「死ね」と馬乗りで少年を殴打 逮捕の広島少年院法務教官
「死ね」と暴言を吐き、馬乗りで顔面を殴る−。広島少年院での暴行事件は9日、少年の矯正教育に当たる4人の法務教官が逮捕されるという異常事態を迎えた。
記者会見した法務省広島矯正管区は「捜査にかかわる」と繰り返し、教官が陰湿な暴行に及んだ理由を明らかにしなかった。
会見で横山和洋第一部長部長は、4人は暴行発覚後、教育現場に置いておくことは不適当と判断して「別の場所に異動させた」と説明。しかし、具体的な異動先や業務内容などについては「プライバシー」を理由に明言を避けた。
報道陣から、事件を目撃した教官の有無や、他にも暴行があったのではなどと問われても「今後の捜査にかかわるので回答は差し控えたい」などと何度も繰り返した。
広島地検や矯正管区によると、田原容疑者は「主任」と呼ばれ、ほかの3人より上の立場だったという。地検の信田昌男次席検事は「秩序を維持するために必要な有形力の行使とは到底見ることができない。矯正教育の一環といえるものではない」としている。