☆大学生活板IRCスレッド 〜その3〜☆

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132学生さんは名前がない
昔という程でもない昔、大体2年程昔、ある所、本当に面白みのない大学生活板に、なななしと番長がいました。

なななしと番長は別に夫婦でもありませんが同居しています。 同棲とも違います。 なぜならなななしはゲイで、番長はレズだからです。 利害関係の一致でたまたま同居しているだけです。ちなみになななしは例の「名」とも名無しとも関係の無い無差別爆撃テロ固定です。
なななし「ちょっと、山へ行って来る。」
番長「・・・何で?」
なななし「山の男ってのも・・・」
なななしはそれきり話さなくなりました。
番長「・・・じゃあ、アタシは川に行って来る。」
なななし「・・・何で?」
番長「山と言えば川だからよ。」
なななし「・・・そうか・・・」

そんなワケで、二人は出かけました。
133学生さんは名前がない:01/09/12 21:43 ID:???
番長は近所の薄汚れた一級河川でただぼんやりとしていました。 老後の事とかも考えてみましたが大して良いアイデアも思いつかなかったので、少し舌打ちしました。
そうこうしていると、川の上流から大きな桃が流れてきました。 番長はそれをぼんやりと見つめていました。 桃はそのまま番長の前を通り過ぎ、下流へと流れていきました。 潔癖性の番長は、拾おうなどとは思いませんでした。

番長が帰宅すると、なななしはすでに帰ってきており、安いビールあおりながら、しきりに「失敗した」と呟いていました。 番長は川で見た大きな桃の話をしましたが、なななしに「オチがない」と一蹴されました。 番長は少し舌打ちしました。

次の日、朝早く(5:00)から来客がありました。 客は「俺は侍だ。 鬼退治に行くから。」と言いました。 なななしは侍が趣味に合わなかったので適当にあしらいました。
侍はなおも玄関で「鬼退治に行く。 キビダンゴをくれ。」と叫んでいました。
低血圧の番長は気怠そうに起き、フラフラとした足取りで侍に近づくと、侍に千円札を握らせ、追い返しました。
134学生さんは名前がない:01/09/12 21:47 ID:???
侍と名乗る男は仕方なくコンビニでダンゴと煙草を買いました。 余った金はレジ横の募金箱に入れ、少し良い事をした気分になりました。
侍が駅前で煙草を吹かしていると、インターネットで知り合ったハンドルネーム「どびゅっしー」「ブルー少年」「@テニサー」がやって来ました。
侍が「これから鬼退治に行く」と伝えると、みんなは曖昧に頷きました。 どびゅはしきりに「電波ッスか? 電波ッスか?」と騒いだので侍はちょっとヤな気分になりました。

とりあえず買ったダンゴを三人に分け与えました。 甘いモノが大嫌いな侍は食べませんでした。
どびゅはしきりに「美味ス、美味ス」と言い、ブルー少年は思い出したくない位くだらないダンゴダジャレを放ち、@テニサーは前髪を整えながらダンゴにまつわる知識を聞きもしないのに語りだしました。
侍は大声で自作の歌(モモタロック純情派)を唄っていました。 余った団子はゴミ箱に捨てました。

どびゅ「ドコ行くんスか? ドコ行くんスか?」
どびゅはオドオドしながら薄ら笑いを浮かべていました。
ブルー少年「鬼退治なんだろ。 桃太郎さんらしいよ。」
ブルー少年は汚れたハンカチで汗を拭きながら、知った風な口を聞きました。
@テニサー「僕ね、全国模試でトップを取った事もあるんですよ・・・」
@テニサーは聞いてもいない事を脈絡無くブツブツと語っていました。 ちなみに@テニサーは23歳です。

四人が歩いていると目の前に黒塗りのベンツが停まりました。 ドアが開くと中からはパンチパーマでサングラスの、いかにもな人が現れました。
どびゅ「ア、ア、アレは鬼じゃないんスか?」
どびゅは小声で桃太郎に聞きました。
侍「うん。ソレっぽいぞ!」
侍は周囲をはばからずに大声で叫びました。
ブルー少年「まさしく現代の鬼ですね。」
ブルー少年はそう言ってから鬼シャレを考え始めました。
@テニサー「鬼ってのはね、牛のツノに寅の腰巻きといった、まさしく丑寅、鬼門の具現化であって・・・」
@テニサーはベンツなヒトから目をそらしながら語っていました。
四人はそんな話をしながら、足早に黒塗りベンツから通り過ぎていきました。 結局みんな気が小さいのです。
135学生さんは名前がない:01/09/12 21:48 ID:???
鬼退治を済ませた侍達は、さっそくなななしと番長の家へ報告に行きました。 なななしと番長はちょうど飲みに出かける所だったので、侍達は誘われていないのについて行きました。

こじゃれているが安っぽいバーで六人は適当に飲んでいました。 なななしはとりあえず侍を殴ってから「テメェ朝の千円返せよ」と言っていました。
侍はボコボコになりながらなななしに、しきりに噛み合わない話をしていました。 だからまた、なななしに殴られます。
どびゅ、ブルー少年、@テニサーの三人は番長に言い寄っていましたが、番長はレズだし無気力だし潔癖性なので、三人の方は見向きもせずに、遠い所を見つめていました。

侍「俺達が退治すべき鬼は、もっと別のモノなんじゃないのか? ソレを倒した時、俺達に本当の幸福が訪れるんじゃないのか!?」
侍はいきなりそう叫びました。 結局退治していないのに。 それでもみんなの頭には侍の言葉がずっと残っていました。 何が言いたいのかよく分かりませんでしたが。
店から出ると侍、どびゅ、ブルー少年、@テニサーは帰っていきました。 なななしと番長は、もう二度と会う事の無い四人の貧弱な背中を見ながら、彼らが退治されない事を都会の少ない星空に祈ってみました・・・

次の日、朝早くから侍はまたやって来ました。