【あなたがくれた】武装錬金総合萌えスレ51【一片の勇気!】

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576He met sweet girl one hundred year ago. 0/6
>>570
とっておきの萌えネタか・・・そういえば最近読んだ小説に出てきたラブラブだった某組織幹部とその副官の馴れ初めが
頭の中で電波とかとぐちゃぐちゃになってるんだが・・・・この機会にここに叩きつけさせてくれませんか?

「迂闊だった、な」
ヴィクターは暗い地下房の中で体中の痛みを堪えつつそう独りごちた。
まだあどけなさの残る十代前半の顔はもちろん、体のいたるところが痣、擦り傷まみれだった。
「口論をしていたら別の奴にいきなり背後から一撃され、あの石を取り落としたあと袋叩きにされ・・・ここに放り込まれたといったところか。
 あの石は取り上げられ体中傷だらけ。もっとも、致命傷は無いようだが・・・このまま行けばまず殺されるだろうな」
と、一通りの現状及びここに至る経過を把握するが、当然それでこの状況が打破できるわけではない。

彼、ヴィクターはいわゆる浮浪者だった。親の記憶すらなく、気が付けば橋の下で暮らしていた。
暑くなれば虫が湧き寒くなれば霜が降りる。さらにはいつも腐臭がするというひどい環境だったが、
石造りの橋の下ならとりあえず風雨は凌げた。
この頃、ヴィクターは生きるためなら何でもしていた。物乞い、日雇いの手伝いはもちろん盗みをしたこともあった。
そんな最低ともいえる生活を送る彼だが、たった一つだけ他の人間には無いものを持っていた。六角形の不思議な石だ。
かつて食料を求め山を歩き回っているときに落ちた深い穴の奥で見つけたものだった。
この石にはどうやら治癒力を高める効果があるらしく、穴に落ちたときもこれのお陰で骨折まで治り生きて穴から出ることが出来た。
この不思議な石のお陰で無理な肉体労働の疲れを一日で癒したり盗みで失敗し捕まり暴行を受けたときも
傷をすぐに治したりが可能となり、副次的な効果だが力もかなり強くなれた。
このお陰でことケンカに関しては同世代はもちろん大人と取っ組み合いになっても引けをとらなくなり、随分と生きやすくなったのだ。
生まれは悪かったが、もう誰にも負ける気はしなかった。これで、自分を蔑んだ大人たちを見返してやることが出来るはずだった。
拾ったときは自分の幸運を称えたものだが・・・どうやら現在黒マントの男らに暴行され
ズタボロになって狭い部屋に押し込められているのはあの石の所為らしい。
「あの黒マントのやつら、あの石--たしか‘核鉄’と呼んでいたが--を狙っていたな。
 確かにあれは不思議な石だからな。傷を治したりできるから狙われるのも当然だな・・・」