http://www.telesa.or.jp/019kyougikai/html/01provider/01images/provider_020524_2.pdf プライバシー侵害について、不法行為の成立を認めた裁判例の一つでは、個人に関する情報がプ
ライバシーとして保護されるためには「@私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られ
るおそれのある情報であること、A一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合に、
他者に開示されることを欲しないであろうと認められる情報であること、B一般の人に未だ知られ
ていない情報であることが必要である」と解している。
@の「私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある情報」は、「宴のあと」事件*がモデル小
説が問題となったものであったため、フィクションであっても通常の読者から見て事実と受け取ら
れるおそれがあれば対象となるという意味で言及されているものである
b 氏名及び連絡先情報の取扱い
下級審裁判例上、氏名及び連絡先がセットで開示された場合についてはプライバシーの保護対象
となることが認められており、これを明確に否定したものは見あたらない。
そして、右のように、個人の情報を一定の目的のために公開した者において、それが右目的外に悪用さ
れないために、右個人情報を右公開目的と関係ない範囲まで知られたくないと欲することは決して不合
理なことではなく、それもやはり保護されるべき利益であるというべきである。そして、このように自
己に関する情報をコントロールすることは、プライバシーの権利の基本的属性として、これに含まれる
ものと解される。」としてプライバシーの保護対象としている。この判決は、プライバシーに関する近
時有力な学説である「自己情報コントロール権」説に従ったものと理解されるが、この考えに従えば本
人の秘匿の姿勢も要求されず、本人の合理的意思に反した氏名と連絡先情報のセットの公開はたいてい
の場合プライバシーの保護対象となる。