ある知人(女)の話。
以前、知人の親父さんが、新車でR34を買った。
納車当日、家までディーラーの営業さんが届けてくれる様に手配した。
当日の昼間は、親父さんは仕事の為に不在、家には知人と、その母親がいた。
その日の朝、親父さんは「いいか、お前ら!絶対に納車された
車を運転するなよ!絶対だからな!」
とキツく言い聞かせたそうな。
と言うのも、この知人&母親、過去に二度に渡り、親父さんが
買った新車を納車当日に勝手に運転→事故という事をやってるからだ。
親父さんが心配するのも無理は無い。
自分は、そんなに心配なら、自分でディーラーに取りに行けば良いのに、
と思うんだが、仕事の都合やらで、そうもいかないらしい。
で、ついに営業さんが運転する新車のR34が家にやって来た。
営業さんは、車庫入れして鍵を母親に渡す。
そして別の営業さんが運転する車に乗って帰っていった。
暫くして母親が知人に「ドライブ行こうか!?」と誘う。
「えっ!?でも…」と戸惑う知人。
親父さんにキツく言われている。運転するな、と。
しかし母親は「そこら辺を少し走って戻ってくれば大丈夫だよ。
バレないし、近くなら事故らないって!」と説得。
結局、二人は親父さんの言いつけを破り、R34に乗って自宅を後にしたのだった。
しかし、原因はよく分からないが、家から少しした所に
ある田んぼに見事ダイブしてしまった。
もはや、この家族においては通例である。
近所の人が何事だとゾロゾロ集まり、かなり恥ずかしかったらしい。
そして近所の人々の力によってR34は田んぼから引き上げられた。
本人達は無傷だったが、R34は全身ボコボコ。
自走は可能だったので、なんとか帰宅した。
そして夜になり、親父さん帰宅。彼の表情はワクワクしていた。
「おう、納車されたんだろ?ちょっと見てくるよ!」
ガレージに浮かれ足で向かう親父さん。
知人と母親は「ああ…お父さん、いっちゃった…」と思ったそうな。
そしてガレージの方から悲鳴がした。
「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
親父さんの声だ。
この時、彼は一気に天国から地獄に落ちた気分だったに違い無い。
しかし、本当の地獄はこの後だった。
保険の正式な(?)加入が完了してなかったらしく、車両保険が
適用できないと営業さんから言われたそうな…
合掌。