513 :
魅せられた名無しさん:
サー・イアンのトレーラーから妙にさっぱりした顔で出てきたショーンを
見たヴィゴ。平静をよそおいながら、ショーンに尋ねる。
「ショーン、ずいぶん長い間、サー・イアンのトレーラーにいたようだけど。」
「ああ、今、舞台のオファーが来てててね。『マクベス』をやらないかって。
それで、ずいぶんシェイクスピアの芝居に出ていなかったから、
イアンにちょっと稽古をつけてもらってたんだよ。
解らなかった点が氷解して、実にためになった。」
「そうか。それはよかった。(ほっとする)」
「ヴィゴ、君、舞台は?」
「実は、来年出るんだ。『チャタレー夫人の恋人』なんだけどね(←ウソである)」
「へえ、私も前にやったよ。」
「知ってるよ。お願いがあるんだ。私のトレーラーで、ちょっと森番メラーズの
役をやってみてくれないか?」
「ええ?だって、恥ずかしいよ。それに相手役がいなくちゃ。」
「相手役ならここにいるじゃないか。私がチャタレー夫人をやる。」
「あ……あの……」
どうしていいかわからないショーンでありました。