大河内アキラは国に(・∀・)カエレ!!

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1名無しかわいいよ名無し
  , ─ 、  ♪迷子の迷子のアキラちゃん 貴方のスレはどこですか?
  ! '´ ̄ヽ 検索〜しても分からない なぜ〜消されたか分からない
  ! l〈ノノリノハ ホルホルホル♪ウェーハッハッ♪
  ! l(l! ゚∀゚>ヾファビョってばかりいるアキラちゃん♪


2名無しかわいいよ名無し:2006/10/08(日) 22:27:24 ID:WKrXka4X
>>1

             , ─ 、
             ! '´ ̄ヽ
             ! l〈ノノリノハ  
ヲ|Eト━━━━━━ ∩(l!゚∀゚>'')━━━━━━!!!
3名無しかわいいよ名無し:2006/10/08(日) 22:47:29 ID:mirnlLWY
4名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 01:18:38 ID:Wad+2qTt
消されたスレに書かれていた小説を何方か貼ってください。m(_ _"m)ペコリ
保存してなかったもので
5名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 02:47:06 ID:K/F4hPR/
貼るよ
6名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 02:47:37 ID:K/F4hPR/
私は別段、韓国人が憎いと思った事はない。
いや。
正確に言うなら、韓国人ひいては韓国という存在そのものを全く気にかけた事がない。
私の人生の幾時間幾分幾秒も能動的に韓国へ割いた試しがない。

つまり、私及び多くの日本人にとって――韓国とはそういったものなのだ。
無論、国の名前ぐらいは知っている。
日本のごく近隣の半島に位置する国家という事も理解している。
だがやはり、彼らは"近くて遠い"国に他ならないのだ。

そうした"日本人"がある日突然、『お前は韓民族の一人である』と告げられたなら――彼あるいは彼女は、
やはり激しい混乱と戸惑いに襲われてしまうだろう。
それはアイディンティティーの危機とさえ云えるかも知れない。

私はたった今、その危機に直面していた。



「――であるからして、ウリナラ韓民族の誇り、朝鮮族の気高い魂はふめ……アキラニム?
 そう緊張しないでもいいニダ」
私をアキラニム――ニムと言うのは韓国語で敬称に当たるらしい――と呼んだ男は、
演説めいた口舌を区切るや否や私の顔を覗き込むように腰を屈めて、ニカッと歯を剥き出して笑った。
歯と歯の間にキムチの切れ端が挟まっているのが見えて、気分が少し悪くなる。

男はイ・ソンミンと名乗った。
彼をリーダーとして、周囲には二、三人の男達が付き従うように立っている。
誰もがみんなデリカシーのなさそうな顔つきをして、エラを張らせ、中には私の胸元を遠慮なく視姦してくる者さえいた。
彼らのそう云った露骨な態度は早くも私を辟易とさせていた。
この東校舎屋上に連れられてきてからまだ三分と経ってはいない。

イ・ソンミンは、昼休みに私が東校舎四階の廊下を歩いている所へ声をかけてきた。
この棟には特殊教室しか入っておらず、従ってその時間は人影がまばらだった。
あるいはイ・ソンミンは私がこの校舎でしばしば一人きりの昼食を摂る事を知っていて、
人目につかずに声のかけられるタイミングを見計らっていたのかも知れなかった。
気づかぬ内につけ回されていたという想像は私を不愉快にさせた。
しかしその一方で、誰にも見られずに済んで良かったという思いもあった。
何故ならば、彼らは在日韓国人としての大河内アキラに声をかけてきたからである。
「失礼、大河内アキラニム。
 ウリはイ・ソンミンと言う者ニダ。
 名前からご推察の通り、韓国人――韓国からの留学生ニダ。
 実は、アキラニムに折り入ってお話が――」

このタイミングで韓国人がわざわざ声をかけてくるのだから、先日の民団加盟によって、
私が在日韓国人である事が知られてしまったのだろうと容易に推測できた。
そうして私は内心で戦々恐々としていた。
彼は間違いなく韓国人留学生ネットワークに所属する人間であろう。
そんな人物と接触し会話している所を、他の麻帆良学園生徒に見られでもしたら――いくら人気がないとは云え、
それは十分に起こりうるハプニングだった。
だからここはひとまず話し合いを受けるとだけ答えて、早々にこの場を立ち去るべきだと思った。

私はそのままソンミンと屋上へ向かい、そこで彼の仲間に出迎えを受け、軽い挨拶を交わした。
私達の陣取った場所は他のどの校舎からも見えない死角にあり、屋上入り口の扉には彼らの内の一人が見張り番についた。
そうしてソンミンの前口上が始まった。
その口ぶりに大人しく耳を傾けていると、彼は私が緊張しているものと思ったらしく(またそれは確かな事実でもあったが)
前口上も程ほどに切り上げ、さっそく本題を持ち出してきた。
「なに、そう構える必要はないニダよ。
 何しろこれはお互いのためになる話ニダ。
 アキラニムは全てを聞き終えてから、ただ一言了承の返事をくれるだけで良いニダ」
もう色良い返事を貰えるつもりでいる。
そういった身勝手な早合点もまた私を辟易とさせた。
7名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 02:48:08 ID:K/F4hPR/
「それで、そのお話というのは……」
「まぁ手短に言ってしまうと、アキラニムにウリナラのコミュニティ――麻帆良に在学する韓国人留学生ネットワークの
一員に加わって欲しいという申し出ニダ」
「――え。ちょ、ちょっと待って」
突然、何を言い出すのか――私は大変に困惑した。
そんな事になれば、私が韓国人であるとたちどころに知られてしまう。
……とは云え、もし今後を日本における韓国人社会の中で生きていくというのであれば、これは願ってもない申し出と考える事もできる。
自分が生きる社会の中で立ち位置を確保する。
しかし私は、自身が身を置くべき社会はいずれであるのかを未だ見通せずにいた。
「でもそれは、ちょっと性急過ぎるというか……第一、あなた方は在日韓国人を正式な同胞と認めていないという話だったよね?」
私も詳しくは知らないが、彼らのネットワークは在日韓国人を"半日"と呼び、対日本人程ではないにせよ排除的姿勢を示していたはずであった。
同じ韓国人同士、個人間での交流は勿論あったかも知れないが、コミュニティのくくりで云えば在日は"つまはじき者"のはずだった。
「アイゴー、それは大いなる勘違いニダ!
 事実ウリナラの門戸は在日の皆さんに向けても開放されているニダ。
 水泳部のホープ・アキラニムに代表されるように、各分野での実績を兼ね備えた在日の皆さんをウリナラのコミュニティは快く出迎えていく所存ニダ。
 今回の申し出こそはその何よりの証拠ニダ」
と言えば聞こえはいいが、要は都合の良い人間のみ受け入れ、そうでない者は切り捨てると言っているのだ。
嫌韓派の人間がよく口にしていた"在日認定"という言葉が思い起こされ、私は薄ら寒さをすら感じた。

こういったご都合主義的な価値観は彼らの精神性の根幹より生ぜられるものなのか。
私は確かに在日韓国人だった。
だが、つい先日まで日本人として生きてきた私には、紛れもない日本人的精神性が宿っているはずであった。
かと云って高尚な人間的在り方をここに表白するつもりもないが、
少なくとも彼らのような浅ましさを臆面もなくさらけ出す真似はしたくない、と考えている。
「ねぇ、悪いんだけれど」
「ニダ?」
「その話には乗れない。
 大河内アキラは、あなた方コミュニティの一員には加わらないよ」
ソンミンは細い目をくわっと見開いて私の顔をぎょろりと舐め回した。
口の右端がややつり上がって、微かにひくついているようにも見える。
彼らにとっては予想外の返事に気分を害したのかも知れない――勿論、彼らとの間にもめ事を起こしたくはない。
がしかし、仮にこの屋上で諍いを起こしたとしても人目につく事はないだろうし、それに彼らの社会には
"通名を使っている者の国籍及び本名を第三者が日本人社会に知らしめるような事があってはならない"という絶対のルールがある。
いかに彼らが腹を立てたとしても、この決まりを破る事だけはしないだろう。

取り巻きの男達が顔を真っ赤にして、私に詰め寄る気勢を見せた。
「アキラニム!ソンミン直々の申し出をそうも事も無げに断られるとは、いくらアキラニムと云えども……」
「黙るニダッ!!!」
ソンミンの一喝はたちまちの内に彼らを沈黙せしめる。
口をつぐんだまま直立不動の姿勢をとった取り巻き達の姿は、コミュニティ内におけるソンミンの有力な立場を物語っていた。
彼らの内部事情については全く分からないが、あるいはソンミンは、
嫌韓過激派ネットワークにおける雪平あやかのような幹部的立ち位置にあるのかも知れなかった。
「……アキラニムのお考えは承知したニダ。
 しかし、ウリナラコミュニティの門戸はいつでもあなたに向けて開かれている事をご記憶頂きたいニダ。
 アキラニムの気さえ変わったならば、その時はこのソンミンにご連絡を……」
彼はそう云って一枚の名刺を財布の中から取りだし、私へとうやうやしく手渡した。
それはハングル語で書かれた名刺だった。
生憎と私はハングル語を理解できないが、携帯と思われる数字の並びが彼の連絡先であろう事は即座に推察された。
「うん、ご丁寧にどうもありがとう。
 それでは、そろそろおいとまさせて貰っても……いいのかな?」
「勿論構わないニダ。
 またの機会が訪れる事を心待ちにしているニダよ」
「それはどうも。
 それじゃ、失礼します」
初対面の印象と比べればソンミンは随分と物わかりのいい男らしかった。
その丁寧な対応には私自身の韓国人に対する解釈を些か改める必要性があった。
8名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 02:48:39 ID:K/F4hPR/
しかし彼の目線は相変わらずもいやらしく、名刺を渡す際にみせたこちらの胸元をちらちら覗き見る仕草は最後まで私を辟易とさせた。



私はそのまま教室へと戻っていった。



女子中等部三年の教室の棟を歩きながら、開かれていた扉から中の壁時計へ目をやると、昼休みはまだ20分強の時間を残していた。
これなら昼食を摂るには十分だろうと、手に下げた弁当包みの重さを確かめながら安堵する。
先程の事があったためか、人気のない特殊教室で食事を摂る気分にはなれなかった。
いつもの3-Aの教室が物恋しくなったのだ。

3-D、3-C、3-B……そこまで近づくに連れ、どうも3-Aの教室が少々騒がしいのに気が付いた。
いつもの面々が何の脈絡もなく騒ぎ出すのは日常茶飯事だが、何だか嫌な心持ちがした。

入り口の扉に立つと、騒がしさの正体――木乃香さんのアジテーションとそれに応答する者達の拍手喝采が、
私の気疲れした体へと直にまとわりついてきた。
教室内へ入ってみれば、場の雰囲気は正に最高潮で「そうだそうだ!」だの
「韓国人は出て行け!!!」だのと攻撃的な文句があちらこちらを飛び交っていた。
私はつい先日までのように、嫌韓に興味を持たない無関心派を装いながら、自身の席までゆっくり歩いてそのまま腰を落ち着けた。
しかし内心では大変な喪失感に襲われていた。
道に迷った子供のような心細さが、私の精神をじわじわ弱らせていくのを感じていた。

木乃香さんと刹那さんは、週に一度の割合で嫌韓・排韓的なアジテーションを繰り替えし実践していた。
各教室を手短かにまわって嫌韓ネットワークの活動報告を行い、最後はここ3-Aで締めの演説を行うのだ。
それは決まって昼休みに実地された。
在日を含めた韓国人のほとんどが昼休み中は教室を空けるため、演説する側にとって都合が良いのだろうと思う。

先程から無能なオウムのように「そうだそうだ!」ばかりを繰り返しているのは、木乃香さんと刹那さんの傍に陣取っている宮崎さんだ。
しばらく前までは韓流に乗って韓国人アイドルを持て囃してみたり、あるいは韓国文化を扱った書籍を熟読してみたりと、
彼女は謂わば親韓的な立場ですらあった。
ところが嫌韓過激派ネットワークが勢力を伸ばし始めるや否や、たちまち木乃香さんの太鼓持ちじみた事をやりはじめた。
長いものには巻かれろとばかりの見事な鞍替えには恐れ入る。
がしかし、私は彼女を責めるつもりにはなれなかった。
自分にした所で、別段韓国人に対する特別な感情を抱いてもいないというのに、
教室ひいては学園内での立ち位置を鑑みた上で木乃香さんの主導する署名運動に協力した経験がある。
程度の差はあれ、彼女はかつての私なのだ。

木乃香さんの傍に寄り添うようにして立つ刹那さん、そうしてその後ろで聴衆の一人一人へ監察するような視線を向けているのは雪広さんだ。
彼女はネットワーク発足当時からのメンバーで、実質組織のNo.3と言って良い立場にあった。
彼女の嫌韓感情は韓国財閥に対するライバル意識からきたものとも、あるいは韓国人窃盗団の被害にあった経験から
きたものとも噂されているが、それらの説はどれ一つとして確からしい裏付けのあるものではなかった。

近衛家の権力、刹那さん率いる腕利き達の武力、雪広財閥の財力……
嫌韓ネットワークの急成長とはこれらに支えられた謂わば必然の結果であった。
彼女達の組織に学園治安部の力は最早及ばない。
学園内の韓国人、それら全てを飲み込み、吐き下すまで――ネットワークは膨れ上がり続けるのだろう。

次第に数を増した聴衆の波が私の席にまで及んだ。
私は弁当の包みを手に、他人の空き席で昼食を摂るべく席を立った。
早く食べてしまわないと昼休みが終わってしまう。
自然とため息が漏れた。

教室の後ろ隅では無関心派が寄り添って気怠い休み時間を過ごしている。
私は夕映さんと四葉さんの腰掛けているスペースの隣りへ腰掛けた。
「失礼。
 ちょっとここで昼食を摂らせて貰ってもいいかな」
「おや、アキラさんではないですか。
 どうぞどうぞ、遠慮無く食べていってくださいです」
9名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 02:49:11 ID:K/F4hPR/
「今からお食事となると急いで食べなくてはいけませんね」
「ちょっと、ヤボ用で時間を潰してしまってね」
そう言いながら私は弁当箱を開け……ようとして、慌てて包みの中へと戻した。
どうして、こんな――。
「うん?この匂いは……」
「キムチにプルコギ、それからチヂミも入っているみたいですね」
恐ろしく嗅覚の鋭い四葉さんが次々に弁当の中身を言い当てた。
そう、今日のおかずは紛れもなく、韓国料理のレパートリーそのものだったのである。

私は確かに韓国料理を好んでいた。
しかし麻帆良学園の情勢を考慮し、母親には『韓国料理を弁当のおかずには入れないで欲しい』と伝えてあった。
けれどもこうして弁当の中には韓国料理が詰め込まれている。
恐らくは先日の一件が母親の心情に影響を及ぼした結果なのだろう。
だがこれは非常に不味い事態だった。
よりにもよって嫌韓演説真っ直中の教室で、韓国料理入りの弁当を広げようとしている。
聴衆達に気付かれればどんな羽目に遭う事か想像だにできない。
「あ、あの、二人とも……これは、その」
「しっ!」
四葉さんが私の口元に人差し指を突きつけ、続く言葉を遮った。
「大丈夫ですよアキラさん。
 蓋は直ぐに閉めましたし、私達以外の人間が匂いに気付く事はないと思いますです」
「あ……う、うん」
動揺していた私を落ち着かせるように、夕映さんがゆったりとした小声で言った。
どうやら二人に木乃香さん達へこの事を報告するつもりはないようだった。
そうと分かった途端、安堵のため息が漏れる。
「それにしてもマズイですね、このタイミングでその弁当と言うのは……。
 木乃香さん達の演説で学園中が気色ばんでいますからね。
 今日の昼食は諦めた方が良いと思いますよ」
「うん、そうするよ」
無論、四葉さんの忠告に異存は無い。
私は弁当の包みをぎゅっと縛り直して、椅子の背もたれによたれかかった。
緊張の連続で気が張っていたためか、空腹はさほど気にならなかった。
「……二人は気にしないんだね、韓国料理の事」
「気にするもなにも」
私の呟きに夕映さんは身を乗り出し、
「私は――私と四葉さんの二人は、韓国文化に興味を持ってすらいるです」と小声で続け、その舌をぺろりと舐めあげた。
四葉さんもそれに合わせて"うんうん"と頷いている。
「私は韓国の伝統的文化に、四葉さんは韓国の伝統料理に、それはそれは大変深い感銘を受けましたです。
 ぺろり。
 修学旅行の行き先は韓国に票を入れましたし、韓国文化を更に深く理解すべくハングル語を学びもしましたです……
 おっと、これは秘密にしておいてくださいです」
と、金切り声で演説を続ける木乃香さん達を見やって夕映さんが言う。
「今の麻帆良で親韓派を公言する訳には行きませんから……ここでの事は私達の胸にしまっておきましょう」
そう言って四葉さんは微笑む。
私は何だか、胸のわだかまりがすっと取れたような心持ちになった。
10名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 02:50:31 ID:K/F4hPR/
それから昼休みが終わるまでの間、私達は何気ない話に花を咲かせた。
私は韓国料理が好きなのだと話すと、二人はうんうんと首を振ってそれを肯定してくれた。
夕映さんはこうした会話を交わしながら、時折ぺろりと舌を舐め上げた。
変な癖があるものだなと思う。
今まで彼女とはほとんど付き合いがなかったものだから、そんな癖には全く気付かなかった。
そうしたささやかな発見も今の私にはどことなく嬉しい事のように思われた。



放課後に入って、窓から入る風は一層の秋らしさを増していた。
こんな日は部活を休んで公園にでもお出かけしたい。
ベンチに座って、日の沈むまで噴水のせせらぎに耳を傾けるのだ。
時折は犬の散歩に来た婦人や噴水の周りを駆け回る子供の姿も見られるだろう。
移り変わる人々の影を眠たげな目で見送って――「あの。アキラニムはいらっしゃいます?」
突然聞こえてきた呼び声、しかも韓国風の敬称をつけたそれに、私は急激に現実世界へと引き戻された――韓国風!?
「あん?」
怪訝そう、かつ物騒な声色で、木乃香さんが声の主を睨み付ける。
教室の入り戸に立ったその人物は、同じ水泳部に所属する在日コリアンの井川さんその人であった。
私は慌てて飛び起きて
「あーあーあー!井川さん!どうしたの突然あぁそうか私がなかなか部活に行かなかったものだから呼びに来たんだねそうかどうもありがとう、
 何ちょっとうっかりしていてね今すぐに行くからねわざわざ同じ水泳部だからって悪いね呼びにこさせるなんて」
と、同じ水泳部の仲間が部活絡みで私を呼びに来たのだと強調しつつ、彼女の手を強引に取ってそのまま教室を後にした。
11名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 06:55:36 ID:KHKz8dAM
乙ニダ
12名無しかわいいよ名無し:2006/10/09(月) 09:55:39 ID:Wad+2qTt
>>6-10
カムサハムニダ!!本当に助かりました^^
13名無しかわいいよ名無し:2006/10/10(火) 10:01:01 ID:Q933SmKL
良スレ認定
14名無しかわいいよ名無し:2006/10/11(水) 22:58:38 ID:/8xl92mf

             , ─ 、
             ! '´ ̄ヽ
             ! l〈ノノリノハ  
ヲ|Eト━━━━━━ ∩(l!゚∀゚>'')━━━━━━!!!
15名無しかわいいよ名無し:2006/10/12(木) 21:58:23 ID:qCgX83Ni
キムチアキラ万歳
16名無しかわいいよ名無し:2006/10/13(金) 07:18:41 ID:qYsIYbTw
三度目の核実験
             , ─ 、
             ! '´ ̄ヽ
             ! l〈ノノリノハ  
ヲ|Eト━━━━━━ ∩(l!゚∀゚>'')━━━━━━!!!
17名無しかわいいよ名無し:2006/10/14(土) 19:50:48 ID:fbMuyCrd
ごめん、だって見つけちゃったから・・・

ああっ、もうダメッ!
ぁあ…ミサイル出るっ、ミサイル出ますうっ!!
ニッ、ニダッ、アンニョンハセヨーーーーーッッッ!!!
いやああああっっっ!!工作船見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!!
ノドンッ!ジョンイルーーーーーーッッッ…半島ッ!
電波アアアアアアッッッッ!!!!
ハムニダああーーーーっっっ!!!テッ、テポッ、テポドォォォッッ!!!
金日成ッッ!!金正日ッッ、金正男ッッ!!!
おおっ!テポドッ!!マッ、マンッ、マンセッッ!!!テポドン見てぇっ ああっ、もうダメッ!!ハーングックーーーーっっっ!!!
忍耐イッ!限界ッ!忍耐限界忍耐ィィィィッッッッ!!!!
いやぁぁっ!金正日、こんなにいっぱいミサイル出してるゥゥッ!
謝罪ぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!賠償ォォッッ!!!
18名無しかわいいよ名無し:2006/10/16(月) 21:36:48 ID:PXNZOnRE
すげーw
19名無しかわいいよ名無し:2006/10/17(火) 15:23:51 ID:s/RcZU+l
キムチアキラ
20名無しかわいいよ名無し:2006/10/18(水) 00:27:55 ID:+ag9tzZU
二度目の核実験
             , ─ 、
             ! '´ ̄ヽ
             ! l〈ノノリノハ  
ヲ|Eト━━━━━━ ∩(l!゚∀゚>'')━━━━━━!!!
21名無しかわいいよ名無し:2006/10/18(水) 18:47:29 ID:W+CuJGOP
世界の中心で孤立するアキラ萌え
22名無しかわいいよ名無し:2006/10/20(金) 09:54:14 ID:kEBeppdi
亞綺羅ちゃん大好き。キムチも大好き。鬼に金棒だね。
23名無しかわいいよ名無し:2006/10/20(金) 13:08:01 ID:t4I887aZ
アレ、漫画サロンのアキラハングルスレ無くなっちゃった?
24第三話:2006/10/20(金) 20:00:08 ID:3jknQ8lc
一階踊り場まで降りてきた所で、強引に引いてきた彼女の手を放した。
「ちょっと困るよ井川さん、人前であんな呼び方をするだなんて……」
「え。困るって何がですか?」
「何がって、分かるでしょう!?」
井川さんは"よくわからない"と云いたげな顔をした。
「私、アキラニ……アキラさんも、私と同じ在日韓国人だっていう話を聞いて。それでつい嬉しくなって」
「だから"アキラニム"って呼んだんだね」
「はい」
「それも、クラスの皆が残っている教室の中で」
「……えっと。
 でも私が在日韓国人だというのは皆知ってる事ですし、その私がニム付けで呼んだからって、別にアキラさんの立場が疑われる事にはならないんじゃないかなって……」
「――あのね井川さん。
 在日韓国人の子が、つい先日までさん付けしていた相手を、突然ニム付けで呼び出すんだ。
 それも、わざわざ教室にやってきまでしてね。
 今の麻帆良では、そう云った事に絡めて"裏事情"を勘ぐる者が出てきたっておかしくはないんだよ。
 分かるかい?」
「あ……」
こうまで言われ、ようやく彼女は自らの過ちに気付いたらしい。
忽ち、しおれたようにうなだれてしまった。
「ごめんなさいアキラさん……わっ私、いつもこうなんです!
 細かい所まで気が回らなくて、それでヘマばかりして……」
ついには目の縁に涙まで浮かべている。
こんな場所で泣かれては事だと、慌てて彼女のフォローに回った。
「あーあー、落ち着いて。井川さん。
 ね、ほら。ドジを踏むのは誰にだってあるよ。
 それが人よりちょっと多いだけの事でしょう?
 まぁ今回の件は仕方無いから。私の方も忘れるから。
 次からはその辺に気をつけてくれたらいいよ」
迷子をなだめすかすみたいに言葉を選び、彼女の涙腺を刺激しないよう細心の注意を払った。

その甲斐あってか、彼女は次第に落ち着きを取り戻していった。
その涙が引いた所を見計らって、先程までの事は忘れてしまったような口ぶりで、『部活へ急ごう?』と声をかけた。
集合時間には大分遅れてしまっていた。



それから数日の間、私は考えていたより随分上手く学園生活を立ち回る事ができたと思う。
木乃香さん達は相も変わらず嫌韓活動に精を出していたが、私が在日韓国人である事までは嗅ぎ付けていないようだった。
昼休みには夕映さんと四葉さんの二人と共に昼食を取り、小声で韓国文化について意見を交流するなどした。
裕奈達とは相変わらず大騒ぎをしたし、部活動も以前と変わらず――あるいは以前にも増して励むようになった。
結局私にとって、泳いでいられる時間だけが真に自由となれるひとときなのだろう。
この厄介な現実と違い、迫る水を優しくかき分けるだけで、私の体は思い通りに水中を駆け回った。



その日は朝から雨が降っていた。
前日の夜は眠りの際に虫の鳴き声を聞きながら眠った。
夢の中でも虫達は変わらず夜の歌を奏でていた。
だから、目が覚めると雨音が周囲を塗りつぶしていた事に、少なからず不思議な心持ちを覚えた。
昨夜の虫達は何処で雨宿りしているんだろう?

雨が降ったせいだろうか、昼休みは一人で昼食を取りたい気分だった。
だからあらかじめ夕映さんと四葉さんの二人にその旨を伝え、私は久しぶりのキムチ弁当の包みを下げて、東校舎へと足を運んだ。

人気ない廊下を歩いて、誰も居ない教室を見繕う。
久しぶりの作業に仄かな懐かしさを覚えていると、私の鼻をとある臭いが刺激するのに感づいた。
そしてその臭いは更に懐かしい記憶を私の脳裏へと次々浮かび上がらせた。
あぁ、この臭いは――そうだ、キムチだ!
25名無しかわいいよ名無し:2006/10/20(金) 20:01:11 ID:3jknQ8lc

始めは韓国人留学生の一派がこの付近にたまり場を設けているのだと思った。
しかしそれにしては彼ら特有の不躾な騒ぎ声も聞こえず、廊下は依然として"しん"としたままであった。
響くのは自分の足音だけだった。
私はそのまま臭いに導かれるよう足を進め、とうとう臭いの漏れ出てくる教室にまで辿り着いた。

入り戸は丁度一人分の隙間が開いていた。
そこへ体を滑らすようにして足を踏み入れると、果たして中に居たのは、キムチ弁当を広げて窓の外をぼぅっと眺める3-Cの金田さんであった。
「あの」
私が声をかけると、彼女は引きつったような動きをして席から立ち上がった。
あまり急な動作だったので、椅子がガタンッと後ろへ倒れてしまった。
「あぁごめん、驚かすつもりはなかったんだ」
警戒するような顔でまじまじ見つめてくる彼女へ、私はゆったりと話しかけた。
にも関わらず、彼女は未だ警戒の色を隠さなかった。
腰の引けたその姿は怯えた猫のにじり下がる様を思わせた。
「……どなたですか」
倒した椅子を元に戻しながら、しかし顔はこちらへ向けたまま彼女が言った。
ひょっとすると、食事の邪魔が入って不機嫌なのかも知れない。
「あ、いや。私は3-Aの大河内アキラと言う者だけれど。
 本当に邪魔をするつもりではなかったんだ。
 ただ、美味しそうなキムチの匂いが廊下に漂っていたから」
「キムチ……」
彼女はそう言って黙り込んでしまった。
俯きがちの視線からは何やら考え込んでいるような印象も受け取れた。
「すまなかったね、じゃ私は邪魔になるといけないし、これで――」
「キムチ、お好きですか」
「え?」
突然の問いかけに、思わず言葉に窮してしまう。
「キムチがお好きなんですか」
自らの言葉を確認するかのように、彼女は再度問いかけた。
「あっあぁ、うん。キムチは好きだよ。
 というより、韓国料理全般かな。私が好きなのは」
「そうですか」
呟くような言葉の後、彼女の陶磁器みたいに真白な顔へうっすら笑みが浮かんだ。
もう警戒の色はない。
無理に出て行く必要もなくなったかな、と安堵する。
そうしたら急に気持ちが切り替わった。
キムチ弁当で一人きりの昼食を楽しむつもりだったが、思わぬ"仲間"との出会いが私の気分を変えたらしい。
「あの、金田さん」
「あら?私の名前、ご存じでしたか」
「あぁ、うん。ちょっとね……。
 その、もしよかったら、私もここで弁当を食べていって構わないかな?
 ……実は私のお弁当もキムチ入りでね、あまり人目につくような場所で食べる訳にはいかないんだ」
「まあ」
金田さんは目をまん丸に見開いて、それはそれはと独り言のように呟いた。
どうも、あまり快活な気性の持ち主ではないらしかった。
かといって陰気な雰囲気があるでもなく、どちらかと言えば落ち着いた物腰の感じられる人だった。
「勿論構いませんよ。
 どうぞ、ご一緒しましょう」
そう言って彼女は隣りの席の椅子を引いてくれた。
私はそこへ腰掛けて手持ちの弁当を広げた。
そうして互いのおかずの評論会が始まった。
「――このキムチは美味しいね。
 にんにくもきちんと韓国産を使っている」
「アキラさんのキムチも本当に美味しいです。
 こちらも韓国産のにんにくですね。
 最近は中国産のにんにくで済ませたものも多いですから……あんなものは、私に言わせれば紛い物です」
「全くだよ。
 それにこのチヂミ、市販のものと違って仕上げが細かいね。
 ひょっとして一から手作りしたものかな?」
26名無しかわいいよ名無し:2006/10/20(金) 20:02:35 ID:3jknQ8lc
「その通りです。
 これは我が家流のレシピに従い私が作ったもので……
 あの、私の名前をご存じのようですし、おそらく既に聞き及んでいる事とは思いますが――」
「あぁ、うん。そうだね。
 友人から聞いたんだけれど、金田さんは在日韓国人の方だそうで……」
「仰る通りです。
 ですから我が家のこれは、つまりは郷土料理でもあるのです。
 例えキムチが麻帆良で忌み嫌われようとも、この弁当を止めるつもりはありません。
 ――ところで、アキラさんのおかずも、これは全て手作りの韓国料理ですね?」
「うん、やっぱり分かるかな。
 お恥ずかしながら、全て母親に作ってもらっているんだけれど、まごう事なき自家製韓国料理だよ。
 さっきも言った通り、私は韓国料理が大の好物でね。
 もう物心ついた頃からそうだったんだけれど、今にして思えば、ウチの血筋というのも少しは関係していたのかも知れないね」
「血筋……ですか?」
キムチを喉に絡ませたような口調で、金田さんがおずおず訊ね返した。
彼女が在日韓国人である事も関係したのだろうか、重大な話が自分でも信じられないくらいに、軽く口をついて出る。
「そう。私はね――ウチはね、在日韓国人の一家なんだ」
「――まあ」
目をしばたたかせて、私の顔をじぃっと見つめてくる。
「金田さん……あなたも在日韓国人だと聞き及んでいます。
 この教室を訪れたのは本当に偶然ですが、こうしてあなたとうち解け、話し合う事ができたのは、けして無意味ではなかったと考えています」
「そんな――私の方こそ、声をかけて頂いて本当によかったと思っています。
 それは、最初はビックリしてしまいましたけど……いえね、お昼休みに一人でキムチ弁当を食べている所へ
 嫌がらせをされた事が幾度もあって、それでついつい警戒してしまったんですね」
「そんな事が……」
道理で、出会い頭の彼女は妙に腰が引けていた訳だ。
「はい。
 ですが、こうして同じ在日韓国人の生徒とうち解け合えた――これは私にとっても幸運な事です」
「幸運とまで言われると謙遜しちゃうな」
私達は互いに顔を見合わせ、アハハと軽く笑い有った。
そうやって笑うたび、金田さんの頬には綺麗なえくぼがうっすらと浮いた。

一しきり笑い終えると、彼女はふと思い立ったように
「ところで、アキラさんが在日韓国人だとご存じの方は、他にもいらっしゃるのですか?」
と訊ねる。
「うん、いるね。
 ウチのクラスに二人ほど――この二人は嫌韓問題に関しては穏健派でね。
 というよりは、なんでも韓国文化に大変な興味があるらしい。
 勿論私の事は秘密にしてくれている。
 それから民団の加盟に際して――ウチはつい先日に加盟したばかりなんだけれども――
 それで幾人かの韓国人生徒達には私の事が知られたようだね。
 中にはそれを聞き及んだ部活仲間の在日の子もいて――」
「まぁ」
「とはいえ韓国人コミュニティに暗黙の了解がある以上、めったな心配はいらないだろうけれどね。
 まぁ、その部活の子がまたうっかり者で、ひやりとさせられた事もあったけれど……」
「部活……アキラさんはどちらの部に加入されているんですか?」
「うん、ちょっと水泳をね」
「まぁ!スイマーだなんて、素敵です」
「そんな大げさなもんじゃないよ――」

と、次々と広がる話題に興じている内に、いつしか五時限目の予鈴が鳴り響いている。
「――もうそんな時間か。随分と短かった気がするよ」
「えぇ、本当に。アキラさんとのお話が楽しかったせいでしょうね」
「そう言って貰えると嬉しいな。
 金田さんはいつもここで昼食を取っているの?」
「はい、つい先日からはずっとこの教室で。
 これからしばらくはこちらで食べる事になるかと思います」
「そう……もし良かったら、またちょくちょくとお邪魔しにきても構わないかな?」
「それはもう、喜んで!」
快い彼女の返事に穏やかな心持ちを覚え、この小さな幸運に感謝しつつ、私は一足先にその場を後にした。
27名無しかわいいよ名無し:2006/10/20(金) 20:03:48 ID:3jknQ8lc



幸福感が私の足取りを軽くするらしい。
部活後の疲労を微塵も引きずらず、普段なら早々寮へ戻る所を、雨の上がった宵先の街を気ままに歩いている。
気の傾く方へ足を向けては、CDや小物を物色して、ウィンドウショッピングじみた遊歩へ浮つく気持ちを預けている。



気ままの虫もそろそろ寝入って、それでは寮へ戻ろうと繁華街の出口へ差し掛かった所に、何やら人の小山がごった返している。

不思議に思ってその中心部を覗きみると、「号外、号外!」の声と共に、若い男が新聞の束を次々と撒き散らしていた。
号外とは穏やかではない。
何かただならぬ事件が――と、傍のOLらしき女が手にしていた新聞へ横目を走らせると、そこには『朝鮮』の文字が――朝鮮!?

慌てて私も号外を受け取り、紙面に一通り目を通した。
『北朝鮮、核実験を強行』
『米露、共に実験の痕跡を確認』
『韓国政府は一貫して北を擁護』
――等々の見出しが、黒地に白抜きの太文字で紙面を飾っている。

何という事だろう。
先だってのミサイル乱射など比較にもならない驚き、それに続いて万が一の――北だからこそ起こしうる最悪の事態への恐怖が、胸底から沸き上がってくる。
気付けば周囲の人々は、北の明確な敵意に対する腹立ちと、それから今尚北を擁護し続ける韓国政府への不満を口々に囁きあっている。
『怖いわ』
『北は本気だよ。こいつらは日本人を皆殺しにするためには何だってやりかねない』
『この若さで死にたくない』
『韓国政府は一体何を考えとるんだ。この期に及んで責任の所在を日本へ擦り付けようとは、言語同断』
……彼らの間には不穏な空気が漂っていた。
ひたすら反日で統一された朝鮮民族への強い反感が、彼らの中に眠っていた好戦の血を揺り起こそうとしているかにも見えた。
これを契機に、世論は一層嫌韓へと傾くだろう。
そうして、麻帆良の韓国人への風辺りも――。

何時の間にか宵の空気は冷え込んで、寒々しい風が街の出口を渡り、私の肌をなぶるように撫で付けていった。
28名無しかわいいよ名無し:2006/10/21(土) 00:42:15 ID:hsWL1sew
続きキターーーーー
クオリティたけえ
29名無しかわいいよ名無し:2006/10/21(土) 05:58:57 ID:pZ45t0wc
ヲ|Eト━━━━━━━━━━━!!!
GJ!
30名無しかわいいよ名無し:2006/10/21(土) 10:44:23 ID:j0uOhKMw
                   i
                  ト.
              、_丿 vヘ
               ___
            ,r‐ ァ!´_, -‐' >、
          / /¬'    ̄  ヽ\
            / , i i   ト   ゝ   } ヽ
         i i | i|.  | ! ゞ__ヽ  |  ト
         | ! ィ!´,エ、 ̄ ィェミ.i /
          l |! Yi イ`i.    {. j. |レ' i
          ! ゞ ハ `  __'__   l」 l
         j  7ハ ヘゝ  {  l / l | 
          / 〃 ハ ! 丶丶__'ィ   l !
.         / // / ! .l  ,ヘ.  , ヘ   l l
       / // イ  l l , { 冫=ヽ !`弋ヾ、
        /  i i. ii   レ1 ∨ ゝ_」ヽl  l  ト
        i   { {. !{ f' ! l   ヽ ! i. /   !  } ヘ
       ヽ ヾゞヾ/ l l   ヾ !'     i  ヽ ヽ
31名無しかわいいよ名無し:2006/10/21(土) 13:33:33 ID:nAYZbN/j
<丶`∀´>力作ニダ
32名無しかわいいよ名無し:2006/10/21(土) 14:44:07 ID:JOGJ/ltA
http://comic6.2ch.net/csaloon/#9
ハングルスレ復活
33名無しかわいいよ名無し:2006/10/21(土) 15:06:40 ID:WdXiK65C
その貼り方は間違っている

大河内アキラとハングル語を学ぼう 4 シ ガン
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1161346585/
34名無しかわいいよ名無し:2006/10/21(土) 19:11:45 ID:+P68pzTx
【社会】在日社会、朝鮮籍→韓国籍への変更申請が急増 北の核実験後に申請3倍増
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1161422735/
  , ─ 、  
  ! '´ ̄ヽ 
  ! l〈ノノリノハ 
  ! l(l! ゚∀゚>ヾ ウリの一家も韓国籍に移行したばかりニダ
35名無しかわいいよ名無し:2006/10/23(月) 12:21:05 ID:h4NE38M6
保守反動
36名無しかわいいよ名無し:2006/10/24(火) 00:57:45 ID:yxBeErUM
       、z=ニ三三ニヽ、
      ,,{{彡ニ三ニ三ニミヽ
     }仆ソ'`´''ーー'''""`ヾミi
     lミ{   ニ == 二   lミ|
.      {ミ| , =、、 ,.=-、 ljハ      「おっと 会話の成り立たないふざけた国が登場〜〜
     {t! ィ・=  r・=,  !3l
       `!、 , イ_ _ヘ    l‐'       協議を無視して核開発を行うと
       Y { r=、__ ` j ハ─
.  r‐、 /)へ、`ニニ´ .イ /ヽ       敵対行為になるの知ってたか? マヌケ」
  } i/ //) `ー‐´‐rく  |ヽ
  l / / /〉、_\_ト、」ヽ!
  /|   ' /)   | \ | \



                   i
                  ト.
              、_丿 vヘ
               ___
            ,r‐ ァ!´_, -‐' >、
          / /¬'    ̄  ヽ\
            / , i i   ト   ゝ   } ヽ
         i i | i|.  | ! ゞ__ヽ  |  ト
         | ! ィ!´,エ、 ̄ ィェミ.i /
          l |! Yi イ`i.    {. j. |レ' i
          ! ゞ ハ `  __'__   l」 l
         j  7ハ ヘゝ  {  l / l | 
          / 〃 ハ ! 丶丶__'ィ   l !
.         / // / ! .l  ,ヘ.  , ヘ   l l
       / // イ  l l , { 冫=ヽ !`弋ヾ、
        /  i i. ii   レ1 ∨ ゝ_」ヽl  l  ト
        i   { {. !{ f' ! l   ヽ ! i. /   !  } ヘ
       ヽ ヾゞヾ/ l l   ヾ !'     i  ヽ ヽ
37名無しかわいいよ名無し:2006/10/25(水) 02:49:41 ID:ZyMfmbA4
         ザワザワ   ソンナ・・  マサカ・・・
   __                , ─ 、      ./二二ヽ
   |   |    ,,,,,,,,,,,,,,,,   ∧∧  ! '´ ̄ヽ    イ _、 ._ 3 この中に北のスパイがいる。
 _☆米☆_ ミ,,,,,;露;;;,ミ /支\  ! l〈ノノリノハ     ヽ凵Mノ
  ( ´_⊃`)   (`_っ ´)  ( `ハ´) ! l(l; ゚∀゚>ヾ    /<∨> \



        バカバカシイ  アホクサ    嘘ニダ!
   __                , ─ 、       /二二ヽ そいつは嘘を付くと
   |   |    ,,,,,,,,,,,,,,,,   ∧∧   ! '´ ̄ヽ     イ _、 ._ 3  一重まぶたになるらしい。
 _☆米☆_ ミ,,,,,;露;;;,ミ /支\  ! l〈ノノリノハ    ヽ凵Mノ
  ( ´_⊃`)   (`_っ ´)  ( `ハ´) ! l ∩д∩>ヾ   /<∨> \


            、z=ニ三三ニヽ、
 ゴ        ,,{{彡ニ三ニ三ニミヽ
   ゴ     }仆ソ'`´''ーー'''""`ヾミi
     ゴ   lミ{   ニ == 二   lミ|
    .    ゴ {ミ| , =、、 ,.=-、 ljハ
         {t! ィ・=  r・=,  !3l    ああ嘘だぜ。だがマヌケはみつかったようだな…!
           `!、 , イ_ _ヘ    l‐'
           Y { r=、__ ` j ハゴ
        .ノ~)へ、`ニニ´ .イ /ヽ ゴ
        へ'ン  `ー‐´‐rく  |ヽ  ゴ
     〈 ヽ \〉、_\_ト、」ヽ!     ゴ
     〈 \ \ノ つ | \ | \
38名無しかわいいよ名無し:2006/10/25(水) 20:54:39 ID:CYgNvh3g
  .‐'' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
  |    ________                       |
  |    |   ∧__∧     |                    |
  |    |  <`∀´ >     |                    |
  |    |_/   二\  |                     |
  |    |_/\  \\) |                    |
  |    |     \  \ |                      |
  |    |    / /\ ̄ ̄ )                |
  |    |   / /    ̄| ̄     非 常 識      |
  |    \ \ \     \                 |
  ゝ、     \ \ \     \              ノ
39名無しかわいいよ名無し:2006/10/25(水) 21:11:22 ID:mpKFN3ux
>>37
キムチアキラかわええ(*´д`*)
40名無しかわいいよ名無し:2006/10/26(木) 01:19:37 ID:H6UbSAtQ
それ以前にアキラは一重だし
41名無しかわいいよ名無し:2006/10/26(木) 20:41:41 ID:99o17R/X
_人_人,_从人_.人_从._,人_人人_.人_从._ 人人_.
) ミサイルじゃなくて人工衛星打ち上げニダ!(
) イルボンは朝から大騒ぎしすぎニダ!!  ( 
 )/⌒Y⌒Y⌒l/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ Y⌒
    ((⌒⌒))
ファビョ━ l|l l|l ━ン!           
(⌒;;..  ∧_,,∧               ・・・・・・ 
(⌒.⊂,ヽ#`Д´>      .         ∧_∧ 
(⌒)人ヽ   ヽ、从ゴオォォォ         (・ω・` )
  从ノ.:(,,フ .ノゝ⊃ ミ,           O旦⊂ )
人从;;;;... レ' ノ;;;从人           (_(_⊃ 日本

 人_人,_从人_.人_从._,人_人人_.人_从 人
) イルボンこそが国際社会の脅威ニダ! (
)イルボンは6カ国協議から排除すべきニダ!(
)制裁決議はイルボンの侵略行為ニダ!!( ・・・ポカーン
 )/⌒Y⌒Y⌒l/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y  ∧_∧ 
      〃∩                 (・ω・` )
ドンドン γ'⌒ヽ ∧_∧ ∧_∧ ミ,     O旦⊂  )
    Σ レ'ゝ <`Д´≡`Д´>⊃゙     .(_(_⊃ 日本
     Σ ○  ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ドンドン
42名無しかわいいよ名無し:2006/10/27(金) 20:24:19 ID:8NPc1RjF
F5攻撃は千雨よりアキラのほうが上手だよ。
43名無しかわいいよ名無し:2006/10/28(土) 02:32:56 ID:saDvvAgk
       , ─ 、  
      .! '´ ̄ヽ 
   ν⌒.! l〈ノノリノハ 
  ⊂_:#:! l(l!#:;)゚ρ゚>ヾ
           ;:゚。o;:,.
44名無しかわいいよ名無し:2006/10/28(土) 06:09:35 ID:hWjrywfc
                , -‐ r ─― 、
              /   /      \
           // ,=vシ== 、 ヽヽ ヽ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
             // //     ヽ ヽ ! l l  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
 めガッさ!  〃{ i{ {‐-、   ィ尢ハl i| | / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
           {仆 f ィ=ミ     ィ≠ミ  | |   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
 予防攻撃    |ハムヘr;_j ,  jr;_リl  |)l|   l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
日本国の掟っさ l `∧  r‐‐v   li  l l |l-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
.            ,'  i ゝ、 ヽ ノ  ィ'l   l l ! ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
          /  ,'  l _}>‐匕!_ /  ,'l l |--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
         /rt/   ィf< _ _ `/  /_j | l     i|     |i          "- ;;:::`、
        ノ |l/   ,' llニニ二ニ/  /  >、|    i|     |i           ヽ::::i
       /  /   /. ├ ¬ー/  / // ヽ   i|     .|i          _,,-':/:::}
.     /   /   /  |   ,/  /´,/    ヽ____i| >>韓国  .|i--__,,-.--'''":::::ノ,,-'
   , イ    /  ∧  | fA./  //レ''´    \;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
  〃≠-、,.イ/  ∧ \,|  /  /  ハ.      \       .|i
 〈     { /  /  \__,jイ/  /  /  !`ヽ、   ≠、ヽ      |i/ ".;.;".;":
  ヽ   V  /  {  ̄i{}7  /  イ  i   >'´   /      |i )⌒)/".;.;".;":
   \  / //`个tト-イ/  / _/   i l/    /         .|i⌒) )⌒".;.;".;":.
45名無しかわいいよ名無し:2006/10/29(日) 23:30:06 ID:CSQMyCvY
続きまだかしらwktk
46第四話:2006/10/30(月) 08:19:55 ID:W3LcQA1s
麻帆良学園はもはや、私の知る学園ではなかった。



昨晩から感じていた不穏な空気は、昼の麻帆良の下に一層克明となった。

昼休みの鐘が鳴り響くや否や、学園中から3-Aへ次々人が集まってくる。
中には年老いた教員や事務員の姿も見受けられる――彼らは皆、嫌韓ネットワークの熱心な構成員であった。
北の核開発騒ぎを受け、木乃香さんの演説を聴きに集まってきたのだ。
老若男女、誰もが目をぎらつかせ、手負いの獣のように息を切らせている。

雪広さんの手配した黒服が、教室中央に真鍮製の立派な演壇を設置した。
そこへ木乃香さんが上がると、忽ち聴衆の拍手喝采が沸き起こる。
私達無関心派は教室の隅へ追われ、一固まりに縮こまっていた。
猫に住処を荒らされ物陰に隠れ潜む鼠のような思いだった。

木乃香さんが両手を広げると、教室は立ち所に静まりかえった。
民衆の期待と羨望のまなざしを真正面から受け止め、木乃香さんが一際大きな声を張り上げた。
「つい昨日の事やわ。
 ミサイルを周辺国近海に撃ち込み、核弾頭を開発しよって、それでいて"外圧に屈せず頑張る"などとぬかす、ふざけた国家が隣に登場しよった。
 せや、北や。北朝鮮や。
 更にはその南、これまた"北の核開発は正当であり全ての責任は日本にある"などとほざきよる、常識はずれの国家が爆誕や。
 皆様ご存じ、韓国です。
 大韓民国などと大仰な呼び名は勿体ないえ。
 あんなもん小韓国で十分やわ。
 そんなふざけた民族が、どういう訳か一団で日本へ潜り込み、あげくの果てに不当連行を主張しつつ国内に居座り続けるという、あってはならん事が今日、どうどう罷り通っとる。
 ありえへん。ほんま、ありえへんわぁ〜」
そこへ宮崎さんが「そうだ、そうだ!」の合いの手を入れ、つられて聴衆も『そうだそうだ!』と沸き返る。
「ウチの爺ちゃんも言うとった、チョンはゴキブリと一緒やと。
 一匹を見逃そうものなら、あっという間に増殖しよる。
 おかげで今ではそこかしこにうようよ、うようよ、おるわおるわ。
 もう見るもおぞましきバカチョンの群れ。
 なんですかコレ。
 加えて、自称従軍慰安婦とやらが、けったいなことに時代と共にどんどん沸いて出てきよった。
 そしたら今度はでっちあげの韓流に乗せたビザ無し訪問、更には――皆様のお側にも居られますやろか、韓国人留学生の大量流入
 ――そして、"通名"なる偽名を使って"日本人のふり"などとこしゃくな真似をしよる、在日朝鮮人――」
「そうだ、そうだ!」『そうだそうだ!』
なにが"そうだ"か分からないが、聴衆が次第に異様な熱声を上げ始めた。
合わせて木乃香さんの演説も嫌韓の熱を一層纏い始める。
その姿は悪い熱病に罹った病人のうなされる様を思わせた。
「懸命な皆様には釈迦に説法やろけども、もう悠長な事は言ってられませんえ。
 これは侵略です。
 実質的侵略。
 竹島の実行支配の次は、対馬を狙っとるんやと。
 今現在もってチョンが続々上陸中や。
 したらば次はお約束、"対馬は元々ウリナラの領土ニダ"……っぷ、ぷぷぶぶっ!ぶはははは!!!
 何寝ぼけたこと言う取るんどすかっ!?
 許せますかぁ?こんな事!
 ありえへん。ほんま、ありえへんわ〜」
「そうだ、そうだっ!」『そうだそうだ!』
「チョンが狙っとるのは何も国土だけとは限りませんえ。
 金銀財宝の類もそうや。
 既に幾つもの日本国宝が、韓国に国家ぐるみで盗難されとる……中には、近衛家、か、家宝の、紺綬のせん、扇子もっぎ、ぎぎぃぃぃっっっっ」
木乃香さんが突如、奇声を上げてもがき始めた。
危うくその場に突っ伏しそうになるところへ、すかさず刹那さんが右手で支えに入る。
「大丈夫ですかお嬢様、落ち着いてくださいませ」
「ぎ、ひぎっ、せっ、せっちゃん、ありがとな……ふっ、ふうぅぅっ……」
喘息のような息をして、大きく肩を振るわせている。
だというのに、既に見慣れた光景となっているのだろうか、聴衆達に動じた様子は全くない。
「何やら宗教結社めいてきたですね」と夕映さんが囁いた。
47名無しかわいいよ名無し:2006/10/30(月) 08:20:45 ID:W3LcQA1s
私も同様に思った。
演説するものと聞き入る者達の挙動が、何処となく現実の常識と食い違っている。「アキラさんは始めの頃を除いて、演説が始まるとすぐに席を外されていたようですね。
 ですからご存じないでしょうけれども、ここ最近の木乃香さんは今さっきのように、演説の途中で倒れそうになる事もしばしばです。
 その時は決まって近衛家家宝の盗難の件に触れているように思いますね」と、四葉さんが小声で木乃香さんの近状について聞かせてくれる。
「……失礼。
 ともかく、チョンとは奪いこそすれ決して我々に何かを還元する事のない、言わば日本にとっての社会病理とも云える存在ですえ。
 皆さん、ある日かかりつけの医者に『ガンです』と申告されたらどうされます。
 放っておけば命取り、けれども患部を摘出すればまだ間に合う……するでしょ、手術。
 そりゃあもう、誰だってしますえ。
 えいっとメスを入れて、こう、ガン細胞を切り捨てる。
 それと同じですえ。
 チョンはガンッ、ガンは排除する!
 これもう、当たり前の事です」
「そうだ、そうだっ!」『そうだそうだ!』

まるで祭り囃子のような聴衆のかけ声に満足げに微笑むと、木乃香さんは一度演壇を降り、変わって刹那さんを演壇の上に立たせた。
すると、待ってましたとばかりの拍手喝采がそこかしこから沸き上がる。
「刹那さんが演説されるのはおそらく初めての事ですね。
 やはり北の件で思うところがあったのでしょうか」と四葉さんが誰にでもなく呟く。
「えー皆様、木乃香お嬢様に続いてこの場を預かる事となりました、桜咲刹那でございます。
 ごほん、ごほん。
 さて、皆様。
 チョン共は日本の国土に金銀財宝、あれやこれやを盗んで参りましたが、奴らこれに飽きたらず、とうとう形無きものに至るまでその手を広げて参りました。
 懸命な皆様はもうお分かりでしょう。
 そう、"文化"です。
 日本の伝統文化です。
 剣道、茶道、空手に柔道、更には漫画、アニメに至るまで……およそ日本が世界に誇る偉大な文化の数々が、チョン共の手によって汚されようとしております。
 具体的に申せば、皆様おなじみの"ウリナラ起源"、あれでございます。
 ありとあらゆる捏造、でっちあげでもって、余所様の文化をかすめとろうとする。
 ろくな文化を築く事のできなかったゴミ滓共のなれの果てがこれ。
 そうして奴らあろう事か、ついに我が京都神鳴流までも韓国起源と妄言を垂れ流し……わ、我らが開祖の名を侮辱しよって……おのれ、おのれ韓国!
 許せんっ!絶対に許さんえっっっ!!!」
「……そっ、そうだ、そうだっ!」『そうだそうだ!』
目を普段の倍にも見開いて、血走った眼球を剥き出しにした刹那さんの顔は、まさに鬼気迫るものであった。
のどかさんを始めとした最前列の聴取者達が思わず尻込みしてしまった程の、今にも刀で斬りかからんばかりの気迫だ。
「刹那さんは普段から生粋の日本文化愛好家ぶりを表顕しているですからね。
 銃刀法違反を怖れもせずに日本刀を持ち歩く辺り、並大抵の熱情ではありませんです。
 件の問題についても一しお思い入る所があるのでしょう。
 まぁ私個人としては、韓国文化の素晴らしさも決してひけをとらないと思っているですが……ぺろり」
などと口にしつつ、夕映さんがその舌を舐め上げる。
「チョン共の粗暴な振る舞いにお困りの皆様、その際は是非遠慮なく、わたくしを始めとしたネットワークの腕利き達にご相談を!」
刹那さんはそう言って、演壇の傍に居た龍宮さんを頭に、嫌韓ネットワーク直下の護衛団を紹介し始める。

彼らは皆、ネットワークの要人達を暴漢から護衛する目的で雇われた、学園きっての腕利き達であった。
とは言え、その実態は韓国人ネットワーク及び反ネットワーク派達へ睨みを利かせるための、謂わば武力的威圧機構となんら変わりなかった。
龍宮さん始め当初は就任要請に難色を示していた者達も居たには居たが、雪広さんの提示した莫大な報酬金の前に容易く尻尾を振ったという。
だがその現金さと、金と力で他人を言いなりにするやり口、その卑しさ――対して、
彼らの非難する韓国人達の盗人じみた卑しさ――両者が大きくかけ離れたものだとは、到底思えない。
どちらを擁護するでもなく、まるで目くそが鼻くそを笑うようだと胸中で呟いた。
「皆様、有事の際は是非わたくし共にお任せ下さい……」

演説者と聴衆の不毛な掛け合いは続く。
私は居たたまれなくなって、弁当の包みを引っさげ教室を後にした。
演説の熱声は廊下の端まで行ってもまだ聞こえていた。
48名無しかわいいよ名無し:2006/10/30(月) 08:21:17 ID:W3LcQA1s



階段を下り、下駄箱を抜けて、校庭を真横に突っ切ると芝生の庭に出る。
人工芝ではないようだが用務員が手入れをしている様子はなかった。
だと言うのにいつも綺麗に生えそろっていて、踏み抜く足に心地良い感触が伝わってくる。
シートを敷いてランチに興じる生徒達の姿もまばらに見受けられた。
彼らの顔にはこの世の不条理のひとかけらもまとわりついてはおらず、その影を背負って足を踏み入れた自分がひどく場違いに感じられた。
談笑を後ろ背に私は芝生を抜けた。

それから小石で補整された道を歩いて、ちょっとした林を回り、三つ子の池を横目に進むと、私が『風車』と呼んでいるちっぽけな草むらに辿り着く。
別に風車が立っているという訳ではなく、地形が風車の形をしていると云うような事もない。
ただ細い木々に囲まれた人気のない草むらの中央に座ると、何処からともなく風が吹いて、周囲の木の葉をカラカラと鳴らす事がある。
それで私はこの場所を『風車』と名付けた。

学園内敷地の外れにあって周囲を木々に囲まれた『風車』に、人のいる事は希だった。
その希というのは私の気紛れな訪れを指したもので、つまりは自分以外の人間をここで見かけた事は一度たりともなかった。
ところが今日は先客がいた。

「……ニダ?」

キムチで真っ赤に染まった弁当を膝に、男がこちらを振り向いた。
一重の目蓋に、眠たげな目を更に細めて、逆光の私を見上げている。
その顔には覚えがあった――かつて私を韓国人ネットワークへと誘った、イ・ソンミンである。
「……あ。こ、こんにちは」
「アニョハセヨー。これは驚きニダ、思いもよらぬ客人ニダ」
「――私も、正直言って驚いてます」
「ウェーッハッハッハ、お互いこんなへんぴな場所に人が来るとは思うはずもないニダね。
 ……まぁどうぞ気楽に、腰を落ち着かせてみてはいかがニダ?」
「……そうだね、じゃぁお言葉に甘えて……」

正直に言って、気疲れに追われて逃避した先で他人とはち会わすというのは、あまり気分の良いものではない。
何かと理由をつけて立ち去ろうかとも考えた。
しかしあまりと云えばあまりに意外な人物……彼がどうしてこんな場所に居たのかという疑問が、私をこの場に引き留めていた。

「ソンミンさん……でしたよね?」
「ニダ。名前を覚えて頂けたようで光栄ニダ、アキラニム」
「それはもう、名刺も頂きましたし」
さぁっと一陣風が吹いて、木々の葉がカラカラと鳴った。
「ここはとても落ち着く場所ニダ」
ソンミンが草むらに後ろ手をついたまま頭上を見上げた。
私もつられて仰ぎ見る。
細い木――名前も知らない木々が枝を空に這わせ、秋晴れの陽の下に細く黒い影を敷いている。
おかげで芝生の庭よりも幾分ひんやりするようだ。
「いつもの取り巻きの人達、今日は居ないんだね」
私の言葉にソンミンは少し皮肉げに笑い、それから弱々しい声色でこう言った。
「昨日の今日ニダ」
その表情にかつての覇気はなかった。
「嫌韓過激派ばかりか、今まで無関心のような振る舞いをしていた生徒達までもが、ウリナラに明確な敵意を向けてくるニダ。
 こんな状況で留学生同士が組んで歩けば、たちまち過激派の護衛団に難癖つけられ、緊急防衛という名の暴行を受ける事になるニダよ。
 今日の午前だけで、既に10人近い同胞がやられているニダ……」
「そんな事が――」
学園の緊張は思った以上のものだったらしい。
全く噂にもなっていなかったのは、おそらく嫌韓ネットワーク側が圧力をかけたせいだろう。
かつてもそういう事例はあった――が、二桁近い人数とは尋常でない。
麻帆良学園の崩壊が始まった、と思った。
「みんな今頃は人目につかない場所で、思い思いに昼食を取っているはずニダ。
 しばらくの間はとにかく単独で行動し、決して目立たぬように……と伝えてはあるニダ」
仲間の安否を気遣っているのだろう、深いため息を一つついて、ソンミンはこちらに向き直った。
49名無しかわいいよ名無し:2006/10/30(月) 08:22:18 ID:W3LcQA1s

「――始まりは些細な事だったニダ。
 ウリの仲間の一人が、朝礼の生徒会長挨拶の時間にちょっとしたおふざけをして……皆が退屈そうな顔で
 欠伸やうたた寝をしていたものだから、それなら自分が楽しませてやろうと思ったのニダね。
 けれども皆が皆笑ってくれた訳ではない、中にはきつく注意してくる者もいたニダ。
 勿論、彼もその場は引き下がったニダ。
 けれども朝礼の後、彼を咎めた者が再び傍にやって来てこう言ったニダ。
 『バカチョンは火病に侵されてるからじっとしてられないんだろ?お大事にな』――彼はカッときて、とうとう手を出してしまったニダ。
 ところがその相手がまた根に持つ男で、今度はある事ない事言いふらして、彼の評判を落とす事に精を出し始めたニダ。
 嫌韓化する世流の後押しもあったニダね。
 いつしか韓国人留学生そのものが疎まれ始め、気の弱い者はいじめの対象とされる事もしばしばだったニダ。
 ……少数派は無力ニダ。
 だからウリナラは身を寄せ合って、韓国人留学生コミュニティを築き上げたニダ。
 互いが互いを助け合う――そうしなくてはウリナラの学園生活は立ちゆかなかったニダよ」
ソンミンはそこで話を区切り、暫し自身の手の甲を見つめていた。
その手は若さのわりにゴツゴツとしていて、それまでの苦労を物語っているように思えた。
「けれど、それももう終わりニダ」
きっぱり切り捨てるような口調で言う。
事実、彼はとても大切なものを切り捨ててしまったのだ。
そうせざるを得なかった。
「麻帆良においてはウリナラは日陰者ニダ。
 これからは息を潜め、人目を避けて、死んだように生きざるを得ないニダ――」
私は何も言えなかった。
言えない代わりに、せめて彼の話を最後まで聞いてやろうと思った。
けれども彼はそこで口を噤んでしまい、後にはただ沈黙と、カラカラ回る『風車』の音だけが取り残されていた。

休みの終わりを予言するチャイムが学園に木霊した。
「予鈴が鳴ったみたいだね」
「ニダ。ウリもそろそろ教室に戻るとするニダ」
人気ない場所から急に人混みへ戻ろうとすると、無意識に腰の重くなる事がある。
今の私がそうだった。
そしてそれは彼も同じようだった。
戻ると口にしたわりには、なかなか立ち上がろうとしない。
ましてや今の麻帆良を思えば、それは無理からぬ事でもあった。
「ねえ」
私は何の気もない口ぶりで彼に話しかけた。
「ニダ?」
「どうして昼食の場所にここを選んだのかな。
 人気のないスポットなら、他に幾らでもあったと思う」
「……何となく、ニダ。
 初めてこの場所を訪れた時もそうニダ。
 ただ何となく歩いていたら、いつの間にかここへ着いていたニダ」
「そう」
それは私にとって十分な答えだった。
50名無しかわいいよ名無し:2006/10/30(月) 08:23:14 ID:W3LcQA1s
相づちついでに漸くその場を立ち上がると、今度はソンミンの方から話しかけてきた。
「奇妙な偶然もあったものニダ――偶然ついでに、お話しするのニダが……。
 ウリは今日の夕方、とある場所へ、とある人物の話を聞きに行くつもりニダ。
 その場所というのが、まぁ分かりやすく言えば、互助会の集まりのようなものなのニダが」
「それは、つまり韓国人ネットワークの……」
「いや」
ソンミンは大きくかぶりを振った。
「違うニダ。
 互助会という呼び名が正しいのかどうか……ウリには分かりかねるニダが、そこでは日本人・韓国人と云った人種や、
 あるいは社会的立場の垣根を越えた、究極的な包括による助け合いを目指しているそうニダ。
 全てを一所に纏めてしまうという点で、韓国系の枠に拘ったウリナラのネットワークとは質を異にしているニダ――ウリは、もう分からなくなってしまったニダよ。
 ウリナラの目指したものは結局、学園の嫌韓化をいたずらに煽った末に、却ってウリナラの立場を危うくしただけなのではないニダかと……そんな疑念がどうしても拭えずにいるニダ。
 何にせよ、今後の方針について考えていく上で、彼らの代表の話には一聞する価値があると思っているニダ」
そう話すソンミンからは、かつての尊大さのかけらも感じ取る事ができなかった。
自らの拠り所としてきた所属を、ある日突然見失う。
今後の身の振り方すら覚束ない、そんな不安の中で、彼がよすがの一つとして挙げた集まり。
それはあるいは、在日韓国人としての現実を突如として突きつけられた私にとっても、何らかの意味を持ちうるのではないだろうか。

私の顔に表れ出た興味の色を感じ取ったのか、それとも始めからそう切り出すつもりだったか……彼は一呼吸の間を置いてから、こう口にした。
「よかったらアキラニムも、一緒に話を聞きに行ってみるニダか?」

私は彼の目を見つめたまま頷いた。

「ニダ。それでは……学園生徒の目につく場所でウリと待ち合わせる訳にもいかないニダろうからね、その場所へはバスで行く事になるニダから――」
そう言って、彼はあるバス停での待ち合わせ時刻を私に告げた。
「とまぁ、これなら部活を終えてからでも間に合うニダね。
 では、そろそろ本当に時間も押しているニダし……」
「そうだね。それでは、また放課後という事で」
私はソンミンに別れの挨拶を告げ、そのまま彼とは逆の方向から校舎へと戻って行った。
初対面時に感じた彼への辟易とした思いは、もう無かった。
51名無しかわいいよ名無し:2006/10/30(月) 09:18:42 ID:rG/f0PKg
             , ─ 、
             ! '´ ̄ヽ
             ! l〈ノノリノハ  
ヲ|Eト━━━━━━ ∩(l!゚∀゚>'')━━━━━━!!!
52名無しかわいいよ名無し:2006/10/30(月) 19:53:09 ID:OzsF2a/E
キター!!!!!
53名無しかわいいよ名無し:2006/10/31(火) 00:06:36 ID:LZ19PXNB
             , ─ 、
             ! '´ ̄ヽ
             ! l〈ノノリノハ  
ヲ|Eト━━━━━━ ∩(l!゚∀゚>'')━━━━━━!!!
54名無しかわいいよ名無し:2006/10/31(火) 19:04:59 ID:GR9zme3A
そういえば、自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が
世界的に増えているという事実も、 多少気になるところだが。
           , ─ 、 
           ! '´ ̄ヽ 
           ! l〈ノノリノハ  
           ! l(l! ゚∀゚>ヾ
      パンパン /  _ノ⌒⌒⌒`〜、_
       ε( ̄⊂人 //⌒   ノ  ヽ)
       ⊂ニニニニニニニニニニニニニニ⊃
55名無しかわいいよ名無し:2006/11/02(木) 03:10:02 ID:5DON+rjF
>>46-50
ニムの努力は敬意に値する
56名無しかわいいよ名無し:2006/11/02(木) 06:24:04 ID:skqbW0E2
  , ─ 、  
  ! '´ ̄ヽ 
  ! l〈ノノリノハ 
  ! l(l! ゚∀゚>ヾ ふー、びっくりした。
でも、非アキラ派の意見はほぼ一点に集中している。
私は在日だから、投票する必要はないというもの。
それ、ほんとなのかなあ。
今回のこたえは数字のうえでは「アキラには入れない」派が圧倒的だったけれど、応募しなかった多数のサイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらいます。
ネギま!ヒロイン人気投票、得票数No.1は大河内アキラ。
あたりまえの話だよね。
57名無しかわいいよ名無し:2006/11/02(木) 16:44:06 ID:MrOjbnb1
                    キコキコ  ( ・∀・) マンナカワ…
                        〜  ( ヽ┐U
        左               ◎−>┘◎                         右
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

   ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  <丶`Д´>< 日本は今、もの凄い勢いで右傾化しているニダァ!!!
  / つ  つ  \_____________________
  (_⌒ヽ      (´⌒(´
   .)ノ `、>≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
         (´⌒(´⌒;;
  ズザザザザザーーーーーッ
58名無しかわいいよ名無し:2006/11/02(木) 23:15:55 ID:wT/Di1tK
大河内清輝

いつも4人の人(名前が出せなくてスミマせん。)にお金をとられていました。そして、今日、もっていくお金がどうしてもみつからなかったし、
これから生きていても・・・。だから・・・。また、みんなといっしょに幸せにくらしたいです。しくしく。

小学校6年生ぐらいからすこしだけいじめられて、中1になったらハードになって、お金をとられるようになった。中2になったら、
もっとはげしくなって、休みの前にはいつも多いときで6万、少ないときでも3〜4万、このごろでも4万。そして17日にもまた4万ようきゅうされました。
だから・・・。でも、僕がことわっていればこんなことには、ならなかったんだよね。スミマせん。もっと生きたかったけど・・・。
家にいるときがいちばんたのしかった。いろんな所に、旅行につれていってもらえたし、何一つ不満はなかった。けど・・・。

つづき ttp://www004.upp.so-net.ne.jp/kuhiwo/dazai/isyo/okouchikiyoteru.html

59名無しかわいいよ名無し:2006/11/06(月) 20:30:29 ID:BXJe2VhY
ホシュ
60名無しかわいいよ名無し:2006/11/06(月) 21:17:01 ID:Bodjx+WE
<丶`∀´>ウリは仕方なく日本に住んでるニダ!
だから謝罪と賠償を要求するニダ!
61名無しかわいいよ名無し:2006/11/07(火) 06:10:52 ID:UsG11d7M
  \\ 見っ直そう 見直そう♪   //

          ィ'ミ,彡ミ 、
 (/_~~、ヽヽ   .ミf_、 ,_ヾ彡   /二二ヽ
   ひ` 3ノ   ミ L、 t彡    イ _、 ._ 3
  ヽ°イつ    ヽ∀_>'iつ   ヽ凵Mノつ
  ( 二つ    ( 二つ    ( 二つ
   \./ /、    \./ /、    \./ /、
     ∪`J      ∪`J      ∪`J

 対チョン戦略、見直そう♪ 謝罪と賠償、見直そう♪

\\ シャバダバダバダバダバダバー    //
  \\ シャバダバダバダバダバダバー //

          ィ'ミ,彡ミ 、
 (/_~~、ヽヽ   .ミf_、 ,_ヾ彡   /二二ヽ
   ひ` 3 】   ミ L、 t彡】  イ _、 ._ 3】 <あ、もしもしチョン嫌いなんですが
  ヽ°イ ∩    ヽ∀_>'i ∩  ヽ凵Mノ ∩
  /<∨> /    /<∨>  /   /<∨>  /
62名無しかわいいよ名無し:2006/11/07(火) 21:23:52 ID:UsG11d7M
.        ||★ここでワンポイント歴史ガイド★
.        ||
.        ||■日の丸は世界で二番目に古い国旗です。一番はデンマークですが
.        ||. 伝説上のものなので、
.        ||. 資料や屏風の残っている日の丸が最古といって宜しいかと。
.        ||. 
.        ||■君が代は日本全土で正月などにめでたい歌として歌われ
.        ||.  婚儀の際などに特に親戚から送られてきた歌です。
.        ||. 
.        ||. その原典は平安時代に出た古今和歌集の
.        ||.  君(恋人)に対する恋文・和歌
.        ||. 
.        ||.  「我が君は 千代に八千代に
.        ||.       さざれ石の巌となりて 苔のむすまで」
.        ||. 
.        ||.  原典で用いられる君は単に「あなた」の意味として使われ
.        ||.  伝統的な庶民の間で歌われる意味では
.        ||.  相手の長寿と繁栄を願う歌であります。
.        ||.  勿論原典としては世界最古のものです。
.        ||. 
.  ________  ||. . *明治36年(1903年)にドイツで行われた「世界国歌コンクール」で
. (______Ω__ゝ ||    『君が代』は一等を受賞しました。
 レ--t______) || . 
 ヽd| ゚ Д゚ノ / ||_E[]ヨ_________________
  (   つ   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ̄| ̄ ̄ ̄l
63名無しかわいいよ名無し:2006/11/10(金) 00:35:53 ID:XEDWmqe2
学校の備品が無くなると真っ先に疑われてしまうアキラちゃん
64名無しかわいいよ名無し:2006/11/10(金) 00:58:58 ID:8NQb19Ll
続きまだかしらwktk
65第五話:2006/11/11(土) 05:50:57 ID:8LyKbdPp
肌へ染みいるような北風は放課後に入ってすぐに吹き出した。
木枯らしと呼ぶのだろうか、冬の気配を色濃く纏った風だ。
ブレザーだけでは防寒が心もとなくなってきた、と思いながら、私は待ち合わせのバス停へと急いだ。

人気のない停留所だった。
学園生徒はおろか、一般客の姿もほとんど見られない。
ソンミンは既にバス停横のベンチへ腰をかけて待っていた。
私の姿を認めると軽く手を挙げて挨拶をしてくる。会釈を返し、彼の横に少し間を空けて座った。
「ニダ。夕方に入った途端、随分と冷え込んできたニダね」
「そうだね。いつの間にか冬らしくなってきた」
気付けば街路樹も紅葉を通り越して、次第に葉を落とし始めている。
本当に、気付かない内にやって来てしまうのだ。

冬の訪れに気を取られている内に、目的のバスがやってきた。
私とソンミンは無言でバスへ乗り込んだ。
その車内にもやはり人気はなかった。
三、四人の人影がまばらに散ってがらんとしている中を、車内灯の光が朧気に照りつけている。
外ではまだ微かな明かりが残っていたが、車内から見る風景はすっかり真っ暗だ。
夜の闇がひしひしと窓を押してくる。
バスは追われるように発車した。

私達は相変わらず無言でいた。
多少の気まずさはあったが、かといって何か共通の話題がある訳でもなく、
また車内の静まりかえった空気を破るにも少々気が引けたので、そのまま無言を貫く覚悟でいた。
すると、私達以外の客が皆バスを降りたところで、ソンミンが不意に話しかけてきた。
「……後三つの停留所を越えた所で、降りる用意をして欲しいニダ」
「あぁ、うん。分かった」
つまりは今から四つ目の停留所が目的の場所という事だ。
バスに乗り込んでから既に20分が経過している。
随分遠くまで来たものだなと思う。

それからきっかり五分後、目的の停留所へソンミンに続いて降り立った。
乗せる者のなくなったバスは寂れたエンジン音を立てて去っていった。
「ここからあと幾らもかからないニダ」
そう言って私の数歩先を歩き始める。
ソンミンの足音を追いかけるようにして私も歩いた。

家屋もビルも無い、枯れた道並みだった。
どぶ川がすぐ横を流れて、その逆側には高い塀がずっと先まで連なっている。
どこまで行っても変わらない。
夜の闇に紛れている事もあって、そろそろ距離感がおかしくなりかけた所で、「着いたニダよ」とソンミンが言う。

それはどこか寺社を思わせるような立派な門だった。
門の脇から覗く背の高い松の木がそう感じさせるのかも知れない。
構えの美しい石灯籠が仄かな明かりを門前に投げかけている。
門の戸は既に開け放たれていた。
ソンミンは遠慮無くそこをくぐり抜け、私もその後に続いた。
「連絡を入れてあったので、先に開けておいてくれたようニダ」
「ん……ああ、門の事ね。立派な門だよね。正直に言って驚いたよ」
ウェーハハハ、とソンミンが甲高い笑い声を上げた。
「ここだけの話ニダが、実を言うとここの代表には見栄っ張りな所があってニダね……ああして門の付近と外塀だけは立派に誂えてあるのニダよ」
「はは、そうなんだ」
ソンミンはそう言ったが、敷地内の様子とその規模から見ても、この互助会は生半可な規模でない事が伺えた。
門からゆうに100メートルは歩いたというのに、奥に見える本殿らしき建物にまだ到達しない。
その途中の歩道もちょっとした庭園めいた造りになっていて、これはかなりの資金力を持つ組織であると容易に推察された。

ようやく本殿に辿り着く。
ソンミンは躊躇なく入り口の引き戸を開けて、「さ、アキラニムも遠慮なく」と言いながら、もう靴を脱ぎにかかっている。
遠慮の無さだけは初対面時から変わっていないようだ。
私も靴を脱いで、備え付けの履き物に足を入れ終えると、丁度廊下の奥から一人の女性が姿を現した。
66名無しかわいいよ名無し:2006/11/11(土) 05:52:21 ID:8LyKbdPp
「ソンミン様とそのお連れの方ですね。
 ようこそいらっしゃいました。
 代表が奥の間でお待ちしております」
その顔つきと声色からして、24、5の女性と思われた。
和服を着こなしているのだが、その裾が妙に短い。
伝統的な着物とはちょっと違う気がする。
変に艶めかしさがある。
しかしその口調にはどこか機械的な響きが感じられた。
感情的な抑揚が全くみられないのだ。
「ご案内致します」とやはり機械的に言って、彼女は廊下の先へと歩き出した。
後にはソンミン、そして最後に私が続く。
三人で無言のまま廊下を歩いていく。
所々の壁棚には蝋燭を模した造りの豆電灯が輝いて、三つの長い影を廊下の壁へと投げかけていた。

最奥の暗がりにゆき着くと、女は「ソンミン様ご一行をお連れしました」と言って行き止まりの襖を引き開けた。
その動作までもが機械的だった。

建物の規模の割には狭まった部屋だった。
廊下と違って煌々とした電灯が点り、畳張りの床には幾つかの座布団が敷かれている。
テーブルを挟んだ向かいに、眉の細い中年の男が座っていた。
どうやら彼がここの代表者らしい。
女はうやうやしく一礼し、そっと部屋の戸を閉めて出て行く。

「やぁ、よくぞいらっしゃった。ソンミン君に、アキラさん……でしたかな。どうぞ遠慮無くおかけ下さい」
「ニダ。それでは失礼して……」
ソンミンが男の向かいに腰を下ろす。
「失礼します」
私もその隣りに腰を落ち着けた。
すると、間を計っていたかのように部屋の戸が再び開き、女が茶をお盆に乗せて入ってきた。
先程の女性とは別人だが、裾の短い着物を纏っている点は同じだ。
年はもう少し若い――二十歳前後といった所だろうか。
終始微笑みながらテーブルに茶と菓子を並べていくのだが、その所為はやはり機械じみている。
よくよく見ると笑顔もただ貼り付けたみたいに思える。
お手伝いとしての経験がまだ浅いのかも知れない。

女が戸を閉めて出て行ってから、一呼吸の間を置いてソンミンが咳払いし、それから早速本題を切り出し始めた。
「ミョンソクニム。今日こうやってお話を伺いに参りましたのは他でもないニダ。
 以前お話ししましたウリナラの韓国系コミュニティニダが、つい昨日の北の核実験の煽りを受けて、
 実質活動停止に追い込まれましたニダ。
 直接的には、件の嫌韓ネットワークと学園全体の嫌韓化に押し込まれた形ニダが……
 ともあれ、学園の韓国系留学生達は今現在、非常に危うい立場に置かれておりますニダ」
男の名はミョンソクと言うらしい。
響きからして韓国系のようだが、そのわりには流暢な発音の日本語を用いる。
日本での生活が長いのかも知れない。
「コミュニティの庇護がなければ、気の弱い者達は以前にも増して過酷ないじめを受ける事になりますニダ。
 そればかりか、嫌韓ネットワークの武力化が進んだ今日では、気持ちや体格の強い弱いに関わらず、
 有無を言わさぬ暴力的手段によって排除を受ける事もしばしばニダ。
 今日などは既に八名に上る同胞が、彼ら治安部隊による直接的暴行を受けましたニダ」
沈痛な顔をやり場無くしかめて、ソンミンはその拳を色が変わる程握りしめている。
見かねたミョンソクさんが
「大丈夫かね?なんなら、続きは時間を置いてからでも構わぬよ」
と声をかけると、ソンミンはかぶりをふって、一度深呼吸をし、それから話の先をとつとつ語り始めた。
「ウリはコミュニティに非常事態宣言を出し、彼らの目に付かぬよう振る舞う事と決めましたニダ。
 ――ウリナラは敗北しましたニダ。
 いや、敗北とさえ言えるのかどうか……結局はウリナラの独り相撲だったのではないかとすら、思えてならないのニダ。
 自ら足をもつれさせたあげく、土俵から転げ落ちたのではないか……そう考えると、
 ウリナラのこれまでの活動は一体何だったのか……もう、何もかも分からなくなってしまいましたのニダよ……」
ソンミンは何か懇願するような顔をミョンソクさんに向けた。
あるいはそれは、許しを請うたものであったかも知れない――それをミョンソクさんは真正面から受け止めると、大きく一つ頷き口を開いた。
67名無しかわいいよ名無し:2006/11/11(土) 05:53:31 ID:8LyKbdPp
「ソンミン君、案ずることはない。
 君は立派に大儀を成し遂げたではないかね。
 弱者を守るために誰かがなさねばならぬ事を、君が見事請け負ってみせた。
 胸を張りなさい。
 手を取り合い、一つとなる。
 現代日本社会においてはとりもなおさず、そうした融和こそが求められているのだよ。
 規模こそ違えど、君の為した事は我々の理念と礎を一にしている。
 さすがは私が見込んだ男だ。いや、立派、立派」
ミョンソクさんはそう言いながら手をパチパチと叩いてみせた。
拍手のつもりらしい。
すると、ソンミンの瞳がたちまち潤んできた――と思ったら、突然彼は声を上げて泣き出した。
ミョンソクさんはソンミンの傍へ寄って、「うむ、うむ」と頷きながら彼の肩を叩いてみせる。
眼前で繰り広げられる光景に、私は何とも空々しい思いがしていた。
ソンミンの涙を悪く言いたくは無かったが、一種の青春ドラマにも通ずる、浮いた空気のようなものが感じられたのである。
「ウリは、ウリは間違っていなかったニダか?」
「うむ、うむ、君は立派だよ」
――そんなやりとりをしばらく続けて、ようやくソンミンが落ち着いた頃に、ミョンソクさんは改めて元の座席に座り直し、こう切り出した。
「しかし、どうだね。
 ソンミン君の信念は間違ったものではないが、こうして君のコミュニティは追いつめられる結果となった。
 ……君の作り上げた輪は、謂わば水に浮いた一欠片の油膜であった訳だ。
 水に弾かれる油――或いはその逆もまた然り――つまりだね、目指す輪はその水面全てを覆い尽くすものでなくてはいけない」
ミョンソクさんはそこで一旦言葉を句切り、細い眉を山のようにいからせて、ぎょろりと私達の顔を眺め回した。
「なぁに、悲観する事はない。
 君に必要なものはたったそれだけ、とても簡単だ――学園そのものを内包したコミュニティを作り上げなさい。
 日本人と韓国人の垣根を越えた共同体……結局、我々は誰しもそこへ行き着く訳だ」
「し、しかし、ミョンソクニム――」
ソンミンが慌てた声を上げる。
当然だろう。
口で言うのは簡単だが、ただでさえ異なる民族同士、ましてや今の麻帆良……ひいては日本の情勢下で、
互いが互いに手を取り合うなど、まるで現代版のおとぎ話だ。
私はこんな夢物語を聞きに来た訳ではない……と、内心で大変な落胆を覚えていたのだが、
ミョンソクさんは余裕しゃくしゃくといった顔つきで「まぁ、落ち着きなさい」と言う。
「ソンミン君、君は此処をどこだと思っておる。
 我らが『郷里』は、その理想を実現すべく立ち上がったコミュニティだ。
 いや、いや。コミュニティというくくりすら不適切……真の統一的概念――それを必ずや我らが体現する。
 どうだね、私は君を大変高く買っている。
 以前話した通り、君が首を縦に振りさえすれば……そうだな。
 一年もあれば、学園を『郷里』の理念の下に統一してみせよう」
「ミョ、ミョンソクニム……。信じて……いいニダか?」
「うむ、信じなさい」
ミョンソクさんは力強い頷きを返した。
ソンミンの目はすっかり憧憬の色に染まっている。
私は一層の空々しい思いで辟易としていた。
「時に、アキラ君……だったかな。君にも何か、相談事があったのではないかね」
「あぁ、いえ……私はあくまで彼の付き添いですし……。
 それに、お二人のお話を拝聴できただけでも私には十分です……本日はどうもありがとうございました」
「ふむ、そうかね?
 まぁ、君も我々と同郷の人間と聞く……何か困った事があれば、いつでも私に相談しなさい」
ミョンソクさんはそう言って、ニカッと歯を剥き出しにして笑った。

無論始めは、何事か私にとっても参考となる話が聞けるのではないか……そんな期待があった。
在日韓国人の観点から、幾つかのアドバイスを求めるつもりでもあった。
しかし――当の本人及びその団体は、私にとっては理想をただ無暗に掲げるばかりの夢酔い人にしか見えなかった。
酔っぱらいの話など真に受けていては埒が明かない。

私は興奮にはやるソンミンと共に、ミョンソクさんと別れの挨拶を交わしその場を後にした。



塀の高い道を彼は意気揚々と歩いていく。
68名無しかわいいよ名無し:2006/11/11(土) 05:54:35 ID:8LyKbdPp
まるで憑き物が落ちたかのようだ。
私はその背中へ声をかけた。
「ねえ。さっき話のだけれど……どうするの。
 あなたはミョンソクさんと協力しあうみたいな流れになっていたけれど」
「ニダ。やはり今日はあの人へ会いに来て正解だったニダ」
その声は今までにない程明るく弾んでいる。
彼らの空回りした情熱は受け容れがたいが、その質朴さは愛すべきかも知れないと考え直した。
「ウリは"道"を見いだしたニダよ……ウリとミョンソクニムは目指すものを同じくしているニダ……彼と話し、その確信を得たニダ。
 コミュニティは活動を休止させたニダが、ウリは真の統一をなすべく、新たな活動に気勢を注ぐつもりニダ」
「そうなんだ」
気のない言葉を返しつつ空へと目をやる。
風に吹かれた雲がゆっくり流れて、時折月を隠してはその上を越えていく。
そうする度に夜の暗さが変化した。
薄い点滅に揺り返す風景が、行き場のない私の気持ちを一層際だたせた。
「アキラニムは……どうされるおつもりニダか」
「うん。まぁ、今のところは現状維持、かな……」
「本当に、それでいいニダか?」
ソンミンの声が途端に鋭さを増した。
ぎくりとして、私はその場へ立ち止まる。
「アキラニムさえよければ、ウリはいつでも歓迎する所存ニダが……。
 本当に今のまま、ご自分の身上を隠して生活していかれるつもりニダか?
 アキラニムには、そもそも自分の"道"が見えておられるニダか……」
ソンミンの声が少しずつ遠退いていく。
私は何の言葉も返す事ができなかった。



次第と寝起きの辛い季節になった。
表面を尖らす冷気が起きがけの体を包み込んで、私を暖かな布団の中へ縛り付けようとする。
しかし寝床に縛られる理由はそれだけではなかった。

日を追う毎に、学園の嫌韓化は一層過激なものとなった。
北朝鮮や韓国の外交官が日本へ挑発的発言を繰り返す度、3-Aで昼休みの嫌韓派決起集会が執り行われた。
今では聴衆も以前の倍以上に膨れ上がり、私達無関心派はとうとう教室から追い出されるはめとなった。
始めは四葉さんや夕映さんの移動先で共に食事を取るつもりだったが、どういう訳か二人は便所の個室に籠もって食事を取ると言って聞かず、
私はやむなく一人弁当の包みを下げて、昼の学園を彷徨い歩く事となった。

もっとも一人で食事を取ることには慣れていたし、また嫌韓の向かい風に心痛感ずる時は、東校舎で金田さんと共に食事を取ったりもした。
彼女との憩いの一時が無ければ、私の学園生活はより一層沈痛なものと成り果てただろう。
その点で彼女には感謝する事しきりであった。

けれどもやはり、今の麻帆良での生活は私にとって億劫なものに変わりなかった。
許されるなら、部活の朝練も、その日一日の授業も全て投げ打って、布団の中で暖かな夢に微睡んでいたかった。

携帯のスヌーズ機能が三度目の目覚ましベルを鳴らして、私はようやく寝床から這い上がる。
四度目のベルではどんなに急いでも朝練に間に合わなくなってしまう。
それにしても、やむなしの起床ほど辛いものはない――。

屋内プールへ向かう道を歩いていると、陸上部員達がかけ声を上げながら私を追い越していく。
左手の剣道場では剣道部員の声と竹刀を打つ音が響き渡って、早朝らしからぬ熱気がこちらにまで伝わってくる。
右手の和室道場には……今は、茶道部の連中が朝のお茶会に勤しんでいるはずだ。

麻帆良学園の部活動は全国でも希に見る活発さである。
スポーツ特待生を数多く受け入れている事もあって、殊に運動部のレベルは全国トップクラスと言っていい。
自身の所属する水泳部も大会上位の常連揃いであり、中でも私は期待のホープとして一目置かれている存在だった。
そんな自分が、気が乗らないという理由で朝練をサボタージュする訳にもいかず、結局重い体をいやいやプール場へと向かわせている。
病は気からとはよく言ったもので、これは精神性の重みであるにも関わらず、あたかも濡れた衣服を身につけているかのようにずしりとくる。
プール場が嘗てより遥か遠くへ据えられたように感じられる。
以前は朝練が楽しみで仕方なかったのにな、と思い返してみた。
けれども楽しかった頃の記憶は一向に浮かび上がってくれない。
69名無しかわいいよ名無し:2006/11/11(土) 05:56:15 ID:8LyKbdPp

やっとの思いでプール場に辿り着くと、またしてもいつもの光景が飛び込んできた。

井川さんと、何かにつけて彼女へ因縁を付ける部員達……事ある毎に彼女達を諫めていたためか、
今では私の姿を見るなり曖昧な笑顔を浮かべ、それから直ぐ何事もなかったかのように振る舞い始める。
そうすると決まって、井川さんが感謝の表情を私に向けてくるのだ。

ああも簡単に引き下がるくらいなら、いじめなど始めからやらなければ良い。
――しかしそんな彼らも、もし私が在日韓国人であると知ったなら……今の学園においては、忽ち私達の立場は逆転しかねない。
少なくとも、私の諫め文句など誰も耳を貸そうとはしなくなるだろう――そんな思いに駆られながら、井川さんのお辞儀に軽い会釈を合わせてやる。

顔を上げた彼女の顔には、どこかいやらしい質の笑みが張り付いていた。
ぎょっとする。
彼女は何もかも見透かしているのではないか……そう云えば、おっちょこちょいが服を着て歩いているような彼女が、
私の戸籍の件に関してはあの日以来全く口を滑らせていない。
ちょっと出来過ぎた話ではないだろうか。
少なくとも、私の発言権が失われては庇護を得られぬという算段が働き、
結果彼女の口を本来の性質よりも強固に閉じさせた結果なのだとしたら……転じて、
その逆転に怯える私の内面を見抜いているのだとしたら……彼女の笑みが、一層のいやらしさを纏い始める。
感謝などではない、もっと下卑た感情の固まりでその笑顔は構成され――ぶんぶん、と頭を左右に振り付け妄念を払いのけた。
何を馬鹿げたことを。
改めて彼女の顔を見る……普段と何ら変わりのない、純朴な感謝に満たされた笑顔だ。
私の気の迷いがそれを歪めて映したに過ぎないのだ。
――しかしその顔を直視できず、私は目を逸らすようにしてそのまま着替え室へと向かった。



昼休みの鐘が鳴ると同時、私は弁当を手にして教室を出た。
ここ数日は連続して決起集会が行われていたため、チャイムと同時に席を立つ準備は予め済ませてあった。
今日は東校舎で金田さんと一緒に食事を取ろう……そう考えながら廊下を歩いていると、集会に向かうと思わしき一団にすれ違った。
「雪広幹部の話、聞いたか?」
身近な人間の名前に、思わず耳を引かれた。
「あぁ。何でも、風邪を引いて学園を休んでいるというのは建前で、実際は謎の失踪を遂げたのだとか云う……」
「馬鹿、声が大きいっての……。しかし、時期が時期だけに物騒な話じゃないか」
「木乃香代表が近衛家総出で捜索に当たっているそうですが、今の所は行方が掴めていないらしいですね」
「案外、財閥のお嬢様らしい"ほんの気まぐれ"ってヤツじゃないのか?」
「あり得るな……数日もすれば『皆様ごきげんよう』なんつって、ひょっこり出てきたりするんじゃないの……」
遠ざかる彼らの会話は、やがて昼休みの雑踏の中へ紛れ込んでいく。

雪広さんが、失踪?――確かに彼女は学園を欠席している。
今朝のHRでネギ先生曰く、昨夜から急に体調を崩し、場合によっては数日の休みを取ることになるかも知れない、と。
しかし噂は噂に過ぎない。
教え子と教師が街中を歩けば、いつの間にか恋仲として囁かれるのが人の噂だ。
ましてや彼女のように目立つ人間がひとたび学園を欠席すれば、根も葉もない噂があちこちを飛び交っても致し方のない事だろう。

弁当包みの重みを確かめ、気を取り直して東校舎へと歩く。
今日は金田さんとどんな話をしようか――そんな取り留めもない考えに、奇妙な噂の記憶はいつしか散り紛れていった。
70名無しかわいいよ名無し:2006/11/11(土) 19:23:50 ID:zRjp/vis
続きキター!!!!!!!!!!!!!!!
71名無しかわいいよ名無し:2006/11/11(土) 19:36:36 ID:wACii84w
72名無しかわいいよ名無し:2006/11/14(火) 19:07:24 ID:cayq1yWL
良質なネタが多いなこのスレは
73第六話:2006/11/15(水) 13:23:08 ID:0b8Emz/g
彼女はいつもの教室で、いつもの席についていた。
机に広げられた弁当の中身もやはりいつも通りだった。

いつも通りの彼女。
急激に変わりゆく学園の中で、変わらぬ時間を彼女と過ごす。
私にとって、それは只の不変以上の意味を持っている。

「こんにちは」
「あらアキラさん。どうも、こんにちは」
肌寒い廊下と違い、教室内の気温は随分としのぎやすかった。
日の当たりがこの差違を生んでいるのだろう。
冬の入りにしては眩しすぎる程の陽光が窓から差している。
ぎらつく光量に目を細めつつ、彼女の隣りへと座った。
「お恥ずかしながら、今日はチヂミの調理を少ししくじってしまいました」
金田さんがそう言って苦笑いを浮かべた。
なるほど、弁当箱の隅へ押しやられたチヂミには、黒々した焦げ跡が見て取れる。
料理の出来まで不変とはいかないようだ。
「そんなもの、私の腕前に比べたら大した事はないよ。
 私なんて只の目玉焼きですら真っ黒焦げにしてしまうんだから」
「まぁ」
手を口に当ててころころと笑う。
彼女の笑う様はいつ見ても優雅だと思う。
そう云えば、雪広さんや木乃香さんの仕草にも、こうした上品さが感じられる事がある。
案外彼女も良い所の出なのかも知れない。
しかしその身元を探るような真似はしたくなかった。

嫌韓思想が学園を席巻してから、あちらこちらで芸能人や有名人の在日疑惑が囁かれるようになった。
『Nは在日らしい』
『え〜!嘘でしょ!?』
『チョンお得意の在日認定ってヤツじゃないの』
『俺はKが在日だって聞いたけど』
『あー、それはマジかも』
『っていうか顔からしてそれっぽいよね、アイツ』
『芸名をチョン読みさせる時点で普通じゃないっしょ』
――出生を疑い、身上を探り……そんな行為にはいい加減うんざりだった。

「そう云えば、金田さんはおかずにチヂミを欠かせた事がないね。
 韓国料理といってもメニューは色々だし、金田さんのレパートリーの多さには舌を巻く程だけれど、チヂミだけはいつでも弁当に含まれている気がするな」
「えぇ……チヂミは大の好物ですから。
 でも、以前は……少なくとも三年に進級したての頃までは、むしろ韓国系のおかずはキムチかチヂミだけでした」
「え、それ以外のメニューは入れてなかったの?」
金田さんの韓国料理好きとそのレパートリーの多様さからすれば、それは意外な事のように思えた。
「はい。韓国料理中心のお弁当に変わったのは、私が在日であると周囲に知られてからの事ですから」
「……あぁ、なるほど」
きっと、彼女にも色々な事情があるのだ。
これ以上の詮索は止めておこう。
「そうそう。そう言えばこの間、ソンミンという男に変な場所へ連れて行かれてね」
「ソンミン……と言いますのは、ひょっとしてイ・ソンミン氏のことですか……?」
「うん。金田さんも知ってたんだ、彼の事。
 それで、そこがまた変わった場所で……金田さん、どうかしたの?」
金田さんは"本当にびっくりした"というような顔で、ぽかんと口を開け放しにしている。
「……一体、どこで彼とお知り合いになられたんですか?」
「ん……何か、学園の隅の敷地でたまたま、ね」
コミュニティに誘われた件は何となく話しづらく、この場ではひとまず伏せておくことにした。
「そう言えば、名刺なんかも貰ってたっけ。――これなんだけど」
ソンミンから以前受け取った名刺を出すと、金田さんはますます口を広げて大仰に驚いてみせた。
「ハングルで書かれてて読めなかったものだから、貰ってた事さえすっかり忘れてたよ。
 そう言えば韓国人コミュニティではちょっと上の立場の人っぼかったね」
「これ……やっぱり、イ・ソンミン氏の……コミュニティ創設者の名刺です」
「うん……えっ?」
74名無しかわいいよ名無し:2006/11/15(水) 13:23:59 ID:0b8Emz/g
「私はハングルが読めますから……イ・ソンミンと言いますのは、麻帆良の韓国人留学生・コミュニティを立ち上げた人物ですよ」
「え……あ。そ、そうなの?」
彼の振る舞いやその話の内容から、何かしら幹部的立ち位置にある人間だろうとは思っていたが……まさか彼がコミュニティの創設者その人だとは、思ってもみなかった。
「アキラさんが彼とお知り合いだとは、びっくりしました」
「ん。彼、そんな立場の人だったんだ……」
そう考えれば、コミュニティの崩壊にああまで心を痛めていたのも道理だ。
ふと、あの日の事が思い起こされる。
記憶の中の彼は、仲間の身を案じて涙を流していた。
「彼らは、私達在日韓国人にはあまり良い顔をしませんから……それでも目をかけられるなんて、やっぱりアキラさんは私達とは違うなぁ……」
金田さんはそう言って敬慕するような視線を向けてくる。
「水泳でも学園期待のホープだし、背が高くてスタイルもいいですし、おまけに美人だし……」
「やだな、止めてよ。そんな大したもんじゃないよ」
そんな目で見つめられると、どうにもやりづらくなる。
私は慌てて話題を切り替えた。
「そう言えば、そろそろ私も韓国料理を身につけようと思ってね。
 それで、明日は早速手製の料理を弁当に詰め込んでこようと思ってる……ま、昨日の今日じゃ到底満足いくものを作れはしないだろうけども」
「まぁ、素敵ですね」
「どうも。で、もし良かったら、金田さんにも食べてみてもらって、アドバイスの一つでも受けられたなら、なんて考えてるんだけれど……」
「えぇ、是非請け合いましょう」
そう言って微笑んでくれる。
大変心強い味方を得た思いだ。
「それならば、どうでしょう?
 いっその事、互いが互いのためにお弁当を作り合ってみるというのは。
 料理というものは始めから"相手のために作っているのだ"という心構えさえあれば、より一層身に付きやすいものではないかと思いますし」
「それは……確かにそうかも知れない。
 けれど、それでは私の不出来な料理を金田さんにばかり押しつける形になるし……
 それを横目に金田さんの美味しいお弁当を悠々食らおうというのは、ちょっと気が引けるかな」
「まぁ。私のことなんて、気にかけなくても宜しいんですよ」
金田さんは手を口に当ててころころ笑う。
こうまで言ってくれたのだから、ここは一つ彼女に甘えさせてもらうとしよう。
「そう……それじゃ、宜しくお願いしちゃおうかな」
「ええ。そうですね、それならついでにお弁当の箱も取り替えましょう。
 相手のために作る料理ですから、相手のお弁当箱に詰めて差し上げた方が気分も出るでしょう?」
なかなか面白い考えだと思う。
彼女のこういった言動は、私の感性に時折新鮮な風を送り込んでくれる。
「面白いね……じゃ、それでいこうか」
既に食べ終えていた弁当の箱を包み、金田さんへと手渡す。
それと入れ替えに彼女の弁当の包みを受け取った。
桃色の包みからはまだ微かにキムチの匂いがした。

それから取り留めもないやり取りを少しの間交わした。
TVの事、部活の事、同じ部活仲間の在日の子の事、果ては部に伝わるプール場の怪談話……そうして頃合いを見計らい、私の方から先に教室を出た。
休みの終わり迄にはまだ間があった。
空の弁当箱にどんな料理を詰め込もうか、心地よい思案に頭を委ねながら、私は無人の廊下をゆっくりと歩いた。



そぞろな意識で3-Aまで戻ると、気持ちを切り替え、入り口の覗き窓から中の様子を窺う。
――幸いにして、集会は既にお開きとなったようだ。
普段中央に据えられている演壇も撤収され、木乃香さん、刹那さん、龍宮さん、
それに金魚の糞のようにつきまとっている宮崎さんの一団は、教室の隅で何やら難しい顔をして議論に没頭している。
教室を追い出されていた者達の姿もまばらに見える。
これから残りの者達も続々帰ってくることだろう。
私は何食わぬ顔で入り戸を引き開け、そのまま自分の席へと戻った。

弁当の箱をそそくさとしまい込み、五時限目の準備をしていると、がらっと入り戸の開かれる音がした。
「アキラニムー?弁当箱の忘れ物を届けに来たニダよー!」
ぎょっとした。
あまりにぎょっとしたので、取り出しかけの教科書をそのまま床に落としてしまった。
何事かと皆の注目が集まった先に、私の弁当包みをこれ見よがしに掲げた金田さんが立っている。
75名無しかわいいよ名無し:2006/11/15(水) 13:25:15 ID:0b8Emz/g
「箸の取り替えを忘れるなんて、お互いうっかりしていたニダね。
 明日のウリナラの郷土料理交換会、楽しみにしているニダ!
 お互い祖国と朝鮮族の誇りにかけて、腕をふるい合おうニダッ!!!」
――どうして。
自失する意識と裏腹に、私の体は椅子から跳ね上がった。
その勢いのまま、皆が私に視線を注ぐ中を、金田さんのもとへ駆け寄った。
すると、彼女はニヤニヤ笑いを浮かべながら、包みを左右にゆらゆらと揺らせてみせる。
「お届けニダ〜」
そう言って、ポンと私の胸に押しつけた。
慌てて包みを落とさぬよう抱えながら、「どうして……」と呟く。
後の言葉は続かなかった。
言葉以前の感情が渦を巻いて、私の喉元に突っかかっていた。
「あははは!アキラさん、酷い顔をしていますよ」
その言葉をきっかけに、堰を切ったように感情が溢れ出した。
「酷いって……そりゃ酷くもなるよ!
 金田さん、何を考えているんだ!
 訳が分からないっ!
 なんで、どうしてあなたがこんな事を……」
そこまで言いかけて、はっと教室中を見返した。
皆の奇異の視線はいつしか疑惑へと転じていた。
――駄目だ。もう、どうしたって誤魔化しは利かない。
不意に、絶望に足下を捕まれた私を、更に引きずり込まんと……彼女は続けざまに追い打ちをかけてくる。
「どうして?
 そうですねぇ、しいて言えば、復讐……でしょうか。
 あはははは!その顔!
 意味が分からないって、言いたげですよねぇ。
 でもね、こうしなくちゃ……最低でも私と同じ目に遭ってくれなくちゃ、気が済まないんです。
 ――私だって、出来ることなら隠していたかったですよぉ……在日韓国人である事を、ねぇ。
 そんなの当たり前じゃないですか……今の日本社会で周囲に在日と知られるだなんて、百害あって一利なしです。
 でもねぇ。ある日、バラされちゃったんです。
 そう、今のアキラさんと同じ。
 何気ない風を装って、うっかり口を滑らせて……。
 アキラさん。あなたと同じ水泳部員に、井川さんって子が居ますでしょう?
 私ね、あの子とは両親を通じた、ちょっとした知り合いだったんです。
 だから勿論、在日韓国人であると云うことは互いに知ってました。
 でも、周囲にはそうと悟られぬよう気を遣いましたねぇ。
 なのに、あの子ときたら――ふ、ふひ、ひひひひひっ……なぁにが、ついうっかりですか……おかげで私はどれほど辛い目に遭ったか……
 この国を訴えたい程、いっぱい差別を受けましたから……許せないですよ、こんなの……当たり前でしょう!
 ……そうしたらね、アキラさん。びっくりしましたよぉ。
 あの子が――井川が、ことある毎に話題にしていた憧れの水泳部ホープと……あんな形で知り合いになれるだなんて、ねぇ。
 しかもアキラさんときたら、部活内で井川を庇護してまでやっていただなんて……。
 それで私、ぴんときちゃいましたぁ。
 ここですよ、復讐するならもうここしかない!って……ぷ、ぷぷっ!ぷは、あっはははははははは!」
ゲラゲラと笑い続ける金田さんに、普段の優美は微塵も感じられなかった。
涙を流して他人の不幸に大喜する狂人――眼前で見ているこちらまでもが、どうにかなりそうだった。
「――オホン!」
教室の隅から聞こえてきた咳払いに、私は思わずすくみ上がった。
背筋にぞくりと冷たいものが走る。
咳払いの主は刹那さんである。
「おやおや、これはこれは……。お嬢様、いかが致しましょうか……」
「せやなぁ……アキラちゃん。
 ちょおっとウチらと一緒に、爺ちゃんの――学園長のお部屋まで行こか。
 なぁに、悪いようにはせぇへん。
 ちくっとお話しましょ云うだけのことや」
木乃香さんが猫なで声で言った。
しかし、その目は鼠を捕らえんとする猫の如く、血気に溢れている。
今まさに飛びかからんと、彼女はゆっくりその腰を持ち上げた。

私は狼狽えながら皆の顔を見回した。
ある者は哀れみの目で、またある者は嗜虐性を剥き出した顔で、あるいは見てられないとばかりに顔を背けて――ここは私に味方する者の誰一人ない、完全な生け贄の場であった。
76名無しかわいいよ名無し:2006/11/15(水) 13:26:07 ID:0b8Emz/g
「あれれぇ、本当に驚きですぅ。
 まさか私達のクラスメイトに、韓国サイドの人間が紛れ込んでただなんて……」
宮崎さんが愉快に耐えないと云った口調で、私をスパイか何かと決めつけた。
「まぁ、待つんだ。
 判断を早まっちゃいけない。
 大河内さん、安心して欲しい。
 これから携帯のアドレス帳や手持ちの荷物等を検査させてもらう事になるが、
 あなたと韓国人コミュニティ側に何らかの繋がりでも出てこない限り、手荒な真似はしないと約束しよう。
 無論、大河内さんに限ってそんなことは無いと信じているが……」
龍宮さんは穏健な物言いだが、その目は私の僅かな動揺も見逃さんとばかりにぎらついている。

いけない――。
私は勢いよく振り返ると、げらげら笑い続ける金田さんを突き飛ばし、そのまま廊下へ走り出した。
「あぁっ、逃げ出しよったえ!あかん、はよ捕まえな……」
「お嬢様、お待ち下……わっ!」
「あっ」
「きゃぁっ!」
何やら人の絡まって転げる音が聞こえた。
が、今は振り向いて確認する余裕さえなかった。
とにかくこの場を逃げおおせなくては――。
その後の事は分からない。
けれども、今逃げ出さなくては駄目だと思った。

階段を駆け下り、廊下を曲がって少し走ると、特殊教室の並びの反対に備えられたトイレの入り口が見える。
このトイレは立地が故に使用者も少なく、隠れるには丁度良い場所のように思えた。
何よりこの状況とあっては、何処かへ身を隠す以外に手だてはなかった。
いつ木乃香さん達に追いつかれる事か、気が気でなかった。

トイレの中へ転げるように駆け込むと、そこには意外な先客が居た。
「あれ?アキラさんではありませんか。どうかしましたか、そんなに慌てて」
便所の窓際からこちらを振り返ったのは四葉さんだ。
開け放たれた個室の中には、便器に腰掛けて弁当箱を包んでいる夕映さんの姿も見える。
その時、階段側の廊下からばたばたと人の駆けてくる足音が聞こえた。
「ごめん、匿って欲しい!」
私はそう言うなり、夕映さんの居る個室に押し入って扉を閉めた。
そうして鍵をかけるのと、刹那さんがトイレに駆け込んで来たのは、ほとんど同時であった。
77名無しかわいいよ名無し:2006/11/15(水) 17:25:17 ID:j0H92zDR
キター Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
78名無しかわいいよ名無し:2006/11/15(水) 18:49:37 ID:dsWhbUTv
GJ!
79名無しかわいいよ名無し:2006/11/16(木) 23:12:24 ID:X8Birn3/
カエレ
80名無しかわいいよ名無し:2006/11/16(木) 23:25:43 ID:z1ePv4C/
今更どこへ帰れというの?
81名無しかわいいよ名無し:2006/11/17(金) 08:34:18 ID:uGDLsUb1
木村
82名無しかわいいよ名無し:2006/11/17(金) 13:57:13 ID:k+4aigW3
木田
83名無しかわいいよ名無し:2006/11/18(土) 16:15:16 ID:aVwDuN6S
  / ̄\アイアイアイアイ暴走中!    / ̄\
  |/ ̄ ̄ ̄ ̄\           / ̄ ̄ ̄ ̄\|
 |   /V\\\          |  /V\\\ 
 | / /||  || |           | //|   || |
 | | |(゚)   (゚)| |           | | (゚)   (゚) /|
ノ\|\| ( _●_) |/           \| ( _●_) |/|/\ とめらんないよ 超特急!!
 彡、   |∪|  、` ̄ ̄ヽ    /彡、   |∪|  ミ  \
/ __  ヽノ   Y ̄)  |   (  (/     ヽノ_  |\_>
(___)       Y_ノ    ヽ/     (___ノ
     \      |       |      /
      |  /\ \     / /\  |
      | /    )  )    (  (    ヽ |
      ∪    (  \   /  )    ∪
            \_)  (_/


     / ̄\
     |/ ̄ ̄ ̄ ̄\
   (ヽノ// //V\\ |/)
  (((i )// (゜)  (゜)| |( i)))   乗りたい? だめー
 /∠彡\|  ( _●_)||_ゝ \ 
( ___、    |∪|    ,__ ) フツーにだめー★
    |     ヽノ   /´
    |        /
84名無しかわいいよ名無し:2006/11/19(日) 23:03:18 ID:wSTfQZoD
帰れ
85祝!残業代合法化:2006/11/20(月) 14:35:33 ID:qQd5KcHG
経団連、2005年政治献金は25億円 大半が奥田碩会長が支持する自民党へ 2年連続増
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1136946696/
政治献金(≒合法わいろ)外資規制撤廃を、経団連次期会長(キヤノン御手洗)が意向
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1135912519/
"ケタ違いの広告宣伝費、追究しないマスコミ" リコール王・トヨタ、“口止め料”日本一の威力★2
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1154011076/
        /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Yヽ、
      /;;;;;;┌--‐""""ヾ,ヽ
    /:::::;;;ソ         ヾ;〉
    〈;;;;;;;;;l  ___ __i|
   /⌒ヽリ─| -・=-H -・=-|!    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | (     `ー─' |ー─'|  < 自民党に献金バラまいて政治操作
   ヽ,,  ヽ   . ,、__)   ノ!     \
      |      ノ   ヽ  |     .\マスコミも都合よく操作
      ∧     ー‐=‐-  ./ 
    /\ヽ         /         これからは残業代ゼロ、労災認定ゼロの無制限労働の時代だ
  / \ ヽ\ ヽ____,ノヽ          俺の会社の国際競争力(低価格競争)のために死ぬまで働け

“労働者を長時間働かせても、残業代を支払わずにすみ、 健康管理義務も負わず、
雇用責任なしに必要なときに必要なだけ働かせられる制度を” 経団連が提言
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-12-14/04_01.html
「あらゆる職種に外国人労働者を」 奥田経団連会長
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1142259759/
「無理ありすぎる」 経団連・御手洗会長、請負法制の緩和訴える…「偽装請負」に絡んで★2
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1161279916/
「消費税率は10%超に引き上げ、法人実効税率は引き下げ」 経団連が提言★5
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1127208509/
「公務員は行くところがなくなる」天下り停止、一転見送り 奥田経団連会長
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1121120305/
86名無しかわいいよ名無し:2006/11/23(木) 09:13:08 ID:qY6s+AzY
キムチキムチキムチを食べると
87名無しかわいいよ名無し:2006/11/24(金) 06:02:45 ID:856oiGfj
目が細いアキラはやっぱり在日なんだろうな
88名無しかわいいよ名無し:2006/11/24(金) 21:27:54 ID:HJbLGdjd
長瀬はどうよ
89名無しかわいいよ名無し:2006/11/24(金) 23:53:53 ID:FjWf2z4M
忍者の起源も韓国だしな
90名無しかわいいよ名無し:2006/11/25(土) 06:43:57 ID:vh4oEmF3
>>88
ガチ
91名無しかわいいよ名無し:2006/11/26(日) 20:20:55 ID:Pl64upDq
うh
92名無しかわいいよ名無し:2006/11/27(月) 05:18:19 ID:Ow4sP2B6
在日ならテコンドーの使い手にしてほしかった
93名無しかわいいよ名無し:2006/11/28(火) 18:54:17 ID:VKyPYeUa
  , ─ 、 
  ! '´ ̄ヽ
  ! l〈ノノリノハ   パルー、パルーってば♥
  ! l(l! ゚∀゚>ヾ

   '⌒ヽ/⌒
   ,.'´  `ヽ    ・・・・・・。
    i (lノ从リ)〉   最近思ったんだけど
    |! l.゚」ヮl゚」    アキラさんって妙に私に馴れ馴れしいと思わない?

     _γ 
   ,.'´  `ヽモグモグ 
    i |.|ハハハ||  あーそれはですね
    | §^々^§ 韓国語では数字の 8 を「パル」と言うらしいのですよ
    (| っ●o  だからアキラさんは無意識のうちにハルナに親近感を抱いてるのでしょう


   '⌒ヽ/⌒   ・・・・・・マジ?あたしなんだか鳥肌が立ってきたわ
   ,.'´  `ヽ   ひょっとして私にパルってニックネーム付けたのは・・・・・ガクガクブルブル
    i (lノ从リ)〉  っていうか、ゆえ、あんたモノを食べながら喋るんじゃないわよッ!!##
    |! ;;゚」ヮl゚」  っていうか、それウンチだし(呆


          _γ   
        ,.'´  `ヽ   うるせーです!
  −=≡ i ||ハハハ|∩●
 −=≡  | $゚∀゚$彡  三●     三●    三●
−=≡   ⊂   ⊂彡             三●
 −=≡   (  ⌒)         三●           
  −=≡  C し' 
           


  , ─ 、 
  ! '´ ̄ヽ   あれれー?パルと夕映が
  ! l〈ノノリノハ  なんだか楽しそうな遊びをしているよー♥
  ! l(l! ゚∀゚>ヾ ウリも混ぜて混ぜて〜♪
94名無しかわいいよ名無し:2006/11/28(火) 18:56:18 ID:VKyPYeUa
   (`
  '´  ̄ ヽ  
  |!|((从)))
  '(||" - "リ これものどかな学園風景の一コマ
95名無しかわいいよ名無し:2006/11/29(水) 10:46:17 ID:86CQqrZs
魚を共有の部屋で堂々と飼っちゃう人だからな・・・

常識力も本国ならでは・・・
96名無しかわいいよ名無し:2006/11/29(水) 16:15:11 ID:8Lk1W24q
http://d.hatena.ne.jp/kawamotoblog/20060924
■[生活] 勇勝の詩:日本代表で輝くサッカー選手・羽生直剛さん (聖教2006/9/23) 15:36
「勇勝の詩」では、スポーツ界で活躍する創価の友を紹介します。

◇◇◇◇◇

試合に向け、あらゆる準備をした後に、なすことは――「祈りです」。

昨年1月、創価学会の本部幹部会で池田名誉会長から激励を受けた。
「人生の師に応えよう!――断固たる決意で集った弟子の代表として参加させていただいた。その責任感が今の僕の原動力です」
97名無しかわいいよ名無し:2006/12/01(金) 23:15:12 ID:uhu4jrfl
ニダニダ
98名無しかわいいよ名無し:2006/12/03(日) 15:37:18 ID:0239IA5I
       ____皇紀2667年
 _______ | ● |
(______Ω__ゝ| ̄ ̄
レ--t_____)∩
ヽd| ゚ Д゚ノ ヲ
⊂i ̄Y・i/
  l__||゚_|
  /_/l__|
99最終話:2006/12/04(月) 08:42:06 ID:fBiBaHOI
「――御免。今こちらに、大河内アキラさんはやって来られませんでしたか」
刹那さんが息も荒々しげに言う。
その声色には有無を言わさぬ迫力があった。
「あっ……いえ、来ていませんけれど……」
ややたじろぎながらも、四葉さんは私を匿ってくれる。
有り難い――。
「……そちらの個室には、どなたがお入りになられているのですか」
刹那さんがコンコンと二度、私と夕映さんのいる個室の戸を叩いた。
「おや、刹那さんではないですか。
 そんなに怖いお声をして、一体どうされましたです」
「あぁ、綾瀬さんでしたか。
 いえ、ちょっと大河内さんに用がありましてね。
 ――失礼ですが、本当にお一人ですか?」
「ふふふ、おかしな事を言うです。
 個室で用を足すのに、一人きりでないはずが無いです」
「それは、確かにそうですが……。
 我々もせっぱ詰まってましてね。
 なに、念のためというやつです――失礼ですが、ちょっと扉を開けて、個室の中を確認させて頂きたい」
「困りましたですねぇ……。
 なにぶん、私は今まさに脱糞しようという所なのでして……ん、ふぬぬぬぬぬぬぬんんんっ」
ぶりぶりりりりっ!と豪快な音を立てて、夕映さんが大量の糞をひりだした。
と同時に、大便特有の臭いがトイレに立ちこめる。
「……。いえ、ほんのちょっと扉を開けてもらうだけで良いのですが……」
「脱糞中は、そのほんのちょっとが難しい所なのです。
 ほんのちょっと力もうとしただけで……うっ、ほぅ、おっほぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
ぶりりりりりりりりりりりりりりりりりりっ……ぷぅっ……ぼちょっ。
続けざまに糞をひりだし、屁を漏らし、更にはそこへ"おまけ"まで付いてきた。
先程とは比べものにならない程の強烈な臭いだ。
「――い、いや、結構。
 そうまで言うなら信じましょう……で、ではっこれにて失礼!」
刹那さんは悲鳴に近い声を上げて走り出ていった。
あまりの臭いに堪りかねたものらしい。
「……もう大丈夫みたいですよ」との四葉さんの呼びかけに、私は鼻を抓んだまま安堵のため息を吐いた。

「それにしても、一体何があったですか?」
便器の水を流しつつ夕映さんが訊ねてくる。
四葉さんは便所の窓を開け、換気扇のスイッチを入れながらも、同じく事情を気にかけるような顔でこちらをちらちらと見ている。

私は迷っていた。
もしここで、私が在日韓国人である事を包み隠さず話したなら……先程の教室で私を見殺しにした彼女達と同じく、
この二人の親身な態度も、途端に失われてしまうのではないか。
嫌韓ネットワークの勢力はあまりに強大だ。
僅かなりとも親韓的な態度が見られた者は、たちまち売国奴として嫌韓シンパのやり玉に上げられ、大なり小なりネットワークから制裁を受けることになる。
そこには冷静・公正なる価値観など微塵も介在しない。
全ての判断が国粋主義に委ねられている。
いくら彼女たちが親韓派であろうとも、恐怖政治を前に私に与してくれるとは――、いや。
もう悲観的になりすぎるのは止そう。
金田さんの件を引きずっていてはいけない。
二人は何も言わずとも私を匿ってくれたではないか。
この二人を信じずして、一体何を信じろというのだろう……。
「――実は、……」
そうして、私は事のあらましを一切包み隠さず話した。
話し終えて、さぁ後は野となれ山となれと、まな板の上の鯉になったつもりでいると、
二人は目を輝かせて「凄いです……」「大変素晴らしいではないですか」と口々に言う。

ちょっと、予想はしていなかった展開に戸惑った。
「そ、そう?さすがに、そんな風に言われるとは考えてなかったから……」
「素晴らしいですよ」
改めて四葉さんが言う。
「ええ、本当に……アキラさんと友人でいられた幸運を、今さらながらに噛み締めている所です」
100名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 08:42:48 ID:fBiBaHOI
やや興奮気味の夕映さんの様子を見るに、別段からかわれている訳でもないようだ。
私が在日韓国人であった事を本気で喜んでくれている。
二人の韓国びいきがまさかこれ程までとは、思ってもみなかった。
「ありがとう……二人には感謝したい気持ちでいっぱいだよ」
大げさでなくそう思った。
――そうだ。この二人がいる。
いや……二人だけじゃない、面と向かって話し合えば、もっと多くの者達と分かり合えるはずなのだ。
急に天が開けて光が差し込んだみたいに、私の心は晴れ渡っていった。
「こちらこそ、アキラさんに感謝したいくらいですよ」
「全くです……」
二人はそう言って顔を見合わせ、頷き合う。
そして夕映さんが突然便器の椅子を下ろし、「では、早速お願いするです」と言う。

頭に疑問符が浮かんだ。
何のことだかさっぱり分からない。
「お願いって、なにがだい」
すると二人は再び顔を見合わせて、今度はくすくすと忍び笑いを漏らす。
「またまたぁ……アキラさんてば、冗談は言いっこなしですよ」
「そうです。韓国の方に便器と来れば、これはもう決まりきっているではないですか――嘗糞の事ですよ。
 本場、韓国の方が知らないはずがないです」
「それからホンタクですね。
 あぁ、本場の味がもうすぐ味わえるのだと思うと……」
「ちょ、ちょっと待って」
次第に高まりゆくらしい二人の期待を前に、私の混乱は深まりつつあった。
「ちょっと本気で分からないな……と言うより、知らないんだ。
 その、ショウフン?とホンタク?の事……あいにくと、私は韓国文化にはほとんど触れずに育ってね。
 その辺の知識は、皆と……一般の日本人と何も変わらないよ。
 だから、済まないんだけれど、二人の言っていることが全く分からない」
二人はびっくりしたような目で私を見た。
それから曖昧な笑みを浮かべて、
「そうでしたか……でもまぁ、知識として知っていようがいまいが、結局は問題ない訳です」
「ですね。要は、本場の方の糞さえ手に入れば良いのですから」
――くそ?
今、確かに糞と言ったような気がする。
聞き違いだろうか。
しかし、目の前に下ろされた便座が全てを物語っているように思われる。
「あの、二人とも……いや、私の聞き違いだったら良いんだけれど……その。
 ひょっとして、今クソと言ったのは、つまり私に、この便器で――」
二人がにたぁっと不気味に口元を崩した。
私は思わず腰を引く。
どん、と個室の壁に背がぶつかった。
「そうです、そうです。分かって頂けたのならば話が早いです。
 ――嘗糞と言うのはですね、糞を嘗め、それを以て娯楽とする、韓国の偉大なる伝統文化なのです。
 私も見よう見まねで様々な糞を嘗めてきたですが、どうもしっくりきませんです。
 ……そこで気が付いたです。
 韓国発祥の文化であれば、そこはやはり韓国民族のものを用いなければ、その真髄に迫る事ができないのではないか……と」
「それからホンタクですが――これは糞の中に魚を漬け込んで発酵させるという、韓国の伝統料理ですね。
 私は様々な国の料理を研究し続け、とうとう究極の一品と呼べるものに出会いました……それがこのホンタクです。
 ですがこれも、身近に手に入る糞を用いたのではイマイチ味が締まらない。
 ……そう、これは多くの料理に言える事ですが、やはり発祥の地の素材を用いなければ、本来の味は引き出せないのです」
「ところが、私達の親しい周囲には、これを頼み込めるような人間は――韓国人は、一人として居りませんでしたです……!」
「そこへ、アキラさんが現れました……あぁ、何という幸運!
 これはきっと、料理の神の思し召しに違いありません!」
二人は次第に息も荒くなり、まさに興奮の極みへ到達しようとしていた。
対して私は、次第に顔が蒼白としてくるのが自分自身で理解された。

――こ、この二人……。
「さぁ、早く!」
「糞を出すです!」
狂ってる――!
101名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 08:43:25 ID:fBiBaHOI
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ずいと身を乗り出してきた二人を突き飛ばし、私は無我夢中で便所から抜け出した。
「あっ!」
「待つです!アキラさん!うんこ!」
奇声に近いわめき声が便所から追いすがってくる。
私は振り返りもせずに、ただひたすら走り続けた。



どれだけ走っただろう。
逃避する意識の影で、五時限目の鐘の響きを聞いた気もする。
しかし、そんな事はもうどうでも良かった。
がむしゃらに走り続けた足が極度の疲労を訴え、私は上履きのまま草むらにへたり込んだ。

気付けばまた『風車』へと来ている。
幸い、木乃香さん達あるいは夕映さん達に見つかる事もなく、私は漸く深く息を吐いて、その体を地面に横たえた。

土の匂いがする。
それから草の香り。
空に照りつける冬の太陽――うっすらと涙が浮かんだのは、何もその眩しさがためだけではない。
今日の一日を境に、私は本当に多くのものを失ってしまった。
本当に、本当に、たくさんのものを――。

カラカラカラ、と風車が回る。
この学園に、もはや私の居場所は無い。
明日からは、他の在日韓国人、あるいは韓国人留学生達と同じく、死んだようにして日々を過ごさねばならないのだろう。
ましてや、私にはスパイの嫌疑すらかけられている……。

不意に、風車が鳴りやんだ。
忘れ去られた場所。
いっそ此処と同じく、私の事も皆忘れ去ってくれたら良いのに――。

その時ふと、かつて此処で共に昼食を取り、今の私と同じような境遇を嘆いた男の姿が、脳裏へと浮かび上がってきた。
イ・ソンミン――そうだ。
確か彼から受け取った名刺に、連絡先の電話番号が記されていた。
慌てて名刺と携帯を取り出し、しかしそこで躊躇する。
今から彼に連絡を取ったとして、それで私はどうするだろう?
彼に泣きついて何らかの庇護を得ようとする?
もしくは惨めったらしく愚痴を漏らして、互いの傷を舐め合うのだろうか?
どちらも建設的とは思えない。
ましてや彼は韓国人で、私は在日なのだ。
そこにはどうしても交わりきる事のできない、価値観の相違と云う壁がある。
だからこそ彼の誘いを断った。
……けれど。
今の彼は、その壁をも乗り越えた新しい枠組みを模索している。
現代版のおとぎ話はやはり、夢物語に過ぎないだろうけれども、
林立する様々な壁に翻弄されきった私には、一つの理想郷を目指す箱船の模型のようにも感じられた。
形を模して骨組みを作り、崩れてはまた造り上げて……そうしていつか、本当の箱船が築き上げられたならば――
それは私にとってまさに、カンダタが縋らざるを得なかったクモの糸なのだ。
しかしここに彼を妨げた地獄の亡者はいない。
ただ私一人が、喪失と絶望の地獄に身を焼いているばかりだ。

私は携帯に名刺の電話番号を入力した。
今はもう五時限目の授業が始まっているけれど、着信履歴さえ残せば、都合の合う時にかけ直してくれるかも知れない。
放課後まで待っても良かったが、今すぐ行動を起こさなければならない気がした。
クモの糸が風に吹かれて切れてしまわぬ内に――ガチャッ、と携帯のつながる音がした。
「ニダ。もしもし?」
ちょっと鳴らして切るつもりだった所が、まさか相手にすぐ繋がるとは思わず、どもりながらも「あ。も、もしもし?」と返す。
「ニダ?聞き覚えのある、そのお声は……」
「あ、私です、大河内アキラです」
102名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 08:58:45 ID:fBiBaHOI
「これは驚きニダね、まさかアキラニムからお電話が頂けるとは」
「あぁ、うん。あの、かけておいて何だけれども……授業の方は大丈夫なのかな」
「ウェーハッハッハッ。
 ウリは今日、ちょっとした用事で学園を休んでいるのニダよ。
 そういうアキラニムこそ、授業の方はどうされたニダか?」
「……うん。それが――」

私は一連の出来事の全てを彼に話した。
彼は時折『アイゴー』『ケンチャナヨー』などと相づちを打ち、最後には
「それは、それは……アキラニム。そのお気持ち、お察しするニダ」と言ってくれる。
そうして一呼吸の間を挟んで、「ではアキラニム、これから一体どうされますのニダ?」と切り出してくる。
「うん。実は――あなたが今取り組んでいる例の活動、あれに関して、もう少し詳しいお話を聞かせて貰おうと思って……」
「ニダッ、それは賢明な御判断ニダよ。
 無論ウリナラは喜んで歓迎致しますニダ。
 ……実は、ウリは今その『郷里』の本部――先日アキラニムをお連れしたあの場所に居るのニダが……
 先程お話した"用事"というのが、こちらでの活動と関係していてニダね。
 アキラニムがその御つもりならば話は早い、今から早速『郷里』にまで来られて、代表のお話を聞いてみられると云うのはいかがニダ?」
「そう、だね――うん、分かった。そうしよう」
どのみち気が急いていた私は、今すぐ彼らの本拠地へ向かう事にした。
「ニダ。それでは……此処までの道のりは覚えておいでニダか?
 ……ニダ、それで合っているニダ。
 では、ウリが門の前で出迎えるニダので、ニダ、それではお待ちしているニダよ――」
そう言って彼は電話を切った。
私は通話表示の消えた携帯ディスプレイを少しの間眺めて、それから思い切るようにその場を立った。
制服についた土埃を手の平で払う。
風車がカラカラ音を立てると、埃は風に乗って草むらのあちこちへと流されていった。
私はもう一度、きっ、と冬の太陽を見返し、風車を後にした。



人目に付かぬよう学園の敷地を出る。
まさか木乃香さん達のさし向けた追っ手が徘徊していまいかと、兢々としながら道を歩いたが、結局は杞憂に終わりそうだ。
バス停に向かう道筋は人影もまばらで、ましてや麻帆良の生徒などは一人も見かけなかった。

照りつける太陽が冬らしくもない。
微睡みたくなるような暖かさだ。
喉が少し渇いたので、道の途中で自販機のジュースを買った。
ペットボトルのキャップを開いてくわえ込む。
飲み慣れたはずのアクエリアスがいつもよりも美味しい。
ついでに飴でも舐めようと思い立って、歩きながらバッグの中に常備させているノンシュガーキャンディの袋をまさぐると、
本来含まれている物とは別の種類の飴が出てくる。
裕奈の好きなサイダー味のキャンディ――そういえば今日の二時限目の休み、互いのキャンディを交換した事を思い出す。
思い出して、少し泣きたくなった。

それまでは何のかんのと云って、現状を鑑みれば上手くやれていたのだ。
昼の休みを挟んで、全てが狂ってしまった。
――いや、結局の所は、最初から……私が在日韓国人であると分かったその時から、何もかも狂い出していたのだろう。
韓国と日本、両民族の間には様々な軋轢がある。
異民族であり異端でもある私が、その軋みから逃れられるはずもなかったのだ。
同じ日本に生まれ、ほとんど日本人として育てられようとも、結局は別のレールの上を歩かされている。
昼の教室に裕奈や亜子やまき絵の姿は無かったけれど、もしその場に居合わせたなら、やはり別のレールから私を見下ろすのだろうか。
確かめる術も無い訳ではない。
ブレザー右ポケットの携帯を軽く握ってみる……が、様々なものに翻弄され疲弊しきった私の心は、奮い立ってはくれなかった。
しかし、そうだ……これから私の向かう先で、きっと問題の解決先、その糸口くらいのものは見つかるはずだ。
何の心置きもなく、再び彼女たちと笑い会える日々……そのイメージに縋って、
私はサイダーのキャンディを舌の上で転がしながら、再び歩みを進めていった。



バスに揺られて、以前の停留所を降り、塀の高い道を歩いていくと、いつかの門の前に彼は立っていた。
103名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 08:59:19 ID:fBiBaHOI
「アニョハセヨー。お待ちしていたニダ、アキラニム」
「どうも」
「アキラニム、顔にいつもの覇気が見られないニダね……心中お察しするニダ」
「うん……ありがとう」
気遣わしそうな彼に軽い会釈で感謝の意を伝える。
彼は「それでは」と言って、先導するように門の中へと歩いていく。
私もそれに続いた。

昼の明かりの下に見ると、改めて巨大な敷地だなと思う。
途中の池には鯉が泳ぎ、所々に聳える松の木の枝には雀が囀っている。
けれども、妙に人の気配がない。
前の時は日が暮れかかっているせいかと思っていたが、日中も変わりはないようだ。
ソンミンの話からすれば、これも代表の見栄張りのせいと云う事になるだろうか。
しかし、見栄を張るためだけにこれだけの土地を買い占めるというのも、些かおかしな話だ。
上辺だけの張りぼて?――それよりはむしろ、異質なものを包み隠すための、巨大な風呂敷の様にも思える――そんな事を考えたりもした。

不意に、バサバサッと羽音が立った。
池の水面を水鳥が跳ね上がった音らしい。
その水鳥は再び水面に降りたって、何でもないような顔ですいっと池を泳いでいく。
気を取られて立ち止まったままの私を、ソンミンは気にせずどんどん先へと歩いていく。
何でもないような足取り。
私は水鳥から目を離して、早足で彼を追いかけた。

本殿に入り、二人きりで廊下を歩いていく。
ここは昼でも薄暗い。
陽光の恩恵もこの廊下までは届かず、冬らしい冷気が板張りの床を這っている。
奥の間、以前ミョンソクさんとお会いした部屋へ着くと、「ミョンソクニム、アキラニムをお連れしましたニダ」と言ってソンミンが襖を引き開ける。
私は軽くお辞儀をして、直ぐまた顔を上げた。
ミョンソクさんはテーブルの前に座布団を敷いて座っていた。
前と変わらぬ位置に同じ格好をして、眉の細さもやはり以前と変わらない。
あの日のままのミョンソクさんだ。
「やぁ、よくぞいらっしゃった」
と、セリフまで変わりなく続けて、それから彼は私の顔をじろりと見た。
「ふうん……いや、相当参っているようだね。
 無理もない。ソンミン君から話は聞かせて貰ったよ――全く、災難だったね」
私はソンミンに続いて、テーブル前に備えられた座布団に腰を下ろしながら、「はい……本当に、散々でした……」と力なく言う。

一度弱音を口にしてしまえば、後はもう何のためらいもなかった。
座布団の端を右手で握りしめながら、早速今後の事――彼らの活動内容の、
その詳細についてを訊ねようとすると、丁度私達の入ってきた襖が引き開けられて、例の裾の短い着物を着た女性がお盆をもって現れた。
「うむ、ご苦労……アキラ君、君の逸る気持ちはようく分かる。
 分かるが、まぁ落ち着きなさい。
 時間はまだまだたっぷりと有る。
 まずは温かい飲み物でも一口、味わってからにしようじゃないか」
内心の焦りを見透かされた思いがして、顔が"かぁっ"となる。
確かに彼の言うとおり、話をするにしても、少し気持ちを落ち着けてからの方が良いだろう。

女がテーブルに並べた物は、依然と同じ湯飲みではなかった。
洋風のカップに、茶色の飲み物――おそらくはココアが、ほのかな湯気をゆらりとくゆらせている。
立ち上ってくる湯気と共に少し香りを嗅いでみる……やはり、ココアのようだ。
気分を落ち着かせるには丁度良いと、有り難く頂く事にした。
その間、ソンミンとミョンソクさんは他愛もない世間話に興じている。
「ところでミョンソクニム。
 今度のU-21韓日サッカー親善試合、どちらが勝つと思われますニダ」
「かっかっかっ、なあにを言っておるソンミン君。
 韓国側のホームで、韓国チームは1軍の精鋭揃い、ところが日本側は日程の都合もあって2軍以下のメンツだというじゃあないか。
 そんなもの韓国の若手精鋭が、こう、えいっと一ひねりだよ、君ぃ」
「ウェーハッハッハッ、そうに決まってるニダね。
 後はもう、ウリナラ代表が何点差で勝つかの問題ニダ……」
そう言えば、亜子が日韓サッカー親善試合について熱く語っていたのを思い出した。
104名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 08:59:52 ID:fBiBaHOI
私はさほどサッカーに興味を持たないので、流し気味に聞いていたのだけれど――
そう、あの日も陽が暖かくて、聞き流しながらつい、うとうとしちゃったんだっけ――何だか今も、眠くなってきた――。

騒動の疲れもあっただろうか。
急激な眠気が頭の天辺から垂れ落ちてきて、目蓋がどんどん重くなる。
しかし、こんな所で眠る訳には――「おや?アキラニムはどうやらお疲れのようニダね」
「激動の一日を送っとるんだ、無理もあるまい。
 アキラ君、何なら軽く居眠りしてしまっても構わんよ。
 頃合いを見て起こしてさしあげよう。話の続きはそれからでもできる」
「ふぁい、すみまふぇん……」
眠気に舌が痺れて、呂律が回らない。
二人の好意に甘えて、少し仮眠を取った方が良いかも知れない――。
私はそのままテーブルの上に手を組み、顔を載せた。
眠る体勢に入った途端、意識が無自我の泥沼へずぶずぶと沈み込んでいく。

「………………ウェーッハッハッハッ」
「しかし、実によく効く薬……」
遠くに彼らの声が響いている。
けれども、回転を止めた私の頭はその内容を把握できず、やがて響きの尻尾も無意識の闇の中へ溶けていった。



「ん……」
カッ、カッ、カッ、と規則的な音の揺り返しに目を覚ます。
周囲が夕暮れのように薄暗い。
天井には薄い照明灯――どうやら、仰向けに寝かされているらしい。
ソファの様なものに体が沈み込んでいる。

頭の奥がじんじんとして、物事が深く考えられない。
けれど決して不快な感覚ではなかった。
「あら、お早う御座います、アキラさん」
聞き覚えのある声が足下の側から聞こえてきた。
首を軽く起こしてそちらを見ると、雪広さんが薄く微笑んで立っていた。
何やらパーティーの時に着ていたようなドレスを纏って、手近な台の上に手を伸ばしガチャガチャと音をさせている。

――あれ、雪広さんが居るのは……何か変だ――

違和感が鎌首をもたげるけれど、じんじん云う疼きと規則的な音の繰り返しが、それ以上の思考を妨げていた。

カッ、カッ、カッ、カッ、カッ……

「アキラさん、大丈夫ですわ。
 何もかもわたくしにお任せになって……どうぞ、何も考えず、リラックスなさってくださいな」
同じクラスメイトという安心感からだろうか、その言葉がやけに頭の中へ染み込んでくる。

――そうだ、何も考えなくっていいんだ――

雪広さんが手に小さな筒状の物を握る――注射器だった。
そして反対の手に今度はガーゼを取ると、それで私の腕を軽く拭き取った。
アルコール消毒特有の清涼感が私の皮膚をなで回す。
そうして注射器を構えると、「痛覚は鈍っているはずですから、ご安心なさいませ」と言ってずぶりと針を腕に刺してくる。
言葉の通り、痛みは無かった。
少しして針を抜くと、「すぐに効いてきますわよ」と微笑む。

ぼぅっとした頭で何もできず考えられずでいると、今度は体がふわふわとしてきた。
寒くもないのに、歯がガチガチと鳴っている。
全身からますます力が抜ける――筋肉が弛緩しているのかも知れない。
体が少し熱っぽい。
それでいて、妙に心地が良くなってきた。
訳もなく嬉しくて、微笑みたくなるような……実際、頬の筋肉が緩んでいる。
105名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 09:00:32 ID:fBiBaHOI
「さぁ、アキラさん。素敵な夢をご覧になって……」
雪広さんがソファの頭側でごそごそやっていると、不意に視界が闇に包まれた。
どうやら被せ物をさせられたらしい。
すると、すぐ耳元でウァンウァンと唸りのような音が聞こえてきた。
続いて目の前に鮮明な光が走る――何かの映像が映し出されたようだ。

『郷里、宇宙愛』

テロップに合わせて音楽が流れ始めた。
途切れ途切れのピアノ音に、シンセサイザーのような高音、更には川のせせらぎや小鳥の囀り、虫の鳴き声まで聞こえてきた。
そうしてナレーションのようなものが始まった。
「あなたは幸せだ。
 何故なら、これから"本当の自分"を解放出来るのだから。
 さぁ、何も考えず、私の言葉に耳を傾けて。
 目の前のビジョンを眺め続けよう――」



そこは窓のない広い部屋だった。
豪勢な調度品が壁や棚に並べられ、強力なエアコンで室内は常に快適に保たれている。
照明は薄暗い。
床には赤の絨毯が敷かれていた。
部屋の一角には数々のモニターが並んで、その傍にいくつかのチェアが備えられている。
男達はそこに腰掛けていた。

男達は三人ともエラが張っていた。
加えてその目は細く、頬はこけている。
最もエラの張った男の膝には、一人の女が腰をかけていた――雪広あやかである。
「あんっ!ソンミン様ったら、本当にたくましい……」
あやかは手をソンミンの股間へ這わせながら、媚びを売るような目線で彼を見つめる。
対して、ソンミンは好色そうな視線を隠そうともせず、あやかの胸を右手でもみしだいている。
彼女は学園祭のコスプレにでも出てきそうな、所謂魔法少女然としたコスチュームを身に纏っていた。
ヘソや胸を大胆に露出したその姿はあまりに扇情的だった。
「大変いやらしいですね、、サ、サ、サ、、、」
ソンミンの対面に腰掛けた男がいやらしい笑みを浮かべる。
あやかはその男の方へ顔を向けかけると、にこりと微笑み、尻を見せつけるように高く上げて、悩ましげに振ってみせた。
「猫にゃんダンスとは、時流を抑えているニダ」
もう一人、ソンミンのはす向かいに腰掛けている男が言った。
「ミョンソクニムはああ見えて日本のアニメが大好きニダ。
 他にも色々仕込んであるそうニダよ」
ソンミンはそう言ってくっくっと笑う。
「では、今現在"教育中"のアキラニムにも、色々と仕込まれるのニダか?」
男は傍に並んだモニターの一つに視線を向ける。
そこには、怪しげなヘッドユニットを被せられ、ソファに身をだらしなくもたれさせるアキラが映し出されていた。

様々な薬品を注入され、思考を奪われた彼女は、ヘッドユニットから流される映像と音声によって、
直に『郷里』に忠実な"奴隷"へと仕立て上げられる。
あやかもそうして都合の良い奴隷に洗脳された一人であった。
「アキラニ……いや、アキラに関しては、別ニダ。
 彼女はウリ専属の奴隷に仕立て上げても良い、とのお達しニダ」
どっ!と哄笑が沸き起こる。
「さすがはミョンソクニム、話が分かるニダ!」
はす向かいの男が愉快そうな声を上げた。

ソンミンと別の男二人は、ソンミンが初めてアキラをコミュニティへ誘った際に付き従っていた、いわば彼の右腕であった。
コミュニティ崩壊後もソンミンを慕ってきた、最も信頼のおける部下である。

「全く……ウリの直々の誘いをああも無碍に断るとは……カァァァァァァックトウェ!トウェトウェトウェ!!!」
ソンミンが忌々しげに声を荒げると、あやかは慌てて彼のズボンから一物を取り出し、宥めるように先端へ舌を這わせ始めた。
「エーイッ、癇癪おこす!」
106名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 09:01:05 ID:fBiBaHOI
「開いた口が塞がらなくて!」
部下達が次々に憤りを発露させる。
あやかは粗末な一物を口中に含んで、舌全体で激しくなぶり始めた。
「上手く接近した後は、頃合いを見て犯してやろうと思っていたニダが……
 まさか、"こうも上手いやり口"があったとは……全くミョンソク様々ニダ!
 こんな事なら、もっと早くに首を縦に振っておくべきだったニダよ」
ソンミンはゲラゲラと声を上げて笑う。
「よまや敷地の地下にこんな設備が整えられているとは……考えも及ばなかったニダ」
「おまけに、どうやって郷里へ誘い込もうか考えていた所を、向こうからのこのことやって来て……笑いが止まらないニダね」
部下達もソンミンに合わせてゲラゲラと笑った。
ソンミンは笑いながらあやかの頭を両手で抱え、無理矢理前後に突き動かした。
強引なイマラチオでさすがに喉を閊えさせるあやかだが、しかしその顔は幸せそうに緩み、
息をするのも忘れ、舌で滅茶苦茶にソンミンの物をかき回している。
「……んっ、イクニダッ!!!」
ソンミンが腰をビクつかせた瞬間、あやかの口内へ大量の精液がぶちまけられた。
明らかに早漏である。
だが量だけは多く、しかもむやみにネバツキのあるそれを、あやかは愛おしそうに舌の上で味わい、
それから見せつけるようにべぇっと舌を出して、くるくるとかき混ぜて見せた。
舌先からこぼれ落ちたそれはあやかの胸元に垂れ、そのままヘソを伝ってパンツの生地へ染み込んでいく。
「シコタホアー、なかなかの仕込みぶりニダ!」
対面の男が驚嘆しつつ、あやかのパンツに指を伸ばす。
するとあやかは「お褒め頂き、誠に有り難うございます。郷里のために生きる者として、これ以上喜ばしい事は御座いませんわ」
と言いつつ仰向けになり、自ら腰を動かして、男の伸ばした指を、濡れたパンツに透けて見えるスジへと這わせた。
「んん?この濡れっぷりは、ソンミンニムのザーメンに濡れただけでは無いようニダねぇ」
男はパンツの上から指をあやかのスジの奥へとのめり込ませた。
そうして指を引いては押し込む度、ネチョ、クチャッ、と水音が部屋に響き渡る。
「んっ……はぁい……皆様の性奴隷『雪広あやか』は、はっん、
 皆様にご使用頂けると思っただけでぇ……ぁん……もうすっかり、濡れてしまいましたのぉ……」
あやかは口の周りに残っていた精液を舌で舐め取り、ごくりと喉を鳴らして飲み込んでみせた。
「ウェーハハハ、あの気丈な雪広財閥の娘が、もはや見る影も無いニダ」
はす向かいの男が愉快気に顔を綻ばせる。
「全く、平和ボケしたお嬢様がロクに護衛もつけず、お着きのメイド二人だけを連れて街をウロウロしているから、こうなるのニダ。
 そのメイド二人が、既に郷里によって"教育済み"だとも気付かず……ウェーッハッハッハ」
ソンミンの笑い声に、あやかは艶めかしい笑みを合わせる。
それから指を出し入れしていた男の手をやんわり握って制止させると、
反対の手で下着を下ろし、今度は直に秘所の中へ男の指を招き入れた。
「アイゴー、物凄い締め付けニダ!
 全く怪しからんオマンコニダッ」
男はウェヘヘヘと笑い、空いた方の手で自らのズボンを下ろしにかかった。
「ニダニダ、実に怪しからん女ニダ!
 どれ、ウリもこの怪しからぬイルボンを、ちょっとこらしめてやるニダよ!」
はす向かいの男が手早くズボンを脱ぐと、露出した陰茎をそのままあやかの口に含ませた。
「はむっ、ふぅん……」
あやかは目をうっとりさせ、夢中でそれにしゃぶりつく。
「おほぅっ、凄いバキュームニダッ」
「シコタホアー、あやかの舌技は相当なものニダよ。
 おそらくは天性の才能ニダね」
ソンミンの嘲笑まじりの声にも、あやかは嬉しそうに微笑んでみせる。
「……さて、ウリは余った穴でも使わせて貰うニダ」
ソンミンのその言葉に、あやかは口で一物を加えたまま器用に体を捻った。
そうして四つん這いになった所へ、ようやくズボンを脱ぎ終えた対面の男が、
仰向けになってあやかの下へ潜り込み、膣に一物を挿入させようとする。
「ニダ?う、上手くいかないニダ……」
実を言えば、男は童貞であった。
この場に至っての焦りが男の一物を急速に萎えさせる。
しかしあやかは片方の手で男の物を握ると、優しく扱いて再び起たせ、そのまま自分の秘所へ導いた。
ニュルン、という音が男には聞こえた気がした。
「……マ、マママ、マンセー!
 最高ニダ、オマンコマンセーニダッ!!!」
想像していた以上に熱い女性の膣中に、男はすっかり夢中になって腰を振り付けた。
107名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 09:01:40 ID:fBiBaHOI
「んっ、ふっ!ふぅっんん!!」
あやかはそれに合わせて腰を振っていたが、ソンミンが直ぐ傍にやってきて構えたのを見ると一旦腰を止め、
そのまま意識して括約筋を弛めた。
しかし舌を激しく動かして、はす向かいの男を刺激する事は忘れない。
「いくニダよ……ふんっ」
ソンミンは容赦なく一物を肛門へ挿入する。
しかしその粗末さもあって、さほど抵抗なく根本まで一気に埋まってしまう。
彼はそれを"あやかの肛門が特別緩いからなのだ"と無理矢理解釈する。
それ以上の事は考えない。
無心になって、あやかの尻へ腰を打ち付けた。
同時に対面の男も再び腰を動かし始める。
「ふもっ、ふごっ!ふっぅぅぅっ!」
あやかの藻掻き声が一層激しくなった。
顔は真っ赤を通り越して、やや紫がかって見える。
それでも彼女はフェラチオを止めなかった。
ぼやけた視界ではす向かいの男の顔を捉えながら、感じるポイントを探り、それを丹念に刺激していく。
郷里の男達が快感で顔をしかめたり、気持ち良さのあまり声を漏らす度、
"教育"ですっかり作り替えられたあやかの頭は、無上の幸福感に溺れた。
『ああ、幸せ……わたくし、郷里の皆様にご奉仕できて、最高に幸せですわぁ……皆様、もっとわたくしをお使いになって!
 わたくしは皆様専属の性処理用肉便器ですわっ!
 はぁっ……、わたくし……しあわせぇ……』
あやかの死にものぐるいの奉仕に、まず対面の男が根をあげた。
「うっく……ニ、ニダァッ!」
最後に一度、パァンと腰を打ち付けて、そのままあやかの膣内に精液を吐き出す。
ビクビクッとあやかの膣が締まり、それを一滴残らず吸い上げようとした。
そこに連動して肛門も締まり、今度はソンミンが限界に達する。
「カ、カムサムッハムニダァ!!!」
二度目と言うのに衰えの見えない射精量に、収まりきらなかった精液がポタポタと肛門から漏れ出してくる。
植え付けられた幸福感と快感があやかの脳を焼いた。
彼女は半ば意識を飛ばしながら、はす向かいの男の物を強烈に吸い上げる。
最後となった彼もとうとう射精に達した。
明らかに揃いもそろって早漏である。
「フンナラ、ハンナラッ!!!」
ソンミンに勝るとも劣らない量の精液が、あやかの喉奥にぶちまけられた。
あやかは軽くえづきながらも、それを大事そうに手の平へと吐き出す。
それから周囲の男達に見せつけるように、顔面へと塗りたくってみせた。
「ふふ。いい臭い……」
実際は猛烈なイカ臭さであったが、あやかは果物の香りでも嗅ぐかのように、鼻をくんくんとさせている。
そして男達へ挑発するような視線を向け、顔中の精液を指で掬ってはずるずると音を立てて飲み込んだ。
時折は舌の上でくるくるかき回して見せる。
一連の所為は確かに男達の視線を意識していた。
「あら、出ちゃいそう……」
あやかがそう言うなり、右の手の平を突然肛門の下へと広げた。
すると"ぷくっ"という音を立てて、ソンミンの射精した精液が穴からドロドロと溢れ出てくる。
「ソンミン様の精液、勿体ないですわぁ……」
一通り手の平に出し終えると、今度は尻を地面につけて股を開く。
それから左の手で秘所を広げると、右の手の平の精液を膣内へと無理矢理注ぎ始めた。
そうして唇の周りの精液をねろぉっと舐め取りながら、右手の指でそのまま秘所をねぶり、激しく自慰を始める。

男達はその様を眺めて、一様に唾を飲み込んだ。
「全く……郷里の"教育"は偉大ニダ」
「大変誇らしいですね、、サ、サ、サ、、、」
「ニダ。どうニダ、これならもう一勝負……」
ソンミンが勢い込んであやかに踏み寄ろうとしたその時、
部屋の壁に備え付けられたインターフォンがプルルルルルと音を立てた。
部下の一人が慌てて受話器を取り、何やら二、三受け答えをして、再び受話器を壁へと戻す。
「ソンミンニム。
 ミョンソクニムが、あやかの仕上がり具合を是非確認してみたいと仰っていますニダ」
「ニダッ、それでは仕方がないニダね……おい、あやか!」
「っはい!」
108名無しかわいいよ名無し:2006/12/04(月) 09:05:51 ID:fBiBaHOI
今まで自慰に耽っていたあやかが、ソンミンの声に慌てて立ち上がり、気をつけの姿勢を取る。
「ミョンソクニムがお呼びニダ。
 シャワールームで体を綺麗にしてから、精一杯ご奉仕してくるニダ」
「承知致しましたわ……それでは皆様、本日はわたくしめをご使用くださいまして、誠に有り難うございました。
 またのご利用を心よりお待ち申し上げております」
あやかは直立不動のままそう言い、うやうやしく礼をしてみせた。
――この口上はミョンソクニムの好みだそうニダが、どうも場違いな気もするニダね――とソンミンは胸中で呟く。

そのままソンミンの横を通り過ぎて部屋を出ていこうとする所へ、彼はその耳元で「ミョンソクニムへのご奉仕が終わったなら、
シャワーを浴びて此処へ戻ってくるニダ。もう一度可愛がってやるニダよ」と囁く。
するとあやかはたちまちだらしのない顔をして、左手でソンミンの股間をさわさわ撫でてくる。
ソンミンがそのままあやかに口づけてやると、彼女は嬉しそうに舌を潜り込ませ、彼の舌へと絡めてきた。
少しの間そうしてから、口を離すと、あやかは急に真顔に戻り、「では行って参ります」と言って部屋を出て行く。

「……ウェー……よく考えたら、精液まみれの口だったニダ」
部下の二人が『どっ』と笑う。
謂わば上司と部下の関係とは云え、彼らは気心の知れた間柄だ。
ソンミンがお調子者の側面を見せるのは、この二人の前だけであった。

苦々しい顔をしながら、ソンミンはアキラの映し出されたモニターへ目をやった。
何事か口元を動かしているように見える。
傍のパネルを弄ってマイクのモニターをONにすると、
「私は、ソンミン様の専属奴隷……」
「ソンミン様は素晴らしい……」
「郷里とソンミン様が私の全て……」
「今までの人生は間違い、ソンミン様と共に本当の人生を歩もう……」
等々の呟きが聞こえてくる。
ヘッドユニットから出力される音声をそのまま口にしているようだ。
「"教育"は順調のようニダね」
部下は満面に笑みを湛えて、よほど嬉しそうである。
ソンミンは軽く頷いて「全く、けがわらしい半日が……ようく自分の立場を思い知るがいいニダ」と呟く。
「イルボンも、半日も、皆我らが"思想"の下に統一される……『郷里』の理想は実に素晴らしいニダ」
「民族の垣根など無くなる……そこにあるのは、全て主人と奴隷で構成される、一つの完成された『輪』ニダ」
部下達が顔を見合わせ、ゲラゲラと笑った。
「雪広幹部さえ抑えてしまえば、嫌韓ネットワークは我らが手中に落ちたも同然ニダ。
 次は龍宮部隊長に、桜咲幹部、そしてゆくゆくはネットワークのリーダー、近衛木乃香を堕とす――
 学園長の娘をも支配したならば、もはや学園は我らの思うがままニダ!」
ソンミンの言葉に、部下達は一層ウェーハッハッハと笑った。
そこへソンミンもウェーッハハハと笑いの合唱に加わる。



三者三様の音程が入り交じる先は、郷里の理想――アキラの夢見た"箱船"の雛形である。
彼女は確かに、この箱船へと駆け込んだ。
しかし、模型から出立した原初の方船は、その動力を奴隷的存在に求めた。
彼女は夢の箱船に乗って、来る日も来る日も櫂をこぎ続けるだろう。
行き先など知らない。
苦悩も忘れた。
幸福な夢を、植え付けられた物とも気付かずに、ただ貪り続ける――。
109名無しかわいいよ名無し:2006/12/05(火) 02:19:40 ID:goYqhQk1
うわああああああ・・・アキラが・・・
110名無しかわいいよ名無し:2006/12/05(火) 17:54:03 ID:MgMbEAov
GJ・・・いいんちょで普通に抜いた
111名無しかわいいよ名無し:2006/12/05(火) 21:21:52 ID:bXwHpKUn
いいんちょはとんでもないオサセだな
112名無しかわいいよ名無し:2006/12/05(火) 22:08:25 ID:RwoK48tY
おおお…GJ
113名無しかわいいよ名無し:2006/12/06(水) 02:41:56 ID:GYlS87qv
あやか・・・
114名無しかわいいよ名無し:2006/12/06(水) 18:53:45 ID:sKFHdusv
普通に欝になるわこれ
115名無しかわいいよ名無し:2006/12/07(木) 13:29:03 ID:ysETDeYK
          _
         ,',i><iヽ       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        /((ノノリノ))     ∠ このうにゅ〜はヒナのおごりなの〜
        ((ミi!゚ ヮ゚ノミ))  /   \____________
         ()夲!⊂彡 シュッ
           (ム!,,/   /
          し/    /
        /    /
       / ///  ./
.     /   ●  /
   /    ●  / コロコロ…
  /     ●  /
       ● ベシャ 
    , ─ 、 
    ! '´ ̄ヽ
    ! l〈ノノリノハ
    ! l(l!#`∀´>ヾ
116名無しかわいいよ名無し:2006/12/10(日) 11:59:06 ID:5+bmgEFW
  , ─ 、 
  ! '´ ̄ヽ
  ! l〈ノノリノハ   
  ! l(l! ゚∀゚>ヾ本スレの住人どもには人気の順位が下がればキムチネタを禁止すると言う約束だったが
         ものの見事に上がってしまった・・・向こうはなんの努力もせず・・・投票しなくても大丈夫とほざく・・・
         ひたすらウリのPRをしてくれた在日・その他のチングに感謝しなければならんというのに
117名無しかわいいよ名無し:2006/12/11(月) 10:19:40 ID:gg0OEi5c
  , ─ 、 
  ! '´ ̄ヽ
  ! l〈ノノリノハ  ウリに投票してくれたチョッパリどもへ 
  ! l(l! ゚∀゚>ヾ 本当にカムサハムニダ
118名無しかわいいよ名無し
キムチアキラでアキラに惚れた俺は勝ち組