MTG Sideboard Online 日本語版: Revised Edition
119〜121の続きを。
「もっとまともな不満」
我々がスターターゲームボックスを完全に8版と別のものにしてしまうのではないか、という人々がいる。
2年前に7版を編集していたとき、Eager Cadetを基本セットに入れても不満を言う奴がいるだろうという
ことはわかっていたが、それでもスターターゲームのカードがトーナメントで使えるということが我々には
とても重要だったんだ。初心者が地元の大会―とりわけFriday Night Magicのような大会―に
「スタンダード」の意味も知らず、どんなカードが使えるのかさえ知らずに参加するなんてのは本当によく
あることだったんだ。そんな子供たちが、デッキにVizzerdrixが入ってるからってFriday Night Magicから
つまみ出されないようにするための一番簡単で一番スマートな方法は、まさしくそのカードを基本セットに
入れてしまうことだったのさ。
我々は、スターターゲームを1つのセットとし、12枚程のカードをスタンダードに追加するという案を少し
検討したが、今はまだポータルという大失敗を乗り越えようとしている最中だし、新しいアイデアの
スタンドアローンスターターが「第二のポータル」と呼ばれるんじゃないかと恐れていた。
言い換えると、初心者がつまづくのは7版までにして欲しかったから、初心者達に「本当の」カードで
遊んで欲しかってことなんだ。我々はまた、Volcanic Hammerのようにプレイヤーがトーナメントで
使いたいと思うようなスターターゲームのカードを、シングルで買わなきゃいけないのはおかしいと
思っていた。
私が述べたように、我々は否定的な反響も少しはあるだろうと思っているが、そんな不満は今まで
挙げたようなカードを基本セットに入れるという正しい行動の前には十分無視できる程の不満に
過ぎないと思っている。今では7版でやっちまった誤算をわかっているし、8版に対するアプローチを
変化させてもいる。(君達からのeメールを読むと、特にレアのスロットにTrained OrggやVizzerdrixが
入ることが不愉快らしい。うーん、怒るのも理解できる。それに関してはすまないと思うけどね。)
我々のニュープランではスターターを8版の“拡張”として扱う。
スターターに入っているカードは全て8版の一部とし、スタンダードで使えるものとする(もちろん
8版がスタンダードで使える間に限り)。しかし、ブースターパックには入っていないスターターの
カードがあり、それらはセット総枚数には数えない。例えば、Vizzerdrixはスターターには入って
いるが、ブースターにはVizzerdrixのスロットに別の青のレアカードが入っているだろう。
細部の履行
8版のディベロップメントチームと私はスターターゲームの作業と、それに含まれるどのカードが
8版本体収録に値するか決めるという作業をやり終えた。我々のしたこと、例えば8版の一部、
は構築戦にインパクトを与えるはずだが、Eager CadetやVizzerdrixはそうはならないだろうね。
面白い話を生んだ2枚のカードがある:
Giant Octopusは奇妙なケースの1つで、実際8版に入れるには良すぎるカードなので“S-series”
のカードとして存在した。(“S-series” とは私が勝手に名づけた呼び方で、実際にどう呼ぶかが
決まるまでの仮の呼び方だけどね。我々はまだ用語やコレクターズナンバーなどの細部に関しては
終えてなかったから)
漫画でGiant Octopusを描いたアーティストに、人々にGiant Octopusがプレイヤーの首を絞めている
イラストを提供することでGiant Octopusが対戦相手を(対戦相手がコントロールするクリーチャー
ではなくて)直接攻撃できるということを教えさせることができたので、Giant Octopusの漫画から
ゲームへの導入は驚くほどうまくいった。それでも“Hill Giant”は青にあるべきではなかったけどね。
プレイヤー達は7版でのドラフトでは、良質のクリーチャーを擁する青をドラフトし、そのことで
本当に悩んだよ。我々がスターターゲームに要求したようなシンプルなカードは様々な色のカードが
作りだせるような“フレーバー”を作り出すことはないし、我々の新しいプランによって、7版では
青の地上クリーチャーは他の色のクリーチャー程質がよくないということを確認できたのが嬉しかった。
Vengeanceはおかしな理由で紆余曲折したカードだ。“対象の、タップ状態のクリーチャーを破壊する”
という能力は白らしからぬメカニックだ。しかし単純なソーサリーはスタータゲームにはぴったりだ。
次回もスターターゲームににはぴったりだろうが、セット自体にはなんの味付けももたらさないだろう。
やっと正式な放送予定発表
R&Dはネット中で議論された問題の全てを公表するつもりはないので、このようなありふれた反応は
しないで欲しい。我々が君達が嫌がることをするための論拠の方が、君達がそれをやめて欲しいとする
論拠よりもこのゲームにとってはプラスだ、と判断するときがある。そんな場合でさえ、我々が目的を
達成するまでに君達の関心事と調整し和解する方法がある。私がただ1つ望むことは、将来どんな問題が
持ち上がろうとも、それが簡単に解決できるものであって欲しい、ということだ。
私はここ二週間、読者の全員が気にかけているわけではないがとても興味深い問題、に時間と労力を
費やしてきた。Reprint Policyとスターターゲームの両者とも、ある人々にとっては重要で、そういう
人々が扱ってきたということが私は嬉しい。しかし今や私はもっと一般的で面白い、ウォーストーリーの
ディベロップメント、のような仕事に戻るということをここに約束しよう。