トニー★レオンpart60

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208魅せられた名無しさん
実を言えば、この11部門のノミネートを、
金城武の主演男優賞ノミネートと取り換えてもいいくらいだ。
彼がノミネートされなかったことは、ぼくの最大の無念だよ。
ジョウ・シュンにいつも言っていたけれど、
ぼくは監督として、彼女は主演女優として、どちらも合格だったというに過ぎない。
だが、金城武はこの映画で一番良かった。
「如果・愛」を真に好きで理解している人たちが、最も評価したのは、
決まって金城武なんだよ。
――ピーター・チャン
209魅せられた名無しさん:2007/05/18(金) 23:21:19
金城武をめぐって伝えられる話は、みなどこか神話めいている。
蔡康永は言う。
「彼のかっこよさは肝をつぶすほどで、地球人の美しさじゃない。
彼が生涯演技賞をもらえないことだってありうるが、
この容貌があれば、演技なんかもう関係ない。
その顔こそが存在意義であって、
たとえたった1種類しか表情がなかったとしても、何度見ても飽きはしない。
彼はいい男の究極の意味するところだ」

金城武自身もしょっちゅう聞かれている。
きれいで魅力ある男という称号を常に冠されてきて、
才能が軽視されているようには感じないかと。
彼は自分はいい役者ではないと認める。
この誠実さに、質問者はどう言葉を継いでいいかわからなくなる。
210魅せられた名無しさん:2007/05/18(金) 23:24:37
「如果・愛」のプロモーションの折、
誰かが「有名な俳優になるには、幸運と努力とどちらが大きいか」ということに触れたとき、
彼はこう言った。「自分はとても幸運だったと前から思っています。
だって、本当に努力していませんから……」
その答えにはいささかも反論めいたところがなかった。

演技に関する話題になると、彼は必ずいつも同じように、
「脚本通り」「監督の意向」という言葉で答える。
「LOVERS」に出演したときには、
「どのシーンも、監督にまずやってもらい、自分は監督のセリフの言い方や
表情をできるだけまねするようにした」と強調していた。

彼は、決してどんな役でもやりこなすタイプの俳優ではない。
本来の持ち味で演じ、人が見る最上のものは彼自身なのである。
211魅せられた名無しさん:2007/05/18(金) 23:26:16
しかし、たとえそうであっても、金城武は多くの監督に愛されている。
彼には、彼自身気づいていない演技感覚と魅力があり、
それは口で説明しにくい持ち味だ。
まさにウォン・カーウァイが言っているように
――レスリー・チャンの目には物語があり、トニー・レオンの目には暗い穴がある。
金城武の目には人生がある、と。

だのに、彼は普通1年に1、2作しか映画に出ない。
その基準は、決まって自分の気に入った物語ということだ。
詩人のようなロマンティックな心を備えた彼は、
役にかなりの程度、自分自身の感情を反映させることができる。
敏感な人なら、作品の中に、彼の真実の恋する気持ちを垣間見ることができるはずだ。
212魅せられた名無しさん:2007/05/18(金) 23:28:41
また、もしどうにも隠し切れない優れた容貌の持ち主でなかったなら、
金城武には監督の仕事の方が向いているかもしれない。
彼はよく奇妙な空想に長いことふけっていることがある――
「恋する惑星」でパイナップルの缶詰をバカ食いし、
「天使の涙」で死んだ豚にマッサージをするという奇抜なアイデアは、
いずれも彼が提案したものなのだ。

目が覚めたら外は一面荒れ果てていて、地球には自分1人しか残っていない、
という夢をよく見ると、彼は言う。
映画を撮ることも彼の夢だが、いつそれを世に問うのかと聞かれるたび、
笑ってこう答えるだけだ。
「ずっと考え中。多分80歳になったら、よりぬきのバリエーション≠ニいった形に
変わっていて、やっとお目見えできるかも。
出来が悪くても、けったいな畢生の作¥ワぐらいはもらえるだろう」