ダライ・ラマ法王日本代表部事務所からのアピール/日本の皆さまへ
2008年3月19日 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
(略)
中国当局は、「ダライ・ラマに扇動されて動乱が起きた」「ダライ・ラマが北京五輪のボイコット
を呼びかけている」と繰り返し述べていますが、ダライ・ラマ法王やチベット亡命政府が北京五輪の
開催に反対したことは一度もありません。
(略)
オリンピックは、地上に生きるすべての人々の平和、自由、調和を象徴しています。我々は、
このオリンピック精神が北京五輪で花開き、地球全体が平和に包まれる
ところをこの目で見たいと願っています。しかし、それを実現するには、一人一人がオリンピック精神にのっとって行
動しなくてはなりません。
ラサをはじめとする各地で行なわれたデモ行動は、北京五輪とはほとんど関係がありません。
これは、長年抑圧されてきたチベット人全員の中に鬱積していた憤りや不満が一気に噴出して
起きたものです。チベット人は、中国による植民地統治のもとで、現在に至るまで想像を
絶する苦しみを強いられてきました。いくら中国側が、「チベットは発展し、チベット人は幸せに
なった」と述べ立てたところで、今回の事件は、中国の統治下におかれたチベット人は、まったく
幸福ではない、というチベット人の明確なメッセージなのです。
我々は、チベットの状況を深く憂慮しています。我々はこれまでも中国当局に対し、武力による
解決を慎み、我々チベット亡命政府と話し合いによって双方の相違点を解決するよう要請
してまいりました。我々は、国連や各国政府が事態の調停に乗り出すよう要望しております。
私は苦しむチベット人全員を代表し、日本の皆様に手を合わせてお願いしたいと思います。
どうか、中国当局が我々の誠実な気持ちを理解できるよう、また、現在のチベットの状況に
国際的な基準とオリンピック精神にのっとって対応できるよう、日本の皆様のお力をお貸しください。
皆さまのご理解とご支援に、心より感謝いたします。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所 代表 ラクパ・ツォコ
http://www.tibethouse.jp/news_release/2008/080319_release.html