県内で今年1〜9月に盗まれた車334台のうち、スズキの軽乗用車「ワゴンR」が53台と全体の15・8%を占め、
ほかの車種より突出して多いことが県警のまとめでわかった。ワゴンRは低燃費性や、小回りが利くことから
人気が高く、標的にされたとみられる。盗難後、エンジンやシート、ハンドルなどが根こそぎ取り去られて
見つかるケースが多く、県警は人気につけ込んだ部品の転売目的とみている。
静岡、愛知両県警は今年5月、ブラジル国籍の男ら7人を、両県でワゴンRなど数十台を盗んだ容疑で逮捕した。
昨年夏頃から犯行を繰り返し、余罪は自動車盗292件、自動車部品盗35件など計329件、被害額は2億8000万円
に上った。メンバーには自動車修理販売業の男もおり、盗んだ車を解体し、国内で部品ごとに転売していた。
転売先で、修理などに利用された可能性が高い。
男らが逮捕された5月以降もワゴンRの窃盗被害は続き、11月5、10日には浜松市内の空き地で、
盗まれたワゴンRがボンネットやバンパーなどを取り外された状態で見つかった。
捜査関係者は「ほかのグループが犯行を繰り返している」とみている。
ワゴンRに次いで今年1〜9月に盗難が多かった車種は、スズキの軽トラック「キャリー」(17台)、
ホンダの軽ワゴン「アクティ」(11台)で、軽乗用車の被害が目立った。
一方、県内で今年1〜10月に起きた自動車盗は372件で、昨年同期とほぼ同じだが、
そのうち浜松市以西が127件を占め、昨年同期の88件から急増。愛知県東部でも被害が相次いでいるという。
盗まれた場所は駐車場が52・1%と最も多く、キーが付いていない場合が62・9%。
キーがなくても窓ガラスを破って車内に侵入し、特殊な手口でエンジンをかけているとみられる。
県警生活安全企画課では、「ハンドルを固定する『ステアリングロック』や、
少しの揺れで異常を感知する『盗難警報機』を付けるなど、自己防衛に努めてほしい」としている。
ソース:読売新聞 (2009年11月30日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20091129-OYT8T00842.htm 浜松市の空き地で全焼した状態で発見されたワゴンR。エンジンやシートなどが取り外されていた(今年6月、県警提供)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20091129-214240-1-L.jpg