◆絵描き向けモニタについて◆
1 カラーマネージメント(略:カラマネ)
実務的には、モニタやプリンタなどの機器の違い、機種差、個体差、経年変化などをできるだけ抑え、同じ画像データがどの機器でもなるべく同じ色で見えるように色を管理すること。
カラマネしていないモニタ環境で制作した画像データの色は、例え満足できる色に表示されていても、その場限りの色でしかない。
制作時の色を他のモニタでは再現できないし、制作時と同じモニタでも経年変化の進行により再現できなくなっていく。
それで構わなければそれでよいが、数年後とかにも制作時の色を再現したいのであれば、こだわり具合に応じてカラマネに金をかける必要がある。
Web公開画像の場合、制作者がカラマネに金をかけても、ほとんどの閲覧者は十分なカラマネを行っていないので制作者とは違った色で見ることになる。
印刷業者に印刷してもらう場合、制作者がカラマネに金をかけても、印刷物が制作者のモニタ表示とカラーマッチングするかは業者のカラマネ対応状況次第。業者を選べば、ある程度報われる。
(1) キャリブレーション
モニタのガンマ・輝度・白色点などの特性をある目標値になるように校正すること。カラマネが機能する前提。
キャリブレーション済と明記されているモニタか、10bit以上のLUTを積んだモニタが望ましい。
経年変化の影響を抑えるため、定期的に目視(こだわるならカラマネツール)で調整すべき。
2 作業性
基本的には、パネルがより大きく、より高解像度なほど作業性が向上する。
3 眼の疲れ
(1) ギラツキ
単に眩しいといった意味ではなく、パネル表面の油膜のような煌めきを指し、一部の人にとっては疲れの原因となる。
現行機では、サムスン製PLSパネルが最良だが、最新LG製IPSもほぼ問題なし。
(2) チラツキ
バックライトのPWM調光によるもので、一部の人にとっては疲れの原因となる。
LEDの方がCCFLよりも原理的に不利で、CCFL機ではチラツキにより疲れたという報告がほとんどない。
気になる場合は、DC調光か高周波数PWM調光のモニタを選ぶ。
(3) 最低輝度
輝度を最低に設定してもまだ眩しいモニタは、疲れの原因となる。
輝度が低すぎると、暗部の色が正確に見えなかったり、チラツキの原因となったりする。