【中級】カーオーディオ好き集え!その38【上級?】

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5ホンダエディックス,オーディオマニア向けの特別仕様車を発売
Keyword: 商品企画 企業・市場動向
http://techon.nikkeibp.co.jp/rcolumn/DM_COLUMN_LEAF/20050714/106759/
 ホンダが2004年に発売した新型ミニバンの「エディックス」。フロント3人分の独立したシートを持つ革新
的なミニバンであったが、その先進性が災いしてか、販売はあまり芳しくはない。今回、そのフロント3人分
の独立したシートの特徴を最大限に生かすべく、オーディオ用に最適化をさせた特別仕様車で、巻き返
しを図る。
といっても、高級なオーディオブランドを取り付けましたといった生易しいものではない。なんと運転席を真
ん中に持ってきてしまったのだ。ステアリングが中央にある車は、ミゼットやマクラーレンといったかなり特
殊な車を除けば世界初。


何故運転席を真ん中に?
 車で良い音でオーディオを楽しむのに最大のネックはリスニングポイントが右側に寄ってる(右ハンドルの
場合)事というのは、オーディオマニアの間では常識化している。左右のスピーカーに角度差があり音質が
左右で異なってくる、スピーカーからの距離差が到達音に左右で時間差を持たせるため、音の位相(音の
波)が揃わなくなり音が悪くなってしまう。時間差は数百分の1秒というわずかなものだが、遅れの時間は周
波数の逆数、数百ヘルツ以上の音を乱してしまうのでこれはただ事ではない。
 高級なカーオーディオでは、わざわざ遅延回路を設けて左右に時間差を持たせるものもあるという。それ
程マニアの世界は厳しく、常人には理解しがたい世界である。
そこでホンダは運転席を真ん中に持ってくればそんな問題が一挙に解決するだろうと考えた。なによりこれ
に最適な車がある。真ん中にシートを持つエディックスだ。これなら最小限の改造で済むはずだという事で
開発が許可された。
 ペダル類はロッドを手直し、ステアリングはシャフト軸をセンターに向くようにしてセンターハンドルを
実現した。
6ホンダエディックス,オーディオマニア向けの特別仕様車を発売:2005/12/03(土) 08:47:08 ID:5MS+Yt4d0
室内に入ると驚く。3人分のシートが並んでいるはずなのに、真ん中に一人分のシートがあるのみ。運転席後
方左右に椅子がある三座になっている。何より三座とも木の切り株が据え付けられており、背もたれも木の
削り出しで作られる。シートポジションはステアリングとペダルを前後に動かすことにより調整する。
左右のシートがあると音響特性が乱れ、柔らかい内装だとしっかりした反射が返ってこない。リスナーの廻
りには可能な限り広い空間が必要だということで、このレイアウトになった。
床にはコンクリートが流し込まれ、左右ドアと天井はヒノキの削り出し板が貼り付けられる。
全てのドアは溶接されリアゲートから出入りすることとなる。非常にボディ剛性が上がってハンドリングに
も大きな影響を与えているものと思われる。
一般の人にはオーディオは高級な機材からいい音を出すと考えがちだが、実際にはこういった剛性アップや
内装の材質、リスニングポイントなどが非常大きなウエイトを占めるということである。

ダッシュボードもセンターにあるメーターやシフトシイッチなどは見覚えのあるものだが、ダッシュボード
自体木製で作り直されメーターの左右にツーウェイのスピーカーが付く。内部はバックロードホンと呼ばれ
る複雑な音道を持つタイプで、小口径のスピーカーから出ているとは信じられない重低音と大音量が出てき
て驚く。

車を動かしてみたが、固い切り株のシートを意識して、サスペンションはソフト、特にハーシュネスを巧み
に取り除いてあり思ったより快適である。何よりコンクリートで固めたフロア、溶接された左右のドアによ
る恐るべき剛性感はレーシングカーのそれを上回り、正確無比なハンドリングには驚かされる。静かさもセ
ルシオのそれとは違った、まるで地下室のような静かさがオーディオの音質を際立たせる。


ホンダはどの車にも負けないカーオーディオを作ったと自信を見せる。
この車が出ることにより、どちらかといえばキワモノ扱いであったカーオーディオも、一般的なオーディオ
マニアにとっても、本格的なオーディオとして認められることになるであろう。