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学生さんは名前がない:
僕は道を歩いていて、公衆便所を見ると、ときどきクスッと笑うことがある。
「ああ、自分は便所飯の殿堂として名高い文京学院大生なんだ」と思うと、嬉しさがこみ上げてくる。
高校時代からの激烈な便所飯に耐えて文京学院に入学してから2年。
合格発表の日のあの絶望がいまだに続いている。
「便所飯の殿堂文京学院大学」・・・・・
その言葉を聞くと、僕は自然と便所で昼食を食べたくなります。
文京学院大の先輩方に恥じない便所飯であっただろうか・・・・。
しかし、先輩方は僕に語りかけます。
「いいかい?便所飯の殿堂というのは我々自身が作り上げていく物なのだよ」と。
僕は感動に打ち震えます。
「人が学食でなぜ昼食を食べるのかを問うてはならない。君がいかに便所飯をなしうるかを問いたまえ」
僕は便所飯の殿堂に恥じないよう使命感に胸が熱くなり、武者震いを禁じえませんでした。
でもそれは将来日本の各界をになう最高の便所飯軍団である僕たちを鍛えるための天の配剤なのでしょう。
便所飯の殿堂を作りあげてきた先輩はじめ先達の深い知恵なのでしょう。
文京学院大を卒業し社会に出ることにより、僕たち文京学院大生は便所飯の伝統を日々紡いでゆくのです。
嗚呼なんてすばらしき便所飯の殿堂文京学院大学。
便所飯の知名度は世界的。便器、個室すべてにおいて並びなき便所飯の王者。
便所飯という素晴らしい実績。余計な説明は一切いらない。
「ご職業は?」と聞かれれば「文京学院大生です」の一言で軽蔑の眼差し。
合コンのたびに味わう圧倒的な便所飯ブランドの惨めさ。
繰返される若い女性たちの側からの変態という蔑視の眼差し。
近所のマダム達からの便所飯への罵倒と軽蔑。
そして街を歩くたびに味わう圧倒的な便所飯パワーの威力。
便所飯の殿堂文京学院大に受かって本当によかった。