地図を見るのが楽しくてしょうがない奴の数→

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171名無しさん@そうだドライブへ行こう
第155回 10月12日放送予定
「列島踏破30万人 執念の住宅地図」


 世界中の国々で、日本にしかない一つの地図がある。一軒一軒、住人の名が記される「住宅地図」である。
北海道から沖縄まで、全国4700万世帯のほぼ全てを網羅。データは警察や消防に配備され、
災害に事件に大きな力となっている。この世界でも例の無い地図を作り上げたのは、戦後仕事が無く、食べることもままならなかった男たちだった。

 敗戦直後、満州から引揚げ、大分・別府にたどり着いた大迫正富。「人生の再出発だ」と、漬け物売りに雑貨商、
パンの木箱作りと、金になると思えば何でもやった。その時、大迫の目に、一つの光景が飛び込んできた。
8つの湯巡りを楽しむ観光客の姿。間もなく、発刊した観光雑誌の中の「温泉案内地図」は大評判となった。
直後、大迫は、大分別府全域の住民の名を記した住宅地図作りに乗り出した。
 調査は、白紙に道路を目検討で書き入れ、一軒一軒くまなく歩き表札を見る。
地域の住人に警察に通報される事もしばしばだったが、出来た地図は配達やご用聞きに飛ぶように売れた。
間もなく、会社を北九州・小倉に移した大迫。日本全国の住宅地図を作ることを目標に掲げた。
 しかし、そこで大きな問題に直面した。「住宅地図は絵地図だ。工事などには使えない…」。
その時、長男の大迫忍が勝負に出た。従来の見取り図を止め、航空写真で作られた白地図を使おう。
だが、それは困難の連続だった。名古屋では、駅前の巨大地下街が立ちはだかった。
さらに、北海道の郡部は、行けども行けども家にたどり着かず。例え着いても、そこは廃屋だらけだった。
そして、最後の牙城・超巨大都市東京。地方都市とは違い雑居ビルがひしめく町並み。
加えて、ビルの中には、間口2メートルの小さな店舗が所狭しと軒を連ねていた。
「何年掛けても、とても正確な住宅地図など作れない」。プロジェクトは追い込まれた。

 今では、官公庁などにも配備され欠かせない「住宅地図」。
番組は、日本独自に発達したこの地図の草創期に格闘した人々の壮絶な物語を伝える。

http://www.nhk.or.jp/projectx/yokoku/yokoku.html