「言ってしまいました!どうしましょう!?泉さん、私どうしたらいいでしょうか!?」
「え?え?どうしたらって、落ち着いてよ!でも、あれ?私、ええええええ!!?」
「どうしましょう?どうしましょう!?恥ずかしい……」
しばらくの間、二人は混乱から抜け出す事が出来ずに、桜の下でわめき散らした
『懐かしいね…、みゆきさん…』
「へ〜、そうなんだ…、って事はみゆきさんが待ってたのって…」
「はい、泉さんの事なんです…」
「そっか、この手紙みゆきさんがくれたんだね」
「あの、やっぱり変ですよね?女の子同士だなんて不自然ですよね?」
「うーん…」
「すいません、このお話は無かった事に…」
「待って、みゆきさん…」
「はい?」
その場を走り去ろうとするみゆきの手を、こなたはすかさず掴む
「告白ってさ、もっとなんていうか…こうドキドキするものだよね…?」
「…そ、そうですね…」
「みゆきさんは私になんて告白しようの思ったの?」
「え、そ、それは…その…」
「考えてきた台詞とか、色々あったんでしょ?」
「…はい、お恥ずかしながら…」
みゆきの耳が赤く染まる
きっとみゆきはこう思ったであろう
『穴があったら入りたい』と
しかし、こなたはそれを許さない
「じゃあさ、もう一回…告白してよ…」
「え…?」
意外な言葉にみゆきは驚く
「だって、ラブレター貰った私がせっかく現れたんだからさ、しっかりフラグ立てなきゃ」
「フラグですか…?旗?」
「フラグって言うのはね…えっと、恋愛ゲームで言う…あー、もういいや、ほら!みゆきさん早く!」
「あ、はい…では…失礼して……あのぉ、笑わないでくださいね?」
「う、うん、笑わないよ!」
「こほん、……こなたさん…私は…」
『あの時はびっくりしたけど嬉しかったなぁ…』
後にも先にも告白をされたのはアレが始めての体験で
あんな素敵な言葉はきっと二度と聞けないだろうと今でも思っている
入学して3ヶ月、お互いを良く知らないもの同士の、しかも同性のカップル
隠し通すのにも苦労したし
まさか百合フラグが自分に立っていたことなんて、気が付かなかった
桜の木は蕾をつけて、次の春に向けて力を蓄えている
また次の春も、その次の春も、沢山の恋人たちを祝福してこの場所か送り出していくのだろう
そして、この場所から始まった私たちは幸せだった
この世に生を受けたどんな者たちよりも、幸せを感じていた
夜の桜は風に揺られて不気味に揺れる
まるでこなたに「今、どんな気持ち?」と囁く掛けてくるかのように見える
こなたは冷たい桜の木をぎゅっと抱きしめて、恋人を想いキスをした
「今まで有難うね、最後に…しばらく一緒にいてね?一人じゃ寂しいからさ…」
翌朝、こなたの亡骸は警備員によって発見される事になる
こなたはまるで眠るようにして桜の木のそばで冷たくなっていたそうだ
検視の結果、薬物や外傷は見られず長時間の冷気にさらされての凍死だと断定されたが
数日後にこなたの部屋から見つかった遺書により、自殺である事が解った
遺書にはみゆきとの思い出や今まで暖かく見守ってくれた者たちへの感謝の言葉
そして、かがみによる性的な虐待などの非道極まりない行為が事細かに記されており
後日、かがみは逮捕されることになったのだが、かがみは一切抵抗することは無く
自分を睨み付けるみゆきに向けて笑顔でこう語りかけたと言う
『こなたなら貴女を見捨てなかったのにね』
校門を出るかがみは、罪の意識などまったく感じられない
かがみの言葉はみゆきの心を突き刺した
確かにそうかもしれない、みゆきはこなたのそういう所が好きだったのだから
みゆきはこなたが自分に宛てたメッセージを思い出して、恋人が眠りについた桜の木を見やる
『私は貴女の様になりたかった、貴女の傍において下さい』
その言葉は、みゆきの告白の言葉
二人の始めての思い出
「こなたさん…私は…この先、どうやって生きていけばいいんでしょうか…」
みゆきは後悔の涙を流してその場に座り込み
決して返って来ない問いかけを、桜の木に投げかける
桜の木は何も応えずただただ風に揺れるだけ
そこから始まった一つの恋の物語は、この場所でそっと息を引き取った
『生まれ変わったら、またね』
蹲る少女の耳に、こなたの声が聞こえた気がした
END
ごめん!
次は頑張ってもっと悲惨なの書くから今回はこれで許してくれ
みゆきとかがみに情が入りすぎた事に反省しつつ
応援に感謝!
じゃ、陰湿なのかお漏らし思いついたらまた来るわ
すまん、抜けてた
>>887の次
「こなた、おはよう…今日も学校には行かないのか?先生からも電話が有ったぞ…」
「…うん、具合悪いから今日も休みたい」
「そうか…」
こなたはみゆきと破局していらい学校に行っていない
それどころか食事も喉を通らず、水しか口にしていなかった
いや、正確には水以外の物を体が受け付けないのだ
食べても何も味はしない
飲み込んでも吐き気がしてもどしてしまう
食欲も無い
動きたくない
何もしたくない
こなたは布団に潜り込んだまま動こうともしない
そうじろうは何か言いたそうだったが、それを飲み込んで部屋を出た
きっと何か悩みが有るのだろうが、自分が口を出すことでは無い気がしたのだ
『かなたさえ居れば…』
十数年間そう思った事はあれども、今日ほどそれを痛感した事は無かった
『やっぱり、再婚するべきだったかな…』
まさか、こんなに綺麗な終わりかたするとは
せつないな・・・
何はともあれ、GJ
悪女なかがみんハァハァ
>>934あく禁くらった
こなたも年頃の娘だ、男親に話せない悩みくらいは有るに決まっている
今はそっとしておいてやろう、とそうじろうも黙ってこなたを休ませた
一方、こなたはベットに突っ伏したまま動かない
たまに動けば、みゆきとの思い出が詰まったアルバムを眺め
まだ恋人同士だったころのみゆきにメールを見ては涙で枕を濡らした
携帯のメールも幾度もセンター問い合わせでチェックをするが、
返ってくるのは『新着メール無し』のメッセージとかがみやつかさのメールだけ
優しいつかさは心配して「大丈夫?」や「早く元気になって」とメールを送ってきてくれるが
かがみは…体育倉庫や屋上、教室などの『自分たちの思い出の場所』の写真を添付しては
『私のものになりなさい』とか『そろそろ欲しくなってきたんじゃない?』などと胸を悪くするようなメールばかりをよこす
そのメールを見るたびに、こなたは胃液が逆流するのを感じた
既にこなたの精神はズタズタになってしまっているのにも関わらず、かがみからの侵略は止まる事を知らない
それどころか傷心のこなたにとってはストレス以外の何者でも無かった
何度メールフィルタを掛けても、携帯が駄目なら自宅のPCから、それが駄目ならプリペイド携帯からと
送信元を変えてこなたを苦しめる
どうしてそこまでするのかこなたには理解できないが、抵抗しても無駄なので既に抗うことをやめてしまった
昔の優しいかがみはどこに行ってしまったのだろうか?
そんな彼女からのメールも、あるメールを最後にぴたりと止んでしまった
それは
「今のあんたには何の魅力もないわね…そろそろ、御仕舞いにしてあげる。ばいばい♪」
というものだ。
人の幸せを散々踏みつけた挙句にこなたは最悪の恋人であるかがみにすら見捨てられてしまった
そして、肝心のみゆきからのメールは未だ一通も来ない
何度もみゆきにメールしたが返信は無かった
無論、かがみに汚された事もそれ以降の事もすべて伏せている
「…みゆきさん…」
こなたは愛しい人の名を呼び、その悲しげな瞳を天井へ向けた…
「そろそろ、楽になりたいな…」
で
>>932へ
>>938 最高だあんた。
人間関係の絡め方が一味違う。
>>903 初期のSSの雰囲気だな。こういうのを待っていた
最近はいい絵を描く絵師がいないな
アラバマよ戻ってきてくれ
口開けて待つだけのひよこちゃんはどうぞあちらへ
絵を描いてもついつい他の上手い人と比べちゃうよね
そしてうpせずに破る捨てる燃やすこなちゃん燃える
今日新スレいくかな?
SS投下があればね
進みすぎてるとレス読む気がうせるからお前らあんまりレスするんじゃないぞ
レスなんかしたことないしな
お前らレスすんなってwww
www
今一気読みしたが
やっぱすげーよ中尉さん
>雨に濡れた桜の花弁
とか何だよ常人の文章じゃねーよ
…感動した。
誰かwikiにまとめてくれ
>>953 これからのSSも、
隠喩表現は是非中尉さんのを見習わなければいけませんね
>>920の続き
今日は朝から雨が降り続き、その天気と比例するように
つかさはずっと口数が少なく、こなたも昨日の事を気にしているのか会話も上の空
みゆきが気遣って度々話題を振るものの、この日は三人は静かな時を過した。
「ただいま」
こなたは自分の家の玄関を重苦しく開け、父に向かって声をかける。
しかし家から何の応答も無い。ノックをして父の部屋に入ったこなたは唖然とする。
散らかりきった部屋、なかなか見事な景色である。
「また編集さんに急に呼び出されて大慌てで出て行ったのかな」
証拠にそこら中に部屋着が脱ぎ散らかされていて洋服ダンスが開けっ放しだ。しかし家の鍵ぐらいは
掛けていって欲しい。
足を引っ掛けたのかPCの近くに崩れたCD-Rの群れ。ラベルに書かれた父の原稿の作品のタイトル
バックアップのデータだろう、しかしふと一枚に目が留まる。
…何故か目が離せない。
急に心臓がバクバクと鳴り出した。こなたはそれに引き寄せられるように手に取った。
よく見ればそれはDVD-Rで、ラベルには真新しい字で「K・H」とあった。
嫌な汗が全身から吹き出す。
こなたはそれを手に踵を返しバネ仕掛けの人形のように
二階へ上がる。自分の部屋に入りPCを起動。立ち上がりの時間がもどかしい。
何故こんなに焦っているのか?それはこなた自身にも分からなかった。
ようやくPCが立ち上がりDVDをセット。
嫌な考えが頭から離れない。父親の部屋で見つけたDVD
そこに広がった映像は半分は予想していた、でも半分は信じたくも無い最悪の光景。
映っているのは自分の父親と友達。
友達は手を拘束され泣いていて、父親はその友達に圧し掛かっていた。
――なにこれ?
これがなんの映像かは分かる。でも脳がそれを理解するのを拒否していた。
友達の服が捲り上げられ面積を増す肌色。聞こえるのは泣き声と
父親の荒い息と液体の粘っこい音。
目の前が真っ暗になる。友達が休んでいる理由も、自分と目を合わせてくれなかった理由も
父親がなぜ友達が家に訪ねてきたことを自分に言わなかったのかも
こなたは全て理解した。
――友達…かがみは自分にノートを返してもらう為に私の家に来た。そこで父さんに…―
父親は優しかった。父親は母を愛していた。そう、こなたは思っていた。
でも父親の男の部分は全く知らなかったのだ。父親としての姿しかこなたは見た事がなかったのだから。
かがみもきっと私の姿なんて見たくも無かったはずだ。自分を辱めた男の娘。
でも私がお見舞いに行った時、彼女は無理に今まで通り友達を演じてくれたのだ。
襲ってきたのはかがみへの罪悪感と父親への嫌悪感、憎悪。
外の雨は強さを増して室内まで雨音がやけに響く。
中学の時も一緒に過す友達は居た。でも本当に心の許せる友達を高校で初めて見つけたのだ。
ずっと大事にしようと思っていた。
映像の中の父親は笑っていた。
――ああ、私にはこの人の血が流れているのか
気持ち悪い…。こなたは無意識に自分の首筋に爪を立てた。
かがみの声はしゃがれてもう…言葉にすらなっていない。
それでも聞こえた。助けを呼んでた。私の名前。
雨音に包まれる暗い部屋でこなたは、それをぼんやりと見つめていた。
どれくらい時間が経ったのか
玄関の開く音が聞こえる。父が帰ってきたようだ。PCをそのままに
自分のベットの下へ手を伸ばした。そこには通販買った箱に入ったままの鉈。
――ネタで買ったつもりだったんだけどネ
「お帰りなさい お父さん」
箱から取り出した重く、冷たい金属を手にこなたは階段を一歩一歩下りていった。
昨晩から雨が降り続き、太陽は全く姿を見せない。嫌な朝だ。
それでも時間は毎日同じように進む。ここ柊家も例外では無い。
かがみは重い身体を起した。下半身の違和感は…もう無い。
しかしあの時の光景は脳にこびりついて離れない。身体を触れるおぞましい感触も嫌になるほど思い出せる。
――…全部無かった事にすればいい。
でもそれは叶わない青い髪の友達を見れば嫌でも思い出す。あの子自身に…罪は無い。
でも以前と同じ友達でいられる自信は無かった。お見舞いに来てくれたとき
あの子の顔を見て全身が固まった。あの後、何度も吐いてしまった。
机の上の携帯を手に取る。みゆきや日下部、峰岸から様子を伺うメールが届いていた。
その中に見たことも無いアドレス、件名は「かがみへ」…迷惑メールじゃない。
私は無造作にそのメールを開いた。
「かがみへ」
こなたです。動画データは全て処分しました。
謝ってすむ問題じゃないけど…本当にごめんなさい。
お父さんは連れて行きます。
全部こちらが悪いから…かがみは何も悪くありません。
このメールは読んだらすぐに消去して下さい。
最後まで友達でいてくれてありがとう。
メールはそこで終わっていた。読んだ直後、かがみは内容を理解できなかった。
受信履歴を見るとこれが届いたのは昨日の深夜…。嫌な予感がジワジワと湧き上がる。
かがみは携帯を手に上着を一枚羽織り一階へ駆け下りた。
玄関を出るとそこにはパトカー。警察官、両親とつかさは何か話をしていたようだ。
身体が震え出す。
姉に気づいたつかさはグシャグシャの顔で泣きながらこちらへ駆けてきた。
「お姉ちゃん こなちゃんが…」
泉こなたは鉈で自分の父、泉そうじろうを殺害後
首の頚動脈を切り自殺。火災も発生したが雨の為、全焼は免れた。火元は父親の部屋―
――こなたが死んだ。
皆で一緒の昼食アイツはいつもチョココロネを食べていて、
学校帰りにはアイツの寄り道に付き合って、
休みの日には一杯遊んだ。
そんな友達が死んだのだ。悲しくないはずなはい。
かがみは泣きじゃくる妹を抱きしめ落ち着かせようと背中を擦る。
妹の涙は雨のように止まる事を知らない。
しかし、外はいつの間にか雨は止んでいて
―少しづつ太陽が見え始めていた。
あの男はもうこの世に居なくて、こなたも居ない。
…全部無かった事にでき…る…?
「お姉ちゃん…?どうしたの?」
――最後まで友達でいてくれてありがとう――
自分の携帯に届いた大切な友達からの最後の言葉。
「ん?別に何でもないわ。残念ね…本当に」
私はそれを――
消去した。
投下終了
普段文章書かない奴がノリと勢いだけで書いた
色々反省はしている
>>953 >雨に濡れた桜の花弁
こんな文どこにある?
968 :
学生さんは名前がない:2008/02/05(火) 00:34:29 0
ho
お、解除されたか…今回は早かったな
>>938 これは悲しい!悲しすぎる…
心のすれ違いで、こんな結末になってしまうとは…
みゆきは…一生、あの体育倉庫での態度を後悔しながら
生きていくんだろうなぁ…欝だ…
死因が凍死というのも切なすぎる…
>>961 GJ!まさかかがみの様子がおかしかったのが
その原因だったとは…それにしてもそうじろう鬼畜w
ラストの、かがみのセリフが淡々としていて…背筋にゾクッときたのは俺だけだろうか?
消去、って…まぁ確かに気持ちは分からなくも無いが
ちょっとかがみの冷酷な部分を見た気分
最近良作SSが次々出ていてとても楽しいw
まとめに上がるのを楽しみにしてます
誰かまとめにあげてくれー
次スレの時期か……
今立てたら落ちるかもよ
>>961 なんか今までの中で一番おぞましかった気がする。GJ
>>967 ちょwwww相鉄wwwwwテラ地元wwwwwwww
これは人身事故?
埼玉とか行ったこと無いけど虐めとかは多い方なの??
モデルのあたりからはちょっと遠いけど
似たようなレベルの田舎っぷりな地帯の住まいの埼玉人である俺にいわせると
田舎の閉鎖空間バリバリ人の動向ジロジロうんこ年寄り根性に
半端に都会に近い故の粘り気のある理想論が入り混じった根性
それらは大体年寄りに見られる傾向だけど
それがそう強すぎないもんだから中学生高校生までこの根性が染み付いてる
ホンモノの田舎とかガチのDQN暴力高校とかを除けばたちの悪さはかなりのもの