【あなたがくれた】武装錬金総合萌えスレ51【一片の勇気!】

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490ヴィクター 実はとても良い人かも
===もしも、ヴィクターが実はとても良い人だということが早くに判るとするならば===

登場人物---カズキ  斗貴子  ヴィクター
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銀成学園校舎屋上

「うぉおおおおー、闘えっ、ヴィクター。」
猛り狂って,飛び去るヴィクターを追いかけようとするVVカズキ。

危険を顧みず、もはや野獣のようなカズキを抱き止めて懇願する斗貴子。
「カズキ!!、許してくれ、なんでも何でも償いはするから、人の心は,君のその優しい心だけは
捨てないでくれっ!。」

泣きながら無我夢中で抱きついてきた斗貴子の声に我に返るカズキ。
未だVV可初期段階だったのが幸いしたのか憑き物が落ちたように放心状態だ。
「と・き・こ・さん……  。」

自分は今何をしようとしていたんだろう?、朦朧とした意識で理解しようと努力するカズキ。
自分に抱きついたまま,すすり泣いている斗貴子がいる。
あの気位の高い、人に頭を下げたことなどないような斗貴子が呟くように謝っている,一体誰に何を。

「オレは… 」
自分の手と腕に色が焼けるような赤銅色から元の肌色に変わってくるのを見てハッする。
あいつと同じだ、そうヴィクターと肌と同じ色だった、が、それが何を意味するのか、

「私のせいだっ。君を怪物にしてしまったのは、全部私のせいだっ。ゆるして!ゆるしてくれ。カズキッ。
君に黒核鉄を組み込んでしまった私のせいなんだ。」
そうだった、これが黒核鉄の性質の正体だった。恐ろしい現実が自分に襲い掛かったことをカズキは理解した。
だが泣きじゃくる斗貴子を見て,怒りや恨み、恐怖の感情はまるで湧いてこない。
泣きじゃくる斗貴子が、ただ、いとおしく限りなく儚く優しい存在に感じられる、そんな幸福感,快さだけ。

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