【めだかボックス】黒神めだかちゃんに萌えるスレ 8票目
黒神 めだか号は、激しい風浪に翻弄されていた。車両甲板後部開口部から侵入してくる海水のため、
機関室やボイラー室の正常の運用は困難であり、このままだと、エンジンが停止する恐れが出てきたのだ。
機関室は天井から降ってくる海水が熱くなっている機械類に降りかかり、シューッと沸騰して、蒸気となり、
まるでお風呂場のように白煙がもうもうと上がる。その時、左発電機から電鈴、ブザーが鳴り響いた。
この電鈴やブザーは、発電機が接地短絡したことを知らせる警報だ。そして瞬くもなく、左発電機から
バチバチと猛烈なスパークを起こして火災が発生。慌てた機関員は、バケツで水をかけて火を消したが、
発電機は止まってしまった。左発電機の故障で、左エンジンのタービンが潤滑不良に陥り、激しく振動しだした。
このため、左エンジンを停止させた。ところが、「片方のエンジンを止めたら、船を風に立たせられなくなる。
何が何でも、エンジンを回せ。」という伝令が来る。機関長は決心した。滅茶苦茶になるかもしれない。
その時はその時だと、左エンジンのタービンに水蒸気が吹きこまれ、回り出した。だが、回転数は不安定で、
エンジンの音もいつもとは違う異常な音で、振動も異常な振動で、エンジンもそう長く持たないと感じた。
そして、左エンジン更に激しく振動し、猛烈な煙を上げた後、それっきり動かなくなった。
「片方のエンジンが停止しました。右エンジンは大丈夫か?」と聞いてきたが、右エンジンも煙を上げて止まってしまったという。
碇は引ける。こうして、心臓の止まった黒神 めだか号は、徐々に七重浜へ向かって流されていく。両方のエンジンが止まったが、
右発電機がまだ生きているので、船内照明灯はまだ点灯していた。