なく、販売店様にもメリットがあります。
実は、意外に苦労した点が多いのです。まず、一番の問題は、ファイルやスリーブに使うプラスチックの材質でした。
プラスチックの中には、CDやDVDにとって悪影響の出る物質が含まれているものもあります。つまり、スリーブやケースの
素材はプラスチックならなんでもいいというわけではないのです。
こういう物質が含まれていると、温度など環境の影響で、CDやDVDを構成しているポリカーボネートを変質させてしまいます。
わかりやすい現象としては、記録面が曇ったような感じになってしまいます。もう1つは、レーベル面の印刷とスリーブです。
違う素材が接触することで、色移りなどの現象が発生してしまうことがあります。これも、スリーブの材質などによって違いが
あります。なので、このファイルケースタイプを使う場合以外でも、CDやDVDを収納するときには、素材に注意したほうがいいでしょう。
基本的には、CDやDVD用として作られているもので、ちゃんとしたメーカーのものであれば、問題はないはずです。
しかし、現在は、専門メーカー以外にもさまざまなところでCDやDVDを入れるケースを作っているので、このような素材同士の
問題を何も考えずに作られたケースがあるのも事実です。
もう1つは、スリーブのサイズです。これがきついと、ディスクに力がかかり、保存している間に変形を起こすことがあります。
ええ、いろいろと調べた結果、プラスチックとディスクの組合せで問題が発生することがわかり、ディスクメーカーとしては、
たとえケースであっても、ディスクを変質させるようなものを出すわけにはいきません。実際、太陽誘電では、スタート・ラボ
株主の1社でもあるソニーの品質基準を採用していますが、ディスク用として市販されているケースで基準を満たすものはありませんでした。
それで、このファイルケースはまったくのゼロから当社で開発したものなのです。
デザインも、ディスクを出しやすいように工夫してあります。カバーケースは、ファイルが取り出しやすいようなサイズにしてあり、また、
側面に、簡単に取り出せるように穴を開けてあります(写真5)。そこを持ってカバーを引くとファイルが出てくるようになっています。