D&Dの戦略性について考えてみました。
戦闘での駆け引き、対応、思考は戦術として、別視点から考えてみようと思います。
対応すべき状況の多さ、特徴的な魔法システム、ルールで示された可能行動の多さ、
この三つがD&Dの戦略性を考える上で重要ではないかと思います。
・対応すべき状況の多さ
非実体、不可視、Damage Reduction(ダメージ減少)など敵の防御能力
環境に関する諸ルール(暗闇、温度、窒息、飢え、疲労、荷重など)、多様なランダムエンカウンター
毒、麻痺、石化、レベル減少、能力値減少など敵の攻撃能力
冒険を成功させるためには、こういった多種多様な障害に対応することが不可欠です。
・特徴的な魔法システム
その大きな助けとなるのが魔法やマジックアイテムなのですが、D&Dの場合は、
魔法には事前の準備が必要、マジックアイテムは金と購入場所があれば購入できる、
というルール的な特徴があります。
基本的に、D&Dの魔法はソーサラーなどの数少ない例外を除けば現場で選ぶことが出来ず、
即応性に欠けます。故に事前の情報収集が重要になるわけです。
また、いざというときのために用意しておく、ワンド、スクロール、ポーションなどの消費型マジックアイテムを
はじめとする数々のマジックアイテムで呪文行使能力を補うことが可能ですが、資金が必要です。
・可能行動の多さと可視性
D&DではNPCの雇用、マジックアイテムの購入や作成がルール化されています。
都市規模によって購入可能なアイテム金額の上限が決まり、NPCのレベルが決定されるため、
PLはPCに何かが必要になった時、どうすればいいかがある程度見通せ、PCに行動させることが可能です。
ある冒険を成功させるために情報収集を行い(バードを雇う、自分たちで情報を集める、呪文を使ってもらう)、
必要なマジックアイテムを購入するための資金を調達し(別の冒険を引き受ける、ワンダリングモンスターを狩って
モンスターの巣を襲う/さらにそのためにレンジャーを雇うなど)、
それが購入可能な場所に行く(次元間都市シギルなど)、などといった様々な行動をPLが考え、
計画を立てたりリソースを管理するのがD&Dの戦略性ではないかと思います。