☆国沢さん、それもないだろう【休憩所】84.5☆

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 中古車で面白そうなR10プレセアを見つけたので、手持ちの資料がないかと探すと、
90年8月発行「CARトップ ニューカー速報NO.30 プレセア」が見つかった。
 縮刷版カタログと掲載された写真だけで用は済んだのだが、先頭からある試乗記
のページをぱらぱらとめくっていると、違和感のある文字列が目に付いた。
     ボクはこの業界では頭が軽いほうなので、試乗するだびにコーナーでズリ
    ズリやってしまう
     高回転でガックリパワーの落ちるエンジンの場合は、迷う余地なく3速に
    シフトアップ
     いとも簡単に180km/hのリミッターがコッキーンと働く
等々、妙な表現の数々。はて…と思い、記事の先頭を見ると、
     ユーザーの立場から見てくれるそのレポートには定評がある。大学在学
    中からモータージャーナリストとして活躍している。
とコメントされた、予想通りの人物が。
 この試乗記自体、最初から、
    「読者諸兄もご承知のとおり、ブルーバード・クラスのFF車は、現在完全に
     トヨタ車の天下となっている」
と、すっとぼけた文から始まっている。他社と比較するのに「ブルーバード・クラス」
という表現は適切だったのだろうか。
 始末に負えないのは、カタログで十分確認できるようなサスペンション形式さえも
間違うなど、勝手に妄想を炸裂させてプレセアというクルマを、明後日の方向に紹介
しているところである。
 「読者諸兄もご承知のとおり」、この速報は幼稚で間違いの多い記事が祟ったか、
現在発刊されていない。しかし、彼の御仁が何も変わっていないことが判ったという
ことだけでも、この速報の資料的価値は高いと思う。

 ちなみに、試乗記執筆陣は3人いて、一人は木下隆之氏、残る一人は…これまた、
今をときめく岩貞女史である。参考までに、その紹介文を引用すると、
     女性誌から自動車専門誌、そしてラジオと、幅広くこなしてしまう女性
    モータージャーナリスト。兼レーサーでもある。
のだそうだ。何とかに付ける薬はないとか、何とかとはさみは使いようとか、よく
言ったものだとしみじみ思った。