ホビデバトルロワイヤル#8ブレイン・オブ・グロッキー
ホビー・データ 電子社内報 2003年10月号
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・関係者以外の閲覧を禁じます。
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業務停止・会社整理についてのお知らせ
平成15年10月31日
有限会社ホビー・データ
上記代表取締役 雑賀 寛
日頃スタッフの皆様には、大変お世話になっております。
突然のお話で恐縮至極でありますが、このたび、事情により弊社の業務を停止し、会
社は事実上倒産するものと相成りましたことをご報告いたします。
一、お詫びと経緯の説明
社長である私本人の経営判断の誤り、甘さが倒産に至る要因です。
1、 倒産により、お客様、従業員およびアルバイトさんたち、そして、その他の取引
先の方々に 多大の被害を出したことに対し、伏してお詫び申し上げます。とくにお
客様に対しては、ゲーム作品で楽しまれることを期待して、ご購入いただいたものを
途中で運営不能の事態を招いてしまい、本当に申し訳ないという思いで一杯です。
(続く)
関係者必死ぽ
PL全員で被害者集会やれば、数百万円にはなるんじゃない?
2、 倒産の原因の多くは私自身にあります。専門的経営知識を欠いたばかりでなく、
社会人経験も乏しい経営役員が舵取りしていた、それが会社の実態でした。当社の立
ち上げ時には、若く、ゲーム業界経験はあるものの、企業経営能力の無い者ばかりが
集まり、その後も専門的経営能力のある人物を受け入れるといった判断を欠いたま
ま、営業を続けてしまいました。このため、結果的に安易な先行投資や、新規プロジ
ェクトへの予算の過剰な投入を招き、会社の債務を大きく増やし、最終的には回復不
能なレベルまで陥らせてしまったのです。もちろん、過去に複数の役員がこれらを提
案し主導した事実もありますが、最終決済したのは社長の私でした。
3、 また、財務体質にも問題がありました。詳細な経営分析手段の確立を欠き、売上
低下を安易に新規融資に頼る傾向が続き、しかもそれを私の実家からの土地担保提
供、および現金借入という手段にばかり依存しました。さらに私自身も私財のすべて
を会社のために投げ出し、いまや生活費にも事欠く状態です。そればかりでなく、経
営と関係の無い妻の貯金まで消滅。さらに妻の実家からの支援を仰がなくては生活が
成り立たないなどの状況まで招いてしまいました。
(続く)
二、倒産に至る経緯
1、 過去二年間の経緯を振り返ります。と申しますのも今日直接の倒産要因を生み出
したのが、この二年間の収支状況に起因するからです。第11期(平成13年6月〜平成
14年5月)は、前年比98%の売上を確保。超過債務の状況ながらも、平均1,400万円の
月商を維持しました。この期は、安定した運営を一応は達成しつつも、来期のゲーム
開発責任者をどうするかが決まらず、結局不十分な開発体制のまま、次の一年間を迎
えざるを得なくなってしまいました。幹部人事に責任を持ち、その担当をしていた私
としては、痛恨の思いです。責任者交代を受け入れることを前提に、14年1月以降は、
新規のクリエイター確保に走り回りましたが、業界内でも特にマイナーな、弊社独特
の商品(メイルゲーム)開発に意欲と情熱を持つ人物を探し出すことは実現できませ
んでした。この点、人材不足を言い訳にした、私の危機感の不足が大きな要因といわ
ざるを得ません。
2、 第12期(平成14年6月〜平成15年5月)になると、年商が単年度で11%低下
し、各種の支払に目に見えて困るようになってきました。給与の遅配が、幹部社員の
間で慢性化し、また、消費税と社会保険料の未払いが蓄積してしまいました。対応策
として、リストラと経費節減策を行ないましたが、出口の見えない状況下で平成14年
の年末商戦が不手際から失敗。15年1月以降の売上が低迷し、ついに平均で月1,000万
円を切るという状況になってしまいました。この対応として、まず年末商戦失敗の原
因を明らかにし、さらに追加の資金策を講じるため、再建プランと共に協力者を募り
ました。しかし結局、すでに多額の銀行債権の連帯保証を行なっている社長実家以外
からの資金面での支援は得られず、この結果、銀行への支払条件変更(1年間)の依
頼を行い、苦しい中でまさにぎりぎりの再建を目指すこととなりました。この間、副
社長が辞任し、またゲーム開発の責任者を替える、会社経費を15%ダウンさせるな
ど、思い切った転換が行なわれました。その一方、何とか売上を安定化させつつ、支
払は待ってもらうという方針から、多くの未払いを残した業者さんや、税金、社会保
険関係の管轄役所とも相談を重ねる日々でした。
(続く)
ただの泣き言に聞こえるな(横槍すまん)
3、 その後、今期第13期に入り、6月〜7月にかけて一旦は状況が安定化したかに
見えました。しかし、これも一時的で、発表する新作商品の売上は逐次低下。その度
合いは過去に無い悪いものでした。さらに開発スケジュールの遅れなども重なり、8月
以降の売上低下が極めて深刻な状況となり、もはや最低限の顧客確保が不可能という
状況に陥ってしまいました。もっと早く開発計画をしっかりと立て、さらに新規の顧
客獲得手段を講じれば何とかなったのではないかという議論も繰り返されましたが、
宣伝広告費を3分の1以下に縮小し、さらにコストの掛からない顧客獲得手段をとい
う掛け声も、実行に移す間もなくすべてが遅すぎました。なお、宣伝広告費を大幅に
減じた理由には、広告効果が年々悪化したという理由もあります。これは、ゲーム業
界での売上低迷と雑誌不振とも無関係ではありません。
4、 また、運営体制の甘さも問題でした。多くのゲーム企画を同時に運営しながら、
その管理はバラバラで、統一的な、お客様の信頼を獲得するにたる運営システムが欠
如していました。特にこの三年間は運営のミス、トラブルが続き、顧客離れを招いた
のです。これも私ほか役員の指導力不足が招いたものでした。
5、特に10月の売上悪化は、今年春に立案した再建プランを根底から崩してしまいま
した。今日の段階でも、会社の表面的な事務作業、原稿執筆などの部分は機能してい
ますが、財務上の破綻は限界を超えてしまいました。こうして今日、あらゆる再建
策、資金導入策を、私の責任下で会社として実施するのは、もはや不可能と判断せざ
るを得ない状況になったのです。
三、総括
このようなことから、経営を断念するに至りました。
改めまして今日の事態を迎えましたことを深くお詫び申し上げます。
私財も無く、破産も、法的整理も不可能な状況まで追い込まれております故、事務所
整理の上、一切の業務停止を行なうものとなります。
何卒ご了承ください。
改めて、伏してお願い申し上げます。
(続く)
連投支援
これで最後になりますが、これまで長年の業務一切に関し、皆様のご協力、ご尽力に
深く感謝致します。
誠に有り難うございました。
(改行略)
事務的連絡
1.現在委託中の業務一切は、停止してください。以後の一般業務は一切行なわれま
せん。
2.委託物の返送、受け取りには応じかねます。また、当方から発送物をお送りする
こともできません。
3.金曜日午後5時以降、会社に在る一切の私物は、処分されます。
4.会社の鍵を持っている人は、至急会社宛てに返送してください。なお、返送物中
に、「コピーキー○本を返却いたします。(氏名)(押印)」のように、鍵返却書を
添えてください。金曜日31日以降、事務所は出入り禁止です。大家さん、および優先
債権者から厳重な注意を受けるものと思われますので、絶対に、コピーキーでの出入
りを行なわないで下さい。
5.仮払金を持っている方は、至急、来社、または郵送の上、全額を正しく清算して
下さい。当方には仮払い記録簿がありますので、清算時に確認できます。郵送の場
合、仮払いを受けた日付(記憶している範囲で結構です)、金額、使途、釣り銭を現
金書留でお送りください。なお、どんなに古いものでも、レシートだけでも提出して
ください。これが処理されませんと、持っている方が、ホビー・データ社に対して債
務を負っていることとなりますので、くれぐれもご注意ください。
6.版権関係の処分につき、意見、提案がある方は、雑賀までご連絡ください。
7.来週は、事務所片づけが行なわれます。速やかに事務所を大家さんに引き渡す予
定となっております。
8.スタッフの義務は、従来ご案内のように、契約解除後も会社清算期間中は従来同
様に継続します。この点、ご注意ください。弁護士、債権者が関心を持っております。
9.お客様への通知は当方から行なわれます。対応窓口も当方で設置いたしましたの
で、ご協力をお願いします。
10.以後の連絡先
ホビー・データ宛、郵便にてお願いします。転送されます。
(終了)