トヨタのGOAって見かけ倒しのへなちょっこ

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551名無しさん@そうだドライブへ行こう
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雑誌・新聞名: AutoBild 32/1999(08月13日)
タイトル:Ganz schon angeeckt ( すごい衝突/すごくご機嫌をそこねる)
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スモールカー・クラッシュテスト: 64km/h の衝突結果は?

車の世界は狂っている。現在ではスモールカーの方が、大きな車よりも安全になっている。
というのも、出来立てのスモールカーを中古のミドルクラス車と比較すると、
スモールカーの方が剛性が強く、抑止システム(ベルト) が益々効率的になっているからだ。

にもかかわらず自動車メーカーは(神経)過敏になっている。ヨーロッパでは絶えず、
全クラスのクラッシュテストが行われ、本誌と TUV ラインランドが共同してスモールカーの
クラッシュテストを行うという報も気になるからだ。というのも、本誌テストでは
スモールカーに荷物が積まれ、後部座席にもダミーが乗る。こうしなければ、後部座席乗員の
延命チャンスが計算できるという考慮からである。

それゆえ、本誌の99年度スモールカー・クラッシュテストに対しメーカーが非常に消極的で
あったのも当然である。だがトヨタは別であった。二人の日本人エンジニアが本誌テスト前に
自信をもって同社のテスト結果を本誌に提出した。「AutoBild のクラッシュテストは全く
不要だ。(自分たちの) ビデオがそれを証拠だてている」が同社のメッセージであった。

(ビデオの) 第一印象は素晴らしかった。トヨタは Yaris のために宿題をうまくやりとげた。
ボディーは模範的に折れ曲がり、エアバックも適時に点火した。ベルト・システムは完璧に
稼働し、身体への負荷も僅かで、ドライバー側のドアも簡単に開けられた... 。

だが、TUV ラインランドのクラッシュ・コースで明らかになった現実は違っていた。
本誌は、(他のモデル同様) 無作為抽出した車を成形可能なアルミ・バリアに 64 km/hの車速で
ぶつけるテスト( ドライバー側 40% オフセット) を実施した。

劇的な最後を伴う、非常に短いドライブだ。このテストで Yarisのボディーがつぶれ、
エンジニアの顔も歪んだ。以下、車の世界の出来事をお読み頂き、ご機嫌をそこねたメーカー、
喜んだメーカーが誰だかご覧願いたい。
552名無しさん@そうだドライブへ行こう:2001/08/05(日) 22:03
トヨタ Yaris
誰も想像しなかったことだ。最新の開発モデルが旧態依然たる結果となった。衝突により乗員室が完全に
崩壊し、このスモールカーは 51.5cm 縮小した。 A-ピラーが大きく後ろに移動し、その際サイドシルを
下側に曲げ、フロント・ガラス領域で A-ピラーが何度も折れ曲がった。

ダミーを車から救出するのに、重工具でドアをこじ開けなければならなかった。
インパネが剥がれ、ステアリングコラムが室内に移動し、シートが前方に倒れたが、ドライバーの
延命スペースはまだ残っていた。だがドライバーは点火キーに膝を激しくぶつけている。
脚の保護の方がうまく行われてた。衝突時にペダル類が少し後方にずれ、そのため負傷リスクが
低減されたためだ。その代わり後部座席乗員の頭部、首に大きな負荷がかかった。衝突時に上半身が
ずっと前方に沈み、最後には頭部が膝に激しくぶつかった。

その後ダミーは非常に強力に揺れ戻り、首が非常に危険な状態で後方に伸びた。後頭部が天井に
ぶつかるほどの激しさである。こうなると、後部座席背もたれが荷物の荷重に耐えたのも、小さな
慰めでしかない。

【写真説明】
○衝突でドアがロックしてしまい、こじり棒なしには開かなかった。
○乗員室の最後。すべての安全性リザーブが使い果たされている。曲がった A-ピラー、進入して来た
 エンジン・ボンネットによりウインドシールドが破壊され、危険な破片が(霧のように) 舞い上がった。
○屑鉄の山。左側サイドレールは剛性が強いので、槍のようにそびえ立った。
○真っ二つに割れる。上部ドア・フレームが全長にわたり外側に外れた。
553名無しさん@そうだドライブへ行こう:2001/08/05(日) 22:03
V W ルポ
ルポはセアット Arosa と同じ構造の車である。既に昨年 Arosa のクラッシュテストをしているので、
ルポのクラッシュ結果も同様であるはずである。それではなぜ、手間ひまをかけてクラッシュテストを
再度行うのか?

答えは全く簡単で、セアットの方が(1050DM)安いので、安全性も少ないかも知れないからだ。
ちなみに、Arosa のテスト結果は良かったが、ルポの方が更に良かった。特にドライバーの頭部負荷値の
少ないことが目立った。これはサイズの大きいエアバックを装備した結果である( 容量:60 l。Arosa: 35 l) 。

ドライバー左脚の負傷リスク低減はフロントエンドの剛性を更に増大した結果で、これは将来、出力の
大きなエンジン( 最大:125 PS ) 、重量の大きなギアを搭載することに備えての措置であった。
VW は、Arosa にも同様に措置を実施する旨約束している。あらゆる保護措置にもかかわらず、ルポの
弱点は依然として後部座席乗員の負傷リスクであった。( 現在では標準装備になっている)

ヘッドレストの効果も僅かであった。頭部が揺れ戻しの折に、ヘッドレストとヘッドレストの間に
滑り込んでしまったためだ。胸部への負荷はこれよりも更にひどく、衝突時に短時間 5.2cm 押しつぶされた。
既に 5 cm で最大の苦痛限界に達しているというのがバイオ・メカニック専門家の見解である。

【写真説明】
○エアバックは、完全に膨らむまでに長い時間を要する。舞い上がる煙はセンセーシナルな印象を与えるが、
 全く危険はない。
○ウインドシールドから後部の状況は良好である。ドライバー・シートが前方に沈むのは VW の特徴だが、
 負傷リスクには大きな影響はない。
○ Arosa と異なり、ルポにはサイズの大きなエアバックが取り付けられ、このため斜め方向からの
 衝突に対する保護作用も大きい。カラーでマークしたのは、分析評価をやりやすくするため。
554名無しさん@そうだドライブへ行こう:2001/08/05(日) 22:04
ダイハツ・クオレ

6年前に最初のクオレのクラッシュテストを行った時の本誌のレジュメは: 「どん底」であった。
今回の真新しい( 全長 3.41 m の) クオレに対する評価は当時ほど過酷ではないが、だがこの車の
クラッシュ挙動が説得力をもつようになったわけでは全くない。乗員室が大きく曲がり、 A-ピラーが
6.5cm ドライバー方向に移動し、ウインド・フレーム、ルーフが上方に押し曲げられた。同時に
B-ピラーの上部が折れ曲がった。

外側からの大きな衝撃により、インパネが 14.8cm 室内に進入し、ハンドルも 11.3 cm室内に入り込んだ。
安全性リザーブはすべて使い果たされ、ドライバー・ダミーは歪んだシートの側面にひっかかっていた。
エアバックが装備されているのに、頭部、胸部の負荷数値は高く、現実の事故では重傷につながると
考えられる。後部座席ダミーの状況はもっとひどく、上半身がずっと前方にはじき飛ばされ、
フロント・シート背もたれを押しつけ、胸部が脚にぶつかっていた。ほぼ同時にトランクルームから
18 kgの木製ブロックが(分離式)背もたれにぶつかり、(西部劇の酒場のドアを開けるように)両側に開いた。
(背もたれの) 固定部が破壊されていた。

【写真説明】
○フロントエンドの押しつぶされた部分は 28.6cmだけだった。それ以降は剛性が強く、アルミ・バリアが
 スティールの車台まで進入していた。
○揺れ返しで、ダミーの頭部が外側のドア方向に回転し、最後に後部ピラーにぶつかった。
 本当の事故では側面ウインド・ガラスが割れて、負傷リスクが増大すると予想される。
○荷物の衝撃が非常に強力で、(後部座席背もたれの) 床固定部が破壊された。
○右ひざがステアリングコラムの被膜部を破壊。鋭い端面による負傷の危険。
555名無しさん@そうだドライブへ行こう:2001/08/05(日) 22:04
ホンダ・ロゴ

設計的には、今回テストした日本車三台の中で一番古い車である。というのも、ドイツで上市される
三年前から日本の道路を走っているからだ。このため、「この車は現行のクラッシュ要件を
満たせるだろうか?」という疑問がわいたが、このクラッシュテストで、こうした疑問は全くなくなった。
戦車のようにアルミ・ブロックを押しつぶし、フロントエンドが約 50 cm押しつぶされたからだ。

乗員室は衝突の衝撃に予想に反して良く耐え、延命空間が保持された。
A-ピラーの後部移動はたった 2.5cm。ドライバー側ドアは容易に手で開けられた。ダミーはおとなしく
自分の席にとどまり、インパネ、ハンドルもほとんどそのままの位置を保った。
パネルの一部が剥がれ、鋭い端面が露出した箇所もあったが、ベルトテンショナー及びベルト力リミター(前)
のお陰で、ダミー負荷値も限界内にとどまっていた。危険領域(赤い数値)に入った(ダミー)測定部位は
皆無であった。それでもペダル類が 10.7cm 室内に進入した。特にブレーキ・ペダルが大きく曲がり、
弓なりになって脚にぶつかる危険があった。

【写真説明】
○背もたれについたカラーが後部座席ダミーの膝が激しくぶつかった跡を残している。
 助手席側に乗員が乗っていたら、背中に苦痛を伴う衝撃が加わった所である。
○ロゴはタフガイ。ウインドピラーも、ドア・シルも変形していない。後部座席ダミーが、ベルトを
 装着しているのに、後部座席背もたれにぶつかっている様子が見える。
○原形をとどめないほど変形。フロントエンドは広い面積にわたり対抗車のエネルギーを
 受けとめるように設計されている。衝突の結果、脚スペースが 30 % 縮小した。
556名無しさん@そうだドライブへ行こう:2001/08/05(日) 22:04
・【結論】・・・
昨年10月に行ったスモールカー・クラッシュテストにも全く同じクラッシュ要件を
適用したため、今回の結果との直接比較が可能となった。これにより明確な順位が決定された。

まず、ドライバー安全性についてはルポがトップ。これにスマート、Arosa が続く。
中位はロゴ、Yaris 、Twingo が占め、この後ろに Matiz 、Sirion、クオレが続いた。

これに、後部座席乗員の安全性を加えると(スマートは二人乗りなので対象外) 、ルポが
そのまま一位を守り、二位は意外にも「モデル歴の長い」ホンダ・ロゴが占め、これに Arosa が続いた。
四位は Matizだが、この車の後部座席は一番安全である。

これに Yaris、 Twingo 、ダイハツ クオレ、Sirion が続く。
すべての車に共通していることは、後部座席乗員の保護はまだ最善とは言えないことである。
ベルトテンショナー、ベルト力リミターを装備すれば、大きな効果が得られるはずである。
557名無しさん@そうだドライブへ行こう:2001/08/05(日) 22:04
トヨタのコメント
Yaris がこのクラスの安全性でトップレベルに達成していることを確信しているのでテスト結果に
驚いている。特に、ボディーの若干の変形箇所及び個々のダミー数値が自社テスト結果と食い違っている。
万一、設計変更が必要であることが分かった場合には、なるべく早期に量産に組み入れる。

ダイハツのコメント
ニュー・クオレの乗員室は旧モデルに比べずっと剛性を強くとり、大きなクルマとの比較にも
耐えられるものである。クラッシュ後に重要なのは、同乗者が避難出来、外からの救助が出来ることだが、
(クオレでは)ドライバー側のドアを開け、問題なく出来る。