【ネギま!】雪広あやか叩きスレ・MSN-01【またあやかか】

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24名無しかわいいよ名無し
わたくしの姉は、それはそれは美しい人でした。
幼少の頃からお慕い申し上げておりました。
本当にお優しい方でした。
財閥跡取りとしての責任を一身にまとい、わたくしをその重責から身を挺して
お守りくださいました。
わたくしの自慢の姉でございます。
…そのお姉様が死んだなどと、訳の分からぬ事を言う不届き者がおりまして、
わたくしはその不届き者を決して許すまいとして○○して○して○○○○○たら、
○○○○○○○○○○○でしまったのです。
以後、そのような不届きな事を言う輩は誰一人としていなくなりまして、
わたくしはようやく穢れが払われたのだと、とても愉快な気分になりまして、
部屋に籠もり、従者の一人も入れず、ただケタケタと笑い声をあげていたのです。



あやかさんが学校を欠席してから三週間が過ぎようとしていた。
肉親の死、しかもあやかさんと大の仲良しだったというお姉さんの…突然の死。
彼女が受けたショックは想像すらつかないようなものであったのだろう、
法事やその後のゴタゴタが片づいた後も彼女が登校してくる気配は一向になかった。
雪広財閥からはまほら学園も相当な額の寄付を受け取っており、
その財閥の娘――今では跡取りでもあるあやかさんに対する学園側の姿勢は、
今回のような事態においては半ば腫れ物を扱うかのようなものですらあった。
"例え欠席が長引こうともその件についてはむやみに触れないように"との通達は、
無論担任の僕の元にも回ってきている。
だが長期に渡って欠席を続けるあやかさんの事を心配せずにいられようはずもなく…
僕は明日の日曜日、独断で彼女のお屋敷へ訪問に窺う事を決めていた。

電話で予約を入れようにも取り次ぎを断られるのがオチ…ならば失礼を承知で
連絡無しに直接あやかさんのお宅へと出向いた方が良いだろう、という僕の読みは見事に当たり…。
あやかさん自身の強い意向もあって、僕は三週間ぶりに彼女と対面する事ができた。

「いいんちょさ…ん…?」
言葉が…続かなかった。
頬はすっかりとこけ、綺麗でサラサラだった髪はごわごわに乱れ、
目の下には大きなくまができ、手足はガリガリに骨張って…
優雅で華麗な上流階級令嬢の面影は、もはやどこにも見あたらなかった。
「ネギ先生…お久しぶりですわ」
あやかさんはそう言ってニマ〜ッと笑う。
奇妙な…ややすれば不気味さをも併せ持つ、壊れた笑顔だった。
彼女のこんな笑みを見るのは初めての事だ…見ているだけで痛々しさがこみ上げてくる。



何とも言えない憂いを込めた表情をお見せになられたネギ先生、
先生のこんなに可愛らしい表情を見るのはわたくし初めての事でございます。
なにしろネギ先生とお話するのは三週間ぶりの事でございますから、
わたくしすっかり舞い上がってしまいまして、休んでいた間に学校で
起こった出来事の数々、授業の進み具合、クラスメイトの皆様がいかにわたくしを
心配してくださっているのか…等々、本当に色々な事を聞かせて頂きながら
時には相づちを打ち、時には話を脱線させながらも久方ぶりの時間を楽しんでおりましたが、
ネギ先生は次第に口数少なになられまして、これはもしやネギ先生に退屈な思い
をさせてしまったのではと、自らの至らなさに恥じいるばかりでございました。



…何か、おかしい。
何が?と問われればしかしハッキリ答える事はできないのだが…あやかさんとの会話には終始、
奇妙な違和感がつきまとっていた。
例えるならば、まるで言語圏の異なる人達と慣れぬ共通言語を媒体にしてコミュニケーションを
図っている時のような…そんな、どことなくしっくりとこない感じ。
25名無しかわいいよ名無し:2005/06/21(火) 03:23:30 ID:KcK+RbfB
そんな感覚が彼女との会話には見え隠れする。
ふと気がつけば僕はいつのまにやら口ごもり、何とは無しに気まずい空気が二人を薄い膜のように覆っていた。
「え、え〜っと、あっそうだ!」
空気を切り替えようとわざと明るい調子の声をあげ、僕は持参したバッグの中から一冊のアルバムを取り出した。
「これ、この間のまほら祭の時に撮った写真なんですけれど、
 もし宜しかったらいいんちょさんもご覧になってみませんか?」



先生の突然の提案にわたくしもすっかり乗り気となりまして、パラパラと思い出写真の数々に見入っておりました所、
わたくしの目は一枚の写真にすっかり釘付けとなってしまいました。
「ネギ…せんせ…。
 こ、この方はなんと仰るお方なのでしょう!?」
そこに映っていたのはなんと、わたくしの姉にそっくりそのままの生き写し…いいえ、
わたくしのお姉様その人だったのでございます!
「え?
 ああ、この人は高音・D・グッドマンさんと言う方ですよ。
 まほら祭の際にちょっとした知り合いになった人で…」



…その後の事はよく覚えておりません。
「それではお大事に」
との言葉を残してネギ先生はお帰りになられ、気づけばわたくしは一人ベッドの上で、
ネギ先生から頂いたお姉様の写真を呆然と見つめておりました。
この表情、顔つき、間違いありません。
この方はわたくしのお姉様ご本人であられるのです!
あぁお姉様、お姉様っ、やはりお姉様が死んだなどというのは頭のおかしな
不届き者の妄言でしたのね!!!

わたくしは底知れず溢れてくる喜びに笑い、叫び、涙して、神のお与えくださったこの奇跡に
ただひたすら感謝の念を捧げるばかりでありました。



「それではまた明日、愛衣。」
「はいお姉様、また明日!」
私は愛衣といつもの角で別れ、学園都市の外れにある寮の一人部屋へと足早に向かう。
この一人部屋はまほら学園における魔法関連特別対策委員会に所属する者の特権であり、
クラスの皆からは事ある毎に羨ましがられていた。
(実際には、設備その他は皆の住んでる寮と大差ないのだけれど…。)
寮まで後500Mといった所で、前方からやってきた車がふいに私の目の前で停車した。
中から降りてきたのは何やら人の良さそうな中年の紳士だ。
どうしたのかしら?と思っていると、その紳士は私にこう話かけてきた。
「申し訳ありません、ちょっと道をお尋ねしたいのですが…」
手元には地図らしき紙が握られている、どうやら道に迷ったらしい。
「えぇ、私にお手伝いできる事であれば…」
見た目から冷たい印象を持たれがちな私だが、こういった場面では時間の許す限り手助けをする側の人間だ。
「目的地はどちらでしょう?」
と言いながら地図を覗こうとしたその時、彼が耳元で囁いた。
「…高音・D・グッドマンさんですね?」
「っえ?」
慌てて彼の顔を見やる間もなく、私の首筋に容赦ない手刀が叩き込まれる。
「お嬢様のご命令です、悪く思わないでください…」
…彼のそんな声も既に遠く、私の意識はそのまま闇の底へと沈んでいった…。




「…っぐ、うぅん…?」
26名無しかわいいよ名無し:2005/06/21(火) 03:24:07 ID:KcK+RbfB
目を覚ませば、そこは見知らぬ一室。
私は両手両足を縛られ猿ぐつわをかまされた状態で、やたら豪勢なベッドの上に一人横たわっていた。
しばしの間思考する事すら忘れ呆然としていた私の耳に、部屋に唯一備えられていた扉の勢いよく開く音が飛び込んできた。
「まぁお姉様、お目覚めになられましたのね!」
!????
この少女は――一体、誰?
見知らぬ部屋に見知らぬ少女、おまけに彼女は私の様子などおかまいなしに一方的に喋り続ける。
状況は私を置き去りにしたまま、更なる混乱へと向けて加速するばかりだった。
「全く驚いてしまいましたわ、まさかお姉様が高音・D・グッドマンなどと偽名を用いて
 ウルスラ女学院生をされていただなんて…わたくしにも早く教えてくだされば良かったのに!
 嘆かわしい事にこの屋敷にもお姉様が死んだなどと嘘ぶく不届き者が出てくる始末で、
 わたくし本当に心配しておりましたの。
 でも、こうして再びお姉様のお顔が見られて、わたくし本当に安心致しました…。」
…よくは分からないが、どうも私は彼女の姉と勘違いされている?ようだ。
何とかして誤解を解かなければ…。
むぐー!もごー!と呻く私に、彼女はすっかり失念していたとばかりに慌てて私の猿ぐつわを外しにかかった。
「まぁまぁ気がつかなくてごめんなさい、そういえば猿ぐつわをお銜えになられたままでしたのね…。」
…よくよく考えれば。
私を彼女の姉と勘違いしているだけなのであれば、猿ぐつわを噛ませる必要など無いのではないだろうか?
彼女は私が彼女の姉とは別人なのだという事をどこか理解したまま、こんな行動に出ているのかも知れない。
だとすれば少々マズイ展開だ…まずは話が通じる相手かどうかを確かめなくては。
「ぷはっ!
 あ、あなたは一体何を言っているのですか?
 私は高音・D・グッドマン…これは偽名ではなく正真正銘の本名です!
 少なくとも私はあなたの姉などではありません!」
解放一声の私の言葉を聞くやいなや、彼女はその場にひっしと泣き崩れる。
「…あぁ、なんと言う事でしょう…。
 こんな事もあり得ましょうかと危惧してはいたのですが、
 やはりお姉様は記憶喪失にかかっていらっしゃるのですね…!?
 だから、わたくしの姉ではないなどと、そんな事を仰るのです!!!」
…ダメだ。
このやりとりで、私は彼女とはまともな意思の疎通が不可能と判断し…
とりあえず魔法を用いてここから逃げ出すべきだろうかと思案した。
一般人に魔法の存在を知られるのはマズイが状況が状況だ、やむを得ないだろう。
…だが、その一瞬の判断の遅れが命取りだった。
彼女が信じられない程の身のこなしの早さで、私の口に再び猿ぐつわを嵌めてしまったからだ。
(しまっ…!)
気づいた時にはもう遅かった、これでは魔法が使えない…
こんな事なら私も無詠唱呪文の一つでも身につけておけばよかった!
後悔先に立たず――それに今の身のこなしからしてこの少女、
見かけによらずかなりの武道に精通しているものと思われる。
この状況を考れば、いやがおうにも緊張感が増してきた。
「お姉様、ご安心ください!
 この雪広あやかが、必ずやお姉様の記憶を取り戻してご覧にいれます!!!」
雪広…あやか…?
そういえば聞いた事がある、日本屈指の財閥の令嬢がまほら学園中等部に在籍していると。
だが、だとすれば"彼女の姉"は一月近く前に不慮の事故で急死していたはずだ…
それくらいの話は私でも知っている。
今さっきの会話を始め、彼女の様子からはどこか尋常でないものが感じられた。
あるいは彼女は姉の死にその心を病み…そして、私を彼女の姉の代わりに
見立てようとしているのではないだろうか?
なるほど、そう考えれば彼女の顔・目鼻立ちや髪質は私のものとよく似ており、
となれば必然的に、彼女の姉も私とよく似た人物であるという事になる。
だからこそ私が選ばれたのか…。
大体の状況については予測がついたが、だからといって
この危機的状況がどうにかなる訳ではなかった。

プッ!

!!!
27名無しかわいいよ名無し:2005/06/21(火) 03:24:43 ID:KcK+RbfB
私が数秒の間物思いに耽っていたその時、ふいに右腕に若干の痛みが感じられた。
(な…!?)
慌てて振り向き見れば、いつの間にか私の背後に回っていた彼女が私の右腕から注射針を抜いている所だった。
(薬物を注射された…!?)
ゾッとする。
まずいまずいまずいまずい…何しろ相手は気が触れている、何の薬を打たれたのか分かったものではない。
あまりの恐怖でパニックを起こしかけた私に、突然強烈な眠気が襲いかかってきた。
「ホホホ、ご安心くださいませお姉様。
 ただの即効性の睡眠薬ですわ…ちょっと強力な代物ですけれども。」
そんな彼女の声も既に遠く、私は底知れぬまどろみの中へと再び沈んでいった…。



わたくし、それはそれは悲しみにくれました。
あれほどわたくしに良くしてくださったお姉様は、今やわたくしの事を見知らぬ相手でも
見つめるかのような目つきで捉え、自分はお前の姉ではないなどと、そう仰るのです。
間違いありません、お姉様はなんらかの理由でお記憶を失ってしまわれたのです、そうに決まっております。
わたくしはお姉様にお記憶を取り戻して頂くべく、お姉様が暴れてしまわぬように睡眠薬を打ち、
雪広家地下の特別な一室へとお運びさしあげたのです。
「むぐぅっ…」
お姉様がお目覚めになられたようです。
「むごっ、もごぉっ!?」
どうやら部屋の様子に大変驚かれているご様子。
無理もございません、こうなる事をあらかじめ想定して用意しておいた特別な部屋なのですから。
お姉様は手足を強靱なベルトでベッドに繋がれ、猿ぐつわを噛まされたままに、
一糸纏わぬ裸身をそこにさらけ出されておりました。
「お姉様…わたくしの質問には、Yesなら首を縦に、Noなら横に振る事でお答えくださいませ。
 宜しいですね?
 それではお尋ねします、あなたはわたくし、雪広あやかの姉である…Yesですか?Noですか?」
ぶんっぶんっ
と、お姉様はその首を大きく左右に振られました。
…おいたわしやお姉様、もはやこうなっては仕方がございません。
わたくしは部屋に備え付けられた棚から注射器を持ち出し、そこに緑色の薬液を
詰めまして、お姉様の元へと近づきました。
「むがっ…むごぉぉっ〜〜〜〜!!!」
お姉様は怯えた目でうなり声をおあげになられました。
「ご安心くださいませお姉様、これはお姉様がわたくしの姉であるという事を思い出して頂くための
 お薬ですのよ。」
お姉様は大変にご抵抗なされましたが、ベルトでお体をしっかりと固定差し上げておきましたゆえ、
注射の際にはなんら問題ございませんでした。
自我や理性を薄め思考能力を奪う極めて危険な薬――なんでも刷り込みやその定着を用意にし、
軍では忠実なスパイを作り上げるために用いられるのだとか…わたくしはそのような目的には
用いませんが――を注入し終えたならば、次はヘッドホンの御装着。
このヘッドホンからは"自分は雪広あやかの最愛の姉であり、自分はそんな妹を自身の全てを
以て愛さねばならない"といった趣旨の音声が表現を変え、口調を変えて、
大音量で延々と流れ続けているのです。
次は照光機、こちらはランダムな間隔で強力な眩い光を発するものでして、
要は入眠を完全に妨害し抵抗の意志を奪うためのものでございます。
加えてベッドからは様々な周波数の振動がお姉様の身体に伝えられ、
その精神状態を極限まで不安定な状態へと追い込むのです。
わたくしお姉様にこのような真似をせねばならないのかと思うと、申し訳ない気持ちで胸が
はち切れんばかりでございます…ですが、これもお姉様にお記憶を取り戻して頂くため。
わたくし心を鬼に変えましてでも、元のお姉様に戻って頂けますよう、全身全霊を尽くします!