仔猫のブレイクダンスを楽しむ会 6蹴り目

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734オグリッシュ
5分もしないうちに、親猫がダンボールから出てくる。が、子猫が出てこない。

(警戒しているのか・・・?)

様子を見ていると、親猫は始め俺に警戒心を向けながら、えさに近づいていく。
えさの前で止まり、じっとこっちを見た後、えさを食べ始めた。
しばらくおとなしく親猫をじっと見ていたが、子猫がどこにいるのか気になる。

(普通に考えれば、あのダンボールの中だ。他の場所にいることは考えづらい・・・・よし。)

親猫に警戒心を与えないように、そーっとバッグの中から厚手の手袋と、大き目の洗濯ネットを取り出す。
洗濯ネットの口を開け、いつでも中に物を入れられる状態にして、すっと立ち上げる。
一瞬警戒する親猫。が、すぐにえさに顔を向け、食べ始める。
735オグリッシュ:2008/06/18(水) 22:45:23 ID:lemmABxl0
(今だ!)

瞬間的にステップインし、親猫の眼前まで踏み込み遠くに吹き飛ばすよう親猫を蹴り上げる!
10メートルほど吹き飛んだネコは、脱兎のごとく走り去り50メートルほど先で、こっちを見ている。
ダメージはないはず。それほどヤワではないだろう。すぐにダンボールに目を向ける。
特に変化はない。親猫などはどうでもいい、目的はダンボールの中だ。
736オグリッシュ:2008/06/18(水) 22:46:05 ID:lemmABxl0
異常には気付いているはずだ。速やかに事を運ばなければならない。
茂みを跳び越し、ダンボールに駆け寄る。ダンボールは箱のまま、入り口をトンネル型にくりぬいてある。
えさやりが作ったのだろう。入り口が空を向くように箱を立て、中をのぞく。

小さい毛玉が3つ丸まって、こっちを見上げている。

入り口に洗濯ネットをかぶせ、下に向け中身を振りだす。ボテボテと落ちた毛玉3匹が、洗濯ネットの中でパニックを起こしている。
すぐにネットのチャックを閉め、バッグまで戻り中に詰め込む。
もぞもぞ動くバッグを背負い、後ろを見ると、遠くでこちらを伺う親猫の姿が見える。

(残念だったな。えさに釣られるお前が悪いんだよ。子供たちとはお別れだ。)

親猫から目を離し、足早に自宅へと急いだ。