【千夜一夜】クロちゃん【二夜目】

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767困ったちゃんスレより
RPGの楽しみは色々あるけど、やっぱりわかりやすいところだとキャラが強くなるところだね。
そして、地道に経験値を集めなくちゃいけないキャラ自身の成長なんかよりも、手に入れたら
手軽に強くなれる強い武器なんかは、どのプレイヤーにとっても垂涎の的で……

「なぁGM、もっと強い武器を出してくれよ」
「この間+4の剣出したじゃない」
「すぐに策略で+1まで減らされたじゃないか!」
「あはははー、そんなこともあったねぇ」
その場では笑って誤魔化したけど、やっぱりプレイヤーの恨みは買うもんんじゃないね。
それで仕方なく、今度は最強無敵の剣を出す事になったんだ。
「この武器はね、攻撃力もすごいけど、大抵の攻撃なら半減とか無効化とかもできるよ」
「おおー! いいねぇ、こういうのを待ってんだよ。それでどうやって入手するんだ?」
「コイツに勝ったら手に入るよ」
「よっしゃ! 腕が鳴るぜ!」
喜び勇んで襲い掛かるプレイヤーたち。でも、その敵に攻撃が全然当たらないか、
当たってもダメージはほとんど通らない。逆に敵の攻撃は、ビシバシ当たるしガリガリHPを
削っていく。パーティが全滅するまで、ほとんど時間はかからなかった。
「なんだよGMこの敵は! こんなの勝てるはずないじゃないか!」
「えー、だって最強無敵の剣もってるし」
「……は?」
「倒したら手に入るってことは、そいつが持ってるって事だよね? だったら普通使うでしょ?」
まぁ、CRPGなんかだと、倒した敵が傷薬とか落として、何で自分で使わないんだろう?って
思うこともあるけど、普通なら自分で使うよね、ってお話。
プレイヤーたちは非難轟々だったけど、まぁこんな武器を渡したらゲームにならないし、
仕方ないよね? 

「悔しいなぁ、何とかならないかな?」
「でも最強無敵の剣だぜ? 正面から挑んでもどうにもならないぜ?」
「……あくまで、最強無敵なのは剣だよね? それさえ掠め取っちゃえばいいんじゃない」
「「「それだ!」」」
……うーん、でもプレイヤーはまだ、仕方ないとは思ってくれないみたい、やれやれ。