翌朝、我々は日の出とともに目を覚まし、ロハスへ向かう準備を開始した。
ロハスは、特殊な地形と強力なマイナスイオンの効果により、方位磁石はおろかGPSすら効かない。
さらに危険な動植物が我々の行く手を阻む。まさに文字通り魔境なのだ。
我々はモテカワメイクを施し、勝負下着を装着し、念には念を入れた。
ちょうどそのころ、ワーキングビューティーの集落では、ガールズトークに華を咲かせながら
女たちがフェミニンな朝食の準備を始めていた。
我々も朝食に呼ばれ、村にある隠れ家的オープンカフェにお忍びで集合した。
彼らの主食はパスタと呼ばれ、練った小麦を麺状にしたものを各種ソースでからめて食べるという、
まさに文明社会に生きる我々にとって想像を絶する食べ物であった。
朝食後、長老が我々の無事を願い、祈祷を捧げてくれるというではないか。
長老は奇声を上げながら、ホットヨガでポーズを取りながら、呪文を唱えた。
「鏡に向かって頑張れ自分、可愛い顔が台無しだぞ!キエーー!!」
長老によると、この呪文は女ヂカラをアップさせ、自分らしさを演出させてくれるという。
万全を期した我々一行は、村人に礼を述べ、ロハスへ向かうため村を出た。
険しい山道とジャングルを行くこと数時間、それらしき場所に到達した。
そう、若い女性に人気の高級ブランドショップが立ち並ぶ、この新定番スポットが魔境ロハスである。
我々は恐怖と興奮によって血液がサラサラになるのを感じた…まさにそのときである!
神戸系コンサバ隊員の一人が、怒号のような悲鳴を上げたのだ。
「ぐああああぁっ!!やられた!!」
なんと獰猛な毒蛇に右足を咬まれたというではないか。