【エコル】九州大学part154【挙手】

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1 アナウンサー(SS26)
2 高専(SS26):2008/09/01(Mon) 02:49:32 ID:rkNWyOyv0
エコル厨氏ね
3 アナウンサー(SS26):2008/09/01(Mon) 03:22:29 ID:13gA2tn+0
良スレだろ
4 俳優(SS34):2008/09/01(Mon) 04:59:16 ID:BQFA+ycoO
5 張出横綱(SS37):2008/09/01(Mon) 06:27:49 ID:MSegVoq20
のもてぃage
6 遣唐使(SS30):2008/09/01(Mon) 09:59:30 ID:ydVXX+ea0
837 名前: 学生さんは名前がない 投稿日: 2005/07/31(日) 07:50:41 ID:xGyEt8Ub0
第一話「風が吹けば桶屋が儲かるターレス先生のオプション取引経済学 

〜家庭教師な兄と妹編〜」
家に帰ると、妹が文字のびっしりと印刷されたプリントを眺めてため息を吐いていた。
兄「どうした」
妹「国語の宿題。『風が吹けば( )』の空欄を埋めなさい、って」
なんだ、そんなこともわからないのか。と喉まで出かかったが何とか堪えた。まだ小学六年生の我が妹にそこまで要求するのは酷だし、怒らせたら何が飛んでくるかわからない。
兄「『桶屋が儲かる』だな」
僕が何と言ったのかよく理解していない様子で、妹は数秒考え込んだ。そしてとりあえず僕が言ったとおりに、ひらがなで空欄に妹らしい丁寧な字で書いていた。漢字も書けないのか……、と二重に疲れたが、これも言わないお約束だった。
兄「聞いたことないか?」
妹「うん……」
少しは羞恥心が存在していたことを示すように小さくなりながら弱弱しく肯く。そんな姿を見て僕はちょっぴり安心した。知らないことを知っていると言われるよりは、知らないと言ってくれた方が十倍も百倍もマシである。
 兄「まず、桶っていうのはお風呂場なんかに置いてある桶ね」
 妹「お兄ちゃんはいつもお風呂桶で私の頭をかぽーんする……」
わわ、地雷を踏んでしまったか……、いや、大丈夫だ。平然と続けよう。
兄「それで、この話は落語が起源で<<因果律>>に則って進むんだ」
妹「むー、無視だ……」
兄「因果の法則、因果律だ」
妹「……いんがりつ……?」
耳慣れないものを聞きすぎて頭が混乱しています、といった顔で言った。
む、ダメか。難しく言い過ぎたようだ。
7 遣唐使(SS30):2008/09/01(Mon) 10:00:25 ID:ydVXX+ea0
838 名前: 学生さんは名前がない [sage] 投稿日: 2005/07/31(日) 07:53:35 ID:xGyEt8Ub0
兄「簡単に言うと”原因”があって次に”結果”があるってこと」
妹「だから因果かぁ」
兄「そうだ。まず春風が吹く」
 妹「うん」
 兄「すると砂埃が目に入ってしまう」
僕が言うと、妹は 先 生 に あ  て て も ら い た が る 小 学 生 み た い に ハ イ ハ イ と 手 を 高く上げた。
 
って、実際に小学生だったけれど。
 妹「わかっちゃった、わかっちゃったよ」
 兄「ん、なんだ、まだ途中だけど答えるか?」
 妹「もちろんだよ」
 兄「ファイナルアンサー?」
 妹「……う、うぅ、ふぁいなるあんさー」
 兄「言ってみ」
 妹「えっと、目に砂が入って痛いから、目を洗うのに桶がいるよ! 絶対そう!」

一人はしゃいで、 少 し ば か り 膨 ら ん で き た 胸 の 前で高らかに手を打って納得していた。ああ、僕と同じ過ちを犯すのか妹よ。
いや、妹だからこそとの過ちだというのか神よ。と、血を受け継いだ両親に申し訳ないが、僕ら二人の悲劇を嘆いていても仕方がない。嬉しそうにしている妹には可哀想だがもう少し僕のお説教を聴いてもらうことにした。

 兄「残念、現代版ではそこで終われるけれど、本編はもうちょっと複雑なんだ」
 妹「えー、終わりじゃないの?」

先ほどからは一転、重く長く歎息する妹。 あ あ 、 お 前 の 悲 し む 顔 な ど 見 た く な い !
が、これは正しい道を歩むという価値ある行為の対価とも言うべき茨の道なのだ。我慢してくれ。
 兄「そうだ、簡潔に言うと目に砂が入って、目をこすると手のバイキンが目に入る。
   すると目が悪くなって今まで通り働けなくなる。そこで目が見えなくても出来る
   ミュージシャンになるため楽器が必要になる。当時は三味線がメジャーだったんだ。
   だから多くの人が三味線を買う。けれど、三味線の原料に猫がたくさん必要で、
   結果として猫が少なくなりすぎてネズミが暴れる。そのネズミを捕まえるのに桶がいる、ということだ」
 妹「よくわかんない……」
8 遣唐使(SS30):2008/09/01(Mon) 10:02:31 ID:ydVXX+ea0
か 細 い 声 で 言 っ て 、 ワ ン ピ ー ス の 裾 を 摘 ん で 頭 を 垂 れ て しまった。
 ちょっと現代風にアレンジして、難しいところも結構カットしてみたら、
おおよそわかってもらえるだろうと思ったが……うーんこの様子じゃたぶんダメか。
 兄「そうだな、なら他の似たようなお話をしよう」
今日大学の数理と情報の授業で聞いてきたターレスのオリーブ搾り機を使った、
オプション取引の話をしてやろうと思った。こういうことは誰でもいいから人に教えてやると理解が深まる。実はあんまり関係ないような気もしたけれど……。
 兄「むかしのギリシャっていう国の商人にターレスっていうおじさんがいたんだ」
 妹「『万物の根源は水である』でしょ?」
まるで電気が点いた灯りのように急に元気になった。得意そうに唇をつりあげ、ふふんと鼻を鳴らすような音が聞こえてきそうな顔をして僕を見ていた。
むっ、やるじゃないか。そういえばこいつは僕のお下がりの「数研出版 高等学校倫理」の教科書を妙に大切に読んでいたからなぁ。僕譲りでこっち方面は得意と見える。
何となく小馬鹿にされたような悔しさを悟られてはさらに悔しくて精神の安定が保てないので、なるべく表情を変えないように気を配って続けた。
 兄「――そう。で、そのターレスは天文学の知識からある年のオリーブが豊作になることを知った」
 妹「うんうん」
一歩僕のほうに身を乗り出して目を輝かせている妹。さすがにこの小話までは倫理の教科書に載っていなかったようだな。僕だって流石に高校時代の教科書の中身まで完璧には把握していない。
孫引きした話が実は教科書に載っていた、なんて言われてしまってはこっちも赤面してしまう。安堵の息を、妹に気づかれないようにそっと吐き出した。
 兄「誰も気づいていない情報を手に入れた。それだけでも大きいけれど次はどうする?」
 うーん、と一言口にして、
妹「オリーブ畑を買い取るとか? そうすればオリーブがたくさんで、大金持ち?」
ふむ、悪くない。悪くないのだが、少々短絡的なところが玉に瑕。
まさに 手 中 の 珠 と も 言 え る プ リテ ィ な 妹 だが、もう少し、あと一歩考える事をオススメしたい!熱烈に!
9 遣唐使(SS30):2008/09/01(Mon) 10:05:19 ID:ydVXX+ea0
兄「ブー、残念、不正解、大ハズレ」
 妹「えー、なんでよぅ……何気なくひどいし……」

くぅぅぅ、 抗 議 す る 顔 も な ん て 愛 ら し  い ん だ 。 抱 き し め た い っ !!
 

 兄「もし大量にオリーブが取れたらオリーブの値段は下がっちゃうだろ?」
 妹「あっ」
なるほど、といった顔で小さく何度か頷いている。ココまでは飲みこめたみたいだな。
 兄「それにもし不作なら超大損だ」
これでもかとトドメをさす僕。多少サディスティックなオーラを感じなくもないが、今は都合良く無視しよう。
 妹「ううん……」
案の定、頭を抱えて呻く。小さな体躯にフラストレーションが溜まってきたようだった。
ちょっと生意気になってきたとはいえ、11才の女の子相手にちょっと厳しくし過ぎたかなぁ、という気もしてきた。いっちょ助け舟を出してやるか。
 兄「さっきのは、経済学の用語で<<青田買い>>って言うんだ。発想は悪くないけれど、失敗した時に損する危険性<<リスク>>がかなり大きくなっちゃうんだ」
 妹「……うーん、じゃあどうしたらいいのかな?」
彼女は小首を傾げて終わらない思考ループに嵌り初めてしまったようだった。
が、普段使わないあたまを使って疲れてしまったのか、背中をフローリングの床に投げ出すように寝転がる。天井を見上げて目を瞑っていた。
 兄「少ないリスクで大きな見返りを得るためにどうすればいいか」
 妹「……」
 兄「少ないお金で、なおかつ将来的にオリーブと関わるには」
 妹「――」
妹は瞑目したまま。聞いているのか聞いていないのか判断がつかなかった。
僕はかまわず後を続けた。
10 遣唐使(SS30):2008/09/01(Mon) 10:10:16 ID:ydVXX+ea0
兄「彼はオリーブの搾り機を使う権利を安く買占めたわけだ」
その言葉を合図に、妹は音がしそうなぐらい速く起き上がって、何度か僕の言葉を反芻しながら何とか理解しようとしているようだ。小さな薄紅の唇が細やかに上下に動ていた。


 真 剣 な 表 情 も ま た 愛 ら し い 。と、だんだんと口元に笑みが浮かんできた。
  
 妹「権利、安い、オリーブ搾り!」
 兄「わかったみたいだな」
今や暖かい陽射しに蕾が花開くように妹の顔は満面の笑みを湛えていた。
 妹「オリーブがたくさんだとみんなターレスから搾り機を借りなきゃいけないよね?」
 兄「そうそう」
 妹「安く借りて高く貸す、だからリスクが小さい」
音吐朗朗と、しかし柔らかく鼓膜を刺激する声で妹は言った。
ついに山を登り切った、というような類の心地良い疲労と感動に浸っているようだった。両手を頭の上で組んで大きく そ の 小 さ な 胸 をそらしながら伸びをして、妹がちらりとこちらを見た。

思わず動悸が速くなる。僕は頬の熱さを感じた。多分紅くなっているのだろう。僕は妹に気付かれないように瞬間的に視線をそらした。
 妹「次の問題教えてよっ♪」

僕の変化に気付かなかったのか、妹は 甘  え た 声で次の問題を お ね だ り してきた。
うーん、仕方ないな、とことん付き合ってやるか。


元 気 で 飽 き っ ぽ く て 、そ れ で い て や っ ぱ り 可 愛 い お 姫 様 に 僕 は 弱 い のでした。(終わり
11 高専(SS26):2008/09/01(Mon) 14:58:26 ID:rkNWyOyv0
しかたがない保守
12 コピペ職人(SS34)
しかたなく保守するぐらいなら
なんか書き込めよ

と思いながら保守