日本人が残虐行為をした理由
南京だけではなく、中国戦線全体で日本兵が残虐行為に走った理由というのをいつか、まとめて論じてみたいと思っています。
1.日本軍(特に陸軍においてはなはだしいが)において、兵の教育が過酷であり、往復ビンタや過激な制裁が横行し、次第に上官の命令を絶対に聞くという態勢になった。
2.軍の内務班や兵営にいる限り、上官の非常な圧迫下にあり、エネルギーがいつでも外に向かって解放されるようになっていた。
3.いつでも死を覚悟するように教育され、実際にもほとんど無益・無効な白兵戦に押しやられ、自暴自棄になっていた。どうせ死ぬんだから何をやってもいいやという気持ちになっていった。
4.陸軍は補給をほとんど無視した軍隊であった。そこで食料・燃料などの生活物資の一切を中国の民間人から徴発するという態勢になっていた。むこうも食料を奪われたら命をつなげないので必死に抵抗した。
そこで徴発の場面から徐々に暴行が常習化した。ところで戦闘場面と異なり、徴発では下級兵士が上官の目を離れて自由に振る舞える唯一の場であった。徴発の場では、物資の略奪とともに婦女暴行が頻発した。
5.強姦は一応陸軍刑法でも重罪であったが、親告罪、つまり相手が訴えなかったら、捕まらなかった。相手の訴えを出来なくするためにほとんど必ず、強姦後殺人の形をとった。
日本のマスコミでは中国人に対する蔑視と憎悪が煽られた。当時、日本の侵略的行動は正義の行動のように描かれ、満州事変の謀略は報道されず、中国の陰謀であるとあべこべに報道された。
中国人の排日運動、抗日運動は極悪非道の行為のように宣伝された。
日本の中国支配は日本に与えられた運命のように宣伝された。
また、中国人は蔑視し、自国を統治する能力を持たない無知で野蛮な人間のように描かれた。