512 名前:がんと闘う名無しさん[sage] 投稿日:2013/09/26(木) 16:49:27.63 ID:Y86EjpYm [1/3]
よくみるスレで何かと話題に出てくるので、興味を持ったので、近藤誠さんの本を3冊、予備知識なしで買ってみました。
買ったのは
「医者に殺されない47の心得」
「抗がん剤は効かない」
「それでもがん検診うけますか」
です。
感想を書きますね。
結論から言うと、
う〜ん、一般大衆本とはいえ、ここまで平然と適当なことを書いていいのだろうか・・・?
と、大胆さに感心しました。
例えば、「医者に殺されない47の心得」の最初の項、
「血圧を下げると死亡のリスクを上げる事が証明されている」と主張するくだりがあります。
まず、ここでワンパンでノックアウトされました。
血圧を下げることで生命予後は改善するエビデンスは確立しています。これは大抵の人なら知っていることだと思いますが、
聞いていたとうり、しょっぱなからセンセーショナルな内容です。
例え、近藤さんの主張が、「下げすぎたらいけない」という話であっても、血圧を下げたらリスクが上がるというレトリックは成立しません。
「血圧の薬の売り上げで製薬会社が儲けるためだ」というのを根拠にしていますが、結局は合併症が減るのだから、生涯を通じて本人の身体的負担も医療費も抑えられますし、国の医療費も抑えられます。
何より血圧を下げないことで、結局は患者さん本人が一番、苦しみます。
エビデンスはどの論文を検索しても、それこそ高血圧ガイドラインの根拠論文を検索してもすぐに出てきます。
一方で、近藤さんは、「科学的に証明された」といってトンデモ理論を並べますが、「さまざまな国の論文で否定されているのだ〜」など、ぼやっとした抽象的なことを話すだけで、ひとつも原文を引用しません。
そりゃそうでしょう。調べた限り、その根拠となるデータや論文はどこにもありませんでしたから。
なんでこういう無理のある主張、ちょっと調べればおかしいことがすぐばれることを吐くのかと、
自分なりに分析してみたんですが、近藤さんは、
まず「薬は必要ないのだ」という、命題から先に入るんだと思います。
そして、その命題に必要な情報だけをかき集める。命題に不利に働く情報は、一切排除する。
結果として、公平性のかけらもない、バイアスだらけのトンデモ理論ができあがる・・・・
・・・こんな具合なのでしょう。
他にもいろいろ、(というか、かかれている内容ほぼ全てなんですが・・)
「がんもどき理論」「癌は放置論」「検査無意味論」・・・・・・
全てこんな調子でした。
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513 名前:がんと闘う名無しさん[sage] 投稿日:2013/09/26(木) 16:50:44.24 ID:Y86EjpYm [2/3]
「ディベート」という競技があります。これは弁論技術を競い合うために考案された、競技の一種です。
「ディベート」は、ある命題について、異なる意見を持つ2人が、「自分の主張がいかに正しいか」を、より多くの観客に納得させたほうが勝ち、という一種の口八丁ゲームです。
「ディベート」では、自分の主張を納得させるために、主張に不利な情報は一切出しません。自分の主張に有利なこと、相手の主張のアラを探し指摘することのみを行います。
なぜなら、そういう「ゲーム」だからです。
話を戻すと、
近藤さんは「いかに自分の主張がセンセーショナルで、それを読者に納得させられるか」という命題で、口を一切開かない読者相手に、「一方的なディベート」を行っているように見えます。
確かに「無用な癌との闘いは良くない」、「薬を無用に処方するのはよくない」など、
わかる部分はあるのですが、
それらの検証の仕方に、公平性がほぼ皆無なことに驚愕しました。
本がベストセラーとなれば、数千万の印税が近藤さんの懐に入ります。
一般本は論文と違い、嘘でもなんで言いたい放題です。びっくりするようなことを書いて、読者の興味を引けば勝ちです。
都合の良いバイアスだらけの事例だけを並べ、ありもしない科学的根拠を「ある」といいのけて、ウケのいいことを言う。そうすれば、本が売れる。
そうやって儲けたいだけかもしれません。
そうかんぐりたくなるほど、情報操作、印象操作が酷いです。
少なくとも書かれていることが全て患者さんのためを思って書いているようには、到底思えませんでした。
でも、それに釣られてしまった患者さんはたまったもんじゃありませんね。
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514 名前:がんと闘う名無しさん[sage] 投稿日:2013/09/26(木) 16:53:54.86 ID:Y86EjpYm [3/3]
誰かが、センセーショナルで驚くようなことを言った。
それについて、その主張が本当に本当なのかどうかを、自分で実際に確かめもせず、書かれていることをそのまま鵜呑みにするのは愚かです。
ここのレスを読んでいると、「○○センターの○○部長が、○○だと言っていた!」
それについて「やっぱりそうか!」と言っている。
そして、「これが真実だ、真実だ」、と言っている。
共通しているのは、こういう人たちは、本に書かれていること、伝聞や噂話について、検証を一切しません。
そして、それに「癌患者をモルモットにしているのだ」「厚生労働省もグル」「人を殺すことを生きがいとする殺人犯・・・」
などなど、証拠を提示しないその場で作った作り話や妄想で尾ヒレをどんどんくっつけていきます。
そうやって事実の検証は一切せず、どんどん自己暗示をかけていき、どんどん妄信していく・・・
もはやセルフ洗脳ですね。
こういう人たちを見ていると、「考える」という、人間として基本的な行為を放棄しているようにしか思えません。
なぜなら、
こういう人たちのレスを見ていると、根拠が全て「偉い人がそう言ったらしい」「本に書いてあったから」
という「伝聞」ばかりです。
みていると証拠となるソースやデータは一切出てきません。
もしくは、
「ともだちが〜」「親戚が〜」「近所の知り合いが〜」といった、調べようのない作り話、「ご近所妄想」をソースにするか、
同じく現代医学を全否定している、いわゆる「同胞」のプロ市民活動家の本や、陰謀論のプロパガンダサイトに書いてる文章を指差して「これが証拠だ」などと言っています。
近藤信者の人は、「内容がセンセーショナルである」イコール「おどろくべき内容だから、真実に違いない」という、
疑問を介さない、「近藤さんのいう事だから無条件で信じる」「現代医療を否定する正義の人だから無条件で信じる」といったような、
直結した思考回路をまず改めることからはじめてはいかがでしょうか。
「疑わしい事はまず自分で調べる。」
情報が氾濫するこの現代社会では、特に重要な生き方なのではないかと思います。
ウソをウソと見抜けない人は、情報化社会では生きていけません。
以上です。
なーんて、偉そうな事書いてますが、この偉そうな事を言うために、本3冊を大枚払って購入したんですから、少しは許してやって下さいw 長々と失礼しました。
(ほぼ予備知識0で読んだので、途中で「うーん、これは・・・^^;」と思い始めていたんですが、最後まで読みもせずに「トンデモだ」と否定するのは、説得力が無いですからね。)
ちなみに本はヤフオクで一冊700円前後で売れました。古本でも人気なんですね。
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