【秘密】TRPGネタバレスレ【厳守】

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231NPCさん
孤独な中年男ダグラスの、唯一の趣味は読書だった。
彼は一日中本を読んで過ごし、そのうちに家の裏にある静かな墓地で、
墓石に座って読書に耽る事が習慣になっていた。

ある日、読書に夢中になっていたダグラスは、
日が暮れてもまだ満月の明かりの下で本を読み続けていた。
すると、彼の座っていたとなりの墓石がずれ動いて、
奇怪な生き物が顔をのぞかせ、微かな鳴き声を立てた。

そして、奇妙な友情が生まれた。
ダグラスは5年の間、墓地でその奇怪な友人達と親交を持ち、
その後友人達に続いて地下世界に降りていき、一緒に暮らし始めた。
一年が経って、彼の外見は少々変わり、食事の好みも人とは異なるようになった。
けれども、相変わらず本を読み続ける生活だった。

やがて、友人達が墓地への通路を閉じ、遠くへ引っ越す事になった。
ダグラスももちろんついて行くつもりだったが、手持ちの本の少なさが気になった。
そこで彼は、唯一の心残りである自分の本を取るために、
今は彼の甥のものとなっている自分の家に忍び込んだのだった。
232NPCさん:03/07/16 02:56 ID:???
探索者がダグラスと穏やかに接触する事が出来たなら、
彼はいろいろな質問に何でも応えてくれるだろう。
世間からそっとしておいてもらい、いつまでも好きな本を読みふける事が出来るというのが、
今の彼の唯一の望みである事。
お金も着替えも(食事時以外の)人付き合いも必要のない今の生活は、
彼にとって素晴らしいものだという事。
今日限りで彼は友人達と共にここから旅立ち、二度と戻ってこないであろうという事。
これから、自分が地下世界で見聞きした事を本に書く予定である事。

そしてダグラスは、自分が生きて(?)いるという事を甥には話さないでほしいと頼んで、
墓地の地下へと去っていく。

そして、月明かりの下、墓石に座り込んで本を読む「悪魔」の姿が目撃される事は、
二度となかった。