>>72 >高粘度オイルでトルクフルってなぜ?
>高粘度オイルじゃないとパワー出ないって、なぜ?
粘度と出力(トルク)は密接な関係にある。粘度がある一定レベルより下がると、
高回転高負荷領域でブローバイの量が急激に上昇し、目標出力を達成できなくなる。
また粘度が高すぎると、粘性抵抗が増えこれもまたパワーロスとなる。
用は粘性抵抗とブローバイによるロスのバランスが大切である。
最適粘度というのは、エンジンの設計や走行距離によって変わってくるが、
仮にあるエンジンが30番のオイルを使っていたとして、急激にブローバイが増加し始める温度が
油温100℃だったとすると、40番のオイルでは115℃程度となり、50番のオイルでは130℃程度となる。
通常ノーマル車両で全負荷運転に於いては、オイルクーラー等を装着しない限り、油温は短時間で上昇し
オイルパンの温度でも120℃を超える程になるが、30番程度のオイルではその温度では
油膜が薄くなりすぎて想定した出力を達成できない可能性が多くなる。
仮にレース用マシンのように油温をある程度管理できる場合は、低粘度オイルも使用可能だが、それでもスプリントレースに限る。
耐久レースでは低粘度を使用するケースはほとんどない。ブローのリスクが高いからである。
油温を低く抑えることができても、燃料希釈を抑えるのは難しいからである。
>オイルの熱ダレってなに?
オイルに含まれているポリマーは高温高圧で破壊されやすい。通常は油温が120〜130℃程度まで上昇すると
ポリマーは破壊されやすい状況となる。
そこにせん断圧力が加われば簡単に破壊されてしまう。
またオイルは高温で酸化する。オイルは高温、高圧で分解すると分子量が低下し粘度低下したり、
引火点が下がったり、酸素と結びついて重合、増粘したり様々な弊害が出てくる。