DVD-R,-RW, +R, +RW,-RAM比較総合スレッド Part8

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日本工業新聞5月8日 次世代ディスクの行方 〜ポストDVDをめぐる攻防〜4

  全会一致で決定

二月の下旬。くしくもブルーレイ・ディスクが発表された直後に開催されたDVD
(デジタル多用途ディスク)フォーラム総会で各社は、次世代光ディスク規格化の
ための議論をフォーラムで行っていくことを全会一致で決定した。
 その一方で、「すでに優れた規格があるのに、いまさら技術論議する必要はない」
と、ソニーは、技術論議の席にはつくつもりがないことを明言。ブルーレイ・ディ
スクへの参加を呼びかけられながら、DVDフォーラムでの規格化にこだわる東芝
も、「劣った規格に賛同する必要はない」(同社幹部)と断言する。今後も両者の
歩みよりは期待できそうにない。
 規格論議に対する強行な姿勢には、有力メーカーの覇権主義的思惑さえ見え隠れ
する。
 こうした中で動向のカギを握るのは、「もし(ブルーレイ・ディスクよりも)優
れた規格があるのならば技術論議したい」とするブルーレイ賛同企業。ブルーレイ
の位置付けをめぐっては、各社の利害が複雑に絡み合っているようだ。

  商品開発に影響

 第一点は特許料収入の問題。「大きいものになると、特許料は年間数百億円にも
なる」(東芝関係者)。と同時に、自社が得意とする技術が標準規格になるかどう
かで商品開発のスピードも大きく変わってくる。「いまさら違う規格に変えたら、
商品開発は半年以上遅れる」(ソニー関係者)のだ。
 DVDレコーダーで自社製品を持たないソニーは、規格統一を待たずに商品開発
や生産技術の確立を急ぐ。同社は、「二〇〇三年中の発売」を視野に入れており、
DVDレコーダーでの出遅れを一気に巻き返したいという思惑がある。
 結局、DVDフォーラムでどのような規格が策定されようが、同社の商品開発に
影響を与えることはない。現実的には、既に賽(さい)は投げられていた格好だ。
 二点目は、莫大な額に上る開発投資を伴う次世代光ディスク開発は、多くのメー
カーにとって重荷となること。九社の技術を結集したというブルーレイ・ディスク
規格だが、ソニー主導であることは周知の事実。一方、自社で開発する体力のない
メーカーは、ライセンスを受けなければ商品化できない。これが、賛同企業が拡大
した大きな理由のようだ。より良い規格があれば、今後そちらを選択する可能性は
大きい。
 「どのメーカーの規格かはユーザーにとって問題ではない」(日立製作所)。各
社のプライドをかけた闘いも、決着は市場に委ねることになりかねない状況だ。
 規格の発表時には、今春を予定していたブルーレイ・ディスクのライセンス供与
も、いまだに開始されていない。「ブルーレイにとってはまだ春は来ていないらし
い」と、参画企業幹部は遅延への皮肉を苦笑交じりに語る。
 西田厚聰・東芝デジタルメディア社社長も、「われわれにとってブルーレイ規格
の公開は何ら意味を持たない。参考にすべき技術などないからだ」とシビアな評価。
 絶大なる市場への影響力を持って、ソニーがブルーレイ・ディスク標準化を成功
させるのか。それとも規格乱立を再び招く結果となるのか、答えは先送りされたま
まだ。