ADAC motorwelt 3/2004
Schaltung oder Automatik (マニュアルかオートマチックか)
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シフトチェンジ方式に新しい動きが見られ、若干のメーカーがマニュアルギアに対する
興味深い選択肢を提供している。本誌はこれらのシステムのテストを行い、こうした
新しい技術がどんなドライバーに有益か調べてみた。
「ちょと多めですが、かまいませんか?」 ------- 肉屋では大抵の場合、
アクセプトされる質問だが、多数のドイツ人ドライバーにとりオートマチックを
追加装備することはタブーだ。
勿論、1000〜2000ユーロという追加価格がびっくりさせる要因になっていることは
確かだが、こうした快適用品の普及を妨げているのは深く根づいた先入観である:
「オートマチックはぐずぐず走る人のためのもので、無用の長物」、
「ガソリンもがぶ飲みする」。
このため、そもそも自動シフト、ダイレクトシフトギア、無段CTV-ギアについての
話をする前に、お手上げ状態となる。
だが、こうした先入観には現実の根拠があるのか? 種々のオートマチック・
トランスミッションの機能の仕方については31ページの囲み記事で紹介したが、本誌の
眼目は日常走行においてそれぞれのシステムにどのようなメリット、デメリットが
あるのかを比較することである。アウディA 4、BMW 330i、マツダ 3、VWTouranに
装備されているシステムを使い、通常のマニュアルギア及びオートマチック・
トランスミッションの比較テストを行った。
マニュアルギア------- マニュアルギアの決定的なメリットは、追加価格が
かからないことだ。慣れた人なら走れば走るほど節約が出来る。(そのための努力をすれば)
これほど燃費の良い走り方の出来るシフトは他にないからだ。また、スポーティーな
走行性能も発揮出来る。-------但し、シフト切り換え時に休みが入るため、どうしても
能力が限定される。主なデメリットは(マニュアルに既に慣れた人にとっても)
操作快適性が劣ることで、(シフトチェンジをさぼれる)長距離ドライバーもいつかは
混雑した市街や渋滞の中を走ることになり、クラッチの切り換え、頻繁なシフトチェンジで
神経をすり減らす。またシフトチェンジを間違えてエンストでも起こせば、後ろの
ドライバーから怒鳴られる….
オートマチック-------従来の多段オートマチックで快適なのは誰でも確実に操作出来、
走行快適性も高度なことだ。すなわち、シフトを《D》(Drive)にセットしてアクセルを
踏むだけで良い。シフトはマニュアルでも選択できるが、冬期走行プログラム、
スポーツ走行プログラム、キックダウン機能(スパート用)があるので、大抵はマニュアルで
選択する必要はない。以前のオートマチックでは段は2つないし3つだったが、メルセデスでは
-------燃費をよくするためにも-------7段に設定している。
原則として、段が多いほど敏捷である。例えば、マツダ 3の4速オートマチック
(追加価格: 1200ユーロ)はBMW 3シリーズの5速ギア(追加価格: 2000)ほど段の接続が
オプティマムではない。だが両方とも、オートマチック・バージョンは重量が重く、
トルクコンバーターのロスが生じるため、マニュアル仕様車の加速値、最高速は
達成出来ない。だが、その差は日常走行時には-------特に出力の大きなエンジンを
搭載した車の場合-------無視できる程度のものだ。
信号待ち走行で非常に便利なのが、コンセプト的にクリーピング傾向が出るように
設定されていることで、このため昇り坂発進及び縦列駐車が非常に容易に出来る。
但し、こうした事情から、発進時には必ずブレーキペダルを踏むくせをつけておく
必要がある。多段オートマチックは頻繁に車を満載にして走る人、重いトレーラーを
つけて走る人にはかけがいのないシステムである。急な上り坂でも、オートマチックは
発進トルクが大きいため問題なくスタートするが、マニュアルギアの乾式クラッチからは
不快な臭いが出て来る。
また、オートマチック・トランスミッションの方が頻繁に故障するというおとぎ話は
ADAC故障統計をこのために特別に評価分析してみたが確認できなかった。
従来のオートマチックの最大のデメリットが-------これは先入観と一致する-------
コンバーターのロスに伴ない燃費が悪化することである。2組のテスト車両の場合、
その差は約 0.5L/100kmであった。
自動シフトギア-------(オートマチック多段ギアより)ずっと燃費が良いのがこの方式で、
これは原則的にはマニュアルギアだが、コンピューターがクラッチ及びシフトの切り換えを
ドライバーに代わって行うシステムである。本誌がテストした(非常にスポーティーな
コンセプトの) BMW3シリーズ SMG-ギアはそれほど燃費が良いシステムではないが、
シンプルに設計されたスマートやVWルポ 3Lに装備されたシステムは燃費が良かった。
シフトはマニュアルでも切り換え出来るが、段の飛び越しは出来ない。非常に慣れを
必要とするのが切り換え時に休みが入ることで、低燃費志向の車の場合、非常に休みが
長く感じられた。
207 :
名無しさん@そうだドライブへ行こう:皇紀2665/04/01(金) 16:49:02 ID:smOnBbX30
ダイレクトシフトギア(DSG) ------- 最新の開発製品で、《ダブルクラッチギア》
(Doppelkupplungsgetriebe)とも呼ばれ、目下VWグループの車両にのみ装備されている
(VW Touranの場合。追加価格:1350ユーロ)。
これも自動化されたマニュアルシフトだが、違いは2個の部分ギアを使い、走行時に常に
次の段にシフトが入っていることで、その選択はマニュアル又は自動的に行う。
ギアは切り換えのショックもなく、負荷状況下で切り換えができ、またトラクションの
中断もないため、加速数値も良い。多段オートマチック同様、停車時にクリーピング
傾向が出る。DSG には日常運行面での原則的なデメリットはないが、大切なことは、
それぞれの車でどのようにオートマチックモードがプログラムされているかである。
目下の所、「スポーティー」(例:アウディ A 3 3.2) 、「洗練性が良い」
(VW Touran 1.9 TDI)から「退屈」(セアット トレド 2.0 TDI)までの幅がある。
CVT-ギア-------無段CVTギアは目下ドイツではアウディ、日産、メルセデス(A-クラス)が
オファーしている。このオートマチックトランスミッションのメリット(A 4の場合
追加価格:2100ユーロ)は、トランスミッションポイントを手動でもコントロール出来る
ことである。切り換え工程を感じさせずに無段でトランスミッションを変化でき、
トラクションを中断することなく加速出来る。エンジン回転数と走行速度が分離されて
いるため、エンジンはほとんどいつでも同じ回転数レベルにとどまっている。これは
慣れを必要とする感じを与えるが、タコメーターを見た場合のみ実際の加速状況が分かる。
燃費はマニュアルギアと同等である。
【結論】次に車を買う時に多少の贅沢をしてもかまわないであろう。シフトチェンジの
嫌いな人に日常適性のあるオートマチック・トランスミッションが選択肢として
オファーされ、(ダイレクトシフトギアのように)走る楽しみを提供するシステムもあり、
少なくとも燃費が悪化することはない(自動シフトギア、CVTギア)。だからといって
長年使われているマニュアルギアが御用納めになったわけでは全くない。
特に費用面ではその通りである。