学園祭での話だよ。ソードワールドをやろうってことになったんだ。
A「あーあ、ガンドッグに入りたかったのになあ。あそこでジャンケンに負けるとは」
D「そう言わないで、キャラ作ろうよ。私はグラスランナーでシーフね」
C「うーん、エルフがやりたいんだけどなあ。そうすると薄くなるし、バランスをとったほうがいいかな。
じゃあAとB、先に決めてよ」
とまあ、こんな具合でAとBがサイコロを振りはじめたんだけど…。
A「うーん、筋力も生命力も低いなあ。でも、生まれが傭兵なんだし、戦士にするか」
これにはほかのPCが反対し始めた。ただでさえ非力なグラスランナーがいる上、
前に出る戦士が貧弱じゃあ大変だ。後ろでプリーストをするならともかく、弱い戦士は必要ない、
というかすぐに死んじゃいそうだものね。しかしここはA、やると言って引かなかった。
同じくひ弱種族の代表格、エルフがしたいCとしてもこれ以上の虚弱体質はいらない。
そこでAに戦士向きの能力値になるように振りなおしたらどうかと提案した。
ところが、返ってきたのは「賽の目が決めたからこのままでいい」との力強い言葉。
こりゃどうも、すごい信念だね。よっぽど思い入れがあるのかな。
ここでBがひとつ提案した。Cがひ弱の対極ドワーフの神官戦士になればいいんじゃないかってね。
バランスをとる、と言った手前Cも無理にエルフをやるのは難しいと思ったんだろう、
ドワーフの神官戦士が完成して、ひ弱パーティの完成は免れたかと思われたんだ。
ところが、これで万事めでたしといったわけじゃあないんだ。むしろここからが大変でね…。
A「よーし、唯一の人間戦士だし、俺がリーダーだ」
GM「おいおい!全員で決めてくれよ」
B「まあいいんじゃないの。それより、報酬が1600だって?」
A「安いぞ。最低3000は用意しろ」
GM「(いきなり何を言い出すんだこいつは。ガンドックできなかった分、ここで交渉したいのかな)
しょうがない、2000までなら出そう。これ以上は無理だからな」
ところが、3000だ3000だと言うだけで、ちっとも値段交渉にならない。
よくよく聞いてみると、「このキャラクターは金に汚い元傭兵なんで、出せるギリギリまで
相手に出させようキャラなんです」ということらしい。どうにもガメツイけど、うまくやらないと
仕事の依頼自体がなくなっちゃうんじゃないかなあ。
あんまりひどい時は、店のマスターから「他の冒険者を紹介するぞ」とか言わせるといいかもね。
すったもんだの末、なんとか冒険者たちは村に到着したんだ。Aは相変わらず村人に
「歓迎の宴をしろ」なーんてのんきな事を言ってたんだけど、さすがにこれは通らなかった。
「祝勝会で我慢しろ」ってなだめるほうも心得たもので、近くの洞窟のことやら怪物のことやらを
調べると出発することになった。
見張りのコボルトを弓で片付けて、そろそろと進んでいったパーティなんだけど、
コボルトはまだまだいた。全部を遠距離から倒せればいいんだけど、そうもいかないからね。
結局、前衛に出て行ったひ弱な戦士はコボルトに殴り殺されちゃったんだ。あーあ。
短い人生だから精一杯わがままを言ってたのかな?
教訓:タフでなければ生きていけない。
638 :
おまけ:2007/11/29(木) 00:00:30 ID:???
その後Aは、GMがもたもたしている間に怒って帰っちゃったんだけど、これにはGMも
大弱り。ひ弱とはいえ、唯一の専業戦士がいなくなっちゃった上、新キャラ投入もしなかったから
人数も減ってる。しかも、まだこの洞窟のボスは準備万端で健在なんだ。
C「困ったなあ。この戦力じゃあゴブリンどもを皆殺しにして祝勝会、ってわけにはいきそうにないぞ」
B「おいおい、過激だなあ。でも、どうしようか。村に戻ってたら間に合わないしなあ」
D「なーに、戦いにならんよ。私はゴブリンたちにチャームを歌うぞ」
グラスランナーは呪歌のダイスを振った。達成値は17。ボスと取りまきを魅了するのに充分な威力だ。
GM「なんだってェ…?」
C「大勝利だ。最後につじつまがあったな」
教訓:たとえ非力でも悪知恵が働くやつが最後に勝つのだ。