【中級】カーオーディオ好き集え!その40【上級?】

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Keyword: 商品企画 企業・市場動向
http://techon.nikkeibp.co.jp/rcolumn/DM_COLUMN_LEAF/20050714/106759/
 ホンダが2004年に発売した新型ミニバンの「エディックス」。フロント3人分の独立したシートを持つ革新
的なミニバンであったが、その先進性が災いしてか、販売はあまり芳しくはない。今回、そのフロント3人分
の独立したシートの特徴を最大限に生かすべく、オーディオ用に最適化をさせた特別仕様車で、巻き返
しを図る。
といっても、高級なオーディオブランドを取り付けましたといった生易しいものではない。なんと運転席を真
ん中に持ってきてしまったのだ。ステアリングが中央にある車は、ミゼットやマクラーレンといったかなり特
殊な車を除けば世界初。


何故運転席を真ん中に?
 車で良い音でオーディオを楽しむのに最大のネックはリスニングポイントが右側に寄ってる(右ハンドルの
場合)事というのは、オーディオマニアの間では常識化している。左右のスピーカーに角度差があり音質が
左右で異なってくる、スピーカーからの距離差が到達音に左右で時間差を持たせるため、音の位相(音の
波)が揃わなくなり音が悪くなってしまう。時間差は数百分の1秒というわずかなものだが、遅れの時間は周
波数の逆数、数百ヘルツ以上の音を乱してしまうのでこれはただ事ではない。
 高級なカーオーディオでは、わざわざ遅延回路を設けて左右に時間差を持たせるものもあるという。それ
程マニアの世界は厳しく、常人には理解しがたい世界である。
そこでホンダは運転席を真ん中に持ってくればそんな問題が一挙に解決するだろうと考えた。なによりこれ
に最適な車がある。真ん中にシートを持つエディックスだ。これなら最小限の改造で済むはずだという事で
開発が許可された。
 ペダル類はロッドを手直し、ステアリングはシャフト軸をセンターに向くようにしてセンターハンドルを
実現した。
これがエディックス?
顔は確かにエディックスではあるが、ボンネットとフロントフェンダーを除けば別物Aピラーから後はなん
と、木製で出来ている。
シャーシにはコンクリートが流し込まれ、上部はカーボンフレームの骨格で、桧の削り出しをボディとし
て使い、木工用の防水塗料を何層にも塗り返している。


室内に入ると、そこはまるでログハウス、全体が木製。ドアはリアゲートのみで、ここから出入りする。
フロントには、3人分のシートが並んでいるはずなのに、真ん中に一人分のシートがあるのみ。運転席後
方左右に椅子がある三座になっている。何より三座とも木の切り株が据え付けられており、背もたれも木
の削り出しで作られる。シートポジションはステアリングとペダルを前後に動かすことにより調整する。
左右のシートがあると音響特性が乱れ、柔らかい内装だとしっかりした反射が返ってこない。リスナーの
廻りには可能な限り広い空間が必要だということで、このレイアウトになった。
一般の人にはオーディオは高級な機材からいい音を出すと考えがちだが、実際にはこういった剛性アッ
プや内装の材質、リスニングポイントなどが非常大きなウエイトを占めるということである。
スピーカーは最新の音響理論といわれる、タイムドメイン理論に基づいた、左右に床から2本伸びたスピー
カーが煙突のよう。後ろにも2本置いてある4スピーカー。
木で作られた室内に、大きく広がる美しい音は、いままでのどのカーオーディオも為し得なかった、伸びや
かで柔らかであった。
音楽と音響に聴き入ってしまい、ここが車の中だったことなどすっかり忘れてしまっていた自分に気がつい
た。まさしく究極のカーオーディオ、いやこれぞ最高のオーディオと言っておこう。