615 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :
『もはやElf & Nailはメタ外デッキからTier1へ』!!
いま巷でナウなヤングに馬鹿ウケな“エルフ&歯と爪”について
デッキ製作者の一人、ジェイ・シュナイダー氏が記事を投稿していた。
http://www.brainburst.com/db/article.asp?id=4078 神話に勝てる! ゴブ召集に勝てる! トロンに勝てる! 死の雲に勝てる!
メタ的に完璧なセレクト。オープン予選や日本選手権に向けてこのデッキは見逃せない。
もはやTier1への階段を駆け上りつつある超メタデッキ“エルフ&歯と爪”。
そして、あの“スライ”“シュナイダーPOX”の製作者としても有名な、
一流デッキビルダーによる話題のデッキの解説。コレはもう訳すしか!
・・・と言うわけで、またしてもBrainburstの翻訳を手掛けてしまったワケだけど、
まぁ、知ってる人は知ってる諸事情によりSBJスレに貼り付けることはできない。
なので、こっちのスレに寄稿してみる。
全部で21レス使う予定なので、6レスごとに支援入れてくれるとたいへん嬉しい。
616 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:10 ID:XoGSou4c
━━ デザイナーによるデッキ分析:Elf & Nail ━━
ジェイ・シュナイダー
もはやElf & Nailはメタ外デッキからTier1へ。
大げさに聞こえるかもしれませんが、2004年地区選手権の結果を見れば
きっとご納得いただけるでしょう。Elf & Nailで出場した5人の選手の
総合成績は39勝14敗2分け! そのうち1人はシアトル選手権1位、
もう1人はオハイオ選手権10位を勝ち取ったのですから!
Tier1のデッキがひしめく中で勝ち星を挙げるには、大きく分けて
2つの方法があります。“徹底的にメタったデッキで出る”か、それとも
“当たり運がとんでもなく良い”か、です。Tier1のデッキのうち、
“苦手なマッチアップ”が少ないデッキであるほどメタの中心的な存在に
なり得るわけですが、“特定のマッチアップにはぜったい勝てる”という
デッキを持っていくというのも、それがTier1のデッキに対してなら
きわめて合理的な選択と言えます。下記にElf & Nailと代表的なTier1デッキとの
マッチアップ結果を示しますが、これを見ればElf & Nailが如何に優れた選択
だったかがお解かり頂けると思います。
617 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:11 ID:XoGSou4c
━━━━━━┳━━━━━┳━━━┳━━━━━┳━━━━
対戦デッキ ..┃マッチ結果..┃マッチ .┃ゲーム結果.┃ゲーム .
.┃(W-L-D).. ┃(%) ┃ (W-L) .┃(%)
━━━━━━┻━━━━━┻━━━┻━━━━━┻━━━━
電結神話 ..│15 - 8 - 1 ..│ 65% .│ 36 - 22 ... │ 62% .
──────┼─────┼───┼─────┼────
ゴブリン召集 ..│. 5 - 3 - 0 ..│ 63% .│ 12 - 6 ... .│ 67%
──────┼─────┼───┼─────┼────
歯と爪 ...│. 5 - 0 - 0....│100% │ 10 - 3 ... .│ 80%
──────┼─────┼───┼─────┼────
白コン .....│. 4 - 0 - 0....│100% │ 8 - 3 . │ 80%
──────┼─────┼───┼─────┼────
青白コン .....│. 3 - 1 - 0....│ 75% .│ 7 - 3 . │ 70%
──────┼─────┼───┼─────┼────
スライド ......│. 3 - 0 - 0....│100% │ 6 - 0 . │100% .
──────┼─────┼───┼─────┼────
黒緑死の雲 │. 2 - 0 - 0....│100% │ 4 - 0 . │100%
──────┼─────┼───┼─────┼────
赤単ゴブリン...│. 0 - 2 - 0 . │.. 0%.....│ 2 - 4 . │.. 0%
──────┼─────┼───┼─────┼────
その他 ..│. 2 - 0 - 1....│ 83% .│ 5 - 2 . │ 71%
━━━━━━┳━━━━━┳━━━┳━━━━━┳━━━━
合計 .....┃39 -.14 -.1 .┃ 73% .┃ 90 - 40 ...┃ 69%
━━━━━━┻━━━━━┻━━━┻━━━━━┻━━━━
(訳注:この表は“ホットゾヌ”にて閲覧が最適なように作成しました。
非専用ブラウザで閲覧時にズレて見難い場合は、原文の表をご参照下さい。)
618 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:12 ID:XoGSou4c
注意:電結神話とのIDが1回ありましたが、%には含めていません。
それ以外の引き分けを%に示しています。“その他”のデッキは
赤緑ビーストランデスや赤単ポンザや反応炉デッキ等です。
このデータを見て頂ければ、Elf & NailはTier1デッキ3種の
“電結神話>ゴブリン召集>白コン”という“グーチョキパー”の
関係に対して全てに勝てる選択であり、かつ、Tier2のデッキに対しても
同様に勝てるということが一目瞭然でしょう。ここまで出来過ぎなデータを
見せられてしまうと「それは使ったプレイヤーの腕が良かったんだ」と
反論されてしまいそうですが、Elf & Nailを使った5人のうち、
非アマチュアプレイヤーは1人だけで、残る4人中2人はトーナメント
プレイを始めてからわずか1年半なのです(シアトル優勝のサーミー・
マーチャントもですよ!)。
もはやElf & NailのパワーがTier1レベルなのは明白でしょう。
かの一流プレイヤーにも評価されていたのですから!
(訳注:キブラー氏の記事Rogue's Gallery - Underdogs at Regionals
http://www.brainburst.com/db/article.asp?id=4034 を受けての発言だと思われます。)
Elf & Nailの開発初期段階での、私のこのデッキに対する評価は
「面白いね、でも評価に値するかはテストしてみないと判らないよ」
でした。幸運なことにクリスとジェイソンが私にプレイテストの機会を
与えてくれて、このデッキの強さ、そして面白さを体験できたのです。
619 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:12 ID:XoGSou4c
ではまず、Elf & Nail の起源について説明いたしましょう。
デッキの原型はジェイソン・ヘイガーとクリス・チャンによる
Apprenticeでの対戦に端を発します。クリスは、私達が開発中の
別のメタ外デッキをテストしていましたが、ジェイソンのElf & Nailを
見て一目惚れしました。クリスは私のシアトル地域の調整チーム
“七人の侍”の一員であり、このElf & Nailをチーム内での開発と
テスト用に持って来ました。ジェイソンはウェストバージニアの
カイル・コルドバのチームにてデッキの調整を重ね、この2つの
チーム間のやり取りによりデッキは洗練されていき、ほぼ最適化
されたと確信しました。この大西洋岸と太平洋岸での結び付きは、
私のデッキに対する大いなる自信となりました。
そう、デッキの開発とは独り善がりな机上の空論ではなく、
チームワークによって成り得るものだと再認識したのです。
さて、前置きはこれくらいにしてデッキの構造解析に移りましょうか。
まず初めにデッキのコンセプトと動作を説明し、その後メインボードの
キーカードについて解説し、最後に主要マッチアップでのサイドボード
についてレクチャーしましょう。
お疲れさんです。
621 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:14 ID:XoGSou4c
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Elf & Nail
---- ジェイ・シュナイダーと七人の侍
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
クリーチャー:27
4:《極楽鳥/Birds of Paradise(8ED)》
4:《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote(SCG)》
3:《ぶどう棚/Vine Trellis(8ED)》
3:《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald(ONS)》
4:《ウッド・エルフ/Wood Elves(8ED)》
3:《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman(MRD)》
1:《激情の共感者/Fierce Empath(SCG)》
1:《トリスケリオン/Triskelion(MRD)》
1:《映し身人形/Duplicant(MRD)》
1:《クローサの拳カマール/Kamahl, Fist of Krosa(ONS)》
1:《隔離するタイタン/Sundering Titan(DST)》
1:《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus(DST)》
スペル:11
4:《頭蓋骨締め/Skullclamp(DST)》
3:《歯と爪/Tooth and Nail(MRD)》
4:《花盛りの春/Vernal Bloom(8ED)》
マナソース:22
2:《金属モックス/Chrome Mox(MRD)》
20:《森/Forest》
622 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:15 ID:XoGSou4c
サイドボード:15
4:《酸化/Oxidize(DST)》
3:《刈り取りと種まき/Reap and Sow(DST)》
3:《忍び寄るカビ/Creeping Mold(MRD)》
1:《歯と爪/Tooth and Nail(MRD)》
1:《ぶどう棚/Vine Trellis(8ED)》
1:《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman(MRD)》
1:《トリスケリオン/Triskelion(MRD)》
1:《映し身人形/Duplicant(MRD)》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
まずはデッキの動きについて。
Elf & Nailは、ある意味コンボデッキと採ることも出来ます。
このデッキをプレイする際は、このことを心の片隅に置いて下さい。
確かにElf & Nailには幾つかのコンボが内包されていますので、
そのうちどれかを選択しながら戦っていくことになるでしょう。
そう、相手のデッキに合わせて、コンボを選択すれば良いのです。
例えば、電結神話には《共生虫》&《シャーマン》コンボ、
対白コンには“《カマール》で勝つ”コンボ、対ゴブリン召集では
《花盛りの春》&《歯と爪》コンボ、といった具合です。
ここがElf & Nailをプレイするのに最も重要なところです。
各マッチアップで一体どのように振舞えばよいか、それさえ
理解できれば、自ずと「どうすれば勝てるか」「どうサイド
ボーディングするか」が解ってくる筈です。
623 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:15 ID:XoGSou4c
このコンボの組み合わせは、Elf & Nailの根幹となる部分です。
非マナスペルのうち何枚かは、メインとサイドに分割して
入っていますが、これは単にサイドボード枠の穴埋めで
入れているわけではありません。純然たるテストの結果です。
デッキを回したことのない人から見れば奇怪に見えるかも
しれませんが、実際にプレイしてみれば実に単純明快です。
Elf & Nailで利用可能なリソースさえ理解していれば、
正しいプレイングは自ずと解ってくるでしょう。
さて、デッキの動きを理解するの最後のステップはElf & Nail
における“2つのステージ”を理解することです。最初のステージは
“セットアップ・ステージ”です。このステージは、早い場合は
1ターン目、遅い場合は5-6ターン目に起こります。
例えば対神話においては1ターン目の《極楽鳥》であったり、
対トロンのサイド後においては3-4ターン目の《ウッド・エルフ》の
循環だったりします。ここで十分なマナベースとドローを
整えたら、いよいよ第2ステージである“終了ステージ”に
突入します。対神話においては、2ターン目の《シャーマン》、
3ターン目に《共生虫》を置いて《鳥》をアンタップしつつ
《シャーマン》を回収というのが定石です。対トロンなら
6-7ターン目に《歯と爪》で《カマール》と《タイタン》を持って来て、
土地拘束と踏み荒らし効果でカタをつけるといった具合です。
624 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:16 ID:XoGSou4c
それでは、デッキの構造解析に移りましょう。
最初はやはりマナベースについてです。テスト期間中長いこと、
私達は《森》22枚で動かしていました。この22枚という枚数の根拠は、
一応21枚の場合と23枚の場合をテストした結果22枚が一番
座りが良いという事と、22枚のバージョンでプレイテスト中に
特に異論がなかったという事に由来します。この22枚の《森》を
20枚の《森》と2枚の《モックス》に差し替える必要性を感じたのが、
赤単ゴブリンとのマッチアップでした。この差し替えによる効果は絶大で、
1ターン早く《花盛りの春》をキャストできるだけで対ゴブリンの勝率が
大幅にアップしました。また、この《モックス》2枚により、他のマッチでの
相性が著しく不利になるという事もなかったので結局2枚の《モックス》は
採用ということになりました。もし、メタ的に赤単ゴブリンが多そうなら、
3枚目の《モックス》も十分検討に値します。
さて、ではセットアップ・ステージで活躍するカード群について
解説を進めていきます。まず《極楽鳥》《ぶどう棚》《ワイアウッドの伝令》
《ウッドエルフ》《激情の共感者》といった面々についてです。
これらのカードは序盤の主役であり、詩的な表現をするなら
“キャントリップに足が生えている”といった感じです。
もっとも《ぶどう棚》だけは足が生えてるようには感じませんが。
このカード達には、2つの役割があります。マナを整えたりサーチしたり
することと、死ぬことです。死ぬ、とはすなわち《頭蓋骨締め》で
締められたり、対戦相手の除去を使わせたり、チャンプブロック要員と
なったりすることです。そう、「死して護国の鬼となれ」の精神です。
きっと彼らは極楽浄土(オンスロートの#347か#349あたりでしょう)
に迎え入れられるはずです。たまに《ゴブリンの名手》の弾幕の前に
成す術もなく殲滅されてしまいますが、それもご愛嬌ということで。
例外的に、《ワイヤウッドの共生虫》絡みのトリックとして生き残れたり、
対戦相手の全体除去に巻き込まれるだけだったり、《頭蓋骨締め》を
引くまで生存を許されたりする事もあります。
625 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:16 ID:XoGSou4c
1マナ域で例外的に大事にされるクリーチャーは《共生虫》です。
この生物は、1匹/1マナのコンボエンジンとして機能します。
戦闘力的には1/1に過ぎませんが、除去の的とするだけの価値は
十分にあります。そう、それこそ神話が2ターン目に《爆片波》を
打ち込むだけの価値がある生物なのです。この《共生虫》の能力が
曲者(くせもの)で、“アンタップする”が効果、“手札に戻す”は
コストなのです。どういう事かと言うと、「手札の戻すのにスタック、
《ショック》を撃ちます」というのが不可能なのです。
《共生虫》絡みのトリックはほぼ明白でしょうが、その中でも特に
効果の大きいものについて解説しましょう。まずは対神話における
《ヴィリジアンのシャーマン》の使い回し効果、そして《ウッド・エルフ》
を回収することによる1ターンでの土地3枚増やし効果などが重要です。
また、ブロック後にバウンスすることで死なないブロッカーを作り出したり、
アタックに行った《巨像》をブロック用にアンタップしたりなどもできます。
《共生虫》を有効に使うためには以下のことに注意して下さい。
1)能力を相手のターンでも使うようにする
エルフでブロックしてそのエルフを戻すという使い方が多いと思いますが、
特に何もなくても相手のターンエンドに戻しましょう。相手のターンでも
バウンスすれば、1体の《共生虫》で2回転分のバウンス/アンタップを
できるようになるのです。
2)マナ生物は起こす、《ウッド・エルフ》の森はアンタップ・イン!
つまり、《共生虫》でマナ生物を起こしつつ《森》を持ってくれば、
《ウッド・エルフ》は実質1マナでキャストしたことになるのです。
更に《花盛りの春》が出てれば、実質0マナキャストですし、複数の
《花盛りの春》があればマナが増えてしまうのです。複数の《共生虫》や
《ウッド・エルフ》が在れば、1ターンに5枚の土地を置くことだって
夢ではないのです。
支援
627 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:18 ID:XoGSou4c
《花盛りの春》は究極のコンボカードですが、たまに手札に腐ることも
あります。《花盛り》の主な役割は4ターン目に《歯と爪》を双呪で
撃つことにあります。《極楽鳥》と《モックス》の助けを借りれば、
なんと2ターン目にこのパーマネントを場に出すことすら出来ます。
この《花盛り》についてのチャピンのコメントは非常に的を射ています。
曰く、「《ウェイク》出してターン返って来たら勝ちだよねぇ」。
もちろん《花盛り》では+1/+1修正は付きませんが、このデッキに
於いては、その修正を得たのと同じくらいのパワーを与えてくれます。
双呪で《歯と爪》を撃って3マナ余っている状況なら、《カマール》と
《トリスケリオン》を持ってきて相手の土地3枚を生物にして打ち落とす、
という動きも出来るのです。《花盛り》が無い状況では、《カマール》を
キャストして、自分の土地を生物化して、踏み荒らし効果を使うのは困難です。
そうそう、プレイテストしていて分かったことがあります。対Elf & Nail用に
サイドボーディングするにあたり壊す対象を、マナ生物/エルフ、《締め》、
《花盛り》、土地などと広範囲に亘らせてしまうのは間違いです。
ただ一点、《花盛り》だけは確実に壊せるようにするのが正解なのです。
セットアップ・ステージ用のカードとして最後に登場するのが、ご存知
《頭蓋骨締め》です。たまにこのカードだけで勝ててしまうので、
正確な位置付けとしては、セットアップと終了ステージをつなぐカード
と定義すべきかもしれません。《締め》で掘り進んでいけば、ほどなく
ゲームを終わらせるカードに辿り着けます。この《締め》の強さについては
もはや語り尽くされている感がありますので、本稿においてはリードデザイナー
の言葉にて、このカードの説明を締め括りたいと思います。
「ミラディン・ブロック最強カードが《締め》と《歯と爪》だとするなら、
その両方をデッキにぶち込めばいいじゃん」
628 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:19 ID:XoGSou4c
それでは、終了ステージに話を移しましょう。まずは《歯と爪》について
解説したいと思います。《歯と爪》は、このカード単体としては全く
機能しません。ノン・クリーチャーデッキにこのカードを入れても無意味
なわけで、このカードを使うからには、デッキに最適なデカブツ達を
入れておく必要があるのです。さて、このカードがメインで3枚な理由
ですが、Elf & Nailは十分なドロー能力を持っており、4枚も《歯と爪》を
入れると手札に腐ってしまうことが多いのです。3枚しか使っていない現状でさえ、
《モックス》で刻印する筆頭候補がこの《歯と爪》なのです。4枚目が
サイドボードに入っている理由は、対赤単ゴブリンの勝ち筋が《花盛りの春》から
《歯と爪》につなげることしか無いからです。
ここで、《歯と爪》の主な注意点について説明したいと思います。
1)サーチしてきたカードを必ずしも場に出さなくても良いこと
しばしば、最も出したいカードが手札の中に居ることがあります。そんな時は、
コストの安い生物をサーチしてきて、その生物は次のターンに素で呼ぶために
温存するといったプレイングをします。
2)時にはコストの安い生物をサーチすることもあること
例えば、対電結神話で《歯と爪》双呪した場合、持って来るのは《共生虫》と
《シャーマン》だったりします。もちろん、この時《シャーマン》達を
出すのを後回しにして、手札に居たデカブツを出しても良いのですが、
状況によっては《シャーマン》+《共生虫》コンボを優先することもあるので
覚えておいて下さい。
629 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:19 ID:XoGSou4c
さぁ、デカブツ達の解説を始めましょう。まず最初は《カマール》です。
彼はElf & Nailにおけるリュウ・カンであり、ゲームを迅速に終わらせる為に
存在します。(訳注:リュウ・カンってどちら様でしょうか? 教えてplz)
対白コンでは特に特に有効で、《トリスケリオン》とのコンボで
相手の土地をピンポイントで狙い打てます。この戦術は、サイド後の
土地破壊カードと組み合わせると特に効果的です。また、《カマール》を
出したターンにマナに余りがあると、相手の《神の怒り》にスタックして
相手の土地をクリーチャー化できるので、相手も全体除去を撃ち辛くなります。
次は《ダークスティールの巨像》です。とにかくこの生物は止まらない!
《歯と爪》を双呪で撃ったなら、《巨像》を持って来ることが多いはずです。
除去されにくいという点において、迅速にゲームを終わらせる目的で
《カマール》より優先されることもしばしばです。
《トリスケリオン》は、その汎用性の高さと前述のコンボの為に
採用されています。また、《ゴブリンの名手》やその他のウィーニー生物
に対する解答でもあります。このような役回りはElf & Nailの設計初期の
段階から存在していましたが、その当時は《トリスケリ》の代わりに
《有毒グール》を使っていました。確かに、《有毒グール》の方が
コンボとしての破壊力も大きく、極まった時も爽快なのですが、
やはりオーバーキルな感がありました。プレイテストの結果からも、
《トリスケ》で土地を3枚も壊してしまえば、ほぼ相手を押さえ込める
ことが分かりました。何より素で呼べるという点において《トリスケ》に
軍配が上がり、《有毒グール》はサイド落ちした挙句、結局サイドからも
席を追われる事となりました。
630 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:20 ID:XoGSou4c
《映し身人形》もまた汎用性が高いクリーチャーで、これをメインボードに
採用しないという選択肢は現状のメタではありえません。このクリーチャーは
相手の出してきた《巨像》や《レオニンの高僧》に対する回答なのです。
ただし、最後の一体のデカブツ(次に説明する《タイタン》です)をメインに
押し込むため、2体目の《人形》にはサイドに廻ってもらいました。
対戦相手が《歯と爪》を撃った返しで、《歯と爪》から《人形》2体を
持って来れば、勝負はぐっと有利に傾きます。「《人形》2体出てくるかも」
という事実は、対戦相手に防御的なプレイングを強いるか、自分のデカブツ2体を
失うリスクを背負わせているのです。
デカブツ勢の最後は《隔離するタイタン》です。彼はゴブリン招集に対する
数少ない回答の一つです。言うまでも無くゴブリン召集の弱点は、その脆弱な
黒マナ基盤にあり、《タイタン》はその脆弱性を攻撃するために採用されました。
そう、この「《タイタン》が効くか効かないか」が、対ゴブリン召集および
赤単ゴブリンとのマッチアップ相性の差なのです。必要に迫られれば、
《歯と爪》で《タイタン》と《ヴィリジアのシャーマン》を持って来て
召集プレイヤーの土地を4枚叩き割るというプレイングも有り得るのです。
631 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:20 ID:XoGSou4c
それでは各マッチアップ分析に入りましょう。
v.s.電結神話
神話にはすこぶる相性が良いです。私達は神話に勝つ為にElf & Nailを
選択したといっても過言ではありません。プレイテストでの対神話戦の
勝率は67%程でしたが、地区選手権での結果もほぼそれと同等でした。
この対戦での勝利の鍵は《共生虫》と《シャーマン》によるロックです。
このコンボさえ極まれば、対戦相手のパーマネントはほぼ壊滅状態に
陥るでしょう。あまりにもこのマッチアップの相性が良すぎるので、
《シャーマン》を1体サイドに移し《伝令》を3枚にする余裕ができ、
その空いたスロットを他のマッチアップ用に充てることができました。
サイドボード後には、このコンボを完成させる時間を稼ぐために4枚の
《酸化》を投入します。このカードは主に相手の土地に撃ち、展開を
遅らせるのに使って下さい。
In:酸化×4、シャーマン×1、ぶどう棚×1、トリスケ×1
out:ウッド・エルフ×3〜4、タイタン×1、映し身人形×1
カマールand/or巨像×1〜2
支援
633 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:20 ID:XoGSou4c
v.s.ゴブリン召集
2番目に重要なこのマッチアップでも、Elf & Nailはかなり
相性の良く戦えます。プレイテストでの勝率は60%近くで、
わずかに勝ち越している感じでしたが、地区予選の結果では
若干勝率が上がっているようです。この理由を考察するに、
サイドボード後の相性と、ゴブリン召集側のプレイヤーの
プレイングの未熟さにあると思われます。尤も、対戦相手に
してみれば、このマッチアップは想定外だったでしょうから
致し方ないことかもしれません。特に顕著に目立ったミスは、
サイドボーディングのミスとマリガンのミスです。サイド後に
生物の展開スピードを落としてまで土地破壊やアーティファクト
除去などを入れてしまうのは間違いですし、ちょっと遅めの
ハンドの配牌なら積極的にマリガンすべきだと認識できて
いなかったのでしょう。
これらミスは、このマッチアップにおける重要なポイントを
示唆しています。すなわち、「長引くほどにElf & Nailが有利」
ということです。確かにゴブリン召集には“パーフェクト召集”
による勝ちパターンが用意されていますが、それにこだわり過ぎて
《召集》を撃つのを遅らせてしまうと、《隔離されたタイタン》や
《カマール》&《トリスケ》コンボでマナベースを攻撃されてしまいます。
正解のプレイングとしては、“アグロ・ゴブリン”として振る舞い、
可及的速やかにライフを減らしにかかることです。
《頭蓋骨締め》→《召集》パターンのような遅いハンドを
キープするのは自殺行為に他なりません。2ターン目か3ターン目に
《戦長》を呼んで、次のターンに《包囲攻撃の司令官》を展開するのが
必勝パターンだと認識すべきです。
634 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:22 ID:XoGSou4c
Elf & Nail側からしても、相手のスピードに飲み込まれたら
負けです。早いターンに《花盛りの春》を張れるか否かが、
勝負の分かれ目でしょう。もし3ターン目に《花盛り》、4ターン目に
《歯と爪》という展開が出来たらほぼ勝ち確定です。
その時は《タイタン》&《巨像》なり、《カマール》&《トリスケ》なり
持ってきて相手を介錯して差し上げて下さい。
それでは、このマッチアップでの最大の疑問にお答えしましょう。
「《ゴブリンの名手》出されたら投了じゃないの?」
えぇ確かに辛いです。2ターン目の《戦長》から3ターン目に出てくると
かなり苦しいです。でも、手札にエルフしか居ないような状態でない限り
致命的ではないですし、そんなエルフしか居ないような手札は
マリガンすべきです。エルフ達は、《締め》を付けてブロッカーに
したり、単に《締め》てドローしたり、相手に除去させることで
相手のテンポとマナを拘束したりと、そういう役割を担うわけで、
それすら叶わず無惨に死んでいくのは確かに悲しいことです。
でも、だからと言って即負けるというわけではないです。
エルフ虐殺モードに入られてしまっても大丈夫なように、
《花盛りの春》のある初手をキープすべきです。
もし赤単ゴブリンに《名手》を使われたら事態は一層深刻です。
一応《トリスケ》という解答が用意されてはいるのですが、
赤単ゴブリンのスピードの前にはその解答にまで辿り着けない
ことが多々あります。いづれにせよ、《名手》によってこちらの
展開が抑え込まれ、戦術の変更を余儀なくされるのは、非常に
辛いゲーム進行であると言わざるを得ないでしょう。
In:歯と爪×1、ぶどう棚×1、トリスケ×1、映し身人形×1
out:ワイヤウッドの共生虫×4
635 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:23 ID:XoGSou4c
v.s.赤単ゴブリン
最悪の相手です。マッチ勝率0%というのは私達にとってもかなり
不本意な成績で、たぶん33%くらいは勝てると踏んでいました。
実際、ゲーム勝率で見れば33%でしたし。
個人的には、赤単ゴブリンに対してかなり脆いコンボを以って
対策としているという事実にかなり皮肉を感じているのですが、
それでも勝ち手段がそれしかない以上は仕方のない選択だと思います。
ゴブリンの展開は速すぎますし、それに対抗するには3ターン目の
《花盛りの春》→4ターン目の《歯と爪》と、天和に近いドローが
要求されます。しかし、しばしばこのドローを以ってすら赤単
ゴブリンの暴力的なスピードに屈してしまうことがあります。
赤単ゴブリンは、4マナと《戦長》があれば回るので、《タイタン》で
5マナ目を拘束したところで、特に意味も無く土地を1枚壊して
終わりという事態に陥ります。もし相手が《爆片波》を使ってくる
タイプのゴブリンだった場合、もはや絶望しか見えません。
あまりに勝てないので、一時期は《貪欲なるベイロス》を試していた
こともありましたが、環境に存在するデッキのほとんどには《ベイロス》
無しで勝ててしまったので、結局このマッチアップのためだけに
スロットを割くのを諦めました。赤単ゴブリンに当たったら
もはや事故ることのみを祈って下さい。相手とて毎回毎回は
ベストなハンドが入るとは限らないのですから。
ささやかな抵抗カードを入れたところで、《ゴブリンの名手》に
完膚無くに叩きのめされてしまうでしょう。
636 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:23 ID:XoGSou4c
そうそう、Paskin型のアーティファクト重視な赤単ゴブリン
についてサイドボーディングを解説しましょう。
(訳注:Paskin型ってのは発見できませんでしたが、
恐らくは、↓コレに準ずる形であると思われます。
http://brainburst.com/db/deck.asp?deck_id=4071 )
唯一勝機があるとすれば、序盤の土地破壊がハマってしまうこと
なので、《大焼炉》等を割りに行くのも一策です。決して
ベストな戦略ではありませんが、私達のプレイテストでは
本当にこれ位しか勝ちパターンが見つからなかったのです。
サイドボーディングは基本的には対ゴブリン召集用に準じますが、
対Paskin型についてだけ追加の変更を付記しておきます。
In:酸化×4、シャーマン×1
out:頭蓋骨締め×1、タイタン×1、カマール×1、ワイヤウッドの伝令×1
(もし《脅しつけ》が恐ければ《巨像》もサイドアウト)
637 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:24 ID:XoGSou4c
v.s.白コン・白/Xコン
もし相手が白単色なら楽勝です。《カマール》さえ正しく使えれば
負ける要素が見当たりません。《カマール》に対して《神の怒り》や
《アクローマの復讐》が飛んでくるのに対応して、相手のマナを拘束
すれば、相手に立ち直る時間を与えることなく勝ててしまうでしょう。
もし白コンが勝てるとすれば、10マナ域まで到達して《正義の命令》を
天使=3以上で撃つか、《精神隷属器》を起動する位しかないでしょう。
私達のプレイテストではこのマッチアップの勝率は100%でした。
白/XコンのXの部分が青なら、Elf & Nailにとっては最も与しやすい
相手です。白青コンの持つ数少ないカウンターでは、Elf & Nailの
マスカンの連打には耐えられないでしょう。彼らは本質的に《巨像》
に対する解答を持っていない上、その他のパワーカード達にも
対処しなければならないのです。たまに10マナ域に到達するまで
生き延びてしまい、なんゲームか取られてしまう事はあるので
注意が必要です。
In:忍び寄るカビ×3
out:タイタン×1、シャーマン×2
(もし相手が《袖の下》を使ってくるなら《タイタン》の替わりに
《巨像》をサイドアウトしましょう。相手は《袖の下》できませんよ?)
支援
639 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:25 ID:XoGSou4c
v.s.歯と爪
歯と爪系のデッキとElf & Nailとのマッチアップは非常に興味深いものです。
と言うのも、1ゲーム目ではElf & Nailがハンディを背負ってるのに対し、
2ゲーム目以降はむしろElf & Nailが有利となるという、2面性を持った
マッチアップだからです。その理由となるのが、《花盛りの春》がむしろ
足枷になるという事実です。マナを思うように伸ばせないElf & Nailは
仕方無しに《花盛り》をキャストせざるを得ないでしょう。しかし、
返しのターンで相手は《花盛り》を悪用して《歯と爪》を双呪で唱えてしまい、
1ターン早くデカブツに辿り着いてしまうのです。更に運が悪かった場合、
《花盛り》の恩恵を受けた巨大な《火の玉》まであなたに飛んできます。
そうかといって、《花盛り》をキャストしなければElf & Nailのマナは伸びず、
けっきょく相手がデカブツを呼ぶマナまで到達してしまうのです。
そこで私たちがプレイテストで出した結論は「相手が何も持ってないことを
期待して早いターンで《花盛り》を出してしまう」ということです。
たいていの場合、相手が何も持っていない訳もないのですが、賭けてみるだけの
価値はあります。
サイドボード後は相性が激変します。6枚の土地破壊呪文は相手の展開を
地味に、しかし確実に蝕み、その間に他のテンポの良いスペルがアドバンテージの
格差を広げます。例えば対ウルザトロンにおいて、マナベースを攻撃すれば
相手に致命的な打撃を与えるか、最低でも展開を2〜3ターン遅らせることは
出来ます。相対的に相手が遅くなってくれれば、こちらは《花盛り》なしにも
充分スピードを間に合わすことができ、《歯と爪》からの《カマール》と
《タイタン》でカタをつける事ができます。そう、《タイタン》がただでさえ
出遅れた相手の《森》と《山》を奪ってくれて、しかもあなた側には何の
被害ももたらさないのです。地区予選用のプレイテストの結果、1ゲーム目は
3:7で不利、サイド後は8:2で有利という結論に落ち着きました。
640 :
獅子面のネタ師 ◆Neta/Frxv. :04/05/15 22:25 ID:XoGSou4c
n:忍び寄るカビ×3、刈り取りと種まき×3、映し身人形×1、ぶどう棚×1
out:花盛りの春×4、歯と爪×1、シャーマン×2、トリスケ×1
デッキ著作
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リードデザイナー:ジェイソン・ヘイガー&クリス・チャン
デザインチーム:カイル・コルドバ、ジェラルド・リン、サーミー・マーチャント、
ケン・ニコラス、マット・リューレン、ジェイ・シュナイダー、
ジェミー“JV”ヴァーデン
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最後に、長々と読んでくれてありがとう。
-------- ジェイ・シュナイダーと七人の侍
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翻訳内容は、獅子面のネタ師◆Neta/Frxv.の脳内変換されたものであり
原文記事の内容を正しく捕らえきれていない場合があります。
原文との併読をオススメします。原文はこちらです。
http://www.brainburst.com/db/article.asp?id=4078 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
をわり!
支援サンクスコー☆
ふーっ。久々に翻訳するといろいろミスが目立つね。
ぼちぼち勘を取り戻すんで、そこら辺はひとつ。
まぁこのデッキ自体かなり良いデッキなんでまだの人は是非使ってみて欲しい。
本稿が大会とかで“エルフ&歯と爪”を使う一助となれば幸い。