっつけにいく世界」とは本来何の関係もないはずだし、
人体を機械で改造することと、「近未来が荒廃しててサイバースペースがあって巨大日本企業が社会を牛耳ってて
ヤクザとストリートサムライが抗争を繰り広げる世界」とは本来何の関係もないはず。

4版のサプリでは上の区別が明確に行われるようになったので、自分の必要とするサプリがより選びやすくなったと言える。
というわけで、

>>162
時系列的な流れはそれでいいと思うが、
さまざまなサプリに分散していた記述を集めた3版Compendiumとは設計思想が異なる。
(compendiumには「雑多な物を一覧にしたもの」というニュアンスがある)
PowersはコアであるBasic Setのうち特徴の部分を大幅に拡張したもの、と考えたほうが近いかと思う。

>>163
PsionicsがPowersに入っているわけではない。
「超能力である」能力を作るのに、特徴と増強限定をどう選んでどう組み立てるとよいかはPowersに詳細に書いてある。
超能力を増幅するヘッドギアとかの小道具は、超科学の一例としてUltra-Techにちょっと書いてある。
超能力SF物というジャンルについての情報は、たぶん一冊にするには薄すぎるのでそういうサプリは企画されていない。(いつかpdfで出るかも、という程度)

Cyberpunkについて言うと、
人体を改造する未来技術(とそれに何ドルと何CPかかるか)についてはUltra-TechとBio-Techに詳細に書いてある。
いわゆるサイバーパンクというジャンルについての情報は、たぶんその設定自体が
今のご時世では広く受け入れられそうにないので、そういうサプリは企画されていない。(いつかpdfで出るかも、という程度)