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がんと闘う名無しさん:
終戦間際に米軍の本土上陸を阻止しようと製造が計画され、配備されないまま終戦を迎えた幻の特攻グライダー「神龍(じんりゅう)」
の制作が、香川県東かがわ市三本松の空き店舗で進んでいる。灰色に塗装された木製の機体は全幅7メートル、全長8・2メートル。
側面には「日の丸」も大きく描かれ、のどかな商店街に突如現れた姿に周囲から注目が集まっている。
グライダーの制作は、近くで不動産業を営む三好昌広さん(88)が知人の木工職人らに依頼。三好さんは6年前にも旧日本海軍の
特攻人間魚雷「回天」の実物大模型を制作、展示しており、今回が第2弾。
模型の制作は「常軌を逸した特攻兵器の存在を後世に伝えたい」という思いから始めた。三好さんは香川師範学校在学中の1944年
に学徒出陣で横須賀などの海軍施設に配備され、戦闘を経験することはなかったが「回天に乗る可能性があった」という。
グライダーは、人間魚雷の模型を披露した際、同窓生から「私は神龍というグライダーに乗せられるところだった」との情報を入手して
制作を決意。試験飛行中に終戦を迎え、実戦配備されなかった幻の兵器だけに資料の収集は難航したが、昨年末に設計図などが記載
された資料を見つけた。
グライダーは木材と帆布を組み合わせただけの簡素な構造で、「往時の日本軍の窮状が手に取るように分かる」と三好さん。
作業は操縦席部分を残すだけとなっており、間もなく完成する見通し。
完成後は、人間魚雷の模型を展示している羽立峠(さぬき市津田町)に並べる予定。三好さんは「願いは戦争のない永久の平和。
無謀な兵器を展示することで、その思いが少しずつでも広まれば」と話している。