【卓ゲ全般】卓が白(99)ける困ったちゃん

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5217-18に捧ぐ
RPGにつきもののゲームマスターだけど、時にはとんでもないのもいるみたいだね。
その時のマスターも、いわゆる「吟遊詩人」マスターと呼ばれてる困った人で、プレイヤーの
動きに関わらずシナリオを強引に進めちゃうようなところがあったんだ。
でも、プレイヤーたちは彼の真の恐ろしさにまだ気がついていなかったんだ……。

「よーし、やったぞ。こっちの道には罠はなさそうだ。このダイス目だと、絶対に間違いないな」
「でも、なんだかおかしな雰囲気だよ。あっ、向こうに誰かいるぞ!」
「ありゃあ俺たちみたいだぞ。ここの道、ねじ曲がっててループしてるんじゃないか?」

こういった”無限に続く回廊”みたいな罠は、気づかないといつまでもぐるぐる同じところを
回ってしまうことになるんだけど、今回はGMが教えてくれたみたいだ。
その後は特に問題もなかったので、ちょっと不審に思いながらもどんどん先に進んでいったんだ。
そしてついに目的の宝物を手に入れよう、としたところでGMはとんでもないことを言い出した。

「おっと、そこまでくると『そいつは渡せんなあ』という声がするよ」
「なんだと、モンスターはあらかた片付けたはずなのに。どこかに隠れてやがったか!」
「いや、声は君たちのすぐ目の前からするんだ。盗賊、君がしゃべっているんだよ!」
「にゃ、にゃんだってェ?」
「実はあの無限回廊を抜けたときに、すでに盗賊は殺されているんだ。今まで一緒にいたのは、
実は盗賊そっくりに化けた、デーモンだったんだよ!」

これには一同びっくりを通り越してもうあ然。こりゃ盗賊のプレイヤーもグルで、いっぱい引っ掛けられたのかと
思って視線が集まったんだけど、当の盗賊のプレイヤーも口をあんぐり開けている。どうもマスターは誰にも
相談せずにこの展開を決めちゃったみたいなんだね。でも、気づくことも出来ないまま一方的に
「殺されてました」なんて言われたら、誰だっておさまりがつかないよね。
こりゃあただではすみそうもないぞぉ……。
5317-18に捧ぐ:2006/05/18(木) 03:07:20 ID:???
マスターはと言うと「死んだ」ことになった盗賊くんのキャラクターシートを取り上げて、
いそいそとデーモンのデータを用意してるところだった。

「おーい、マスター。僕はどうすればいいの?」
「キャラクターが死んじゃってるからねえ。今日はどうしようもないよ。まあおとなしく座って
デーモンちゃんの戦いぶりを見ておいてよ」

このGMもストーリーが先に来すぎて、まわりが見えなくなっていたのかもしれないなあ。
なにせ、盗賊だけじゃなくて他のプレイヤーも「次は自分が殺されてたことにされるんじゃないか」
と不安になっちゃったからね。そこでマスターとプレイヤーの言いあいが始まったんだ。

「おいおい、なんで盗賊が殺されたり、デーモンが化けたりしたのに気がつかなかったんだ?」
「なあに、デーモンは気配を殺してたんだ。それに、あそこはひんまがった空間だからね。
あんな中じゃあ、何が起こっても気付けやしないよ!」
「だけど、罠発見のサイコロの目はクリティカルでしたよ」
「うるさいなあ。そういう場所だったんだよ。どんなアイテムでも、ダイス目でも、能力でも、気づけないの!」
「そうか、よーし。俺はあの廊下で人間に化けたゴールド・ドラゴンとすりかわっていたことにするぞ!」
「えっ、なんだって?」
「あの廊下じゃあ誰がすりかわってても分からないんだろ。だったら、デーモンにも気づかれずに
俺たちだってこっそり交替できるはずさ!」
「あっ、今のなし。実はデーモンには特殊な能力があって……」
「そうか、じゃあ僕の盗賊も、デーモンに殺されたのは別人で、本物はすりかわっておけるのか!」
「おお、無事だったか盗賊。あとは俺たちに化けていたあの人たちに任せて、俺たちは一足先におさらばしようぜ!」

かくして、デーモンが気がついたときには、周りにいるのは冒険者たちに化けていたという、
ゴールド・ドラゴンやら大魔法使いやら、ミスリル・ゴーレム(!)やらものすごい強さのものばかり。
そのあとGMはひとりですべての”化け物”を操りながら最後まで戦ったそうだけど、果たして満足の行く
お話になったのかなあ?あんまりプレイヤーをいじめると、復讐が怖いって言うお話だよ。