TRPG『阿修羅ファンタジー』及びASURAシステム
本日『アシュラファンタジーTRPG』を入手しましたので、レビューします。
当方はAFO『アシュラファンタジーオンライン』の経験は全くありません。
『アシュラファンタジーTRPG』に関して、長期間キャンペーンのGMをやったことがあり、
マスタースクリーン、エキスパション、Do Devil、上級ルール等全てのシステムを導入しました。
初回特典版にはCDロムとダイスが付いていますので、AFOからのPL流入を考えて
(初めてTRPGをする人向きとして)の発売かと思いますので、そこら辺を考慮されているかを
見ながらレビューいたします。
なおレビューは初回特典版のものです。
外観は一見BOX状には見えますが、
本
+Cdロムが入っている厚紙
+サイコロの入っている箱(本の上にくっついてる)
がセロファンで1つにパックされているものなので、ブックタイプです。
本自体はカラー表紙+本体(304ページ)で、紙質は普通でモノクロ印刷です。普通といって
もいろいろあるわけで、サタスペよりちょっと粗く、NOVA-Dよりも厚くブレイドオブアルカナ位
の紙質です。誤植時の書き込みには適していると言えます。ですがちょっと重いです。
文字の大きさは読みやすい大きさですが章によって微妙に大きさが違うのが気になりました。
書式はほぼ全てのページで2列でかかれており、見出しのフォントは全ページで同じです。
本の大きさはAB版というものだそうで、NOVA―Dと比べて縦の長さは同じですが、横が3cm
ほど大きく、そこに欄外注意書きがかなり稀に書いてあります。
価格は¥4,980で、重さとCDとサイコロのせいで、第一印象では適正価格かと。
(続く)
(続き)
カラー表紙をはがすと、カラー表紙の裏にキャラクターシートが印刷されています、
が、本の表紙は青の印刷でそのまま印刷されていますので、キャラクターシートの中央部分の
本の背があたるところがこすれて青くスジが入っていました。ちょっとマイナスです。
表紙を開けるといきなり目次です。1ページだけでこの304ページもある本の目次になっている
ので目次が4列になっており、もうちょっと余裕がほしかったかなという感じです。
また、この本には索引がありません、かなり大変です。
2〜3ページは『序章 はじめに』で、『テーブルトークTRPGとは』『プレイヤーの役割』
【プレイヤーの責任】『GMの役割』【GMのやっていいこととやってはいけないこと】
【Gmの楽しさ】と各種表記(ダイスや略号/記号)の説明です。
【】でくくられた個所は初心者対応でしょうか。結構肝心なことが書かれています。
4〜17ページでこの世界の説明ですが
http://www.terranetz.com/wtrpg/afo/waku_nakami_world01.htm とほぼ同じです。ただし婚姻/結婚等追加されている部分もあります。
18〜47ページで種族、クラス流派の説明です。
注目すべきは職業が1ページにつき1職業が割り振られている点です。
しかも初期装備、初期取得スキル、取得可能スキル表が書かれているので、コンベ等では
ここをコピーして、職業選択と同時にこのページのコピーを渡すとPC作成が楽になると思います。
48〜54ページ
キャラクター作成ですが、280〜281ページの大きいほうの表も参照しながら作ったほうが
良いと思います。驚いたのは(多分私だけかと思いますが)選択部分が殆ど無いという点です。
能力値決定ではサイコロで修正して、それから値をどこに当てはめるか選択しなければなりま
せんが、職業とクラスを選んだ時点で初期装備、初期取得スキルが支給され、バックパックと
基本的な冒険装備+ゴールドも自動的に支給される為、キャラクタ作成が非常に早く終わる感
じでかなり好印象でした。
(続く)
(続き)
55〜63ページ
判定方法の説明です。アシュラシステムの判定方法は初めて見ると結構分かり難いのですが、
例を示して説明しています。表も示してはいますが、ただ、できれば表のセルに丸をつけると
か矢印をつけるとかしたほうが良かったかと思います。
その他、PCとPLの知識のギャップの取り扱いや難易度と状況修正の違いなど運用の方法に
ついても記載されているのが初心者対応かと思いました。
64〜69ページ
いよいよ戦闘ルールです。ここも視覚的に説明していないのがマイナスです。分かり難いという
ことはありませんが、ルールを読んでいて詰まるとすればここの部分でしょう。65ページの右下、
技能欄の使い方がある意味戦闘ルールを把握するための肝なので、ここをメインに掘り下げて
説明するべきだったと思います。69ページに流れ図があります。この図は分かりやすいと思い
ます。
70〜118ページ
コンバットオプションと魔法のルールです。合成や補助魔法等さらにややこしくなってくる場所
です。魔法ルールの方がコンバットオプションよりも例などを使って説明しているのが目に付き
ます。コンバットオプションの使用や合成の例があったほうがわかりやすかったかも。
119〜140ページ
経験点ルールとスキルの説明、アイテムデータがここに詰まってます。殆どのページが表です。
セッション終了後にはここの部分が取り合いになると思うので、コピーすべき部分かと。
285〜297ページがほぼ同じ範囲です。
141〜189ページ
更に詳しいワールドガイドです。1国ずつ説明があります。各都市間の移動時間がかかれて
いるのが特徴的。
(続く)
(続き)
190〜194ページ
ゲームマスターの部分です。GMの役割、すべき事、セッション中に発生するかもしれない事柄。
・PL同士の揉め事はどうするか?
・PLが手詰まりのときはどうするか?
・GM自身のルール間違いがあった時はどうするか?
等書かれており、初心者GMにはためになります。セッションやシナリオ、困った時の対処
など基本的なことも書かれています。
194〜
マジックアイテム等データ部分ですので、飛ばします。
206〜265ページ
モンスター部分です。データだけではなく運用ルールも書かれています。
面白いなと思ったのはモンスターの知能に関して【賢明】〜【猿】〜【草】などの7段階で
あらわしており、それぞれの行動の仕方をしめしています。
また、全てのモンスターがカード状に印刷されており、ダメージ記入欄も書かれているので
コピーしてそのまま並べて使えそうです。
265〜
その他のルール、サンプルシナリオ3本、チャート集ですので、飛ばします。
(続く)
以上レビューと共に読んできましたが、やはり目立つのは編集技術の弱さです。
まぁ、あまり見た目にこだわっていない分、シンプルで見やすいと言えばそうなのですが、
D&D3e等と比べると貧相な印象があります。
初心者向けかという質問には、いきなりGMでやるには向いておらず、なぜならばこのルール
ブック自体がかなりのボリュームになる為で、ある程度知ってる人と何回かやってから挑むのが
賢明かと思います。
おそらく旧版を知らずに初めてこのルールブックを読んで理解するには、3日(18時間)ほど
かかるかと思います。
その分かなり遊び応えのあるシステムではあると言えますが、覚悟して挑む必要があるかと
思います。
(終了)