その2作目を僕がやるのはいくらなんでも変だろう? ……と思ったが、局プロデューサーと原作の編集部が『さすがの猿飛』と同じである。
僕のことも金春さんのことも知っていての依頼である。
「何かと色々あって、ともかく1作目を見てくれ」
と、言われ、1作目「オンリー・ユー」を見た。
コミックのアニメとしては結構面白くはできていたが、かなり引っかかった点があった。
ラムもあたる(男の子)も、それらしくないのだ。
おまけに女性がいないというか……つまり、金春流でない、キャラクターの形だけが高橋留美子風味なのだ。
なんだか変だと思ったら、監督・脚色押井守とある。
つまり、絵コンテで脚本が相当変えられて、何やらかにやらあった末、金春さんが怒って2作目の脚本を断ったらしい
で、押井守氏がプロットを書いたら今度は原作とプロデューサーサイドがNOを出し、またまたなにやらかにやらあった末、
だったら『さすがの猿飛』のシリーズ構成にやらそうということで、僕にお鉢が回って来たようである。
こっちは『さすがの猿飛』で好き放題させてもらっているし『街角のメルヘン』のアニメ化もある。
なんだか断りきれない状況になり、ただ、NOの出た監督のプロットが、友引高校の一同が自主映画を作るという話ということは聞いた。
このプロットが『うる星やつら』の映画4作目に似ているというが、僕はNOになったプロットの内容を聞いただけで、4作目を見ていないのでよくはわからない。
ちょっと、インターネットで検索してみたが、4作目に押井守氏の名はない。
どうなっているのだろう?
まあ、僕のプロットではないから関係ないが……。
監督やスタッフとも、2度ほど会ったと思うが、ほとんど監督の印象がない。
なんだか、ぶつぶつ要領を得ない世間話をしたような覚えがある。
ともかく、監督は、ストーリーについては何も言わないのである。
後の発言からすると、もうその時はすでに僕の脚本を使う気はなかったようである。
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