渋滞防ぐには「10台に1台が車間距離を」
産業技術総合研究所の加藤晋主任研究員らは、走行中の車の10―20台に1台が
十分な車間距離を取って走れば、渋滞防止につながることをコンピューターを
使ったシミュレーション(模擬実験)で見いだした。
高度道路交通システム(ITS)と組み合わせ、渋滞を防ぐシステムの開発に
つなげる考えだ。
走行中の車の1台が何らかの理由で減速すると、後続の車は追突を避ける
ために急減速する。
減速の度合いは後の車ほど大きくなり、やがて車の流れが止まる。
「ショックウエーブ」と呼ばれ、渋滞発生のメカニズムとして知られる。
研究グループは車の10―20台に1台が5秒分の車間距離
(時速60キロメートルの場合83メートル)を取っていれば、減速の増大が
起きないことが判明した。
前の車がブレーキを踏んでも余裕をもって減速できるため、車列全体が
滑らかに流れ続ける。