http://www.yano.co.jp/pdf/press/051102.pdf によると、欧州主要5カ国の
ディーゼル乗用車比率は 51.4パーセント、台数にして 600万台の規模に達している。
この大量のディーゼル車に対し、バイオ燃料混合 5パーセントのシミュレーションをしてみよう。
ディーゼル車として欧州での小型車傾向を考慮し、ディーゼル大国フランス・ルノーの
小型車 Renault Megane 1.5L Diesel を選択する。このクルマのCO2排出は 120g/Kmだ。
600万台では 720トン/kmになる。
バイオ燃料の混合比 5パーセントに係数 0.8 を掛けた値が削減比になると仮定すると、
600万台で得られるCO2削減効果は 28.8トン/km になる。
この世界にハイブリッド車の代表プリウスを持ち込み、Meganeから乗り換える場合を考える。
プリウスの CO2排出は 104g/Km だ。
プリウスへの乗換えが 20万台とすると、乗り換えによる削減量は 3.2トン/km になる。
バイオ燃料の削減量は 28.8トン/km であった。その差は 8.7倍程度ある。
そしてプリウスへの乗換えが 139万台という、欧州での実績からかけ離れた台数となるとき、
ようやくバイオ燃料 5パーセント混合と同等の削減効果が得られる。
国策あるいはEUのようにもっと大きな連合の策を考えるとき、どちらを優先すべきかは自明だろう。
数百万台単位のハイブリッド車を普及させるよりは、バイオ燃料の混合の方が容易であり、
これは既に複数の国で果たされている。
ハイブリッド車はそれを選択しなければ効果が得られない。しかしバイオ燃料は全てのディーゼル車、
ガソリン車で確実に効果を出すことができる。日本も検討を急ぐべきだ。