No.429 BMWのオイル劣化センサーの機能について
BMW、BENZのオイルセンサーの機能について、分かりやすく説明します。
完全に調査したわけではないので、幾分推定の部分もありますが、ご容赦下さい。
オイルの劣化は主として酸化によるものであり、酸化劣化を対象にセンサーが機能する仕掛けになっています。
オイルの酸化劣化による寿命(スラッジ・ワニスが堆積し、粘度が増加し、ピストンなどの摺動部分の摩耗が大きくなり、ゴムシールを
攻撃するようになり始める時間)は、一般に10℃上昇する毎に1/2となります。
従って、エンジンオイルの温度を常時検出し、それをコンピューターで次のように積算します。
100℃で600時間の寿命とすると、100℃で1時間走行したらオイルは1/600だけ寿命が縮まります。90℃であれば、1,200時間となるので、
90℃で1時間走行すれば、1/1,200だけ寿命が縮まるわけです。
100℃と90℃で1時間ずつ走行すれば、寿命は1/600+1/1,200=3/1,200だけ縮まるのです。寿命の縮まりが1になったところで、オイル交換が必要となります。
このようにコンピューターは常時エンジンのオイル温度を検出しながら、その時間経過に応じて、寿命の縮まりを計算し、積算しています。
その他、エンジンの負荷(回転速度、トルク)を検出し、それによって若干の修正を加えていますが、影響は少ないと思って結構です。
注意したいことは、寿命が温度の上昇によって、指数関数的に縮まるので、例えば、140℃で75時間、160℃だと19時間になってしまい、
あっという間に寿命が尽きるということです。
従って、急加速・急減速の連続、超高速連続走行(160k/h以上)、冷却水の不足、オイルの不足(ポンプが圧送しなくなる)などによって、
オイルは急速に劣化しますが、通常運転では、100℃程度以上にはならず、1.5万kmは充分劣化無しで走行できるのです。
また、常温(30℃)では76,800時間(約9年)の寿命であり、走行もしていないのに、1年間で交換する必要はないことが分かります。
http://www5.tok2.com/home2/littlebraver/st-oil.html