21 :
:
02/11/12 21:18 ID:KtmYQj0k デンマーク(Denmark) 皆さんはこの国をご存知ですか? まずは簡単にデンマークという国の紹介をしましょう。 デンマーク・・・ 正式国名「デンマーク王国」(元首マルグレーテ2世女王) _______ 北欧の南端に位置し、約4.3万km2(九州とほぼ同じ) | || | 首都はコペンハーゲン、人口は約531万人(99年調査) |―┘└――――| いたって小さな国です。 |―┐┌――――| 人種は北方ゲルマン民族。言語は通常語はデンマーク語 | || | ながら、英語でもほぼ通用します。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ デンマークをはじめとした北欧の国々は異様なほどに税金が高いです。 日本でいう消費税(付加価値税)が最低20%。これに『サービス税』なんてものも 含めるとたいてい30%〜40%近くの税金が、買い物の際に課税されます。 その代わり、これらの国は福祉の充実度が世界トップレベル。 税金が高いのは充実した福祉を支えるためなのでしょう。
22 :
:02/11/12 21:21 ID:KtmYQj0k
デンマークのサッカーの歴史は古い。 しかし、デンマークのサッカーが世界に躍進したのは、 つい最近のことである。 欧州選手権に84年初出場、ワールドカップ初出場は86年。 この80年代から、デンマークのサッカーは、世界に認められはじめた。 このころから世界のサッカーファンは、彼らのことをその躍進ぶりとスタイルから ダニッシュ・ダイナマイトと呼びはじめたのである。
23 :
:02/11/12 21:23 ID:KtmYQj0k
∧_∧ ∧___∧ | |XXXXXX ∧_∧ ( ´_ゝ`) ∧_∧(´Д` ;) | |XXXXXXX ( ´_ゝ`) (☆7とノ (∀・; ) 8 ,,つ| |XXXXXXX と 9 つ/) )、ヾ (( と 1 ヾ ( ( | |XXXXXXXx (( 乂_つノ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ (⌒) ! !XXXXXXXx (/ \★ (__) 。 | |XXXXXXXx そんな彼らが今大会、2002年日韓ワールドカップに出場することとなった。 2大会連続、3回目の出場を決めた。
24 :
:02/11/12 21:25 ID:KtmYQj0k
そして、このデンマークが今大会のキャンプ地を和歌山県に決めた。 和歌山県も例に漏れず他の立候補地と同様に誘致に必死であった。 デンマークへ何度も訪れた。この苦労が実りキャンプ地決定の知らせを受けた。 この一報に和歌山県の関係者は涙したという。 デンマークが 和歌山に決めた理由は ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ´_ゝ`) < 日本のほぼ中心地であり、関空に近いから ( ) 0 \____________________ だった。 (´_`) 。o ○( それだけ・・・?!
25 :
:02/11/12 21:28 ID:ufpKCEcZ
デンマーク、と言っても、どんな国?と普通は思いますよね? 「どこにあるの?」「デンマークのサッカー選手で有名な人は?」と思うでしょう・・・。 デンマークという国の存在自体は知っていても どんな国民性なのか?どのような人種なのか?って普通は誰も知らないものです。 それは和歌山県民のほとんども同じだった。 だから、和歌山の街中ではこんな会話が交わされたという。
26 :
:02/11/12 21:29 ID:ufpKCEcZ
‐―――――――――――┐ ┌――――――――――――――――――――‐ 今度の ワールドカップで | |それは知ってるけど・・・誰か有名な人いるの? デンマークって.国が来る | |イングランドのベッカムとかイタリアの男前集団 らしいけど.知ってた? | |みたいに有名な人いるの? ‐――――v‐――――――┘ └――v―――――――――――――――――― ∧_∧ ∧_∧ ( ・∀・)っ (´∀` ) ( ソ ( ) | | | | | | (__)_) (_(__) ______∧_____________ 知らん・・・。 | だけど世界で有名なんやったら | 一度は 練習見に行こか? |
27 :
:02/11/12 21:30 ID:ufpKCEcZ
デンマークの練習を訪れた人は『この手の会話』がきっかけとなった人たち ばかりであった。最初はいわゆる『野次馬』的な人が多かったのである。 ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂ (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| ========================================= この最初の見学者は数百人程度であった。 しかしこの数字が日々増えていった。
28 :
:02/11/12 21:31 ID:ufpKCEcZ
ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ ノノハヾ ((( )))) ∧,,∧ ∧∧ ∧_∧ ワイワイ ● ●ガヤガヤ (´∀` ) (´∀` )ミ゚Д゚ 彡(´∀` ) (´Д` ) ▼ ( ∧_∧,, ∧_∧ トミ)と( ひ つ > ( ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂ ∧∧ ∧∧ ,、__,、` (・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (゚Д゚ ) (゚ー゚*)(´∀` ) ( )( ) | |)( )(∧_∧ ∧_∧ ● ● ( ) ∧,,∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂(^_^;)> γ⌒ヾ. ミ゚Д゚,,彡'(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (M ) (`∀.´ ) ========================================================= 初日はわずか数百人だった見学者が翌日には2000人、 その翌日には2500人、そのまた翌日には3000人が訪れた。
29 :
:02/11/12 21:33 ID:BwbtCVUQ
この数字が増えた理由には以下のことが一番大きかった。 ワールドカップ出場国のキャンプ地での練習というものは 非公式・非公開が通例なのだ(イングランド、伊、西、ブラジルといった 強豪国はほとんど非公開でした)が、デンマークは違ったのである。 デンマークは、練習初日から全ての練習を公開した。
30 :
:02/11/12 21:34 ID:BwbtCVUQ
さらに練習後には見学に来ていた地元サッカー少年たちを招きいれ 一緒にミニサッカーを行ったりもした。 ∧_∧ ∧_∧ ( ´_ゝ`) ∩_∩ (´<_` ) /■ヾ / つ ノ (´∀`*) ( つ (´∀` ) ) ノ、 ) (っ つ ( ((_ ヾ ( つ (_) し' 、○_ノヾ_) )) (__) `J し'ヾ_) )) ""゙゙゙"""'''''''""""゙゙゙゙゙"""゙゙゙゙゙゙""""''''""""゙゙゙゙"""'''''"""゙゙゙゙゙゙""""""""" サインにも気楽に応じてくれた。 ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧∧_∧ //(ハヽ∂∧∧ ( ´_ゝ`) ∩_∩' ´、ゝ (´∀` )∀・ ) ,、__,、(`∀´ハ|(゚Д゚,,) (っ_φ) ))(´∀`*) づφとーと ) )(´∀`)( )| |)
31 :
:02/11/12 21:36 ID:BwbtCVUQ
そのため、デンマークというチームに対し・・・ ―――――――‐┐ |\_/\∧/\_/\∧/\_/\ 練習どうだった?| > めちゃめちゃフレンドリーで |< 気さくな人たちばかりやで! ―――v――――┘ |/∨\_/\/∨\/\_/\/ ∩_∩ ∧_∧ ∧_∧ ( ´ー`) (・∀・ ) (´∀` ) ( ) と つと つ という評判が口コミで相当広がったともいう。
32 :
:02/11/12 21:37 ID:BwbtCVUQ
ある記者が、デンマークのオルセン監督に聞いた。 ┌――――――――――――――――――――――‐ |他国は、練習を公開しないで試合に備えています。 |デンマークは公開でいいのですか?〔英語〕 └――――――v―――――――――――――――― ∧_∧ 記者 ( 、´_ゝ (´Д`;) ( ) φ( 筆 )、_,
33 :
:02/11/12 21:39 ID:i5gRM6bC
オルセン監督はこう答えた〔英語〕。 ‐―――――――――――――――――――――――――┐ 我々の強さは.練習を秘密にしたところで変わらない。 | 絶対的な自信をもって試合にのぞむだけだ。 | ――――――v―――――――――――――――――――┘ ∧_∧ 記者 ( ̄ー ̄)ニヤリ (Д`; ) オー ( ) ∧ (筆 レ )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 何より、キャンプ地を提供してくれた和歌山の人たちが | 喜んでくれることはどんどんすべきなんだ・・・。 | 試合も大事だが、 この交流も大事にしたいと | 選手全員も言っているよ。 |
34 :
:02/11/12 21:40 ID:i5gRM6bC
このオルセン監督には、来日早々にこんなエピソードもあった。 デンマークチームが来日し、 _ ..::::..:::::::::: /|| ..::::..:::::::::::::: / ̄ヾ___/ :|| ..::::..:::::::::::::::::: ( ―=,ノ=― ..::::..::::::::::::::::::::: ヾ――――┬'┬‐'、___,,イ┬―――' ..::::..::::::::::::::::::::::::::: (_(0)(0) (_(0)(0) キィィン・・・..::::..::::::::::::::. ホテル入りした初日のこと。
35 :
:02/11/12 21:41 ID:i5gRM6bC
ホテルでの歓迎セレモニーを受けた後 再度、宿泊先のホテルの支配人と料理担当のコック長が 監督の部屋へ挨拶に訪れた。 | (´⌒⌒`) コンコン ∧_∧ |____| |(´∀`;,) (・∀・ ;) ((ど〈V〉‐ )、.( |: ̄ )
36 :
:02/11/12 21:42 ID:i5gRM6bC
彼ら、支配人とコック長には一つ聞いておきたいことがあった 彼らには一つ『心配のタネ』があったのである。 ┌――――――――――――┐ | How nice of you to come ! | └―――‐v――――――――┘ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ (丶´_ゝ`( )(` ) ( つと( ) ( ) それは食事の問題であった。
37 :
:02/11/12 21:44 ID:mZ5S3UZ5
ホテル側も選手たちには万全の状態で試合に臨んでほしかった。 食事が口に合わない・・・それが原因ということは避けたかった。 しかし他国の宿泊先ホテルに連絡をとったところ、食事でかなりもめ、 文句を言われたらしかった。 ――――――――――――――――――――――――――――┐ 口に合わない ! 母国の材料で調理してくれ!etc. | ――v――v――――v――――v―――v――v―――v――――‐┘ ∩_∩ ∧_∧ 88888 ∧_∧ ∩_∩ ∧,,∧ ∧_∧ (#゚Д゚)< #´_ゝ`>( ・≧・)( #`∀´)(#´ー`)ミ,,゚Д゚彡( ;・∀・)
38 :
:02/11/12 21:45 ID:mZ5S3UZ5
そこで、支配人は通訳を介して監督に聞いてみた。 ――――――――――――――――――――――――┐ 食事で何かご要望はございませんか? | ――――――‐v―――――――――――――――――┘ ∧_∧ ∧_∧ ( ´∀`;) (;・∀・ ) ( 〈V〉- ) ( |: ̄ )
39 :
:02/11/12 21:46 ID:mZ5S3UZ5
オルセン監督は答えた。 ――――――――――――――――――――――――┐ 一切お任せします。 | そちらが用意される料理を我々はご馳走になります。 | ―‐y――――――――――――――――――――――┘ ! ! ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ )(丶´_ゝ`)(, ;・∀)(´∀`; ) )( ( / ̄ ̄| / ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::|
40 :
:02/11/12 21:49 ID:mZ5S3UZ5
この言葉に驚いた支配人とコック長。 ‐―――――――――――――――――――――――┐ いや・・やはり母国デンマークの食事の方がいいんじゃないでしょうか? | ‐――――――――┬―v――v――――――――――┘ 和歌山をキャンプ地. | に決めたときから. | 食事もお任せしよう、| と私と選手たちは. | .言っていた。 | ―――y―――――┘ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ´∀`)(丶´_ゝ`)(・; )(`; ) 通訳) ( ) ( / ̄ ̄| / ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ::::::::::::! ̄ : :::::::::! __∧________________ 選手も理解している。全てをあなたたちにお任せします 。 |
41 :
:02/11/12 21:52 ID:5HnaSj0f
それでも不安が晴れない支配人がこう続けたところ、 ――――――――――――――――――――――――――┐ あの〜〜他の国とかのホテルにお聞きすると・・・ | 食事はやはり母国のほうが好まれると聞いたものでして・・・。| ――――――‐v―――――――――――――――――――┘ ∧_∧ ∧_∧ ( ´∀`;) (;・∀・ ) ( 〈V〉- ) ( |: ̄ ) オルセン監督はズバリ言った。 ‐―――――――――――――――┐ 他国は他国、我々は我々です。 | ―y――――――――――――――┘ この言葉に支配人は ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ 「ホッとした。滞在中は )(丶´_ゝ`)(, ;・∀)(´∀`; ) ホッ・・・。 無事に過ごせていただ )( ( / ̄ ̄| / ̄ ̄| けると思った。」そうだ。
42 :
:02/11/12 21:53 ID:5HnaSj0f
―――――――――――――――――――┐ 我々は料理をあなたに全てお任せします。 | よろしくお願いします。 | ――‐y――――――――――――――――┘ コチラコソ . ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ )(、´_ゝ`,)(・; )(`; ) )( ( / ̄ ̄| / ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::| __∧_________________ \ ところで、 和歌山で有名な食材は何ですか ? | ‐―――――――――――――――――――┘
43 :
:02/11/12 21:54 ID:5HnaSj0f
コック長は質問の意図がわからなかったが、 ‐――――――――――――――――――――――――――――┐ 和歌山では魚が有名です。 カツオという魚が特に有名です・・・ 。 | ――――――――――――v――――――――――――――――┘ ? ∧_∧ ∧_∧ ( ´∀`;) (;・∀・ ) と答えた。 ( 〈V〉- ) ( |: ̄ )
44 :
:02/11/12 21:55 ID:5HnaSj0f
するとオルセン監督は微笑みながらコック長に言った。 ――――――――――――――――――――――――――――┐ それでは、そのおいしいカツオを我々に食べさせてください。 | あなたが腕をふるって、おいしいカツオを選手たちに | 食べさせてやってください。 | ―――‐y――――――――――――――――――――――――┘ ハ、ハイ! . ∧___∧ ∧_∧ ∧_∧ )(、´、ゝ`)(・; )(`; ) ノ )( ) ( / ̄ ̄| / ̄ ̄| )  ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : ::::::::::| ̄ : :::::::::| ノ ー―――○―――――――――――――――――――――――''
45 :
:02/11/12 21:57 ID:uIQuWBXE
O この言葉にコック長は大変感激していた。 。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (´⌒⌒`) .| 世界の代表監督が、あんないい人 | |____| | だったからね〜〜。 いっぺんで | 記者 ( *・∀・) < デンマークのファンになりましたよ!|(´Д`;) ホゥホゥ ( |: ̄ ) \_________________/((φ_ノ)
46 :
:02/11/12 21:58 ID:uIQuWBXE
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (´⌒⌒`) .| それと | |____| | 最初の食事のときにね・・・ 。 | 記者 ( *・∀・) < |(´Д`;) フンフン 。( |: ̄ ) \_________________/((φ_ノ) O | | | ハ ‐○ー―――――――――――――――――――――――― 、 ⌒ヽ、_
47 :
:02/11/12 21:59 ID:uIQuWBXE
最初の食事を迎えた時、ある選手が通訳に聞いた。 ――――――――――――――――――――――――――┐ デンマークでは 食事するとき 神への祈り を する のだが | 日本では食事始める時に何かするんですか? | ――――‐v―――――――――――――――――――――┘ 彡彡'ミ ∧_∧ ( ´_ゝ`) (` ) ( つ ( 通訳) デンマークは国民の9割がプロテスタント†、(゚д゚)である(福音ルーテル教)。 神への祈りを終えてから食事を始める。 この選手は日本ではこれの代わりに何かするのか?と聞きたかったのである。
48 :
:02/11/12 22:00 ID:uIQuWBXE
答える通訳。 ―――――――――――――――――――――――――┐ 日本でもキリスト教の信者は神に祈ってから食べるけど | 大抵は手を合わせて『いただきます。』と言ってから | 食べます。 | ―――――――‐v―――――――――――――――――┘ 彡彡'ミ ∧_∧ ( ´_ゝ`) (` ) ( つ ( 通訳) すると彼は・・・ ―――――――┐ こうやるの ? | ―――‐v―――┘ 彡彡'ミ ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ´_ゝ`) (` ) < そうそう!その両手を ( ー'゙ー) ( 通訳) | もう少し上に上げて。
49 :
:02/11/12 22:02 ID:i76JyS4N
彼はその姿のまま、コック長の方へ向き頭を下げた。 (´⌒⌒`) 彡彡ミ |____| ((( ´_ゝ∩ Σ (・∀・ *) ( / (「: ̄ ) それを見ていた他の選手たちも彼にならい、手を顔の前で合わせた。 この時から、食事のたびに手を合わせる選手たち。 イタダキマス イタダキマス イタダキマス イタダキマス イタガキマス イタダキマス ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ノ ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人( ´_ゝ人 ノ ー―――○――――――――――――――――――――――― '"
50 :
:02/11/12 22:03 ID:i76JyS4N
ー―――○――――――――――――――――――――――― '" O コック長は言った。 。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ (´⌒⌒`) .| 今の日本人でも『いただきます』を言| |____| | え 無い奴が多いのに、外国の人にさ | 記者 ( *・∀・) < れたら…無茶苦茶嬉しかったですよ。 | (´Д`;) ホゥホゥ ( |: ̄ ) \_________________/((φ_ノ)
51 :
:02/11/12 22:04 ID:i76JyS4N
この最初に手を合わせた選手の名を・・・ 彡彡'ミ ( ´_ゝ`) ( ) ヨン・ダール・トマソンといった。 /FW。代表では9番。 1976年8月29日生・182cm・74kg このトマソン選手。今大会、デンマークを決勝 トーナメントに進出させた立役者である。 今大会前まで、オランダのフェイエノールト・ロッテルダム に所属し(現在ACミラン在籍)、日本代表の小野選手とチームメイトで あったため日本でもある程度名前を知られていた選手である。 彼は少し神経質な面を持ちあわせており、実際酷評する向きもあるが、 非常に心優しい青年だ。
52 :
:02/11/12 22:05 ID:i76JyS4N
あるサイン・握手会でのことである。 デンマークというチームは前述したように 練習を公開した。練習後は地元サッカー少年たちとミニサッカーを行い、 握手会、サイン会もたびたび行った。 あの日も、いつものごとくサイン・握手会が行われた。 気さくなデンマークの選手たちを和歌山県民も好きになった。 選手たちのサインを求め長蛇の列が出来上がっていた。 気軽にサインをするデンマーク選手たち。 ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧∧_∧ //(ハヽ∂∧∧ ( ´_ゝ`) ∧_∧' ´、ゝ (・∀・ )∀` ) /)/)(`∀´ハ|(゚Д゚,,) (っ_φ) ))(´ω`*) づφとーと ) )(´∀`)( ) | |)
53 :
:02/11/12 22:06 ID:DeAWQpMx
もちろんトマソンもその中にいた。 そのトマソンの前にある少年が立った。 彡彡'ミ ∧_∧ ( ´_ゝ`)∧∧ ミ 彡 (φ (`* ) ( ) | | {{( U)}} | | | (__)__)し`J (__)__) 彼はトマソンの前に立ちつつも・・・少しモジモジしていた。 後ろに立っていた母親らしき人が彼を促す。 トマソンも通訳を通じ「どうしたの?」と彼に聞いた。 ? 彡彡'ミ ,∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ´_ゝ`)∧∧ミ 彡 < 早くしなさい。 (φ (`* と ))) \______ | | |と ) | | | (__)__)し`J (__)__)
54 :
:02/11/12 22:07 ID:DeAWQpMx
意を決した少年はポケットから一枚の紙切れを出し、 トマソン選手に渡した。 彡彡'ミ ,∧_∧ ( ´_ゝ`)∧∧ミ 彡 (φ (`* と ))) |サッ(( ーと ) | | | (__)__)し`J (__)__)
55 :
:02/11/12 22:08 ID:DeAWQpMx
その紙切れには英語で・・・ ┌――――――――――――――――――――――――――┐ | ボクは小さいころに、病気にかかって | | 口と耳が不自由です・・・耳は聞こえません、話せません・・・。 | | だけど サッカーだけは ずっと見てきました、 大好きです。 | | デンマークのサンド選手とトマソン選手が好きです。 | | 頑張ってください。 | └――――――――‐‐┬――――――――――――――――┘ 記者 ∧_∧ 彡彡゙ミ | ∧_∧ と書いてあった (;´Д`)(;´д`)( ´_ゝ`) | ∧∧ ミ 彡 (英語の先生に ( 筆)(っ通訳)(_,つー←┘(`* )( ) 書いて貰ったという)。 その手紙に通訳も・・・その場にいた記者も驚いた。 言葉が出なかった・・・。
56 :
:02/11/12 22:10 ID:DeAWQpMx
しかし、トマソン選手はニッコリと微笑み少年に 「それなら君は手話はできますか?」と・・・ 彡彡'ミ ( ´、ゝ`) 手 話 で 語りかけた。 (((_つ と))) ~~~~~ ∧_∧ ∧_∧´д`彡 その『言葉』に驚く少年と母親。 ( ゚д゚*) ) 再度聞くトマソン。 彡彡'ミ ( ´、ゝ`) 「手話はわかりませんか?」 (((_つ と)))
57 :
:02/11/12 22:12 ID:GxF25zXS
ミスタートマソン、手話は | 言語と同じで 各国で | 違うんですよ〔英語〕. | ―――y―――――――┘ 記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧ (;´Д`)( ;´д`)Σ(´<_` ) ∧∧ ミ 彡 ( 筆)(っ通訳) (_つ と) (゚* )( ) 手話を万国共通と思う人が多いのだが、 手話は国によって違う、ましてや日本国内でも地方によって違う。 トマソン選手は通訳にこう言った。
58 :
:02/11/12 22:13 ID:GxF25zXS
――――――――――――――――――――――――┐ ボクは彼と紙で 、文字を通して話をしたいのですが | 手伝ってください 。それと 、後ろの人たちにも彼と | 話す時間をボクにください と 言っておいてください 。 | ――――――――‐v―――――――――――――――┘ 記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧ (;´Д`)( ´∀`)(´<_` ) ∧∧ ミ 彡 ( 筆)(っ通訳)(つ と) (゚* )( )
59 :
:02/11/12 22:17 ID:CDyEvi0A
後ろで順番を待つ人たちは何も文句を言わなかった・・・一言も・・・。 ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧ ∧,,∧ ∧ ∧ ノノハヾ、 ○ノハヾ○ ( ´∀` )( ・∀・ ) (,゚Д゚,) ミ,゚Д゚,彡 (=゚ω゚=) ( ´D` ) ( ‘д‘ ) そして通訳を介し、少年とトマソンの『会話』が始まった。 記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧ (;´Д`)( ´∀`)( ´、ゝ`) ∧∧ミ 彡 ( 筆)(っ通訳)(つ と) (`* )( ) 「( ´、ゝ`) 君はサッカーが好きですか?」 「はい。大好きです。 (´д`*)」 「( ´、ゝ`) そうですか。デンマークを応援してくださいね。」 「はい。あの聞いていいですか? (´д`*)」 「( ´、ゝ`) いいですよ。何でも聞いてください。」 「トマソン選手はどうして手話ができるんですか? 正直、ビックリしました。 (´д`*)」
60 :
:02/11/12 22:18 ID:CDyEvi0A
この少年の質問に彼は答える。 彡彡'ミ 「ボクにも君と同じ試練を持っている姉がいます。 ( ´、ゝ`) その彼女のためにボクは手話を覚えたんですよ。」 (_つ と) ∧∧ その彼の言葉をじっくりと読む少年。 []、(´д`*) そしてトマソンは少年に言った。 彡彡'ミ 「君の試練は君にとって辛いことだと思いますが、 ( ´、ゝ`) 君と同じように君の家族も、その試練を共有しています。 (_つ と) 君は一人ぼっちじゃないという事を理解していますか?」 ∧∧ この言葉に黙ってうなずく少年。 (( (´д`*) コク! 「わかっているなら、オーケー! 彡彡'ミ 誰にも辛いことはあります。君にもボクにも ( ´、ゝ`) そして君のお母さんにも辛いことはあるのです。 (_つ と) それを乗り越える勇気を持ってください。」
61 :
:02/11/12 22:20 ID:CDyEvi0A
そして、トマソンは最後に少年にこう言った 彡彡'ミ 「ボクは今大会で1点は必ず獲ります。 ( ´、ゝ`) その姿を見て、君がこれからの人生を (_9 ) 頑張れるようにボクは祈っておきます。」 この言葉に ∧∧ (´∀`*) ニコ! この少年は初めて笑顔を浮かべた。 ∧∧ 「はい!応援しますから、 (´∀`*) 頑張ってください。」 そして、トマソン選手にサインをもらい、 彡彡'ミ ( ´、ゝ ∧∧ ( づと(∀`*)、 少年と母親は、その場をあとにした。
62 :
:02/11/12 22:21 ID:CDyEvi0A
母親は目に涙を浮かべ、取材する記者に向かって ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 記者 ミ;´∀∩彡 < あんなことされたらデンマークを応援しないわけ (;´Д`)( ) | にはいかないですよ。日本と試合することになっても、 (φ筆) ||| ! 私らはデンマークを応援しますよ。 涙を流し、笑いながら言った・・・。 そして、このトマソン・・・少年との約束を守り、 試合での得点を決めた。 1点どころか、彼は4得点という大活躍だった。
63 :
:02/11/12 22:22 ID:i5gRM6bC
1次リーグ、フランスという前回覇者と同じA組だったデンマーク。 その試合会場が韓国であろうとも 彼ら和歌山県民は 応援に駆けつけた。 \ ガンガレー デンマーク!! ヾ ダニッシュダイナマイト!! ガンガレー ! ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧Xノ ハヘ X //(ハヽ ∂ ∧∧ ∧∧ ,、__,、 ヾ (・∀・ ヾ(´∀` ヾ(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ|ヾ(゚Д゚,,)ヾ(゚ー゚*)(´∀` ) ( )( | | ( )(∧_∧ ∧_∧ ● ● ( ) ∧,,∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂(^_^;)> γ⌒ヾ. ミ゚Д゚,,彡'(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (M ) (`∀.´ )
64 :
:02/11/12 22:23 ID:i5gRM6bC
オルセン監督は言った。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧_∧ / 試合会場が韓国であっても、和歌山の応援 (、´、ゝ`) < はわかった。あれが我々の力になった。 ( ) \____________________ 結局デンマークは2勝1分け(勝ち点7)。 見事A組1位通過を決めたのである。
65 :
:02/11/12 22:25 ID:i5gRM6bC
そして、決勝トーナメント1回戦。
場所は新潟スタジアム・ビッグスワン、
対戦相手はあのベッカム率いるイングランドであった。
スタンドからは「ベッカム!!!!」という声が至るところから響いていた。
http://fifaworldcup.yahoo.com/jp/020616/2/cx8.html ここでも和歌山県民はデンマークを応援し続けた。
♪♪ダニッシュダイナマイト ♪♪ベカ‐ム何する者ぞ ♪♪俄かEnglandファンを黙らせろ
記者 記者 記者
(;´Д`)ノ⌒ )) (( ⌒ヾ(´Д`;) (;´Д`)ノ⌒ ))
┌( 筆へ) )) (( (へ筆 )へ )) (( ┌( 筆へ) ))
(( く > )) (( く
66 :
:02/11/12 22:26 ID:i5gRM6bC
♪♪頼むぞデンマーク ・・・アア・・・ ・・・もうだめぽ(前半で0-3)。 記者 記者 (( ⌒ヾ(´Д`;) (´Д`;)ゞ 記者 (( (へ筆 )へ )) /( 筆 ) ヾ(´Д`;)、 > )) ( ハ ノ Z乙 ・・・和歌山県民の想いは通じなかった。 デンマークはイングランドに0−3という予想外のスコアで敗れてしまった。 その日、和歌山県にも雨が降ったという。 涙雨だったのかもしれない・・・。
67 :
:02/11/12 22:27 ID:b6CoIuwS
負けはしたが、和歌山県民はデンマークというチームを誇りに思っていた。 「よく頑張った!」「後は快く母国に帰ってもらおう!」と 『デンマークお疲れさま!会』なるものが宿泊先のホテルで行われた。 会場にはあふれんばかりの県民が駆けつけた。 その催しにオルセン監督以下選手たちも全員出席した。 あのトマソンもその場にいた。 そこでトマソンは『あの少年』を見つけた。 例によってトマソンは少年に対し『紙』で語りかけた。 記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧ (;´Д`)( ´∀`)( ´、ゝ`) ∧∧ミ 彡 ( 筆)(っ通訳)(つ と) (`* )( ) 「( ´、ゝ`) せっかく応援してくれたのに負けてゴメンね。」 「お疲れ様でした。負けたけどカッコよかったです。 それに約束どおり点を獲ってくれたからボクは 嬉しかったです。 (´∀`*) 」 「( ´、ゝ`) ありがとう。」
68 :
:02/11/12 22:28 ID:b6CoIuwS
そして、この少年にトマソンは言った 「( ´、ゝ`) ボクから君に言える言葉はこれが最後です。 よく聞いてください。」 「はい。 (´∀`*)」 「( ´、ゝ`) 君には前にも言ったとおり、試練が与えられている。 それは神様が決めたことであり、今からは変えられない。 ボクが言いたいことわかりますか?」 「はい。 (´∀`*)」 「( ´、ゝ`) 神様は君に試練を与えたけど、 君にも必ずゴールを決めるチャンスをくれるはずです・・・。 そのチャンスを君は逃さず、ちゃんとゴールを決めてください。」 少年はこの言葉に喜色満面の笑みを浮かべて ゙ ∧∧ " - (´∀`*) - 「はい。」 と答えた。
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:02/11/12 22:32 ID:b6CoIuwS
そして2人は・・・ 「( ´、ゝ`) 「 (´∀`*) さようなら」 頑張って」 という言葉をそれぞれ残し別れを告げた。 最後に2人は仲良く写真におさまった。 ┌――――――――――――┐ |┌――――――――――┐| || 彡彡'ミ || || ( ´、ゝ` ) ∧ ∧ ゙゙||飛びっきりの笑顔を浮かべ || ( )( ´∀` )゙ ||ファインダーにおさまる2人。 || | | |( ) || || (__I__) し''` J || |└――――――――――┘| └――――――――――――┘ この写真は少年の宝物になることだろう。 トマソンに出会ったことによって少年は『前へ進む』に違いない・・・。 小さな少年、心優しきトマソンに これからも栄光あれ。。。