>>704,
>>707,
>>749 いわゆる「暴走族」だけでなく、スーツを着た普通の中年の男性や、
別に見た目も「ヤンキー」に見えない地味な若者まで、そういうバイクに乗っていたりする。
僕は現在埼玉県に住んでいるが、散歩をしていると、実に頻繁に騒音バイクに出くわし不愉快になる。
不正改造は法に触れるはずだが、警察署の横を、彼らはなぜか平然と通り過ぎていく。
もっとしっかり取り締まれと言いたい。
「大きな音は格好いい」「ストレス解消」と思っているのだろう。だが本当は、彼らは「寂しがり屋」なのだと思う。
間違いなく、他人を意識している。「注目されたい、この音で皆僕を見るだろう。お願い僕を見て」という複雑な
内面の心理が、 ここにはある。
暴走族、非行の根幹にも寂しさが、悪事をして誰かに相手にされたいという願望があるのは、広く知られている。
彼らもそれに似ている。
これから騒音バイクを見かけたら「あの人は寂しがり屋なんだ」と同情の眼差(まなざ)しで見るといい。
そして騒音バイクに乗っている人も、皆から迷惑でうるさいと思われるのに加え、寂しがり屋とも思われるのだから、
いい大人がみっともないので、もういい加減止めた方がいい。
自動車の窓を開け音楽を大音量で流して走るのも同様だ。
これも別に若者的な格好いい行為ではなく、
「クールな音楽を聴きながら運転してる僕を見て」という気取り屋の寂しがり屋である。
迷惑な顔をすると彼らは注目されてると勘違いし馬鹿みたいに喜ぶので、
憐憫(れんびん)の眼差しで見ることをお勧めする。(作家・中村文則)